すごいなんか小難しくは書かれてなかったですしね、詩といっても。
そうだね、かなり直接的に話をちゃんと書いてくれているっていうのがあったので。
これ何だろう、面白いね、このバースノベルって形式ね。
形式は詩に近いと思うんですけども、読んでいる感覚は小説に近いっていうのは印象としてありましたね。
ただ今のあらすじだけだとではどういう作品かというともう全然わからないと思うんですよ。
これ実際そうで、ちょっと簡単に説明しますと全体的な大枠を。
20世紀が物語の舞台で、主人公の少年ゲリオンがある日、2歳年上の少年ヘラクレスと出会って恋をして、
ヘラクレスのおばあさんであったり、あともう一人出てくる登場人物の出会いをきっかけに南米を旅していくというですね、話が作品の中心にあって。
問題はその前後にプロローグとして、ギリシャ神話のゲリオンタンというのがあるんですけど、それを巡るような創作が入っていたり。
最後には想像上、架空のというんですかね、架空のインタビューが入っているというですね、物語の前後にも創作が含まれているという、かなり変わった作品で。
これそれを全く知らずに最初読むと最初のプロローグのところがですね、一体何を意味しているのかって本当になかなか入ってこないと、
人がですね、多いんじゃないかなと思いますので。僕も実際そうで、なので読み方としては先に役者と書きと、あとネットに出ているいろんな書評を先に読んで、ちょっとその全体像を知った上で、この本は読んでいきましたね。
すげえぶっちゃけ言っちゃうと、最初のプロローグ部分30ページがあるんですけど、そこをまあダッと流し読みしちゃって、本編読んだ後にプロローグ読んでも全然いいかなと思います。
私は結構ちょっと今回それで風に落ちてきた部分はありますね。
そうですね、まあ確かにそれ一つですね。僕もあの後書きとかその書評とかをいろいろ読んだ上で最初プロローグを読むと結構面白かったんで、そこはもう本当に好みの読み方で全然問題ないかなと思いますんで。
あ、でもちなみに私も後書き読んでから今回は行きました。もうちょっとすごそうだと思ったんで。でもそれでもなんかちょっと頭に入ってこない部分多少あったんで、本編読み終わった後に読み返したことをちょっとやっぱり最後すると、あ、そういうことかみたいなのがちょっとわかってくるかもしれない。
あとですね、先ほどの話であのゲルウォンタンというですね、これは古代イギリシャ神話に出てくる一つの逸話なんですけども、これはどういう話かというとですね、ゲルウォンという怪物がいまして、
それが翼を持っている奇妙な赤い怪物でエルテイヤという赤い場所と呼ばれるところ、島ですね。エルテイヤという島で神秘的な赤い牛の群れの世をしながらひっそりと暮らしていたんですけども、
ある日海を越えてやってきた英雄ヘラクリスに牛を奪われて殺されてしまうというですね、そういうかなり残酷な結末を持った話なんですけども、それが下地としてあるということです。
まあその辞典のことといえば、ここで今世界が終わってしまえば誰もこの辞典を読むことがないみたいな文章がどっかにあった気がした。
なんか自分で作りながらも、やっぱ他人に見せるの怖いんだなとか、その辺の気持ちすごい分かるなと思っちゃって、非常に感情移入しやすいあの主人公でしたね。
そうですよね。でもなんかその、これはなんかその、ちょっと僕もいろんな読み方できると思うんですけども、この章の中にはもしかするとそのゲリオンが書いた辞典がそのまんま入ってる章もなんかあるかもしれないと思ってですね。
そういうところでは結構怪物視点のゲリオンの話もあって、怪物であるゲリオンは、火山はそのなんですかね、空を飛んで火山を見下ろすとかですね、なんかそのような描写があったりしてですね。
確かにその怪物というイメージはない、持ちづらいんですけども、ただゲリオンの中にこの怪物が生きているというかですね、なんかそんな読み方というのはできましたね。
うんうんうん、確かに。
で、これちょっと思ったのは、なんかこのゲリオンにとって自分の中に怪物を住ませるというのが、なんか生きていくための手段だったのかなとは思いましたね。
確かに。
自分はゲリオンとしてじゃないともうこの世界では生きていけないというか、なんかそういう生き方しか選べないというようなですね。
やっぱりゲリオンもすごい生きづらさを抱えている少年だったんで。
で、あと印象的だったのがヘラクレスのかっこよさですね。
これさすがやっぱりヘラクレスと呼ばれるだけあって、なんかね、セリフであったりですね、行動というんですかね、なんかそういうのが一個一個結構かっこいいんですよね。
やっぱり物はっきり言いますし、すごい胸張って生きてるっていうですね、なんかそんな感じのキャラクターで。
ただそれもなんていうか、結構面白いところがあったりする。
特に僕、やっぱ最初笑ってしまったのは、一番最初の出会いのシーンですね、ゲリオンとヘラクレスの。
バスの中で出会うんですけども、ゲリオンがお釣りの小銭を用意できなくて、ヘラクレスがたまたま後ろにいたんで声をかけるんですけど、
で、ヘラクレス、その1ドルを両替できるって聞かれて、で、それできないって言うんですね。
その代わりに25セントあげると、すごい良いことをしてくれるんですけど、で、ゲリオンがどうしてそんなことをしてくれるのかって聞いたら、
俺は人に優しくありたいって言うんですね。結構堂々とね、そういうのを言ったりして。
で、その数時間後にはですね、この二人はまだ一緒にいるんですけど、夜の寒い中ですね、ヘラクレスが寒いよなと言って、
ゲリオンの手をですね、自分のシャツの中に入れてあげるっていうですね、いきなりそんなことをするのかって思うようなですね、
ことをですね、やっていたりですね。じゃあこのヘラクレスはなんか実際こういう人いるんだろうかってね、ちょっと思うような、
