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2023-10-12 04:39

あし/新美南吉

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作品名:あし
著者:新美南吉

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00:04
あし、新美南吉。
二匹の馬が窓のところでぐーるぐーると昼寝をしていました。
すると涼しい風が出てきたので、一匹がくしゃめをして目を覚ました。
ところが後足が一本痺れていたので、よろよろとよろけてしまいました。
おやおや、その足に力を入れようとしてもさっぱり入りません。
そこで友達の馬を揺り起こしました。
大変だ、後足を一本誰かに盗まれてしまった。
だって、ちゃんとついてるじゃないか。
いや、これは違う。誰かの足だ。
どうして?
僕の思うままに歩かないもの。 ちょっとこの足を蹴飛ばしてくれ。
そこで友達の馬はひずめでその足をポーンと蹴飛ばしました。
やっぱりこれは僕のじゃない。痛くないもの。
僕の足なら痛いはずだ。
よし、早く盗まれた足を見つけてこよう。
そこでその馬はよろよろと歩いて行きました。
やあ、椅子がある。 椅子が僕の足を盗んだのかもしれない。
よし、蹴飛ばしてやろう。
僕の足なら痛いはずだ。
馬は片足で椅子の足を蹴飛ばしました。
椅子は痛いとも何とも言わないで壊れてしまいました。
馬はテーブルの足やベッドの足をポンポン蹴って回りました。
けれどどれも痛いと言わなくて壊れてしまいました。
03:04
いくら探しても盗まれた足はありません。
ひょっとしたらあいつが盗ったのかもしれない。
と馬は思いました。
そこで馬は友達の馬のところへ帰ってきました。
そして隙を見て友達の後足をポーンと蹴飛ばしました。
すると友達は
痛いと叫んで飛び上がりました。
そーら見ろ。それが僕の足だ。
君だろう盗んだのはこのトンマメが。
友達の馬は力いっぱい蹴返しました。
しびれがもう治っていたのでその馬も
痛いと飛び上がりました。
そしてやっとのことで自分の足は盗まれたのではなく
痺れていたのだとわかりました。
04:39

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