V字回復の背景
この番組は、中小小売企業の取り締まり役経験のある二人が、そのリアルについて緩くお話しします。
人事に軸足を置いたジェネラリスト、私砥部有利が、二度のM&A経験がある連続企業家、樋口幸太郎さんに話を聞いていきます。
既に小売企業を経営している方、これから小売ビジネスで企業を考えられている方に役立つ情報を楽しく語っていきます。
リテールトーク36回目になりました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
実はというか、今私、車の教習所に帰っていまして、転職の空き時間をもらって、車の免許を取ろうとしているわけなんですけど、樋口さん、車乗るんでしたっけ?
車乗ります。
それこそ最近買いました。7月から納車されて、今3月までで、よく乗ってますよ。
走ってますか?乗ってますか?
3ヶ月弱で1200〜1300キロ乗って、だいたい子連れで遠出する。山梨の実家に帰るとか、茨城の水族館、大洗水族館みたいなのに行くとか、そんな感じで乗ってたら結構乗りましたね。
遠出用なんですね?
完全に子供とどっかに出かける用ですね。
まさに私も今まで、30代後半まで全く免許取るつもりなくて、そもそも三重県、私三重県出身なんですけど、三重県にいるときは、東京に行ったら車の免許なんか必要ないからって言われていて、それを鵜呑みにして東京に出てきて、必要なかったんですけど、子供を産まれてみると、行ったわみたいな。
今慌てて取っているわけですけど、ひぐちゃんも最近買ったって言ってましたけど、車持ってなかったけどやっぱ必要になったのはお子さんですか?
いやもう完全に子供がいると欲しいなって思ったのと、僕ももともと橘明さんに影響されていて、本当に車とか持つなみたいな、あんなのお金かかるだけだからみたいな感じのを完全に信者で信じていたんですけれども、やっぱり子供が生まれてライフスタイル変わって、あると便利だなお金かかるけど、
あったほうがいいな、みたいな感じで買ったらめちゃくちゃ快適で、逆にその前提に物事、休みとか考えるようになりますね。
プラット乗ろうかな、みたいな感じで。
いやー、私もそうなるのかな、全然想像ができなくて。
楽しいですよ、本当にリモートワークやるわって言って、海岸沿いのカフェに行くとかもやったんで。
わー、最高。
いいと思います。
今、車買うとかは考えてないんですけど、多分カーシェアとかでしばらくはなんとかなる気がするんですけど、カーライフに半分足を突っ込み始めました。
いやー、パンフレットとか送りますね。
レンタカーやってて満足いかずにっていう感じなんで、レンタカー生活2年ぐらいやってますからね、でも。
あ、そうなんだ。
これ買ったほうがいいよねっていう感じで買っちゃいました。
送りつけないでください。
はい、本題に行きたいと思います。
今日は、産業障害のV字回復に学ぶ業績不振からの復活方法っていうタイトルですけど、さっきアパレル界はちょっと目を引くニュース多いですね。
そうですね、M&Aという中心に結構いろいろあるので、いろいろ見ていきたいなと思うんですけれども、
2024年10月8日にライトーンがワールドによる公開買い付けを受け入れて、子会社が発表されましたと。
で、かなり赤字で2007年の8月期がピークで売上1,000億もあったんですね。
僕調べて初めて知ったんですけれども。
その後右肩下がりで、コロナが起きてからも各社今コロナ後ってかなり業績向上で前年比110%とかをずっと叩き続けて、
コロナの前よりも売上が伸びている会社が上場企業でも増えてきたかなみたいな中で、それでもライトーンさん厳しそうな業績で発表になりましたと。
で、ワールドの参加になって不採算店舗からの撤退とか、半会費の圧縮を進めるみたいなのが書かれてるんですけれども、
結構僕自身もクライアントさん見ている中で不審なブランドとか一事業部みたいなのを見ていると、
やっぱ自社単独で売上を減らして半会費圧縮するみたいな決断を、自分たち自らでやるのって難しいんだろうなと思っていて、
参与紹介でその決断をしてうまく回復したみたいな事例があったんで、
