00:06
この番組は、中小小売企業の取締役経験のある2人が、そのリアルについてゆるくお話しします。
人事に軸足を置いたジェネラリスト、私戸部優里が、2度のM&A経験がある連続企業家、樋口幸太郎さんに話を聞いていきます。
すでに小売企業を経営している方、これから小売ビジネスで企業を考えられている方に役立つ情報を楽しく語っていきます。
はい、では今日もリテールトーク始まります。よろしくお願いします。
前回M&Aまでというところでお話しさせていただいて、今日M&A後の話をしたいと思っているんですけど、
ちょっとポッドキャストを始めるにあたって面白かったことがあるので、その話を軽くしたいんですけど、
優里さん、結構SNSでドライブの力なイメージを私は抱いていたんですけど、意外と面白い人だというのがだんだんわかってきた。
そんなに急に言われてもって感じなんですけど。
そして服に全く興味がないっていうのが私は衝撃的だったんですよ。
それで言うと、そうですね、前職の子供服の会社入る前までもうユニクロしか着ないみたいな感じだったんで、典型的に。
最近ちょっとあれですよ、目覚めてきていて、高い服のようになりました。
それは質の問題ですか?
ちょっと買ってみようかな、みたいな感じですね。コンサルもしているし、お取引者もいらっしゃるので、やっぱりそういったところは興味持っていこうかな、みたいな感じです。
面白い。そして音楽とか、ポッドキャスト始めるにあたって音楽を決めたりとか、サムネイルの画像を決めたりとかっていうのがあるわけなんですけど、
それもあんまり興味がなさそうで。
興味がないわけではないんですけれども、本当に増えてるというか得意じゃないので、
小学校の頃から音楽、図工みたいなところのクリエイティブな領域って全く苦手だったので、
お任せしようともいいんじゃないかなっていうので、ちょっと一歩身を引いてるっていう形です。
はい。ありがとうございます。めちゃくちゃ面白いです。
本題というか、M&A5のリアルみたいなところに、いわゆるPMIというところですよね。
お話し聞いていきたいと思っております。前回M&Aするっていうところ決まったところまでお話し聞かせていただいたんですけど、
03:01
さあ、M&A決まりましたっていうときに、社内とか具体的な変化ってあるんですか?みたいな。
僕らの場合、ちょっと特殊だったのは、M&A発表されたタイミングで、
会計側の企業の代表者様と担当の方がいらっしゃって、今後の説明もしてもらいましたと。
そのタイミングで、僕ら経営陣、代表と僕の2人だったんですけれども、
1年間ロックアップ終了次第、経営陣は退任しますよっていうのを同時にそのタイミングで発表しましたと。
で、よくM&Aの後に経営者が退任を発表すると、すごい組織内がゴタゴタする。
中には社員さんが裏切られたと感じて、すごい泣く姿が見られるみたいな話を結構リアルに知り合いから聞いたりも
するんですけれども、僕ら、よくも悪くも経営陣の魅力で採用をして、一緒にやっていこうよみたいな形で、
全然やってなかったので、全く無視というか、社内で泣き出す人は全くおらずですね。
寂しいですね。
寂しい思いもありながらも、本当に混乱はせずに良かったなというのは思いました。
最初に起こったことで、変化自体はそんなにすぐ起きるものでもなくて、そこから1ヶ月ぐらいは特に社内は何も変わらないというか、
当社さんと今後どういうふうにやっていこうか、どういうスケジュールをやろうかみたいな打ち合わせをしていきましょうみたいな感じなので、
意識的な変化というのは全然なかったという感じですね。
あ、そうなんですね。オフィスも最終は一緒になるんですよね。
最終的には一緒になるっていう、僕が経験した2回目の問題はオフィスは最終的には一緒になってました。
ただ、一緒になるタイミングも、前職の子供服、ペアマノンの時も、1年ぐらいですかね、
1月末、3月に発表されて1月末、2月1日から統合という形だったので、1年弱かかった。そんなスケジュール感です。
私はね、統合されているんですもんね。多分、M&Aって子会社として子会社が残るパターンと、
統合と一緒になるパターンと、2つあるのかなと思ってるんですけど、そっちの方が嫌うという意思決定だったんですか?
