1. 文学ラジオ空飛び猫たち
  2. 第154回 埋められない溝を見事..
2024-05-20 50:14

第154回 埋められない溝を見事に描いた台湾グルメ小説「台湾漫遊鉄道のふたり」楊双子著

【今回の紹介本】『台湾漫遊鉄道のふたり』楊双子著、三浦裕子訳、中央公論新社 https://www.chuko.co.jp/tanko/2023/04/005652.html . パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください! . 今年の第十回日本翻訳大賞の最終候補/まるで日本の小説のよう/趣味が合うか不安はあったけど心配無用だった/著者&作品紹介/日本人作家が書いた小説という構成がユニーク/グルメエンタメ/台湾人のアイデンティティ/作品の時代背景/青山千鶴子と王千鶴/ネタバレなしでストーリー紹介/ルーローハンにもいろいろ/九州女児という表現/日本人と台湾人の視点の違い/あとがきを解釈する/次回予告 . ーーーーーーー 版元サイトより ーーーーーーー 炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。結婚から逃げる日本人作家・千鶴子は、台湾人通訳・千鶴と“心の傷”を連れ、1938年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。台湾グルメ×女たち×鉄道小説! . ▶︎第十回日本翻訳大賞の受賞作は5/19に発表されました。 https://besttranslationaward.wordpress.com . ▶︎番組内で紹介した太台本屋 tai-tai booksさんの呉明益『複眼人』読書会

http://taitaibooks.blog.jp/archives/40644844.html

【お知らせ】 Amazon Audible限定配信のPodcast番組「ゆかいな知性 文学編」にダイチがパーソナリティとして出演いたします!トーク形式の番組で、ダイチのお相手となるのは彗星読書倶楽部の森さんという方です。初回放送は12/8(金)で、今後半年間、毎週金曜日に文学編が配信されるので、Amazon Audibleを聴ける方はぜひお見逃しなく! . 【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】 声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【番組へのお便りはこちらから!】 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【メルマガ会員募集中! 】 毎週土曜日朝7時に配信! 無料版は本編エピソードには収めきれず、泣く泣くカットした部分を聞いて頂ける内容になっております! 有料版は我々2人に対しての応援・支援をしたい!という想いを持って頂ける人を対象に、月額500円のサブスクをご用意。ささやかな御礼として編集後記という配信後の感想などをお送りします。なお、こちらに有料登録して頂いた方々を我々はサポーターと呼ばせて頂いております。 どちらも theLetterというニュースレター配信サービスを使わせて頂いております。最初は無料購読登録から始まりますので、是非気になった方はまず無料登録を! ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://radiocatwings.theletter.jp/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ※登録されると確認メールが迷惑フォルダに入ってしまう可能性がございます。すべてのメールをご確認ください。 ※もちろんサポーターとしてご支援頂かなくても、Podcastを聴いて頂けるだけでも本当に嬉しいです。 【文学ラジオ空飛び猫たちとは】 硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。 案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ 京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ 文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、 読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます! 毎週月曜日朝7時に配信しています。 【SNSでご投稿ください】 番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください! よろしくお願いします! ■twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/radiocatwings⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/radiocatwings/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Gmailでも受付中です bungakucafe.catwings@gmail.com ■ダイチ「小説家が好き!の会」 Twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/welovestory ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://www.instagram.com/booklogd/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■ミエ「羊をめぐるカフェ」 Twitter⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://twitter.com/hitsuji_meguru ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/hitsujiwomeguru.cafe/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ #本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック


