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2020-01-04 22:22

ep.53 週末朗読・さくらももこ「おんぶにだっこ」

週末朗読・さくらももこ「おんぶにだっこ」というエッセイを紹介します。また、旅行の時に持っていくといい本の種類なども話しています。
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こんにちは、パリのアパルトマンからお届けします、フリーランスのSAKIです。
このラジオでは、私、SAKIがパリ生活やビジネス、読書で学んだことを、毎朝10分配信してます。
皆さん、お元気でしょうか。
私は、ネットフリックスをふと見始めたら、止まらなくなってしまって、
シリーズものを見たら、ちょっとなかなか止めることが難しいんですけど、
泥沼から抜け出せないNOWでございます。
結構、ドラマとか見始めたら、止めるの難しくないですか。
特に日本のドラマとかだったら、日本語だから全部わかるし、面白いから、
こっちとかでね、
時々、サイトとか経由で日本のドラマを見たら、止まらなくて、
1話から見始めて、だいたい12話で見ちゃうんですよ、最後まで。
だから、1日終わっちゃうんですよね。
なんで、危険なんで、本当に日本のドラマは見ないようにしてるんですよ。
知らない間に1日とか2日とか過ぎてて、止めることがね、困難なんですよ。
ちょっと大変っぽく言いますけど、ただ単にやめれないっていうことなんですけど、
面白いですよね、ドラマとかって。
なかなかね、あれを途中で止めて、他のことはできるっていうのは、非常に難しい。
だから、半年に1回ぐらいしか見ないんですけど、本当になんかちょっと余裕がある日だな、みたいな時に見るようにしてるんですけど、
その時は余裕で、1日が過ぎ去ってしまいますけど、
そんな感じの日々なんですけども、
今日は週末で、ちょっと久しぶりに、好きな本の紹介と朗読をしたいなって思ってます。
私の好きな作家さん、結構たくさんいるんですけど、
その中でも、この方の作品はほぼほぼ持ってるなっていう人を1人紹介したいなと思ってて、
皆さんもすごくご存知だと思います。
さくらももこさんですね。
ちびまるこちゃんを描いてる方ですけど、
この方のエッセイがすごい好きで、ほとんど持ってるんですよね。
90%ぐらいは持ってると思います。
西かなこさんみたいに全部取り揃えてるわけじゃないんですけど、
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帰国して本屋さんに行くたびに、なんか知らない表紙があったらちょこちょこ取ってる感じで、
ビジネス書とかだったらね、結構Kindleにあるんですよ。
だから海外住んでても、その電子書籍として読めるんですけど、
小説とかエッセイって電子書籍になってないものが結構多くて、
しかも有名な作家さんであればあるほどなのかな、
ちょっと傾向はわからないんですけど、
まあ電子にしなくても売れるだろうっていう人たちは、
こうなってないことが多くて、そのKindleに。
だから、さくらももこさんの本は紙で、帰国した時に買って、文庫本で買って、
パリに持ってきてるものが何冊かあるんですけど、
その中で今日はエッセイ、
音部に抱っこっていうタイトルのエッセイを紹介したいと思ってます。
この本はさくらももこさん、ちびまる子ちゃんが、
2、3歳とか4歳とかぐらいかなの頃の思い出を短編エッセイにして、
それがいっぱい収録されてる本なんですよ。
で、なんか結構こう気軽に読めて、
なんかなんとなく楽しい気持ちになるから、
短距離の移動の時とかにいいなと思って、
結構そういう短距離移動の時は持ってます。
ちなみに旅行とか移動する時の、
私の本述というか、
まあ述とまでいかないんですけど、
選ぶ本の基準もちょっと隙間にお伝えしたいなと思うんですけども、
今言ったみたいに、
短時間の移動の時はこういう短編エッセイ集がいいですよね。
なんかちらっと読めて、なんか楽しい気分になるし、
短時間の移動だったらすぐ乗り換えあったりとか、
1回本を閉じないといけないタイミングっていうのが、
1時間ごととかね、2時間ごととかに現れるから、
結構こうどっぷりはまるミステリー系とか長編小説だったら、