そうですね。それは僕らはあんまり関与していないというか、どちらでも構わないという形でお伝えして、
むしろ統合した方が会計側の企業さん的に人事面、システム面、評価制度面を含めてやりやすいという判断で会社統合を決断されたという認識でいます。
なるほどですね。でもそうですよね、一緒になった方がカルチャーとかそういうものもありますしね、人事制度とかもありますもんね。
06:04
本当会社さんによってケースバイケースかなと思うのは、要は一緒にしてしまうと良さが失われてしまうので、
子会社として残して、給与体系含めて子会社のままで温存した方が会社としての競争力が残るよね、みたいな判断をされているケースも結構多いのかなと思うので、
そのケースバイケースという形ですね。
なるほどです。ありがとうございます。
これ、PMIでやるべきことみたいな全体像みたいなものを最初にロードマップみたいなのを敷いてやっていくんですか?
そうですね、本当PMI、いわゆるポストマージャーインテグレーションという買収後の統合プロセスって結構色々多岐にわたっています。
大きいところでいくとやっぱり人事面、給与、年収というのは買われた企業の人にはダイレクトに直結するので、人事面というところはかなり配慮いただいたなという形です。
もう一つがシステムの統合面みたいなところは、強みになる部分でもありながらも結構統合をミスってしまうと業務に差し障りがあるので、
順調にやりましょうという部分と、あとは経営管理面みたいなところで、どういった指標でどういうふうに経営管理をしていたのか、そもそも用語が統一されているかどうかみたいな形で、
この3本が結構大きく柱になるかなみたいな形で、この3つをどの順番でどういうスケジュールでやっていくみたいなのを最初にロードマップ敷いて合意していくという形でやっています。
これ、当然スケジュールはありつつも、結構イレギュラーな業務だし、会社もカルチャーも人もいろんな要素が合わさってくると、なかなか計画通りにいかなそうだなと思っちゃうんですけど。
そこは本当その通りで、ロードマップしきながらもボトルネックになるのがありましたよね。
これが解決しないと次進めないですよね、みたいなところは具体的に言える部分もありながらもいっぱいあるので、
一回しきながらもスケジュール通りにはなかなか進まずに、最後ドタドタっと進む部分も実際にはあるんだなっていうのを本当に2回やっても実感しています。
これ具体的に、さっき3本の柱でおっしゃっていただきましたけど、具体的にPMIでやることってどんなことがあるんですか?
分かりやすいところでいくと、経営管理面みたいなところでいくと、アダクトリアってこのマルチブランドで立ち上げてました。
なのでこういう経営指標で管理してますっていうのが実際にありますと。
僕らは僕のなりに上場準備なんかもしていたので、こういう経営管理のコーマットでやってますっていうのがあるので、
そこをアダクトリア側に揃えるみたいなのが最初の業務として発展しました。
09:02
具体的には、例えば売上総利益みたいな言葉があるときに、ここの定義が全然違ったりするんですよね。
売上総利益の定義が違うってどういうことなんですか?