00:05
日本人作家の青山智子は、台湾での公演ツアーで通訳の大地鶴と意気投合し、深い友情を結ぼうとするが、
1938年の台湾を舞台に繰り広げられる女性二人のグルメ道中、
台湾漫遊鉄道のふたりをご紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私ダイチとミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、陽二子さんの台湾漫遊鉄道の二人になります。
三浦祐子さん役で、中央航路新社から2023年に出版された本になります。
はい、こちらの作品ですが、第10回日本翻訳大賞最終候補5作のうちの一つとなっていて、こちら予定通りいけば配信日が5月8日、ごめんなさい、5月20日なので発表当日に配信されている。
うん、だよね、という状況だと思うので、配信自体5時に配信されているので、ちょっとどういうタイミングで皆さん聞いているかわかりませんが、
多くの方がきっと日本翻訳大賞発表後に聞いていると思うので、この作品が受賞しているかいなかっていうのは、もうお分かりなんじゃないかなと思っております。
ちなみに私はちょっと前の番外編で、この作品が撮るんじゃないかと思って推薦、推薦予想しておりました。
そうですね、大志さん予想でハリケーンの季節とこの作品の2つをあげられていましたしね。
で、三浦さんがハリケーンの季節と、
幽霊ホテルからの手紙ですね。
幽霊ホテルからの手紙は来週紹介します。
ちょっと今週、来週、再来週と日本翻訳大賞最終候補の作品をね、ちょっとずらっと紹介していく流れになってますんで。
受賞作が発表された後にはなると思うんですけれども、ぜひですね、ご作品すべて紹介するので楽しんでいただけたらなと思います。
翻訳者の方なんですけど、三浦悠子さんあれですね、台湾を中心に、アジア系、台湾と香港が中心っぽいんですけど、日本に紹介するユニット、タイタイブックスの参加者というかメンバーの一人ですね。
このタイタイブックスさんは結構いろんな活動をされていて、読書会とかもやってるっぽいんで、ちょっと最近気になっているユニットというか。
03:01
これが配信されるときは、あれ?いつだ?あ、20日か。ってことは、ちょっと気になっているのが、ゴメイキさんの福岡人の読書会がたぶん5月31日にあったりする。
そういう読書会もされている。 うん、あるっぽいあるっぽい。ちょっとあのちょうど本当今日かな、SNSでパッと見たんだけど、ちょっと気にはなってますがというところですね。
まあちょっと概要欄に載せとこうかな、間に合えば。という方が訳されているので、この台湾香港のあたりのカルチャーとか、こういった小説を日本に紹介するっていうことをメインに活動されている団体っぽいので、
気にはなっている団体の方が翻訳されているというところもちょっと合わせて紹介しておきたいなと思います。
じゃあですね、あのそんな背景もありつつなんですが、台湾万有鉄道の2人は実はめちゃくちゃ読みたかった小説の一つで、前にもちょっと話しましたけど、自分がやっている読書会でも紹介されていて、その時ですね、紹介されている方がめちゃくちゃ楽しそうに紹介されていました。
で、読んでみてもう理由はもう分かれましたね。めちゃくちゃ面白かったですね。いろいろ話したいこと多くて、ちょっとマジで何をから語ればいいのか今日ちょっと分からなくなってるんですけど、
まず何を置いても言っておきたいのは、これ多分役者とか名前なくて、普通にただなんかあの日本人の名前でこの本が売られてたら、普通に日本の小説だと思っております。私。
いやでも絶対ね、そうですね。僕もそうだと思います。
これですね、日本人が主人公だし、本当日本の小説っぽいんですよね。なのでちょっとこのナチュラルさにはかなり驚いている作品ですね。
しかもこれね、台湾で最初出版された時も日本人作家が出した幻の原稿が見つかって、それをね、この著者の楊双子さんが翻訳して出したっていう触れ込みで出したら、それで炎上したっていう、だからそんな経緯があるんですよね。
そう、なんかその嘘じゃないかっていうので、それくらい騙されてしまうくらい、そう本当日本の作家が書いた作品なんじゃないかって確かに思いますよね。
確かにこの日本の作家書いたっぽさはめちゃめちゃあるんだけど、それは正直現代の日本の作家っていう感覚で、これ、あのなんだろう、相当昔に書いた日本の作家との文体とはちょっとかけ離れてるから、あのもうかなり現代風な文体なので、
それも両目安さんの一つなんだけども、それは、いやちょっと待って嘘だろうって思うだろうっていうのはちょっと思いましたね、私はね。
なんでしょうね、なんか面白さだけじゃないんですよね、かなり凝ってるところがあるっていうのが。
ああそうだね、これは本編でも話してるけど、作りがねだいぶ凝ってますね。こういうの面白いよね、なんか物語世界に入っていけるような作りをしてますね。
で、本の帯に台湾グルメ×ゆり×鉄道旅とあってですね、最初は自分の趣味に合うのかなっていうのは心配してたんですね。
06:08
グルメは好きなんでいいですけど、ゆりは女性同士の恋愛の部分とか、鉄道旅っていうところがあんまり自分が興味があるところとはちょっと離れてるんで、どうかなって思ったんですけども、全然心配無用でしたね。
ちょっと思っていたほどではないというかですね。
ああなるほど。
ゆりとかっていう表現はしてるんですけど、露骨にそうしてるわけではなくて、友情と、ただの友情ではなくて、もっと人と人との強い結びつきみたいな、何かそういったところとかが感じれたりみたいなんですね。
思っていた以上のものが読めたっていうんですね。
ああ。
