1. 文学ラジオ空飛び猫たち
  2. 第103回 最も大切な記憶が消滅..

【今回の紹介本】

 ■『密やかな結晶』小川洋子 講談社文庫 

2019年度「全米図書賞」翻訳部門最終候補、2020年度「英国ブッカー国際賞」最終候補作。 

『博士の愛した数式』など数々の話題作で知られる著者が描く、澄明に描く人間の哀しみ。 

是非お聞きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■『密やか結晶』小川洋子 講談社文庫 

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000346254 


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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:01
文学ラジオ空飛び猫たち その島では記憶が少しずつ消滅していく
何が消滅しても島の人々は適応し淡々と事実を受け入れていく 小説家である私も例外ではなかった
ある日島から小説が消えるまでは 小川洋子の普及の名作
密やかな結晶を紹介します どうもみなさんこんにちは文学ラジオ空飛び猫たちです
この番組はいろんな人に読んでもらいたい いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに文学と猫が好きな2人がゆるーくトーク
するポッドキャストです お相手は私小説が好きの会のダイチと羊を巡るカフェのミエの2人でお送りします
文学のプロではない2人ですが東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれ の視点で紹介していく番組です番組始める前にですね
ちょっとお知らせとお願いがございます今回もですね 今年もと言っていいのかな
来年また第4回ジャパンポッドキャストアワーズがありまして現在ですね 来年2023年1月20日までですね
リスナーズチョイスの投票が募集しておりますこちらあのぜひですね あの我々文学ラジオ空飛猫たちにあの1票いただけたら大変ありがたいので何とぞ
よろしくお願いします このリスナーズチョイスに選ばれたらなかなか難しいと思ってるんですけど
まあでも1票でも入るとジャパンポッドキャストアワーズの方々にきっと意識して もらえると思うので1票でも多くいただきたいなと思っております
今年がポッドキャストアワードの4回目なんですけども 文学ラジオで募集するのが3回目なんですよね
そうですね 3度目の正直で今年は何か選ばれるかどうか
ちょっと頑張ってみましょうっていうところなのでぜひ応援よろしくお願いします
じゃあいきますか今回 今回紹介するのは小川陽子さんのひそやかな結晶にあります
講談社文庫から1999年に出ていまして 文庫の真相版というのは2020年に出たばかりのものがありますので
近く的新しい表紙で今お店には並んで販売されている本になります
もともとの単行本自体は1994年に刊行されていて 今からもう25年以上前の本になりますね
やばいね この本が25年前っていうのが衝撃力が高すぎるんでね
映画化の予定もあるんですよね アマゾンスタジオから作るっていうのが2020年の記事で出ていてですね
ちょうどハリウッドで映画化になるみたいなんですけども それが何でかというと
03:04
2019年に全米図書賞というのを最終候補になっていて 2020年に仏化賞で最終候補になっていてという
その英訳された本が世界的な賞の最終選考に残ったっていう
そういうみたいな今回のひそやかな結晶 実はものすごくすごい小説なんですよね
監督は結構前の映画なんですけど エターナルサンシャインっていう ジム・キャリー主演でやってた
私結構好きだった映画なんですけど 監督のチャーリー・カフマンか
あっ脚本か 脚本がチャーリー・カフマンで 監督がリード・モラーの監督で
自助の物語ハンドメイズ・テイルを撮った人ですね
結構タッグとしてはすごそうで 映画多分完成度高そうだなと思ってます
それとあと2018年には石原さとみさん主演で 舞台化もされていたみたいで
これどっちかっていうと舞台の方が俺見たかったな
これ舞台化したらすごそうと思った ラストシーンとかね
小屋の表現とかね
ラストシーンとかどう表現するのだろうって思いました
あとちょっとストーリー振りだけど 消失が進んでいく度にどういう見せ方をするのかとかね
多分舞台だと結構いろいろ難しいと思うから そこのアイディアはそこを見たいなと思いました
そうですよね あとは今回なぜこのしつらいかな結晶を取り上げたかというと
この前ですね このラジオ本紹介100回を記念した番外編を配信していたんですけども
その際にリスナーの方からお便りであったりリクエストを募っていたんですけども
そのリクエストの中で
小川陽子さんのひそやかな結晶を取り上げていただきたいという声をいただきまして
ちょうど我々も小川陽子さんをちょっといつか紹介したいなと
ただどの本にしようかなというのを決めあぐねていたんですけども
これはもうちょうどいいなというところで今回紹介するということになりました
あと他にリクエストでは田和田陽子さんとかもらってたんで
そのうち田和田陽子さんもやりますので お楽しみにしていただければなと思います
じゃあこのひそやかな結晶なんですけど
ちょっと作品紹介を入る前にどんな印象を持ったかなというのだけ話させてもらうと
とにかくこれ読み始めた時から空気感がすごく良くて
すごく静かな小説なんだなと思わせておいて
結構不穏な空気みたいなのが徐々に入ってきて