基本的には売上低減価で売上総利益が出てくるみたいな話なんですけれども、減価に何を含めるのかみたいなのは、それによって違うと。
僕らでいくと物流の作業費は含まずに商品の減価のみを売上減価に入れていて、それを売上総利益と呼んでいるんですけれども、
彼らからすると商品の減価だけ入れたものに関しては商品あらりだと。
ここからさらに減価性の高い物流作業費みたいなのは、減価として計上して売上総利益を出すみたいな。
この用語のコミュニケーションは結構戸惑いました。
この用語の統一に数ヶ月ぐらいかかったなぁみたいな形ですね。
そうですよね。これ今まで出してなかったデータを新たに出す必要とか、現場はかなり大変そうなんじゃないかなと思ったんですけど。
それで言うと経理の現場を僕がやっていたので、仕分けの付け替えをここでやればいいんだっていうのがすぐ分かったので、そこはあんまり負荷がなかったですね。
経理の実もやってたんですね。
経理の実も仕分けも全部切ってました。
本当に二重にいるかいないかぐらいの会社だったんで、経理の専任の担当者が取れずっていう感じでしたね。
すごい。
それってどこかで勉強されるんですか?
もともとは僕自身は商社、新卒で伊東中という商社に入ったので、そこで募金2給までは取っていて、
一生懸命経験があったので、そこで税理士とのやり取りであったり、PLBSの管理をやっていたので、そこで身についてました。
一方でやっぱりアパレルは特殊というか、棚卸しがあって、商品の仕入れと原価があってみたいなところは、
本当にこの前職になってから初めてやったっていう感じなので、最初は戸惑いました。
一方でこの経営管理すごい重要だなと思っていたので、本当に2019年に入社して、最初にやった仕事がそこのPLとこの仕分けをきっちり定義するっていうところだったので、
含めずにPMIの時も進められたかなという感じです。
なんか聞いた感じ、ひくしさん商品企画以外の全部みたいな、結構なことやってらっしゃったので、
なんか寂しいことに悲しむ人いなかったっておっしゃってましたけど、ひくしさんが組織から抜けるとか結構恐ろしいなと思っちゃうんですけど、
12:04
組織面での大きな変化みたいなのってありますか?
それでいくと、僕自身が持っていた業務っていうのは、結構アダストリア側のバックオフィスに寄せていきましょうっていう話だったので、
そこは意外にスムーズにいきましたと。組織面の変化っていう意味でいくと、やっぱり僕自身と代表がいなくなるので、
このまるっと空いた業務と責任を誰が追うのかみたいなのは、やっぱりちょっと慎重に1年間かけて考えていきましょうみたいなのを、
買ってもらった会計側の会社さんと現場とコミュニケーションしていくっていう、そんな感じで決まっていったので、
すぐにあなたが責任者でこうですみたいなのがバーンと変化したっていうわけではなく、
1年通して僕らがいる間に、じゃあ誰にどの責任を引き継いでいきましょうみたいなのを生々しく話していったっていう感じですね。
それは元々いらっしゃる方とか、親会社から来られる方とか採用とかそんな感じですか?
結論採用プラス現場にいらっしゃる方みたいな形だったんですけれども、本当に面白いというか、僕自身2回このM&A売り手として経験して思っているところでいくと、
やっぱり買い手側の企業にもどの人を出していいかとか、人がすごい有り余っているわけではないなっていうのをすごい感じて、
しかも僕らの会社のカルチャーも買うまでは一緒に働くまでは分からないという形なので、
買う前からは決定するのは難しいんだなっていうのを改めて2回経験して思いましたと。
やっぱり会社を売却、買収してもらってから全ての統合がスタートしていくみたいな形で、
お互い見極めながら悪い影響がないように進めていくものだなっていうのを思っています。
これって人事制度とか評価制度の部分とかも、従業員の方にはかなり直結する部分だと思うんですけど、これもやっぱり当然合わせていくんですよね。
それも合わせるのは1年かけて合わせるという形だったので、1年間は僕らが経営したのと同じように進めながら、
来期から一緒になった、統合されたタイミングではこう変化していきますよっていうのを結構丁寧に前さばきしてもらって、
会計側の企業の人事部、あとは社長を含めてご説明いただいて、かなりしっかりした会社なので、こういう評価制度でやっていきますよっていうのがあるので、
そこを説明して、皆さんに納得してもらってみたいな、そういうプロセスを踏んでいました。
親の会社がしっかりしてるって、そこはいいですよね。具体的な現場で使う業務で使うツールとか、そういうものもやっぱり変えていくんですか?