そうなんで、すごい本当に魅力がたくさんある小説で、その作品が凝ってるっていうのもそうですし、グルメの部分もそうですし、なんで、しかもやっぱり読みやすくて、基本やっぱりちょっとエンタメ小説ではあるので笑えるところもいっぱいありますし、最後はちょっと泣けるところもあったので。
で、あれですね、この役者跡書きを読んでいたら、この作品の背景とか、著者の人の、洋二郎さんってどういう人なのかとかっていう背景を知ると、やっぱり、なんかもっと感情移入ができましたね。
ああ、そうですね。これ、役者跡書き先に読んどいた方がいいのかな。俺は全部読んでから読んだんだけど。
あ、そうなんですか。僕も先に読んでましたね。
あ、そうなんだ。結構背景知ってから読んだ方がいいかもしれないが、確かに、役者跡書き読んだ方がいいのかもしれないですね。まあちょっとネタバレする部分もあるのかな、ちょっと。
そしてあれですね、確かに我々、百合とか鉄道とか結構あんまり縁がないところでから、ちょっと不安はありましたけど、確かに全然。
そうそう、ほんと全然気にならなかったですね。
じゃあちょっとまず著者紹介してから具体的に入っていきたいんですが、著者は陽双子さん。1984年生まれの台中ですね。
台中市にで育ってます。双子とついてるぐらいなんで双子だったんですね。で、なんですが双子の妹の方、妹さんの方が
がんで結構若いうちに亡くなってしまいまして、ずっと双子で創作活動をされていたんですけれども、妹さんが亡くなった後もですね、自分たちは双子であるというところ、一緒に創作をしているという意思を表明するためにですね、陽双子さんとそのまま名乗っているそうです。
で、この作品が初めて日本に翻訳された小説ですね。台湾では若手作家というかサブカルチャー、大衆文学などの研究者としても有名で、いろんな創作に追ってかけているというところですね。
09:04
ちょっと多分台湾でもこれから期待されている作家の一人というところかなと思います。じゃあちょっと具体的に作品紹介入っていきましょうか。
じゃあまずですね、版元のホームページの内容をちょっと行きたいと思います。まず台湾の料理の名前が並ぶんですが、イントネーション合ってるかどうか不安だけど、まずチャオミーフェン、ルーローハン、
東眼茶、あなたなら何十杯でも、結婚から逃げる日本人作家千鶴子は台湾人通訳、地図と心の傷をつれ1938年台湾縦貫鉄道の旅に出る。台湾グルメ×女たち×鉄道小説。というのがホームページの紹介ですね。
すでに3つぐらい台湾の料理が出ていますが、私食べたことあるのはルーローハンだけですね。 同じですね。
台湾グルメがバンバン出てくる小説ですね。時代も1938年という昔で、ちょっと後で触れますが、日本が台湾を支配してたというか統治してた時代ですね。
ではですね、この作品の特徴をですね、ちょっとこれから触れていきたいと思います。まず一つ目がですね、日本人作家が書いた小説という構成になっているというですね、ここがまずすごくユニークなところかなと思います。
主人公でもある青山千鶴子が作家なんですけども、台湾滞在中に書いた気候文学になっています。
話としては、この青山千鶴子が公園ツアーですね、台湾各地を訪ねて公園をしていくんですけども、そこでいろいろな土地の食を満喫して、さらに通訳を千鶴と出会って旅するという、その一連が綴られているというですね、ちょっとそのような小説になっています。
これ面白いのがやっぱり台湾の小説なのに、日本人が主人公ってところが、やっぱり今後の作品の大きな特徴だなと思いますね。冒頭でも話しましたけど、日本の小説って錯覚するぐらいですね、日本人の感覚がしっかり描かれているというかっていう言い方ですよ、なんて言ったのかな。
この世を双子さんがどれぐらい調査して、下調べして書いたのか、ちょっとその辺のことはわからないんですけど、かなりですね、日本人の感覚に近いものが描かれているので、正直マジで日本の小説だと思うぐらいですね、読みやすいし面白いし入りやすいですね。
始まりは、これは長崎ですかね。青山千鶴子が旅行が好きなんで、次どこ行こうかなと考えたときに、次は台湾がいいなっていうですね、心理になっていくんですけど、そこの話とか、そこにさらにちょっと沖縄はどうかなとかですね、いろんなことを考えたりするんですけども、これは日本人なのかなって思うような、
12:03
なんかそんな心の描き方をしてるんで、入りから既にもう日本人らしいところがね、醸し出されているっていう。
そう、長崎で入るからね。その辺の描写も全然日本ぽかったから、すごいなと思いましたね。
で、特徴の2つ目ですね。次はグルメ中心にエンタメ要素が強い作品であるというところですね。もう作中で台湾のグルメがこれでもかと出てくるんですけども、これはやはり主人公の青山千鶴子がすごいもう食への、もうなんか自分でも妖怪って言ってるんですけども、
とにかく大食いで食べたことがないものとか珍しいものっていうのはとりあえずもう何でも食べたいと。現地の人が食べてるものは、そこでしか食べれないものだったらもう何が何でも食べたいっていう、そういうタイプの人で台湾中を食らい尽くそうとするような人で、もう次から次に台湾のいろんな料理が出てくるというですね、そんなグルメ小説にもなっています。
ね、そうなんだよね。で、そのグルメの部分で言うと、本当に小タイトルがすでに料理の名前になってますね。タイトル自体はまず台湾の言葉で書かれてるんで正直読めないんですけど、それぞれですね、ウリの種とか米粉の太うどんとかですね、刺身、カレー、すき焼きとか、割と我々の馴染み深いというか、すぐイメージできるようなものも出てきたりしてるし、
あとシメのスープとか、おーっていうようなものとか出てきたりしますね。本当このグルメの部分はすごい面白くて、必ず一応十二章構成なんですけど、必ず章の中に一つメインの食事が出てくるという作りをしてて、そこも読みながら楽しめる部分ですね。
正直読んでると食欲が刺激されるので、もう空腹の時読んでたらもうちょっとお腹が空きすぎちゃうので、やめた方がいいなって思いますね。
あとやっぱり台湾料理食べたくなりますね。これ読むと。
なったね。それは間違いない。
ちょっとご飯どっかで食べようかなっていう時にもう台湾料理をつい探してしまうくらいやっぱ影響を受けてしまいますね。
さっきちょっと著者の紹介とこで話したけど、この陽二子さんは台中の方らしいので、多分日本人って基本台北をメインに行くと思うんですよ。