かなり世界観というのがだいぶ作られているのでそこに惹かれましたね
ラジオでもほんと一番最初の方に紹介した
リチャード・ブローティガンのスイカ島の日々という作品があるんですけど
それを思い出しました
同じように終わりに向かっていく感覚というのが読んでいるとあって
これはすごいなと思いましたね
ほんとこれ25年前の作品なのかと思えるくらいですね
全然色褪せなくて
これは今後どの時代でもおそらく新鮮に読める作品なのではないかなと思いました
こう自分はやられましたね
すごい世界観がいいですよね
僕も読んでいるとすごい淡い世界観だなと思って
06:03
表現しづらいんですけど
すごく溶けていくような小説なんですよね
世界自体がだんだんとぼやけていくような溶けていくような
そんな感覚になるので
あと秘密警察とか記憶狩りとかですね
不気味でちょっと暗そうなところが出てくるんですけども
小川陽子さんってこういう不気味なものを書いたりするのがすごいうまいなと思っていて
その小川陽子さんの持っている特徴もこの小説にはよく表れているなというのは本当に思いましたし
あとは大地さんが色褪せてないという25年前の作品だけどというところで
一応日本が舞台だとは思うんですけども
日本らしい固有名詞というのが使われていなくて
そういう意味では海外で昇華されるのもされやすい作品なのかなと思いますし
どの時代で読んでも新鮮に読めるのかなというのは思いましたね
ちなみに大地さんは小川陽子さんを読んだことっていうのは今までありますか
あれですね博士の愛した数式しか読んだことないです
ずっとあれ読みたくてネコを抱いてなんだっけ
海を泳ぐみたいななんだっけあるよね
あれすごい読みたくてネコを抱いて象と泳ぐだけ
あれを読みたいなと思ってるんですけど読めてないです
なんか名作っぽいよね
つんどくになってますね
つんどくさえもしない心のつんどくになっている
最初に読んだのは博士の愛した数式で
その後ブラフマンの埋葬とか妊娠カレンダー
赤手の足を取った作品とか読んで結構つんどくが多かったんですよね
ネコを抱いて象を泳ぐもそうだし人質の朗読会もそうですし
すごく読みたいなと思って買ったままの本が多かったので
結構久しぶりに今回読みましたね
小川陽子さんの小説ではないんですけど
数学者とか科学者にインタビューしている本とかって
それもすごい面白かったんですね
面白そうそれ
理系じゃない人でも面白く読めるように書かれていて
対談本とかそういうのも面白いなって思います
作家のインタビューって面白いよね
私よりも全然みえさんの方が小川陽子に詳しいというところですが
ちょっと私の方からこの著者についてご紹介したいと思います
とはいっても多分村上春樹に続いて
みんなが知っている作家ではあると思うので
このラジオで取り上げる中で言うと
簡単に説明したいと思います
小川陽子さんは1988年に作家デビューしました
91年に妊娠カレンダーで芥川賞を受賞
2004年に博士の挨拶数式で読売文学賞と
あと本屋大賞を受賞してますね
この本屋大賞が確か初代ですね
初代本屋大賞を受賞で
このニュースで結構私は小川陽子さんを意識した記憶がありますね
すごい日本中で話題になったのを覚えてますね
本屋大賞も結構今変遷してきて
09:01
色々変わってはいると思うんだけど
この時ってやっぱり一発目で
新しい視点というか新しい形式の賞だみたいな感じで盛り上がったよね
すごい話題性がすごかったのを覚えてますね
とりあえず本屋大賞というのがすごい賞に選ばれたっていうので
すごい賞ができてすごい賞に選ばれたみたいな感じだよね
でも近年小川陽子さんは海外で評価の高い作家になっております
こんなところかな
大体皆さん小川陽子さんについてはそんなに深く掘らなくても大丈夫かなと思うので
説明不要な人かなと思いますね
そうですよね日本でも応募書ですからね
ではちょっとあらすじを紹介しようと思います
2019年度全米図書賞 翻訳部門
2020年度英国物価国際賞 最終候補作
博士の愛した数式など数々の話題作で知られる
著者が描く生命に描く人間の悲しみ
記憶がっかりによって消失が静かに進む島の生活
人は何を失くしたのかさえ思い出せない
何かを失くした小説ばかり書いている私も
言葉を自分自身を確実に失っていった
という器物であることの人間の悲しみを
澄んだ眼差しで見つめ空無への願望を
美しく危険な状況の中で描く傑作長編とあります
やはり最初にもお伝えしたんですけども
英語訳が全米図書賞とブッカー賞の最終候補になって
2019年2020年脚光を浴びて非常に注目されるようになったという
そういう小説ですね
これ記憶が消滅していくって話で
博士の愛した数式も記憶に関わる内容だったけど
こちらもそういう内容になってますね
じゃあ具体的にこの作品紹介していきたいと思います
まずちょっとこの作品のですね
ストーリーに入る前に魅力を伝えたいんですけれども
まず圧倒的にこの小説をですね
この小説たらしめているものはですね
設定の良さだと思ってます
まず記憶が消滅していく世界という設定があります
これどういうことかっていうと
ある朝起きると
例えばですね
何だろうな
私たちの生活で言ったら
コップが消えてるみたいな
コップ消えたら結構困るな
例えばコップだとしましょう
コップだとすると
そのコップに関する記憶っていうのが
一切抜け落ちるんですね
コップって名前は思い出せたりするんですけど
それも徐々に思い出せなくなったりするんですけど
これ何だろうみたいになって
それを例えば水入れたり飲み物入れたりして
飲むものだっていう認識がなくなるので
その使用用途も分かんないし
これ何のためにここにあるんだろう
