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2025-05-12 02:46

#194【青空文庫】先生の目玉に

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夢野久作「先生の目玉に」

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Yumeno Kyusaku title:To the teacher's eyeballs.

サマリー

先生の目玉について、子どもたちは雪の中で楽しく遊んでいる様子と、おじいさんとのやり取りが描かれています。

雪とおじいさんの登場
先生の目玉に、夢の旧作、 子どもが大勢遊んでいるところに、雪が降ってきました。
「やーい、やーい、雪が降ってきた。 雪ふれ、うんとふれ、塩になれ、砂糖になれ。」
と、みんながよろこびました。
「砂糖になったら、どうするか。」 と、大きな声が聞こえましたので、びっくりして、その本を見ますと、
白いひげをはやして、白い着物を着て、白い帽子をかぶって、 長いすきとおったつららのような杖をもった、おじいさんが立っておりました。
子どもたちは、おどろいて、 そのおじいさんの顔を見ていますと、
おじいさんは、にこにこ笑いながら、もう一度、
「砂糖になったら、何にするのか。」 と、子どもたちに聞きました。
「おもちにつけて食べる。」 と、さんきちがこたえました。
「おばあさんになめさせる。」 と、ちゅうたろうがいいました。
「おにわのみつばちにやる。」 と、たまこさんがいいました。
おじいさんは、さもさもうれしそうに、
「かんしん、かんしん。 おまえたちは、みんないいこだ。
それじゃ、塩になったら、どうするかな。」 と、たずねました。
「せんせいのめだまにすりこんでやる。」 と、さいぜんからだまっていた、あくたろうがこたえました。
おじいさんは、きゅうにこわいかおになって、
「よしよし。のぞみどおりにしてやるから、まっておれ。」
といううちに、きえうせました。
あくたろうの悲劇
それといっしょに、なにもみえなくなるほど、 ましろにゆきがふりだしました。
さんきちとたまことちゅうたろうのところに ふるゆきは、みんなさとうでしたが、
あくたろうのところには、しおばかりばらばらとふって、
それがめにはいって、いたくてたまらなくなりました。
あくたろうは、なきながら、おうちへかえってしまいました。
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