移動が悔しすぎて、なんか歩きながら読むみたいなことになってしまうんで、
なってしまうっていうか、私だけかな。
なので、短距離の時はこういう桜桃子さんとか、
あと増田美里さんってご存知ですかね、皆さん。
増田美里さんっていう、コマ漫画とかエッセイとか、
軽い感じのものを書いてる方がいるんですけど、
そういう方の本を持つようにしてます。
逆に長距離の移動、フランスから日本に帰る時とか、
日本からフランスに帰る時とかにチョイスする本は、
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結構、港カナエさんのミステリーの本とかをチョイスするようにしてるんですよ。
なんでかっていうと、もうのめり込みすぎて、時間が一瞬で過ぎるんで、
フライトってだいたい12時間ぐらいあるんですけども、
一瞬なんですよ。あれ、さっきアジアに行ったのにもうフランス着いたみたいな、
あと2日ぐらい、飛行機の中折れるでぐらいの気持ちになれるんで、
なんか長距離が苦痛じゃなくなるんですよ。
なんかそののめり込む系のものを長距離の時は持つようにしてて、
ミステリーとかがいいですね、もしお好きな方がいたら。
ぐっとはまれるんで。
私、ホラーとかが本当に無理なんで、めっちゃ怖いのは無理なんですけど、
港カナエさんとか、東の慶吾さんとか、軽い感じというか、
重すぎない、ドローグローすぎないやつだったら読めるんで、
そういうのをチョイスしたら、結構すぐフランスに着きます。
そういう感じで、旅には絶対本は持って行ってるんですけどね。
あと、余談なんですけど、
一応、12時間ぐらいある長距離の時って、
暇になるかもしれないからと思って、3冊ぐらい絶対持って行くんですよ。
小説、ミステリー系の小説と、あとビジネス書とか、
あと、フランス語とかを勉強するための本とかを持って行くんですけど、
その勉強系のものは絶対読まないですね。
なぜか、フランス語の勉強の本とか。
だから、机に向かって読むといい本と、
いろんな時に読むといい本っていうのはあるんだなっていうのが分かって、
読書も適材適所があるんだなっていうふうに感じました。
じゃあ、そんな私の余談は置いといてですね。
この、音部に脱古という本を紹介していきたいと思います。
これは結構最近出た本ですね。
2019年に文庫本が出てるから、
最初ハードカバーで出たのは、たぶん1年前とか2年前とかだと思うんですけども、
そんな感じの本になります。
これ、いくつかエッセイが入ってるんで、何個か紹介したいと思うんですけど、
結構ね、2、3歳の時のちんわる子ちゃんの思い出が書いてて、
かわいいんですよ。なんかちっちゃい失敗して、
なんか怯えてる心情を書いてたりですとか、
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赤ちゃんながらの意見みたいなのを書いてて、
よく覚えてるなって思いますけどね。
全部覚えてるわけじゃないと思いますけど、
記憶の断片を引っ張り出して、
エッセイに落とし込まれてると思うんですけど、
よくこんなに記憶が残ってるな、すごいなって思います。
この中のひらがなの練習っていう断片が入ってるんで、
それをちょっと読みたいなと思います。
すごい短いんで、全部読んでもいいですね。
これ文庫本でも1、2、3、4ページとかなんで、
ちょっと読みたいなと思います。
タイトルはひらがなの練習です。
3歳の頃、何もすることがなくて暇で暇で、
よく絵を描いたりして遊んでいたが、
ひらがなを練習しようと思い、
母にお手本を書いてもらって練習した。
いとかしとかくなどはすぐに覚えた。
簡単だなと思った。
にとかとなども簡単だったが、
あは難しいと思った。
もっと難しいと思ったのは、
なとねとぬなど小さく丸める部分がある字だった。
特にねという字は縦線を引いて、
次に短く横線を書き、
そのまま斜めに持っていって、
右に大きくカーブした後、
小さく丸める部分があるなんて、
本当に難しいなと感じていた。
わとかくのさえ結構大変だと思っていたので、
念にはほとほと手を焼いたが、
ねことかけたときは嬉しかった。
ひらがなが書けるようになり、
店に来ているお客さんにも書いた字を見せると、
あら、おもちゃんもうひらがなが書けるの?