みたいなのさえも分かんなくなるという状況になります
結果そのコップというものをですね
もう人々は破棄していく状況になります
っていうのが一つずつこの島なんですけど
島で進行していくということになります
で面白いのは
この記憶を消滅する人間
12:01
亡くなってしまう人間もいれば
ごく少数なんですけれども
その消滅しない人間がいる
ずっとみんなは忘れてしまったけれども
失ってしまったけれども
持ち続けられることができる人間がいるという状況
という状況があります
その記憶がなくならない人たちですね
この人たちはバレると
ストーリーで詳しく話そうかなと思ってるんですけど
秘密警察というものたちがいて
記憶狩りというのがあって連行されちゃうんですね
そういう怖さもありつつ
この島では記憶が消滅する人と消滅しない人という
二つの人種がいます
ここでちょっとやっぱり考えてしまうのは
この小説における記憶というのは
一体どういう意味を持つのか
一つずつ失っていく
消滅していく記憶っていうのは
一体何なのか
何を表しているのかとか
ここに隠されているテーマとかは何なんだろうとか
ということをちょっと色々考えてしまうなと思ってます
だからこれが結構この小説の肝であり
多分読んでる時ですね
魅了されてしまう部分だなと思ってますね
そういう意味ではリアリティ系の話ではないんですよね
そうだね
幻想チックなところもあると思いますし
設定のベースというんですかね
元にはアンネの日記があってですね
小川陽子さん中学生の時にアンネの日記を読んで
すごい影響を受けて
この静やかな結晶だけじゃなくて
いろんな作品ではやっぱり戦時中の
ユダヤ人迫害に連想させるような話とかね
書いてると思いますし
秘密警察というのもすごく不気味な存在で
でも絶対的な力を持っていて
秘密警察が人々から記憶を奪っていくというところとか
人々を連行していくところとか
やっぱりその辺は戦時中
奪っていくというところとかなり重なるところがあって
問答無用でナチスが奪っていったりする感じとか
そもそも戦争が持つ暴力性みたいなのと
かなり重なるところがありますよね
こっちが望んでもないのに
世界が変容していくみたいな感じもすごくあるし
それをやっぱりダイレクトにそのまんまじゃなくて
こういう秘密警察とか記憶狩りとかみたいな形で
表現するっていうところに
小説の設定の面白さっていうのはあるなと思いましたね
結構戦争と重なる部分があるんですが
その中でこのタイトルの
静やかな結晶ってとこなんですけど
これが何でしょうね
結構本文中では全く明示されなかったと思っていまして
これは結晶って言葉出てきてないと思うんですよね
なんでこの独領後ですね
あれ結晶このタイトルの意味は何なんだろう
みたいなことはちょっと考えてしまいましたね
ちなみに三枝さんどうでしたこのタイトル
そうですねそんなに意識はしてなかったんですけども
改めて考えると結晶って記憶のことを言ってるのかなとも
ちょっと思いましたね
15:00
やっぱりいろんなものの記憶がどんどん失われていくんですけども
それが一つ一つやっぱりつながっていて
その一つ一つのものがつながっていくのが結晶で
その結晶がやっぱり世界を表してるんじゃないかなと
やっぱそれが欠けていくと
世界って成立しないんじゃないかなとかですね
そんなことを改めて考えると思ったりはしましたね
そうですよね
大地さんもどう思いました
同じですね
記憶なんだろうなっていうところ
記憶について描いている作品なので
結晶って記憶に関わる部分なんだろうなと思ってるんですけど
結晶ってあれですもんね
何かが集まって形作るみたいなイメージなので
だからなんだろうな
奪われてしまっても
この記憶がどんどんなくなっていて
でもこれってあれじゃないですか
奪われるのってものじゃないですか
例えばそのものに関わる感情とかも
消えてしまうかもしれないけど
そのものとは直接深く結びついているけど
ちょっと離れたところにある思い出みたいのは
多分なくなってなくて
そういうちょっとこの奪われてしまっても
必ず残る部分みたいなのがそれぞれの記憶にあって
それがやっぱり集まっていって
結晶になっている部分っていうのが
アイデンティティじゃないけど
自分という存在みたいな感じなのかなってちょっと思いました
だから密やかな結晶って
密やかなっていうところと
奪われても残されたものみたいな
記憶の中の奪われても残されてる部分
決して誰にも触れられない部分みたいなことを
ちょっと言ってるのかなと思ったんですけど
結構ラストがこれで解釈すると結構難しくて
でもいいラストで終わったんですけど
ちょっとそこの自分の中の
整合性みたいなのが取れてないなとか思いながら
今話しながらちょっと思っちゃいました
ちょっと思い出とか感情の伴ったものとか
なんかそんなイメージですかね
そうだね
でも分かんないけど
俺たちも例えばたくさん小説読んできてるけど
一冊一冊詳細に覚えてないじゃん
ストーリーとか
でもその小説から感じたことっていうのは結構強く残ったりするじゃん
そうっす
そんなイメージ
なるほど
なんか内容忘れちゃったけど
いやこれにこういう感じで心揺さぶられたんだよな
みたいなのって
なんか本棚とか眺めてるとたまに思い出したりするんだけど
でも全然細かい内容を覚えてないし
これ登場人物最後どうなったんだっけみたいな
そういうことあるけど
でも感じたことはなんか残ってるっていうか
そんな感じです
なるほど
これ伝わるかな
いいですね
なんかもしかしたらタイトルだけでこんな話ができてしまう
そうだね
記憶とは何かみたいな話ですね
ちょっとここ時間かけすぎてるけど
18:01
でも非常にこの小説読む上では