ちょっと私も台湾行ったことないのでわかんないんですけど、台北ではなかなか見られないような料理も多く多分とりあえず買われてるようで、そのあたりも結構多分新鮮に読めるんじゃないかなと思います。
気になると思う。どんな料理か。
なんかこの陽二子さんが話している動画を見たんですけども、今でも食べれる料理を基本的には作中に出しているみたいで。
ただね、この土地でないと食べれないとかですね。そういったのはあるみたいでして。
15:03
なので、余計やっぱり台湾のその現地にちょっと行きたくなってしまうなっていうですね。
もうかなりね、これはそれだけでも魅力的な職障害がされてるなと本当に思いますね。
あとはちょっとエンタメ要素で言うと、歴史小説としての側面もありますし、主人公の綾間千鶴子と通訳の大千鶴の2人の関係ですね。
そこがどうなっていくかというストーリー性というのもすごくありますので、やっぱり展開が気になってどんどん読んでいける、すごく面白い作りになっていると思いますね。
特徴のですね、最後3つ目なんですけども、台湾の人のアイデンティティーが描かれているというところになります。
主人公は日本人の綾間千鶴子なんですけども、彼女の視点から台湾の人のアイデンティティーに触れることになるというですね。
これが特に作品の後半になってくると、より鮮明に描かれていくことになります。鮮明だし、読んでいると結構強烈な体験になるかなと思いますね。
特に読者の人が読んでいて、本当にハッと刺さられるようなですね、それまではずっと日本人の視点で描かれているんですけども、
そこにですね、台湾の人の視点からだと、このように物事を捉えているんですよっていうですね、そういう話とかも出てきて。
なので結構ですね、これもすごく面白い作品であるんですけども、同時にですね、結構強烈なパンチを食らうかのようなですね、読者体験もできるのかなと思いますね。
そうなんですよね。これ今までのちょっと紹介を聞いていると、ただただ楽しい小説なんではないかっていう印象を持たれると思うんですけど、それだけでは終わらないっていうのがやっぱりこの小説の面白いところで、
かなり最後ね、重いっていう言い方とちょっと違う気がするんだけれども、今三枝さんが言ったとおり強烈なパンチがちょっと待っていて、おそらく日本人であるがゆえに食らう部分もあるし、
自分の身の振り方のところでちょっと感じる部分あるんじゃないかなっていうところ絶対あるので、これはですね、ただただ楽しい小説ではないってところは確かに強調したいところですね。
やっぱりそれだけこの日本人、台湾人っていうところの、なんか溝が深いのかなと思うんですけども、ちょっとですね、この時代背景にも触れる必要はあると思ってまして、この作品を読んでいく上で。
役者、あとがきでどういう時代背景かっていうのが簡単に説明されているので、ちょっとそこをですね、引用したいと思います。
この作品の舞台は1938年とかになるんですけども、そのもうちょっと前ですね、1895年に遡って、そこの1895年に日清戦争の後、下関条約で新国、中国から日本に台湾は浄土されていると。
18:17
1945年の日本の敗戦までの約50年間、台湾は日本の植民地であったっていうですね、まずこういったことがあります。
で、この主人公の千鶴子が台湾に滞在した昭和13年、14年、1938年、1939年という年は、日清戦争を開始後に公民化政策が強化されているっていうですね、つまりその日本の言葉とか制度で台湾の言葉とか文化をより強制的に塗り替えようとしていた時期にあたるっていうですね。
なんでもう立場が全然違うのかなと、この植民地っていうところの日本がそういう植民地支配していたっていうですね。なんで土地とか財産のみならず言葉文化アイデンティティーまでを奪われる台湾人、統治者と非統治者の間に存在した肥養のない未曾有で日本とか台湾の女性たちが置かれてきた不自由な境遇というのはですね、
この作者である両双子さんは、すごいエンタメ小説の中でこういうちょっと重い論点っていうのをね、読者に投げつけてくるっていうですね。
ちょっとそのように後書きで述べられていて、これ読んでいて、いやなんでこんまで深い溝があるんだって思うかもしれないですけど、やっぱり時代背景としては実際そういう日本が植民地支配していて、
より日本色に染めていこうというのを強く打ち出していた時代だからっていうところですね。
結構この辺りの前提知識っていうのがあるかないかではちょっとだいぶね、見え方変わるかもしれないね。
個人的にはやっぱりその一番最初のところにも通じちゃうけど、台湾側の両双子さんがですね、これを日本人を主人公においてこの小説を抗争しているっていうところが、
発想がまずすごいし、そして展開もこの抗争力かな、本当すごいし、そしてそれが故に迫ってくるものを作り出しているっていうところがですね、かなりすごい小説だなっていうところですね。
だから自分としてはなんかすげーハッピーな話だなとか思って、後書き読んでなかったんで、読み始めて結構モロにパンチを食らってしまったっていうのは実情ですね。
この特にこの主人公と通訳のね、この青山千鶴子とこの大千鶴の特に関係ですよね。
そこがやっぱりもうかなり読んでいく上で感情を揺さぶられるところかなと思いますので、ちょっとですね、ストーリー紹介に入っていこうと思うんですけど、その前にですね、
21:04
主要人物っていうのはもう2人になるんですけども、この青山千鶴子と大千鶴がどういう人物かだけですね、ちょっと触れたいなと思います。
なるほど、いいですね。
まず主人公の青山千鶴子が日本人の作家になります。結構もう売れっ子になってますね。
もうあの作品も映画化されて、映画化がされたのがきっかけで台湾に行くことにもなってますし、あと特徴としては大食いであるという、
すごい弁当を2つ食べて、さらに団子も何個も食べたりとかですね。そんな常に食べ続けられる人で、あと当時としては背が高いという165センチある大柄な女性と。
で、独身で結婚する気がないと。実家というのかな。
身内からはとにかく早く結婚しなさいというので、婚約者の紹介とかもどんどんされるんですけど、全部そこから逃げてるという。