ちょっと再度整理して自分の勉強にもしたいなと思って話をしてみたいなと思って、今日は来ました。
大江社長の改革
WWE の記事で、ワールド参加で大中みたいな記事出てましたね。経済新聞みたいな見出し出てましたね。
バーバリーライセンスがなくなった時、客観的にも流石に無理じゃないって思ったのは覚えてます。
で、最近見てみたら、そっか、マッキー・トッシュのポール・スチュワートもラブレスも参与紹介なんですね。
そうなんですよね。バーバリーのライセンス事業を失って、2015年とか2010年代半ばぐらいに失っていて、そこからかなり難しい。
何回も何回も再建プランみたいなのを出していて、うまくいかず、そこから2020年のコロナ禍で社長に就任した、
元ゴールドウィン・ミツイブさん出身で、ゴールドウィンの副社長で、そこで再建を手掛けた大江社長っていう方が、
リバイバルプラン、参与紹介のリバイバルプラン、再建プランみたいなのを出して、2023年の2月に苦労事果を達成しているので、
ちょっとその社長のインタビュー記事を見ながら、どんなことをやったのかを見ていけると面白いかなというふうに思っています。
2020年に社長就任ということですけど、ちょうど2020年コロナの時期なんで、店舗があるアパレルだったらもろにコロナショックがあったと思うんですけど、
その前もやっぱり厳しかったんでしたっけ。
ですね、それでいくと、ちょうどペアマノンの取締役をやっていた時に働いているインターン生の一人が、
慶応出身の大学生で、親が参与紹介で働いていて、2019年当時、まだコロナ前だったんですけど、やっぱり会社厳しいですね、みたいな。
アパレル業界はつきたくないけれども、アパレルには興味あるから、ちょっとインターンとして来ましたって言って、来てくれた子がいましたね。
今思い出しました。
移動中に来ましたね。
それは置いておいて、コロナ前の2020年2月期までは、売上600億円くらいの規模がそれでもあったっていう感じなんですよね。
一方でパラリが低いなと思っていて、売上総利益率が46%から48%みたいな形で、
アダストリアで55%、ユニクロも52%くらいなんじゃないかな、みたいな感じで見ると、やっぱり比べてみると結構低いと。
営業赤字が慢性化していて、ずっと営業赤字です、荒利率も46から48みたいな感じで推移していると。
アパレル事業における荒利率46%で、特に百貨店系のブランドで、この利率だと相当セールしてるなっていう印象を持ちますと。
こんな感じで計算するかっていくと、全てがプロパー販売できれば、規格の減価率で大体30%くらいかなって言われているので、
全部がプロパーで販売できると70%の荒利、売上総利益率になりますと。
売上総利益率46%っていう水準は、全体で値引きが45%くらいになるんじゃないかなっていう感じなので、
ほとんどの商品を半額セールより安い金額で売っていて、プロパーでは捌けてないみたいな、そんな状況かなというふうに見ました。
実際には商品減価以外も物流費用とかも入ってるんで、一概にはそうは言えないかなと思うんですけども、
イメージとしてそんな感じ、ほぼ半額セール以上の割引率で売ってるみたいなのを、このPLと赤字の状態を見ると感じました。
一方で大江さんが社長になったタイミングでコロナが直撃していて、
2021年2月期と2022年2月期はものすごい売上を落としていて、400億切るような水準になってしまっているんですけれども、
そこから一気に回復して、2023年2月期はコロナ前の売上水準に近い582億みたいな形で売上も回復しているし、
荒利率が62%弱みたいな感じで大きく回復していて、かなり大きいんだろうなというふうに思ってみてました。
大江さんが社長になったのが2020年の5月で、ちょうど売上が底になって、そこからV字回復していくみたいなところで、
本当数字的にも見て取れるので、ちょっとその辺りを見ていくと面白いんじゃないかなというふうに思っています。
すごいですよね。この大江さん直前もゴールドウィンで業績回復にがっつり携わられている方なんですよね。