この必要な結晶って何だろうって考えながら読むと
多分広がると思うので
なんか重要なタイトルだと思ってますね
じゃあ2点目ちょっと行きたいと思います
設定の後というか設定にもちょっとつながる部分なんですけど
この小説が持っている世界観とか空気感が非常にいいです
えーとですね
ほんとこの静かな時間が流れている印象はあるんですけれども
でも記憶警察
じゃないや秘密警察かっていう存在がいたり
あといつ記憶がなくなるのかみたいな部分があるんで
常に不穏な空気とか緊張感が小説の中に漂っていて
なんかこれはですね
読んでると落ち着かない気持ちにさせられますね
ただその中でもこの登場人物の主人公の女性の私とか
その彼女と親しくしているおじいさんとか
他の登場人物が結構出てくるんですけど
彼らがこうちょっとその一瞬一瞬ですね
少し穏やかな時間とか穏やかな感情を持つ時があって
それが逆にこの対比でめちゃめちゃ際立っていて
なんかすごく特別なものに見えてくる
そんな瞬間を描いているので
ここの作り方はうまいなと思いました
やっぱりこの失っていく記憶っていう設定の中にも
さっきもちょっと話してしまったんですけど
大切な思い出っていうのが絶対あるんですね
そのことを感じさせてくれるような描写が結構あって
それがやっぱり失われてしまったっていうところが描かれているので
結構ここは切なくて辛い部分ですね
なんかこれはちょっと完全に個人的なアレですけど
なんか読んでるとですね
自分も絶対失ってしまっただろうみたいな
大切な思い出があったんだろうなってことは
ちょっとしんみり考えてしまう瞬間がありました
最初の本読んでた時の印象が
ちょっと淡々と描かれている印象があってですね
なんか消失はしていくんですけども
そんなにそれが本当に大事なのかっていうとですね
なんか読んでるとそこまでは思わなくて
で結構ね主人公の日常生活のことが丁寧に描かれたりしていて
確かに穏やかな時間が流れてるなっていうのが
最初の本の印象だったんですけど
だんだんでもねやっぱり
主人公にとって失ってはいけないものが
失われたりしていくようになっていくと
やっぱ小説の展開もまた変わってくるっていうところで
特に最初の本の雰囲気っていうのはすごい
こんなに深刻な設定の話なのに
こんなに穏やかな雰囲気なんだっていうので
ちょっと後で振り返ると
そういう空気感で小説を書いてるっていうのも
またすごいなと思いましたね
そうですね確かに
最初の導入というか
最初ちょっとね私と母の話から始まるんですけど
そのあたりの感じは結構確かに淡々としてて
そこまで記憶が失われることに対して
危機感みたいのはあんまりないんですけど
徐々にねちょっとストーリーでも話しますけど
より大切なものを奪われていく感じがあって
21:01
そうなってくるともう全然状況変わってくるみたいな感覚がありましたね
そのあたりもちょっとストーリーで話したいと思います
最後のちょっとこのストーリー入る前に魅力の部分で伝えたいのはですね
これ小説内小説があるんですよ
この小説の主人公である私はですね小説家で
彼女が書いてる小説が途中に挟み込まれてきます
一冊ですね一本ですね
ほぼ丸ごとこの小説の中に読むことができるような形で提示されます
これはもちろん私が書いてる途中で
どんどんどんどん書き進めていくうちに
その章が読めるようになってくるって感じなんですけれども
これが物語と結構同時に進行して結構リンクする部分があってですね
小説内小説もやがてちょっと結末を迎えるんですけれども
それも結構この小説の中でですね
良いスパイスというか良い要素になっていて
この主人公私の心情というのをかなりストレートに表現している
小説内小説だと思ってまして
これはよくある作りではあるんですけど
たまに見る作りではあるんですけれども
この小説の中ではかなり成功してるんではないかなと思いました
そうですね小説内小説ってなんですけども
明確に書き分けてないんですよね
主人公世界と小説内小説の世界が
同じようなタッチで書かれてるんで
ちゃんと読んでればどっちがどっちって分かるんですけど
ちょっと気が抜けた時とかね
あれこれ今どっちの話してるんだろうってなったりする時があって
ただそれが結構個人的にはね
この作品に関してはそれでいいんじゃないかなと思っていて
すごい溶け合うようなまどろむような感覚になって読んでいくという
よく分からないけどでも話がこういう風に進んでいくんだという感覚があってね
そういう読み方ができたのも面白かった
この小説内小説のところは
本当個人的ですけども
気をつけてちゃんと理解しないといけないというものでもないのかなとは思っていて
かなりそこの主人公が作中の主人公と
イコールみたいなものかなと思うので
素直に小説内小説って気づかなかったとしても
読んでいけばこの作品を純粋に楽しんでいけるなとは思いますね
そういう意味ではすごくうまく書かれてるなと思います
だいぶ動詞化はするよね
でもただ小説内小説は結構デスマス調なんで
一番最初にできた時私びっくりしましたね
急に誰かの語りが始まったと思って
書いてる小説だって提示されず入ってくるんで
急に誰かの新しい視点から語られるのか
ここでみたいな
ちょっとびっくりしたのはありますけど
でもその後は慣れていましたけど
じゃあそんな魅力のあるひそやかな結晶なんですけれども
ちょっと私の方からですね
かなりかいつまんでストーリーを話していきたいと思います
で主人公である私が住む島では
記憶が少しずつ消滅していくという状況にあります
24:03
ある朝起きると何かが消滅してる時がある
で消滅したものはものとしてはそのここにあるんですけれども
それに対する記憶とか感情みたいのが失われていて