で、すごく天真爛漫でパワフルで豪快な人であるという。でもすごく愛すべきキャラクターかなと思いますね。
で、一方の王千鶴は台湾の通訳の方になります。で、もともと国語の先生だったんですけども、結婚を控えていて、それで結婚を機に教師を辞めていたんですけども、
でもまだ1年ぐらいかな確か。ちょっと結婚まで時間があるっていう中でちょっと縁があって、この青山千鶴子の通訳につくことになりますと。
千鶴子というのかな。生まれというか、なかなか複雑で。ここもですね、ちょっと作品の中でかなり言及されてきたところです。
で、とにかく語学堪能で日本語ペラペラですし、台湾中国語で英語もできますし、
あとなんかフランス語もちょっとできたりとかですね。で、あと教養もものすごくありますし、あと掛け言にもうめちゃめちゃ強いと。
で、とにかく気が利く人で、青山千鶴子がこれ食べたい、あれ食べたいとかですね、どんどん台湾のいろんなところであれしたい、これしたい、何か食べたいって言うんですけど、全部それを叶えてしまうというですね。
もう一体この逆にこの大鶴はそれを全部こなしていけるってすごいっていうですね、何者なのかっていうような人になります。
ただそんな大鶴は青山千鶴子の前でちょっと花弁をかぶっているところもあって、果たしてその素顔ってどうなんだろうっていうですね、まあそんな人物ではありますね。
そうですね、もうなんか私の印象なんかスーパーマンみたいな感じですね。もうすごい何でもできちゃうみたいな人。
ただやっぱり自分の感情を押し殺している部分はあってみたいな。どう見てもまあ青山千鶴子、主人公の青山千鶴子も大鶴もですね、めちゃめちゃキャラが立ってますね。
青山千鶴子はもうこの大鶴をすごい気に入って、もうなんかそのただの通訳とかがそういうのではなくてもう友達として、親友としてなんか一緒に過ごしたいってね。
24:14
なんか大鶴側もそれに応えようとしようとしている部分も結構あって、まあそこはちょっと多分大鶴の中でも葛藤があったとは思うんだけれども、心では多分青山千鶴子のことを好きでいて、まあこれがちょっと揺りにつながっていくところではあると思うんだけれども、
なんかまあそれがすごく表に出てくるような場面ではないんだけれども、まあ友人として親友としてこう深いつながりを求めてはいそうだなっていう部分はありつつもちょっと距離を置きたいみたいなところがちょっと明確でする。
でまあこれはもうもちろんこの作品の魅力にもつながってるし、2人の会話とかめちゃめちゃテンポが良くて、読んでて面白いなと思ったし、ちょっと正直なんかポッドキャストを聞いてるような気分にも途中落とし終わったりしましたね。テンポ感が良すぎて。
ちなみにこの2人がそのモデルとなる人物がいるんですよね。
そうですね。青山千鶴子は林文子さんっていう、昔まあそれこそ気候文学なのかな、旅先で書いたものを出版社に送って、それがまあ結構売れて流行作家になった林文子さんって方がいらっしゃるそうなんですけど、私あまりそこまで著作も読んだことないので詳しくないんですけれども、その方がモデルになっていて、林文子さんは台湾に2週間ほどかな、旅行をしたときのことがエッセイのようなものを出されているようなので、
それをちょっとモデルにしているらしいということが後掛けに書かれてましたね。
そうですね。青山千鶴子の方は陽千鶴さんという、台湾で初めての女性の新聞記者ですね、ジャーナリストの方をモデルにしているということで、今ちょっと調べたんですけど、林文子さんは身長140センチ少々と。
あ、うん。
ピネに書いたんで、たぶんそのモデルはね、それぞれいるんですけども、一切の人物造形とかってなってくるとやっぱりもう全然オリジナルだ、なんかそういう設定というか、描き方になっていると思いますね。
青山千鶴子は背が高いわけですからね。表紙の左側の女性だと思うんだけど、背高いんでね。
ここからですね、作品のストーリー紹介をしていきたいなと思います。もちろんネタバレとかはなしで話していくので、読んでいない方も安心して聞いていただけたらなと思います。
まず時代は昭和13年、1938年で日本統治下の台湾が舞台になります。日本人作家の青山千鶴子は出版した小説の映画化に伴って台湾に公演旅行に行くことになります。
千鶴子は台湾ではこの公演旅行を招待してくれた日清会という婦人団体がありまして、そこの高田夫人という婦人団体のメンバーの人の家で世話になることになります。
27:09
最初は通訳には市役所職員の三島という男性がつくんですけども、ただ千鶴子はやっぱり職員の関心が非常に強いので、
行く先々で台湾料理、特にローカルっていうのかな、現地の人が食べているものを食べたいとリクエストするんですけども、ただ通訳をつく三島がなかなか千鶴子の願いを叶えようとしないと。
ローカルなものを食べたいのに日本人が好みそうなものを全然違う料理を出してくるとかですね。そういうお店に連れて行かれるとかっていうので。
千鶴子はちょっとそれ不満に思ってですね、ちょっと痺れを切らしてしまうんですけども、ただですね、この高田夫人の諮りによって新しい通訳をコーディネートしてもらうことになります。
それが大千鶴でした。大千鶴はとにかく優秀なんで通訳の範疇を超えた仕事売りで千鶴子を現地コーディネートしていくと。
千鶴子が職員に対してどんどんリクエストを出していくんですけども、それに次々と応えていきます。
千鶴子はですね、大千鶴を気に入って友達として接するようになりますし、大千鶴はすごく冷静沈着な人で、ちょっと控えめではあるんですけども、
控えめながらも仲良さそうに千鶴子と公園旅行というのか、台湾を一緒に旅するようになっていきます。
2人は意気投合したように見えたんですけども、千鶴子が千鶴とより親密になろうと、親友になろうとかですね、なった時に突然ですね、千鶴は通訳を辞退すると言い出します。
この大千鶴がなぜ通訳を辞退すると言ったのかっていうですね、もう疑問が残ったまま、実際にこの千鶴は千鶴子の元を去ってしまうんですけども、
そこでですね、ちょっと千鶴子もかなりですね、ちょっと悲しんでしまうということになってしまいます。
千鶴子の元には再び三島が通訳としてつくことになります。