ちょっと具体的にどうやって再建に至ったのか聞いていきたいです。
1個目のポイントが一番難しいなっていうのを、クライアントさんとかアパレルやってるような初先輩方と話してて思うんですけど、
楽観的な目標じゃなくて、実力値に基づく売上を前提に全部を考えると。
最低限の売上水準で利益が出るように半間比を圧縮するという、身の手にあった半間比に切り下げるという、
この実力値に見合った売上っていうのを定義して、ここまで売上が下がったとしても利益が出るようにするんだという意思決定が、
かなり一番大きい意思決定なんじゃないかなというふうに思ってみてます。
前回の西松屋会でもローコストオペレーションを徹底するっていうことでしたけど、
お店が混み合ってなくてもバンバン売れてなくてもやっていけるぐらいにコストを下げるっていう話でしたよね。
当たらなくてもやっていけるというか、半間比コストを適正にした。
あとコストの部分と在庫コントロールの部分も結構大きそうですよね。
本当に大江さんのインタビューの中でもコストのコントロールをしましょうという話と、
インベントリーコントロールという在庫のコントロールをしましょうというのが2個大きな改革としてやりました。
商品を絞り込んで売り切る構造に変化させるという話をすごいしてました。
消化率を上げる上で大事なのって入口の仕入れを絞らないとできないですよっていうことをかなり徹底して話をされていて、
販売力であったり商品力で消化率を上げるなんていうのは無理だから、
ちゃんと仕入れを絞りましょう。それで消化率を上げるようにしましょうっていうところをスパッと言ってるのが、
かなり個人的には素晴らしいなというふうに思ってます。
業績の数字的分析
実際に本当に仕入れを絞り込んでるなっていうのが財務データにも現れていて、
大江さんが社長に就任してから2021年2月期以降は仕入れ金額が大きく減ってるんですよね。
その上で2024年2月期って売り上げだから613億円っていう感じで、
本当に大江さんが就任する前の2017年12月期の625億円という売り上げに迫る金額だったんですけれども、
仕入れ金額は75%ほどになってるんで、25%仕入れを削減して売り上げはほぼ変わんないみたいな形になっていたので、
消化率と在庫効率がものすごい良くなっているんだなっていうのが、
本当この財務商標からも見て取れたのが面白かったなというふうに思ってます。
仕入れ減らして同じだけ売るって、言葉で聞くとすごい簡単に聞こえちゃうけどめちゃくちゃすごいんですよね。
広く浅くから狭く深くに切り替えて品番数絞り込むって、私自身もめちゃくちゃ小規模バージョンでやってたことあるので、
なかなかできることじゃないなっていうふうに思ったのと、
インタビュー私も少し読んで思ったのが、商品の総量、仕入れの量を減らすとなると、
その分余分な在庫を持てないから店舗間の商品移動っていうのを徹底していたっていうのを読んで、
すごい徹底した構造改革という感じですね。
結果だけ見ると仕入れ絞って売上金額一緒にしてるっていうのは結果なんですけれども、
そこに至るまでの構造改革というか、一足飛びにそこに行ったわけではなくて、
コロナ期の苦労した380億ぐらいの売上が2期続いた時に、その体制っていうのを築き上げて、
そこから飛躍できていたんだなっていうのを財務商標を見ると感じてます。
ここがポイントの3つ目として個人的に面白いなと思ったのは、
構造改革と成長戦略を同時に行わないと。
本当に楽観的な目標ではなく、実力値に基づく売上を前提に考えるにも繋がるところなんですけれども、
本当に構造改革している途中に不確実な成長戦略を実行しようとすると、
どうしても半会費、仕入れの削減が中途半端になっちゃうと。
努力目標、エモチみたいなのが入ってきて、構造改革の徹底がうまくいかなくなってしまうというか、
中途半端なものになってしまうということになるので、成長戦略、新規ブランドの出展であったり、
新店舗を出すっていうのは構造改革終わるまでもやらないっていうのを徹底してスパッとして決断しているのが、