何も感じなくなるんですね
名前なんかもうまく出てこなくなったりします
最初の方はちょっとまだ出るんですけど
で消滅した瞬間はですね
何が失われたのかわからないが
それに気づくとですね
全て破棄しなくてはならないという状況になります
この消滅したものを持ち続けるということは
この島では禁忌とされています
消滅したものに固執していると
秘密警察というものに捕まってしまいます
この秘密警察は島の知事を守るという名目のもと
消滅したものをですね
残らず島から破棄することを
自分たちのタスクというか仕事としています
そこにはですね
例外はなく徹底した冷酷さがあります
またこの島にはですね
一定数遺伝的な理由か何かなのか
記憶が消滅しないという人たちがいます
彼らはこの島で生きていくために
記憶が消滅したフリをして
他の人に紛れて生活しています
もしですね記憶が消滅しないということが
秘密警察にバレると連行され
明示されないんですけれども
おそらく殺されてしまう
処分されてしまうんだろうということが描かれます
ただ記憶がなくなったフリというのが
結構ですね
ものによったらかなり難しくて
消滅したものがですね
その人にとって大事なものだと
結構すぐバレてしまうということがあります
で秘密警察はですね
定期的に記憶狩りということを行って
この記憶が消えない人たちを見つけたし
こんな状況もありながら
秘密警察に怯えるこの島の人々たちは
どんどんなんとなく追い詰められていく
という状況があります
ざっくりとした前段でも話しましたが
設定の部分ですね
ちょっとこの状況を頭に入れながら
このストーリーの大枠聞いてもらいたいんですけども
主人公の私ですが
この私の母はですね
記憶が消滅しない人でした
この私が幼い時にですね
そのことがバレてしまい
連行されたっきり帰ってこない
という状況になります
その後ですね
父も死んでしまい
私は一人で暮らしながら
小説を書いて生活しています
私が書く小説はですね
何かをなくすことをしてしまう
主人公ばかり出てくる
そんな小説を書いています
私はですね
動かなくなったフェリーで暮らすおじさんと親しくしています
この人とは家族同然の付き合いをしています
フェリーはですね
船が消失したのかな
動かすことができない状況になっていて
ただの家みたいな感じになってますね
このおじさんは整備士だったんですけれども
そのタイミングで職を失ってしまっているんですが
今は別の仕事をして生きているようです
この島ではですね
自分が関わるものが消失しても
次の仕事がわりかしすぐ見つかるという
不思議な状況です
私は自分が書いている小説をですね
出版社の担当編集者のR氏に定期的に見せに行っていました
R氏はですね
結構不思議な方で
私はですね
記憶が消滅することに関して
いろんな不安を抱いているんですけれども
それを聞いてくれる存在でした
やがてですね
R氏は自分が記憶が消滅しない側の人間であることを
27:00
私に告げます
私はですね
驚きながらR氏を救いたいと思います
R氏のために
このおじさん
フェリーで暮らしているおじさんと協力して
かつて私の父が
諸子として使っていた小さな部屋をですね
R氏のための隠れ部屋とします
かつて秘密警察にも見つからなかったという経緯があるので
ここしかないと私は思いますね
この小さな部屋で
なんとか生活できる環境を整え
R氏を迎え入れようとします
無事ですね
R氏を隠れ部屋にまに行けることに成功した私なんですが
R氏と一緒に
同じ空間で暮らしているわけではなくて
基本的にR氏の食事の世話とかは
私がすることになったので
頻繁に会話することになり
記憶が残っているということに対して
私の中で様々な感情が渦巻いていきます
R氏も自分と同じように記憶がなくなってしまう
消滅してしまえる人間であれば
こんな風に隠れることがないと思う一方で
そのことに対して憧れのようなものもあります
そんな折ですね
ついに消滅説がこの島で消滅してしまいました
ここから先ちょっとですね
物語の核心も後半部分に差し掛かっていて
核心に触れていくので
まじネタバレ嫌いな人は
ちょっとここで止めてもいいかなと思います
毎回このネタバレのアラートしちゃって
申し訳ないんですけど
ちょっと気になっちゃうので
アラートしておきますね
この小説が消滅してしまったので
もちろん私は小説が書けなくなります
ただR氏には全ての小説を処分するのではなく
もちろん今書いている小説は残しておき
なんとか書くよと言われて
深夜机に向かいます
また小説家としての仕事を失った私にはですね
新しい仕事として
タイピストの仕事が見つかります
偶然ですね
自分が書いていた書きかけの小説の主人公も
タイプライターを使う人間で
その共通性にも
ちょっと惹かれていくというところもあります
消滅はですね
どんどん進行していき
左足という身体まで泳ぐようになってきました
秘密警察の記憶狩りも
どんどんどんどん厳しくなってきます
そんな消滅が進むこの島でですね
私とR氏はどんどん
この島でですね
私とR氏はどうなっていくのか
ということが最後描かれて終わるという
内容になっております
ちょっと最後はちょっとぼやかそうかなと思うので
この辺りにしておきたいと思います
こんな感じですかね
結構ねこれ長い作品なんですよね
文庫だと400ページぐらいあって
ゆっくりと
なんかその話が進行していく印象ありましたね
そうですよね
そのゆっくり度は心地良かった感じはあるんですけどね
ちょっとねラストについて
話したいなと思っているんですけど
まぁちょっととはいえ結構確信の部分があるんで
もう端的に行きましょう
ここは
ラストどうでした?