やがてですね、この千鶴子も三島を通じて、三島というのは日本人の名前がついているんですけども、台湾にやっぱりいる人なんで、
やっぱりその現地のアイデンティティというかですね、そういったところをかなり教えてくれてですね、千鶴子も台湾の人たちのそのアイデンティティというかですね、
そういったところに向き合って、千鶴がなぜ自分の元を去ったのかっていうのを考えるようになります。
千鶴子はですね、この千鶴を探し出して、もともと約束していた、とあるコース料理を食べようという、そういう約束があったんですけども、
料理を食べたりしたりですね、あとその千鶴が、千鶴がずっと仮面をかぶっていたんですけども、本当の姿ですね、というのをですね、
30:02
知っていくという、そこから先がですね、もう結構ドラマがあったりするんですけども、そのような展開の小説になります。
そうですね、結構大枠をかなり端的に今説明してもらったなと思ってるんですけど、さっき言った通りちょっと楽しいだけじゃなかったという部分、
最後の方ちょっと触れていく形になりますが、千鶴子と千鶴の関係のこの移り変わりっていうのがやっぱりこの主題でもあるので、
そこが結構最後胸に刺さってくる、胸に迫ってくるところですね。ちょっと最後ネタバレもしつつになっちゃうかもしれないけど、ちょっとラストのことはもう少ししたらちょっと話を聞きましょうか。
そうですね、今ストーリー紹介、話したのが千鶴子と千鶴の2人の関係をちょっと中心に話したので、作品では実際にですね、もっといろんな要素があってですね、やっぱり中でも料理ですね、
もう本当にもう数え切れないぐらいたくさんの料理がこの作品の中で出てくるんですけども、もう印象残った料理結構たくさんあってですね。
例えばですけども、ルーローハンですね。ルーローハンは元々好きでしたし知ってはいたんですけども、ただ作品読んでいると台湾でもその地域によってルーローハンでもいろんな食べ方があって、
なんか名前もそうなんですよ、コンローファンとかですね、ローザンファンとかですね、なんかいろんな種類があるみたいでですね、なんか食べ方も様々っていうのでですね、ちょっとこれでいろんなルーローハンがあるっていうので、それぞれちょっとどんな味なんだろうってかなりちょっと気になったりもしましたね。
基本はいわゆる豚肉を甘辛く煮てか、煮込んだ料理をご飯にかけるというのが変わらないっぽいんだけれども、なんか郷土料理じゃないけど、その台湾の中でも地域によってちょっと多分レシピが変わっていて、味付けも肉の形状もいろいろ変わってるみたいなので、
なんか郷土料理ではないけど、イメージあれかな、なんかお雑煮がちょっと地域によってちょっとずつ違うみたいな、そんな感じかな、地域食が出るみたいなね、ちょっと制覇したくなりますよね。
なんかどういう違いなんだろうとかって食べ比べたくなるような、大地さんも気になった料理とかってあります?
最後のメインで出てくるコース料理は相当気になったんですが、
コース料理はですね、サイブイータンっていう読み方が非常に難しい。
ショータイトルは何て言うんだけどね、それに触れちゃうと多分食べきれない量の、通常では食べきれない量の料理が出てくる。
けれどもこの2人はすごく食欲がやばいので、2人なら食べれるっていう。
10人分出てくるんですよね、10人分のコース。
で、それを2人で食べようとするっていうですね。
33:03
結構これ面白いのが、このコース料理を作ってくれるシェフが、日本人にはそんな料理作らないよっていうですね、人なんですけども、
ただ大地鶴が交渉して、特別に今回だけ作ってあげると。
その代わり10人分のコースを2人で食べてもらうと。で、残したらもうそこで終わりと。
で、しかもこのコースの一番最後の締めのメニューが目玉なんで、最後まで行かないといけないっていうです。
これが結構この作品の後半の方に出てくるんですけど、なんかめっちゃ面白いし、かなり気になるコース料理ではありましたね。
究極のメニューみたいな感じで。
これはだいぶ気になりますね。相当お腹空かしてチャレンジしたけどね。
で、あと私が気になったのはすき焼きですね。
牛肉じゃなくて豚肉で作ることになるんですけど、これもなんかもうめちゃめちゃ美味しそう。
僕はもう一つだけ言うと、カレーが3種類出てきた時があってですね。
鶏のカレーとエビのカレーと魚のカレー。
その説明読んでるとですね、3つともカレーなんですけど、それぞれ違う料理で、結構レシピがそれぞれ違っていてですね。
鶏だったらこう、エビだったらこうみたいな。
それがカレーなんですけど、やっぱりインド料理とか中華料理、中国料理じゃなくて、
カレーなんですけど、これはちゃんとした台湾料理なんだっていうですね。
そういうのがあって、ちょっとこのカレーもかなり気になりましたね。
台湾料理なんだって言わしめるカレーってどんなんだろうっていうね。
確かに。私もこのエビのカレーは相当気になった。
そうですよね。
めっちゃ美味そうと思った。
確かにもうこの、そうですね、やっぱこの作品に出てくる料理の話をしだすと、めちゃめちゃお腹が空いてくる。
そうです。やっぱ台湾料理屋さんにちょっと行きたくなる、本当に。
そうね、行きたくなるね。
ちょっとですね、その作品の中で気になったところで、文章表現のところなんですけども、
このスゴカの、この作品読んでいて、本当に日本の作家さんが書いたんじゃないかなって思うところで、
やっぱり言葉遣いというかですね、例えばですが、こんな描写があってですね、青山千鶴子のこの心理描写の部分なんですけども、
九州女児たる者、こんな憎悪知恵にしたまま日々を過ごしていられるかっていうですね、ちょっと落ち込んだ時に、心の中で、
この九州女児たる者っていうですね、これ九州男児っていう言葉を女性に女児に置き換えた。
これってでも原作でこんな表現使ってたのかな、それともなんか翻訳でちょっと表現アレンジしたのかっていうのはかなり気になりましたね。
これ原作でもしこの九州男児をもじって九州女児たる者って書いてたとしたら、もう相当な日本語への精通されている方じゃないかなって思いますし。
36:03
たぶん原作に近しい表現があると、原作と原著かにあると思うんだよね。だいぶ日本の感覚は相当なんだろう、染み込ませて書いていきますよね。