えらいわね。
と褒められ得意になった。
こんなことぐらいで褒められるなんて、
ひらがなを練習しようと思ってよかった。
カタカナはなぜか自然に読めたし、
ひらがなよりも簡単だったので、
すぐに書けるようになり、
ますますみんなに褒められた。
いい気になった私は、
床の間の襖を見て、
お、いい紙があるねとつぶやき、
そこに思い切り字合いを書くことにした。
こんなに大きな紙に字を書くのも大変だなと思いながら、
一番難しかったねという字をいくつも書き、
ついでにわりと難しかったあとかむも書いておいた。
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襖は何枚もあったので、
たくさんあって大変だなと言いながら、
お父さんやお母さんやお姉ちゃんの絵も書いた。
家族の絵を書いてあげれば喜ぶだろうと思ったのだ。
さて、自分の絵でも書こうかなと思って、
次の襖に移ろうとした時、
母に発見され、
あ、ももこ何してんのと大声で言われたのでびくっとした。
それでもまだ悪いと思っていなかったので、
なんだびっくりするな、今ここに絵を書いているんだよと言ったら、
だめだよ、これは襖だよ、落書きしちゃだめだよと厳しい口調で言われ、
ようやく自分のしたことの間違いに気づいた。
母は全くもうと言いながら、
私の書いた絵を消しゴムで消し始めた。
褒められると思って書いたのに、
だめだと注意され腹を立てている母の姿を見て私は泣いた。
母が必死で消したのだが、うっすら跡が残っていた。
私の書いた家族の姿が儚く襖に浮き上がり、
虚しさが漂った。
私は母に、お父さんにもお姉ちゃんにも言わないでねと泣きながら頼んだのだが、
すぐに父にも姉にもばれてしまった。
父はニヤニヤしながら、
よう桃子、お前襖に書いちゃったんだってな、
お母さんに怒られただろうと言って私をからかったので、
情けなくなってまた泣いた。
それ以来、家の中のものには二度と落書きしなくなった。
書いても決して褒められやしないことを悟ったのだ。
こんな短編小説です。
かわいいですよね。
3歳の時の話らしく。
なんかちっちゃい子ってこうね、
大人が思ってる常識と違うアイディアとか、
想像力を持ってるから喜ばれるだろうみたいな感じでね、
ウキウキと書いたのに怒られたっていう。
おそらく子供あるあるだと思うんですけど。
これ差し絵もあるんでね、ちょっと差し絵はすごいかわいいんですけど、
そんな感じの短編集が入ってます。
これ短いからもう一個ぐらい読もうかなって思います。
同じぐらいのページ数ですね。
で、次の短編エッセイのタイトルは、
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馬車から見た景色っていうものですね。
じゃあちょっと読みます。
私は4歳頃まで馬車に乗っていた。
もうとっくに歩けたし、走るのも早かったが、
単に馬車に乗るのが好きだったのだ。
面白いから乗りたかったのである。
今のベビーカーは小さいが、昔の馬車は大きかった。
ちょっとしたバスタブぐらいの大きさがあった。
高級な馬車は塔で編んで作られていたが、
うちのは安物のビニール製だった。
私が2歳頃までは姉と一緒に乗っていた。
だから姉も4歳くらいまで乗っていたことになる。
姉と一緒に乗るのも楽しかった。
それぞれお気に入りの小さいおもちゃも馬車の中に入れて、
遊びながら馬車に揺られていた。
ものすごく近いところに行くときも馬車に乗りたがった。
歩いて行ったって3分くらいで着くところなのに、
わざわざ馬車に乗って行った。
馬車に乗るとお姫様になったような気分になるのだ。
まるでシンデレラのかぼちゃの馬車に乗っているような感じがした。
母は私を可愛がるときだけチビマルコちゃんとかマルコ姫と呼んだので、
馬車に乗っているときには私はマルコ姫だしという気分が強まり、
いい気になっていた。
たまに祖母が馬車を押して散歩に連れて行ってくれることもあった。
祖母は暇だったので、わりと遠くへ連れて行ってくれた。