負に落ちました?
なんかどういう印象を持ちました?
ラストですよね
なんか俺ちょっと
あっこういう終わり方するんだみたいな
ちょっと意外だった感じはします
なんかなんだろうな
なんて言っていいんだろうな
解釈の幅があるのはすごく好きなんですけど
まだちょっとあれだな
すごい結末について行っちゃいそうになるから
もう1点2点するかと思ってました
30:01
それはね僕も正直思ってました
ラストやっぱり正直
もうハッピーエンドとかではないんですよね
そうですね
ハッピーエンドではないですね
じゃああれかな
みえさんあれかな
ここまでじゃなくて
もうちょっとなんかハッピーに終わると思ってた
そうです
もうちょっとなんかね違う展開を
分かる分かる
予測なんてしないんですけど
読んでる時に
まさかこうやって終わってしまうんだって
ちょっとびっくりしました最後
大地さんが言うように
もうちょっと違う展開
まだ先にあるんじゃないかとか
その最後に行く途中で
違う展開になるんじゃないかとか
ちょっとこれペタバラになっちゃうけど
本当その小説内小説と最後リンクするじゃん
感じが
そこが結構ゾバッとした部分だなと思って
だからそれをなんだろう
小説内小説のラストと重なるんですけど
なんかそうではない
最後を望んでいた気がする
俺を読みながら
だからきっと
読み終わった時になんか
すごいモヤっとしてしまったというか
いい意味でね
小説としての終わり方としては
すごく綺麗に書かれてると思って
綺麗だよね
やっぱり大地さんとの間で
自分が望んでいた終わり方とは
ちょっとあれこれ違うんじゃないかって
最後行き着いた時に思いましたし
ってことはこれやっぱ狙ってたのかな
こういう
読み手にこういう気持ちを
そうですよね
持たせること
でも小説内小説と同じ終わり方をしたってことは
この終わり方を
この私はもしか受け入れてたのか
望んでいたのか分からないけど
主人公の私は自分の小説でも
同じような終わり方をしてるわけだから
望んでいたのか受け入れてたのか
ちょっと分からないけど
何か覚悟はあったんだろうなってちょっと思いますよね
じゃあちょっとですね
他のちょっと印象に残ったところを話していきたいんですけれども
私は個人的にですね
物語の後半なんですけれども
身体が消滅していくんですよね
記憶が
一番最初左足だったんですけど
この時の描写がすごくて
左足失っちゃったから
左足動かせなくなってるっていう
この話とかが出てきて
それを割とこの島の方々は
淡々と受け入れていくシーンもあって
怖いなって本当ちょっとここは
本当思ったんで
すごくゾッとした
ポイントでしたね
これとかね
結構決定的な
この物語のターニングポイントだったなと思っていて
小説が小説するっていうこともそうだったんですけど
身体が失われていくっていうのは
結構すごい
この小説の中で
危機感をどんどん煽っていく部分ではあったなと
本当ね
終盤の出来事なんですけど
その段階ではね
結構主人公の周りではもう
状況としてはね
だんだん厳しくて
人が亡くなっていったりとかもあって
さらにねそこから
まさか身体まで消えるっていう
そんなことが起きるんだっていう
左足が消えたら
やっぱりすごい
体を動かすのが難しかったりするんですけど
そういうのをね
33:00
ちゃんと丁寧に描いてるっていうところが
また描き方が面白いなと思いましたね
左足失ったらどうなるんだろう
感覚的なところとかも描かれていて
これ本当どうなってんだろうな
もうちょっと次々ね
ちょっと身体の部位が
失われていってしまう状況になっていくんだけれども
どうなってんだろうなみたいな
あとちょっと
私が印象に残った部分先に話しちゃうと
結構本当これも後半なんですけど
371ページで
R氏の方に
記憶が消滅しないR氏に
私とおじさんは
なんとかその
消失してしまったものを思い出してほしい
という話をされて
消失してしまったものを
改めてR氏から紹介されたりとかして
思い出すきっかけになったりするんですけれども
その中で
371ページで
このおじさんの言葉がすごく私に印象に残っていて
いくら素晴らしいことを思い出しても
放っておいたら誰の目に触れることもなく
そのまま消えてしまいます
自分自身でさえ
記憶の正体をつかんでおくことはできません
証拠が何も残らないんです
それでもやっぱり
あなた様がおっしゃる通り
消え去った者たちを
無理やりでも
引き連れ出した方がよろしいのでしょうか
って言っていて
ここのなんかどうしようもない切なさみたいなのがすごくて
なんかなんだろう
この溝の
消滅しない人間と
消滅してしまう人の溝もそうなんですけど
なんか
やっぱり記憶って
自分たちもやっぱり
すごく曖昧なもので
なんかそれを
共有するのって
ほんと難しいな
ってちょっとこの
セリフを読んで
言葉を読んで思ってしまって
同じ経験したとしても
違う記憶が
それぞれあるわけで
これが向こうに残ってるかどうかなって
自分が
その時の記憶大切だったけど
向こうに
残ってるかどうかなんてわかんないし
逆もそうだし