そうです。やっぱりこの、それだけやっぱすごいですよね、この青山千鶴子がやっぱりどう見ても日本人だなって、そう思うような、なんかすごく上手い描き方を本当してるなっていうのです。
ちょっとしたこんな一言でも感じれて。
このやっぱり青山千鶴子がすごく生き生きしてるからこの写真面白いなって思うので、青山千鶴子のマインドとかが結構自分は好きで、やっぱりその土地を知るにはその土地に住まねばならないってことで、
もともと半年の滞在の予定、半年も長いと思うんだけど、1年に伸ばしたりするし台湾のね、なんか貪欲さみたいなのはすごくいいなとは思いますね。
さて、ちょっと撮っておいたお話になっていくんですけど、いつもテーマトークみたいな感じでいろいろ話してますが、今回ちょっとそういう形ではなくですね、この小説のラストの部分で描かれていることについてちょっと話していきたいなと思います。
これは結構ネタバレ含んでしまうと思うので、もしですね、ちょっとこの後作品を十分味わいたいなと思っている人はここで止めてもいいのかなと思います。
じゃあそんなわけで、ちょっと最後のところなんだけれども、これ最後で描かれるのが、なぜオウチズルが千鶴子を拒絶ではないけれども、最後の最後、自分の中に受け入れてなかったかというか、踏み込ませなかったかっていう部分がちょっと描かれてくるんだけど、これはもうちょっと前々から出てるあれですね、やっぱり当時者側の日本、支配側の日本と統治される側の台湾、支配される側の台湾っていう関係があって、
結局日本が良いとしている文化を台湾に押し付けているっていう側面がある。これ上手い具合にですね、青山千鶴子からの視点だと当たり前のようにしてしまっているので、不快な感じではない。
だけれども、実は要所要所に描かれていて、これがかなり上手いんだけれども、そのオウチズルから見ると、まあそれはちょっと日本人の傲慢じゃないかと思わせるようなものが結構描かれてましたと。
で、それによってオウチズルは決定的にですね、青山千鶴子に対して一緒にいられないなと思ってしまったという部分があったというところですね。
これは本当、あの些細なことから大きなことまであるんだけれども、例えばちょっと作品で描かれている中で言うと、桜だね。日本で言うと桜は美しいものという感覚であるからこそ、台湾に桜を植えたわけだけれども、
台湾側から見ればそれは日本が支配している側の象徴にしか見えない。かたりすると。でも年に1回桜を青山千鶴子は美しいという感覚で迎え入れていて、
それは日本はいろんなことをしてしまっているけれども、こういう美しいものも台湾の方々には提供してるんだよみたいなことを言ってしまっていたりすると。
39:06
そういう部分がですね、やっぱり台湾側というか支配される側にとってはやっぱり鼻につくわけで、っていうところがちょっとあって、ここは結構多かれ少なかれですね、立場が違うもの同士、特に上下関係が発生してしまっている部分とかだとあるあるかなと思っていて、
で、なんか冗談で言ったことが相手を傷つけてしまうことって結構往々にしてあると思っていて、正直気づかないんだよね、傷つけてる側ね。だからそういうのともちょっと連動してくるなと思って、結構このあたりはですね、深い小説だなと思いましたね。
そうですね、僕もやっぱりかなり読んでいて衝撃受けるところでしたし、ラスターのところは。やっぱり僕は結構この青山千鶴子にちょっと共感するところがあってですね、共感というか青山千鶴子と同じように自分もやってしまってるなというかですね、そこまでの考えに至っていなかったなって思う。
で、なんかね、自分もちょっと反省してしまうなって思うところがある。例えばこの青山千鶴子は台湾について原稿ですね、文章っていうのを何本も書いていて、台湾旅行もしていろんなところを行ったりしているんで、なんですけどただこの台湾について本当に理解したことも本当の愛情を抱いたこともなかったというですね、青山千鶴子は内省しているところがあって。
その旅行中にこの台湾の失われて以来本来の姿を記録したいというですね、もうそこまで言っておきながらでも自分は一観光客みたいな立場で表面的なところしか見ていなかったというですね、多分そのくらい反省していたと思うんですけども。
いや、本当だよね。
それはでも結構自分もその本当になんか表面的なところとかだけ見て、やっぱりわかったつもりになってるとかですね。なんかその表面的なところだけ見て、あ、もうこれの本質はこれだみたいなですね。
ああ、うん。
なんかやっぱそういうのはちょっと傲慢なのかなって思いますし、作中でもやっぱりそれは傲慢だって指摘されてるところもあったんですけども、結構読んでて自分もねぐんぐさってくるところきましたし。
で、思えば思うほどなんかこの王千鶴が千鶴子から距離を置こうとしたっていうのもなんか最初はやっぱりちょっと不思議ではあったんですね。
うーん、そうだよね。
で、せっかく仲がだんだん良くなってきたのに、改めて振り返っていくと、ただ仲がいいから、じゃあこれからも一緒にいようって簡単にはとても決めれるもんではないなっていうぐらいやっぱみぞのが深いし、
やっぱり青山千鶴子とのなんていうかギャップというか、植民地のなんかその統治者と非統治者とのこの見え方の違いとかってね、絶対あると思うので、なんかその埋めようのないものっていうのがあるなってね、ちょっと感じてしまって。
42:16
このみぞがですね、物語的には千鶴子がこのことに気づいて、これはですね、自分的には結構感動ポイントでもあったというかなんというか、もともと通訳やってた三島さんって方がですね、まあ千鶴子にこの辺りのことを話し出すんですよね。
で、急にこの三島さんがですね、キャラが急にぐっと人間味を帯びてくるところでもあって、ちょっとそれも踏まえて全部刺さってくるんだけど、そうか三島さんはこういう思いがあったのかの時。
だから千鶴子の通訳やってた時こういう気持ちだったのかみたいのが、もう最初のこの言動も踏まえて全部刺さってくる瞬間があって、そこもすごく作るとしてうまいなと思ったところだけれども、さらにそこで千鶴子が気づいて、で、大地図に対して話したいと、また会いたいとなって動いて、で、また会えて二人で約束のコース料理を食べる。