なんかすごいね、なんか堂々と生きてるね、人間で。笑えるところもね、あるんですけど、結構かっこいいなとは思いましたね。
そうですね。なんかこの赤の辞典の中で描かれているヘラクレス性みたいのはちょっと面白いですよね。
なんか極端な男らしさみたいな部分があるし、自由さと何だろうな、なんか男性が抱えがちな、
なんか男のなんだろう、自分勝手さとは違うんだけどなんだろう。
すごいストレートにやっぱり自分の気持ちとか、まあ欲もそうですけど、そういうのもやっぱり表に出しますしね。
こうありたいとか、こういう自分でいたいみたいなのはなんかすごく強いタイプかもなとは思いましたね。
で、あの最後ちょっとマジで分からなかったのは、アンカッシュっていうダイさんの男ですよね。
このヘラクレスとゲリオンの間に現れるアンカッシュっていう、ヘラクレスが連れてきた男なんですけど、
こいつがもう神話に存在する人物なのか、それともアンカーソンさんのオリジナルなのか、ちょっと分からなくて、
非常に重要な人物ではあるので、気になる点ではありますね。
そうですね。アンカッシュというのがペルー出身なんですけども、
ペルーの中のアンデス山脈の方にケチュアというですね、民族がいてですね。
そこのにルーツがあってですね。で、このケチュアはケチュア語があって、ケチュアの神話とかもね、あのあったと思うんですけども、
僕の中でアンカッシュはそっちの神話のイメージがあってですね、これもう合ってるかどうかとか全然関係なく話せるんですけども、
だからもうギリシャ神話の中の人物とは思えなくて、なんかケチュアの神話の中の人物がパッと出てきたかのようなですね。
なんか読んでるとそんな感覚がありましたね。もちろんギリシャ神話のなんかある人物のモチーフとかなのかもしれないんですけども。
うんうんうんうん。でもすごく不思議な人物。
なんかすごい神秘的な人物と思いましたね。
これもともとなんでヘラクレスと関係があるのか、できてるのかって思いながら、ちょっとほらゲリオンはそれをちょっと考えて嫌な気持ちになりながら過ごしていたら、
もうアンカッシュが急にゲリオンの方にあのー、こう寄ってくるから、なんなんだこれはみたいなあるし。
でもなんかここゲリオンから見たアンカッシュの描き方はすごく良くて、
明確に何だろう、惹かれてるとか好きだみたいなことは描かれてないけど、どう見ても好きでしょみたいな状況をうまくアンカーソンさんが描いていて、ここはうまいなと思いましたね。
またこのアンカッシュがすごい魅力的ですからね。本当にかっこいいし。
これ多分全然違うと思うんですけども、もしかするとあのギリシャ神話の中でゲリオンが飼っていた牛が神秘的な牛だったんですけども、
それがヘラクレスに奪われていくんですけども、アンカッシュは実は牛だったとかですね。
あーなるほど。
そんなことないと思うんですけど。
もしくは殺されてしまった犬か、とかそういうことなのかな。
でもなんか。
あ、でもそっか、ヘラクレスが連れてる、ちょっといろいろ考えられそうですね、ここはね。
ただ読んでるときは本当にギリシャ神話じゃなくて、ケチュアの向こうの神話のキャラが急に出てきたみたいな、そんな感覚はちょっとあったんで。
まあまあ面白い設定だなとは思いましたね。
まあ結構今回話してみてわかんない部分も多い作品だったけど、それだけちょっと我々ね、あのギリシャ神話に関してあんま知識のない中、読んでもこれだけ楽しめたっていうところだけちょっとお伝えはしたいですね。
最後、感想とどんな人に読んでもらいたいかお話して終わりたいと思います。
まず私の方から、ノーベル文学賞候補の作家の作品ということで、
ノーベル文学賞最有力候補と今有名なので、勝手にですね、結構ストレートな作品かなと思っていたら、だいぶ実験的で結構びっくりしました。
誰にもですね、お勧めできる作品ではないかなと思っているんですけれども、この形式がやっぱりすごく面白いので、この味わえる物語や文章もありますので、
今回の話を聞いて興味を持った人にはですね、ぜひ手に取って読んでいただけたらなと思います。
そうですね、僕もノーベル賞最有力という歌い文句があって、そのために難しい内容なんじゃないかなと思ってはいたんですけれども、
ただじっくり読むと読んでいけました。
ゲリオンやヘラクレスという神話のキャラクターが現代に登場してくるというので、思った以上に登場人物にも親近感を持ってたなと思いました。
やはりアンカーソンさんの文章やアイディアというのを味わうだけでもすごく面白いので、なかなか他ではない形の文学作品だったと思いますので、
文学好きな方なら味わってみて楽しめると思いますので、興味を持った人にはですね、よろしく、せっかくなんで一度手に取ってもらえたらなと思います。
ありがとうございます。じゃあですね、次回お越しして終わりたいと思います。
次回はですね、レイモンドカーバーの大聖堂をお届けします。
超大化の、超有名な短編集をご紹介しますので、お楽しみに。
番組の最後になりますが、いくつかお知らせがございます。
まずですね、お便りを募集しております。
間もなくですね、お便り紹介会を収録する予定ですので、ぜひ何かメッセージ、番組の感想、我々への質問、もしくは紹介した作品を読んだ上での感想などお待ちしておりますので、ぜひぜひいただければなと思います。
多分今送れば100%紹介すると思います。
読み上げさせていただきます。よろしくお願いします。
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結構この編集講義はセキュララに書いてますので、興味ある方はぜひ会員になっていただければなと思います。
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