向こうからすごく大切な記憶として
自分との思い出が残されてたとしても
それを自分が忘れてしまってる可能性とかあるし
っていうことをなんかいろいろ考えてしまう
自分で
結構なんか揺さぶられましたね
そうですね
今のちょっと大地さんの話聞いて
思ったのは
この小説だから
今のね
大地さんが言ったセリフが
出てきたのかもしれないんですけども
意外となんか自分たちの
なんか
世界でも
案外近いのかもしれないなと思っていて
なんかその
特に自分自身ですね
記憶の正体をつかんでいくことはできないと
証拠が何も残らないっていうところとか
なんか
そんなことを意識してなかったんで
なんか案外もしかするとね
ここで言ってることって
小説だとそれが
奪われるものとして描かれてるんですけども
自分たちの日常
日常に当てはめると
本当は素晴らしい
思い
あっても
意外とそれを
どこまで大事にしてるんだろう
逆にちょっと自分たちの
自分ですね
自分をちょっと
見つめてしまうようなことを
ちょっと思ってしまいましたね
たしかに
そうっすよね
みなさんなんか印象のこととかあります?
そうっすね
いくつかあるんですけども
僕ちょっと一つ
疑問に思ったのは
このアール氏っていう人ですね
名前の表記なんですけども
36:00
アール氏っていうのは
アルファフェットのアールって
この登場人物
名前がそもそもないんですよね
この作中
イヌイ教授という人に
出てくるんですけど
ちゃんと名前が付いてるのって
イヌイ教授ぐらいで
私とかタイピストとかも
タイピストじゃないですか
小説ない小説ですけど
なんかそのおじいさんとか
名前がなくて
でアール氏も
アルファフェットのアールって
なんでこういう名前表記なんだろう
っていうのは
ちょっと気にはなりました
イニシャルですよね
そうそう
たしかに
でもなんかそれが
ちょっと俺的には
なんか日本っぽくなくて
すげえ良かったけど
そうですね
なんか日本のね
ある島が
舞台とは思うんですけどね
全然なんか日本っぽくないっていうか
その雰囲気はね
ありますし
あとはやっぱ印象に残ってるのは
これはね
82ページに出てくる
主人公と
おじいさんの
会話なんですけども
そこで秘密警察とかですね
記憶返りとか
っていう
その消滅のエネルギーの
凄まじさに対して
島で作ることができる
はもうささやかで
頼りげないものばかりという
そういう会話をしていて
ここがちょっと印象に残っていて
その設定考えるとですね
やっぱり
秘密警察とかがいる
この状況って
かなり厳しいはずなんですけど
でもそれでも
この私とか
おじいさんとかの生活には
穏やかなところがあって
それは何でかなと思うと
やっぱり
特に私とかおじいさんが
周りを凄く大切にしていて
このささやかな生活ですね
ささやかな生活っていうのは
小説で
やっぱりずっと書かれている
日常の暮らしの部分になるんですけど
そこを大切にしているっていうのがあって
やっぱり
この小説の設定考えると
本当に危険な世界なはずなんですけど
その中で
島が作り出すことができる
ささやかな部分っていうのを
大切にして
穏やかな空気感を提示できている
っていうのが
凄いなというのは
読んでて思いましたね
結構絶望感があるけれど
奪われていく中でも
生きていくみたいな感じですよね
なんかその
消滅していくもののスピードと
なんか島が
作られるもののスピードが全然違うっていう
話なんですけど
食料とかね
特にね
無くなっちゃうとさ
限られていくからさ
食べるものっていう意味でも
大変になっていくんだけど
進行するにつれ
できることが限られていくっていう
感じが凄く
序盤からだけど
怖いなと
俺も思ったとこですね
あとは
284ページの
主旨の課題
284ページの
主人公と
アール氏の会話なんですけども
えーとですね
その
島で小説が消滅したんですね
で小説を書いていた
主人公にとっては
凄い
かなりの板出て
ちょっとこの先
どうしようかというところで
ちょっとですね
弱気になっていたんですけども
ただここでですね
アール氏
アール氏っていうのは
編集者の人なので
やっぱり
思うところがいっぱいあって
で主人公に対して
もう君は小説を書き続けるんだ
ということをですね
言うセリフがあって
主人公もね
書いてきた原稿とか
燃やそうとね
したりとかね
39:00
考えたりするんですけど
原稿も燃やしちゃいけないと
小説を書き続けるんだと言って
知った激励するシーンがあって
ここは
僕読んでてね
急になんかね
このアール氏の言葉に
だから僕の方がちょっとなんか
ちょっと知った激励を受けたような
感覚になって
なんかちょっと気持ちのスイッチが入りましたね
この小説
読んでいくときの
それまでのちょっと穏やかな
穏やかに
ちょっと
ちょっとのんびり読んでいたところで
急にね
ハッてね
なんか目がそびって
死んで
これいいよね
結局このね
あの
もう
私は小説が消滅しまったので
その文字のつながりっていうのが
なんかこう
関連した意味として
捉えられなくなってしまっていた