ってなると、完全にその溝は埋まったんじゃないかみたいな印象を多分読者は最初受けるんだけれども、そうじゃなくて、やはり埋められない溝というのがあって、で、それを言い方合ってるかどうかちょっと怖いところはあるけれども、まあ違いを認め合うっていうか、その感情のこの置き方とか、どうしても持ってしまう部分とかっていうところは、ちょっと認め合いながら、そういう思いがあるよねっていうことを分かれながら、また関係が始まっていくみたいな。
終わり方を見せていて、なんか溝が埋まった感じはないんだけれども、でもこの二人としては多分ベストな答えを出せたんじゃないかなみたいな終わり方をしていて、正直そのあたりの部分はめちゃくちゃいい小説だなと思ったね。
そうですね。ここまでこういう話ししときながら、あれなんですけども、この二人の関係が本当に溝が埋まったのか埋まらなかったのかとかっていうのは、明確に説明はされていなくて、かなりこの読んでる人の想像の余地がにまかされているところがあってですね。
というのもこのやっぱり一番最後の跡書きのところですね。この小説のすごく面白い構成で、青山千鶴子が台湾に滞在していたこの話っていうのがほとんどメインなんですけども、その後青山千鶴子の実はですね、この娘さんになるのかなの跡書きとかですね。
そのかなり時代が先になって、この青千鶴の娘さんの跡書きとかですね。というので、その後の話っていうのも実はあってですね。で、そこを読んでいくと、実は青千鶴はこの青山千鶴子と一緒に過ごしたこの台湾での何ヶ月の日々っていうのは人生の中でも本当にすごく重要で、
45:04
本当にもうすごい思い入れの強い宝物のような日々であったと思うので。で、考えると当時確かにこの2人には未存ってあったとは思うんですけども、でも後で振り返ったときに、なんかその最終的に2人の関係がその時は一緒にはなれなかったのかもしれないですけど、
時間が経ってからですね、振り返ったときに、なんかその2人の思いっていうのは一緒にはなっていたかもしれないとかですね。もうかなりそういうちょっと想像できる余地があるっていうですね。っていうすごい面白いこの跡書きを含めての作りになってると思うんですね。
そうだね、この小説内跡書きがついていて、それが青山千鶴子の娘が書いたものと、あと王子鶴バージョンと、王子鶴の娘かなのものがちょっとついてて、やっぱこの構造が面白くてね。で、それによってね、あの導き出す答えっていうのは確かに読み手に委ねられている部分があるんだろうね。
そうなんですよね。僕はこの、本当に跡書きのところが一番感動して泣けてきましたね。
そうだよね。こういう構成の小説好きな人多いと思うんだよな。
すごい、これは確かにその跡書き以前の話もすごい面白いんですけども、跡書きを読んで急にね、この作品の見方がちょっと変わってくるっていう、この小説は絶対最後まで読んだほうがいい小説であるっていうのは確かですね。
うん、そうですね。読んだ人は読んだ人の考え方でも持って触れることができると思うので、あのめちゃめちゃいい小説だと思いますね。
そうですね。で、その跡書きとかこう書いてあるし、なんかね、この2人の関係ってこうなんじゃないかなって思うっていう話はするものの、多分読んだ人によってだいぶ受け取り方はまたね、違うんだろうなと思いますし。
特に我々は、まあ男性だからちょっとやっぱり女性がね、読むと多分相当あの印象変わるかもしれないしね。我々が話しているようなところからちょっと離れていって。
さて、最後いつも通り感想とどんな人に読んでもらいたいかお話しして終わっていきたいと思います。
で、やっぱり今回話してきて思ったのは、まあやはりこの話はですね、あの最初はもうグルメ、エンタメで押していくのかなと思ったら、ラストはですね、もうめちゃめちゃ考えさせてくれる小説だったので、
本当小説としての力がめちゃくちゃある一冊だなと思うので、多くの人に読んでもらいたいなと思うのと、ちょっと読み終わった人とはですね、ちょっといろいろ話したいなと思うし、特に女性がどういう感じで読んでいるのかとか、あの気になる部分ではあるので、ぜひ読んだらあの感想とかいただけると嬉しいなと思います。
48:07
本当にね、なんかその単純に面白い小説ではあるんですけども、やっぱり最後まで読んでしまうとですね、やっぱりもうかなり考えさせられるところがあるので、多分この最後の描き方がもうちょっとエンタメに振り切ってたら、なんかラジオでなんか紹介するポイントもだいぶ変わってたんだろうなと思うんですけども。
そうだね。
問いかけてくるものっていうのがすごくありまして、本当に読み応えがすごくあって、しかも面白い小説なので、これはもうやっぱりこの小説好きな人はかなり刺さるんじゃないかなと思いましたね。
じゃあ次回告知で終わりましょうか。次回はですね、西春さんという方が書いた幽霊ホテルからの手紙です。
こちらも日本翻訳大賞の最終候補の一作ですね。お楽しみに。
番組の最後になりますが、メールマン会員募集してます。こちら無料版、ユーロ版とありまして、無料版は毎回のミス語で長すぎてカットした部分を音源として配布しています。
最近はちょっとこれからの紹介予定なんかも載せてますので、気になる方はぜひご登録ください。
ユーロ版はサポーター特典みたいな形になってまして、我々を応援したい方が少しいらっしゃるので、応援したいなという方はですね、登録していただけると嬉しいです。
詳しいことはですね、番組概要欄に記載しておりますので、そちらご確認ください。
そしてこの番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
読み返しましたとございましたら、ハフした後その時にネコをつけて教えていただけると嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便り本もですね、番組情報欄に載せておりますので、いただけたらですね、2ヶ月ぐらいに一度やっているお便り紹介会で読ませていただきます。
そしてこの番組気に入っていただけましたら、積極的に拡散共有していただけると助かります。
またお気に入りやフォロー登録よろしくお願いします。
ではまた来週。
ありがとうございました。
50:14

コメント

スクロール