やっぱり成功の要因だったのかなというふうに思ってます。
S3説明資料の中でも、新規ブランドとか出展という話は一切なくて、
減価率を下げましょう、調達コストを下げましょうという話と、消化率を改善しましょうという話と、
不採算店舗を撤退しましょうという話と、不採算事業はローコスト化して、徹底的にコストを減らして利益が出る体制にしましょうというのを、
本当に説明資料2年分読むとずっとやってるという感じでした。
やっぱり体制を変える中で1個だけ成長戦略じゃないんですけれども、
うまくいってない、売れてなかった旧品番っていうのの比率を下げて、
新規の品番の比率を上げているっていうのは、やっぱりこれは正しいやり方として面白いなというふうに思ってみてました。
成長戦略を一旦保留にして構造改革に集中するっていうのも、なるほどなっていう感じですけど、
コストを減らして、仕入れを減らして、構造改革に集中する意思決定って、なかなか怖いというか、
樋口さんもノートに書かれてましたけど、結構感情的にも難しい部分があるんじゃないかなと思って。
うーん、そうなんですよね。そこの言語化僕もまだできてないんですけれども、
やっぱり本当に今ある売上よりも縮小させるみたいなところが、受け入れがたいみたいな組織の構造になっているのは、
やっぱり本当に難しいなと思いますね。そこに店長の思惑もあるでしょうし、経営陣の思惑もあるだろうし、現場の方々の思惑もあるだろうし、
そこをちょっと一刀両断して、今回は構造改革に集中するみたいなところに旗振ったリーダーシップっていうのはやっぱり大きいのかなっていうふうに思います。
また面白いのが、やっぱりこの実力値の売上に基づくとか、半間費を削減するとか、仕入れを減らす、調達現価を削減するみたいなところって、
大江社長の言葉にもあるとおり、インタビューにもあるとおり、決断すればできるものなんですよね。売上去年100だったけど、60でやります。
なぜならこれが実力値だからですと。60に基づいて半間費削減するとこうなるんで、人員はこれだけ減らします、不採算店舗はこれだけ減らしますっていうのは、
決めれば確かにできると。一方でこれを決め切ってやり切るっていうのは、並大抵のリーダーシップじゃないのかなというふうに思っていて、
かなり経営もそうですし、現場も同時に苦労しながら進めた改革なんだろうなっていうのは思いました。
インタビューの中で、こうなったらいいなっていう努力目標は、10中8区やってみたけどダメでしたで終わるっていうのを言ってて、確かにそうなんだろうなとは思いましたけど。
業績不振からの復活の要因
この話を書いている中で、何人かの苦労されている初先輩方たちの顔を浮かびながら、こういう現場で苦労されてるんだな、
商社系の先輩であったり、知り合いの経営者系でいるので、すごい思いながら書いて、すぐLINEとかで送ったりしましたね。
本当にその方にも産業障害がV字回復してるみたいなことを聞いて、自分なりに装着するために整理したいなと思ってノート書いて、
今回ポッドキャストで話しているっていうこともあるので、結構多くの小売りの事業の経営者の方に知ってもらうといい事例なんじゃないかなと思って、
今日整理して話したっていう形です。
なんか、決断すればできるっていうのが大きくあると思うんですけど、これは決断すればできる、それはそうなんだろうなと思いつつ、
ただし正しい戦略が立てられる場合に限るみたいな感じだと思ってて、ただしイケメンに限る的なのがあるかなと思います。
そうですね、変な方向に決めてしまうとやっぱり変な方向に行ってしまうので、ここは難しいところなんだなというのは思いますね。
ありがとうございます。今日は3・4紹介のV字回復に学ぶ業績不振からの復活方法でした。
ありがとうございます。
リテールトーク、ここまでお聞きいただきありがとうございます。
番組の詳細欄にGoogleフォームのURLがあるので、質問やメッセージはそちらからお送りいただけると嬉しいです。
番組内でご紹介させていただくかもしれません。次回もぜひよろしくお願いします。