状況で
でも
一文一文書き始めるっていう
そして小説が完成するっていう
展開があって
ここは結構
俺は
心打たれましたね
なんか
そうですね
うん
分かりますね
でこの後ね
小説内小説の
タイプライターの話とかもね
やっぱり
出てきたりするんですけども
やっぱそこをね
読むとよりね
なんか考え深さっていうのが出てきますね
これを主人公
同時進行で書いてるんだなと
やっぱりちょっと思ったりすると
うん
いやなかなかね
やっぱり
すごいいい展開の小説だなと思うんですけども
なんかね
途中にあったこのね
RCの言葉っていうのがね
その中でもね
なんか印象深さっていうのがありましたね
このやっぱ小説内小説が
ちょっと最初にも話したけど
いやいい設定ですよね
これはね
上手かったな
うん
じゃあ
いつも通りですね
感想と
どんな人に読んでもらいたいか
お話しして終わりたいと思います
私ですね
この作品なんですけど
ふとこの25年前
というか書かれたのが
年代を考えると
作者の小川陽子さんがですね
30代前半で書いてる感じなんですよ
そうなんだ
これ
うん
それを考えるとさ
ちょっとこの完成度
やばくない
なんか
そうですね
すごいな
うん
ちょっとびっくりするよね
だから
そういう意味でも
なんかやっぱすごい作品だなと思ったし
やはり
あの始めにも話しましたけど
時代が変わってもですね
読まれる作品だなと思いました
海外での評価も高いっていうのを名付けますし
やっぱりこの
改めて今
映画家の話とか出てるっていうのも
すごく
納得がある話です
あの
これ独竜語ですね
ラストについては
いろんな人絶対語りたくなるので
読書界向きの本だなと思いました
この辺りはちょっと
あの
読書界向きの本だなと思いました
この辺りはちょっと
あの
多分
いろんなテーマで
いろんな語りができるので
あの
いろんな人と話せる作品なんだろうなと思います
やっぱりそういうちょっと
こう
いろんな解釈ができそうな
作品が好きな人と
あとやっぱこう
圧倒的に世界観がすごかったので
あの
こういう
あの
ちょっと我々の現実とは違う世界観に触れたい
という人には
おすすめだなと思いました
うん
そうですね
僕は結構
複雑な小説だと思いまして
世界観としては
あの
大きく
大きな
世界観を
思いまして
世界観としては
あの
穏やかな日常が
描かれている
パートもあって
小説内小説とかあったりして
なんかあの
42:00
読んでいくと
最初の方に言ったのが
まどろむような
感覚っていうのが
あって
ちょっとね
ぼんやりとした
作品として
読んでいくことも
できたんですけども
ただ
この作品には
秘密警察が
出てきたり
すごく
あの
第二次世界大戦の中で
その
イタリア人の迫害に
重なるような
描き方もあって
なんか
そうなるとですね
最初に言った
まどろむような
読み方っていうのが
だんだんできなく
なってきて
そういう意味ではね
ちょっとね
最初
ふんわりとしているな
と思った世界観と
すごい緊張感があるな
という世界観が
同時に
描かれているような
気がして
やっぱなんか
すごい作品だな
っていうのが
ですね
なんか思います
読みごたえのある
長編なので
ちょっと日常から
離れたい時とかですね
読むと逆に
日常が大切に
思えてくるような
感覚に
なるのではないかな
と思いますので
ちょっとですね
自分を
どこか遠くに置きたいとか
逆に自分を
見つめ直したいな
とかですね
そんな気分の時に
おすすめな
作品かなと思います
そうですね
結構現実逃避は
できる気がする
変わった世界に
入れると思いますね
じゃあ
次回告知で
終わりたいと思います
次回はですね
ローベルト・ゼイターラーの
野原を
ご紹介します
お楽しみに
番組の最後になりますが
メルマガ会員を
メルマガはですね
無料版
有料版とありまして
無料版は
毎回のエピソードで
長すぎた部分を
カットして
お届けしております
もっと我々の
エピソードを聞きたい
という人のために
やっております
有料版はですね
サポーター特典という
形になっておりまして
ちょっと我々を
応援したい人のために
やっております
ささやかな恩礼にも
なっていることが
分からないんですけれども
我々の日記のような
編集工期を
毎週毎週
お届けしております
詳しいことは
番組概要欄に
記載しておりますので
そちらご確認ください
番組の完成や
リクエスト
またこのラジオを聞いて
紹介された本を読みました
読み返しました
などございましたら
ハッシュタグ
そろとび猫たちを付けて
教えていただけると
嬉しいです
ツイッターや
インスタのですね
DMや投稿などで
お待ちしております
番組情報欄にですね
あとお便りフォームも
載せておりますので
お便り会も
やってますので
ぜひぜひそちら
ご活用ください
この番組
気に入っていただけましたら
積極的に
ではまた来週
ありがとうございました
44:18

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