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2024-05-29 03:50

先生の眼玉に /香倶土三鳥(夢野久作)

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作品名:先生の眼玉に
著者:香倶土三鳥(夢野久作)

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先生の眼玉に 香倶土三鳥
夢野久作 子供が大勢遊んでいるところに雪が降ってきました。
やーいやーい、雪が降ってきた。 雪ふれ、うんとふれ、
塩になれ、砂糖になれ。 と、
みんなが喜びました。 砂糖になったらどうするか。
と、大きな声が聞こえましたので、 びっくりしてその方を見ますと、
白い髯を生やして、白い着物を着て、 白い帽子をかぶって、
長い透き通ったツララのような杖を持った おじいさんが立っておりました。
子供たちは驚いて、そのおじいさんの顔を見ていますと、 おじいさんはニコニコ笑いながらもう一度、
砂糖になったら何にするのか。 と、子供たちに聞きました。
お餅につけて食べる。 と、
さんきちが答えました。 おばあさんに舐めさせる。
と、中太郎が言いました。 お庭の蜜鉢にやる。
と、玉子さんが言いました。 おじいさんはさもさも嬉しそうに、
関心関心。 お前たちはみんないい子だ。
それじゃあ塩になったらどうするかな。 と、尋ねました。
先生の目玉にすり込んでやる。 と、最前から黙っていた
あく太郎が答えました。 おじいさんは急に怖い顔になって
よしよし、望み通りにしてやるから待っておれ。
といううちに消え失せました。 それと一ところに、
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何も見えなくなるほど真っ白に雪が降り出しました。
さんきちと玉子と中太郎のところに降る雪はみんな砂糖でしたが、
あく太郎のところには塩ばかりバラバラと降って、 それが目に入って痛くてたまらなくなりました。
あく太郎は泣きながらお家へ帰ってしまいました。
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