15:10
それも1年かけて変えていったっていう形で、アダストリアみたいな会社になると、期間システムと呼ばれる会計から仕入れ、発注、在庫、売上の管理までしているシステムがあるので、
全部合わせていかなきゃいけないと。それは本当に1年かけてやっていく。
ここはいつのタイミングで変えましょう、みたいなのをやっていって変えていくっていう形なので、細かいこと言うと品番体系から変わっていくというか。
それちょっと頭痛いですね。
品番とカラーの付け方も変えていきましょう、みたいなので、そこは今どちらかこう付けていて、アダストリアさんだとこういうふうに付けていて、
これがZOZOとZOZOの管理画面にはこうマッピングされてみたいなのを見ていくっていう感じでした。
やりたくないですね、私。
そこは僕の下で働いてくれていた、データ系強い分析およびマッピングとかこの詳しい、ここに引き継いでやってもらっていましたね。
すごいですね。
これ、結構PMI全体パワーがいるそうだなと思うんですけど、全体通してどうでした?
いやパワーがいるんだろうなと思っていて、特に法定企業になると、やっぱり役割が分担されていて、
物流に関してはこの部署、機関システムおよび各種ECモールとの連携みたいなのはDXの部署、
売上げとか商品企画に関してはこの部署みたいな形で、部署がまたがって全部やらなきゃいけないので、
こっちが決まらないとDXが進まないとか、この部分が進まないと在庫の物流は決められないよねみたいなのが結構発生するので、
そこはパワーが売り手側というより買い手側に必要だなというのは思いました。
僕もリーダーシップを持って進めていただいたので、今はそうかなというふうに思います。
機関システムというか、すごいちゃんとしたものが親会社にも元々あるという状態からの、そこに入っていくという感じですかね。
逆に言うと合わせるだけといえば、売り手側の企業としてはルールが変わるので、今までこうやってたものをこう買いましょうという形なので、
そこのルールのすり合わせじゃないですけど、どう変わるのかというのを紐解いて新しい業務にすれば、そこは何とかなるかなというイメージですね。
全然やりたくないと思いました。
18:03
売上げにつながるものでもないんですけれども、先週ですかね、僕自身遊びに行かせてもらって、
やっぱり統合してどういうデータを見てますかって言ったら、やっぱり僕らが売却する前だと細かく見れないようなものがクラウド上にデータとしてあって、
マイスが何点販売されて仕入れ何枚で、原在庫何枚で、消化率何枚で、みたいなのがすぐパッと見れるので、
すごい。
そこはやっぱり進んだ管理をされているなという形ですね。
パッと見られるっていうのが大事ですね。見ようと思えば見られるっていう状態だと、出すのにすごい時間かかってっていうのも経験的によくわかるので。
やっぱりMDだと過去のデータとかを見ながら意思決定したりして、僕はデータを出すファンだったんですけれども、
例えばMDの当たり外れみたいから、SKU単位、金番単位じゃなくてSKU単位の消化率、あらり率、あらりの絶対金額出してほしいっていう時に、
やっぱりちょっと1日ちょうだいみたいな形でダウンロードしてきて、分析のひな形作って、期間が変わっても大丈夫なようにある程度汎用化して渡すものの、
また別のオーダーが来ると別のひな形作ってみたいな形だったので。
やっぱり期間システムとかに入ってると便利だなと思っていて、そういったことを幅広く中小小売企業に提供できるようなお手伝いしたいなと思って、
今実は裏でシステムとか開発していて、そういったことをやっていけるといいなと思っています。
ありがとうございます。
今日はPMIについてお話し聞かせていただきましたが、
次回はアパレルの中小企業でのデータ管理、実際どんなことやってるんだろうみたいな話をできればと思っております。