まだ行ったことのない路地裏の坂道を馬車の中から眺めていると、
知らない国へ行ったみたいな不思議な気持ちになった。
坂道を抜けると友江川が見え、柳越しに橋が見えた。
その景色も知らない国に思えた。
馬車はゆっくりゆっくり川沿いを進んだ。
通り過ぎる街路樹、夕方の空の色、鉄橋を渡る貨物列車、川の水面に映る夕日、
これらが自動的にちょうど良い速度で眺められるのも馬車ならではのことだ。
他の乗り物だと早すぎるし、オンブやダッコだとすぐに降りろと言われてしまう。
ある日、馬車に乗ろうとすると、母から、
もう馬車に乗るんじゃないの。
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桃子も4歳になったんだから、そんなにいつまでも乗ってたらみんなから笑われるよ、と言われた。
笑われたっていいよ、乗るもんね。
と私は言ったが、母は、
ダメだよ、これは赤ちゃんが乗るものなんだからね。
あんたもう幼稚園に行ってるでしょ。
まだ乗ってるのなんて桃子ぐらいしかいないよ、みっともない。
と言って、絶対乗らせてくれなかった。
なんてことだろう、私は小学校に入学する頃まで乗るつもりでいたのに、
こんなに早く乗るなと言われるなんて。
私はしょんぼりした。
でも、この時はまだまだまだまたいつか乗れる日もあるだろう、という気がしていた。
今日はたまたまお母さんがダメだって言ったけど、
違う日になれば乗ってもいいよと言ってくれるだろう。
だが二度と乗ってもいいよとは言ってもらえず、
数日後、馬車は片付けられてしまった。
分解された馬車の鉄の骨組みが家の脇のゴミ置き場に捨てられていた。
ああ馬車がかわいそうだなと思ったが、自分には何もできなかった。
私は今でも時々馬車に乗りたいと思う。
歩くのと同じ速度で、あの高さから街路樹や空を眺め、そのまま揺られて眠ってしまいたい。
仕事に追われている時は特にそう思う。
はい、ここまでです。
なんかちっちゃい時のね、こんな感じはあったなっていうのを読みながら思い出しましたね。
馬車って私は乗りこなしてなかったですけども、
このね、さっき話した中に出てきた馬車の中から路地裏の坂道とかを眺めてたら、
知らない国に行ったみたいな不思議な気持ちになったっていう文章もあったと思いますけども、
なんかそんな気持ちちっちゃい時あったなって思いましたね。
大人だったら本当に隣町に行く、歩いて10分とか15分ぐらいのところでも、
ちっちゃい頃に行ったらなんかもう外国に来たぐらいの新鮮な気持ちになったのをすごい思い出しました。
なんか同時にこう自分の家に早く帰りたいなみたいな、なんか怖いとか、
家が恋しいみたいな気持ちになったのとかも、
なんかあったなって読みながら思い出しましたね。
なんかさくらももこさんって本当に日常を面白く描くの、
面白くリアルに、リアルにというか自然に描くのがすごく上手い方だなと思いますし、
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そのノスタルジックな感情を描くのが上手いですよね。
日常のことを何気なく描いてってユーモラスもあるのに、
ちょっとこうノスタルジックな気持ちになっちゃうっていうね。
なんか読んでて軽く読めるし、楽しい気持ちにもなるし、
そういうキュッとする気持ちにもなるっていう文章ってすごいですよね。
なんか国民的アニメ番組になるのはわかる要素がいっぱい入ってるなって思いますけど、
こんな感じの文庫本ですごい好きです。
またこれいっぱいエッセイ残ってるんで、またちょっと読みたいと思うんですけど、
今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
じゃあ今日はこの辺でそろそろお開きということで、また次回お会いしましょう。
それでは皆さん良い週末をお過ごしください。
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