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2020-11-23 29:12

第22回「虐殺器官」伊藤計劃著 ~虐殺には文法がある~

【今回の紹介本】

 ■『虐殺器官』伊藤計劃著 

今回第22回目でご紹介するのは伊藤計劃の「虐殺器官」です。 

早くして亡くなった天才が、その名を轟かせた名作! 

遂にラジオに登場です! 

【番組内で紹介したトピック】

 ■『虐殺器官』伊藤計劃著 ハヤカワJA文庫 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21165.html 

■『ハーモニー』伊藤計劃 ハヤカワJA文庫

 https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21166.html 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きの回のダイチと羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、第0回で話しているのでそちらをお聞きください。
おだしょー 今回ですね、伊藤計画さんの虐殺器官をご紹介したいと思っています。なぜちょっとこの伊藤計画を今回取り上げるかというとですね、一応ちょっとリクエストがあったっていうのもありますね。
おだしょー 久しぶりに読んでみたいっていうのも結構あって。
おだしょー 私も書読が文庫本出た直後だから10年くらい前なのかな。2回読んでるんで今回3回目でしたっていう感じなんですけど、ちょっと紹介してみようかなと思っております。
おだしょー 今回伊藤計画さんの虐殺器官とハーモニーなんですけど、おそらく私たちが取り上げている作品の中で一番読まれている作品ではないかと思っているので、ちょっとどのあたりの層に向けて話すかっていうのは最初ちょっと話した方がいいかなと思ってまして。
おだしょー 読んだ人と読んでない人がやっぱりいると思うんですよ。聞いてる人の中で。読んだことある人には結構なかなか時間も経ってらっしゃると思うので、またちょっとそういえばこの作品あったなとか、この作品面白かったなとか思い出してもらえるような内容になればいいなと思っています。
おだしょー ミドクの方なんですけど、ミドクの方で本当にネタバレはある程度して話すことになってしまうので、先週のボーンクロックスと違ってネタバレすると楽しさが結構落ちていくところもあるかなと思っているので、本当に本当に楽しみたいっていう人はちょっと読んでからぜひ聞いていただけたらなと思いますので、
今週と来週のお話は本当にこの作品を楽しみたいんだって人は控えていただけたらなと思ってます。でもネタバレしても大丈夫だっていう人なんかには今回の放送は楽しめるんじゃないかなと思いますので、ミドクの方もぜひ聞いてもらいたいところもあるんですけども、ちょっとそのネタバレがあるのでそこだけ最初にちょっと話しておきたいと思いました。
おだしょー ですね。でもミドクの方でも虐殺機関という例えば名前がね結構驚ろしかったり、あとすごい人気の小説なので今更と思う人もいるかもしれないんですが、やっぱすごい面白い小説ではあるんで、そういうのはなんか読むきっかけにもらえてもありがたいなと思いますね。
じゃあですね、伊藤百科さんについてちょっと知らない人もいると思うのでちょっと触れておきますと、この方かなり若くしてというか34歳で亡くなってしまった方です。ガンで亡くなりました。この虐殺機関とハーモニーを書いて、他にもいくつかメタルギアソリッドの小説とか私たち読んでないですけど、短編いくつかあったりするんですけど、基本的には長編はこの2冊が代表作となってて、これを残して亡くなってしまったという背景がありますね。
本当にこれ読むと思うんですけど、惜しい天才がいってしまったなと思うところではあります。
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みえさん、虐殺機関とハーモニー、両方とも多分今回2回目ですよね。2回目の読み。
そうですね、2回目読んで。
どっち好きとかあります?
個人的にはハーモニーの方が好きですね。
なるほど、そうですか。私も今回3回目読んでハーモニーの方に結構ハマりましたね。
僕最初読んだときは虐殺機関の方が好きでしたね。
なんでですかね、ちょっとコロナ的なことも影響してるのかな、もしかして。ハーモニーは健康を扱う。
確かに。今回初めて虐殺機関読んで、その後すぐハーモニー読んだんですけど、ハーモニーの方がより切迫感があるというか、世の中全体的な緊張感ですよね。
それをひしひしとハーモニーって感じてしまって、これはすごい良い小説だなと思ったんですよね。
前回はあれ、もう結構時間が空いて読んだってことですか?虐殺機関。
多分そうだと思います。あんまり虐殺機関とハーモニーの繋がりをそこまで感じずに。
確かに。私も今回このラジオで紹介するっていうので、虐殺機関ハーモニーっていう順番でほぼ連続で読んで、ちょっとやっぱ印象変わりましたね。
確かに。これ連続で読むと面白いですね。
ただ、虐殺機関の方がもっとスリーリングで、そこの点は面白いところがあるので。
確かに。アクション性はやっぱり虐殺機関の方が高いですもんね。
そうですよね。そういう意味ではどっちが好きっていうのも人によって好み分かれるかなと思いますので。
確かに。じゃあちょっと書名とか行きましょうか。ちょっと長引いちゃったけど。
行きましょうか。では本日紹介するのが伊藤計画さんが書いた虐殺機関、早川文庫JAから2010年に出版されています。
単行本は2007年に出ています。
じゃあちょっと私の方から数字をお伝えします。
9.11以降のテロとの戦いは天気を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍隊医クラビスシバードはその混乱の陰に常に存在がささやかれる謎の男ジョン・ポールを追ってジェグエットに向かう。
彼の目的とは一体何か。大量殺戮を引き起こす虐殺の機関とは現代の罪と罰を書き切るゼロ年代最高のフィクションとなっております。
そうですね。時代背景的には9.11っていうのがやっぱり大きく影響している中で。
そうですね。
そうですよね。
9.11までは現実世界というか私たちのこの世界と同じ歴史を持っていて、そこからちょっとまたこの小説の中では変わっていっているという感じですかね。
そうですね。それによって未来が作られていくというか。
実際に三枝さんのところを発売しすぐ読んだ感じ?
そうですね。2010年も出てすぐ読んだ記憶がありますね。
なるほど。一番最初に出た文庫って帯、伊坂孝太郎が書いてて。他の人も書いてたんですけど。伊坂孝太郎が書いてて、それがすごく印象的。それが買う決定だったんですけど。あんまり印象ないですか?伊坂孝太郎の帯。
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それ大地さんに聞いて改めて手元見たら、そうですね。伊坂孝太郎さん。
その帯のやつ持ってます?
持ってます持ってます。
私持ったやつって、その後多分それ誰かにあげちゃったんですよね。帯が全然2015年アニメ化っていう帯になってるんですけど。
そうなんだ。ほんじゃ。
2015年50ずりのやつを。スキーさん50ずりしてるの。2015の段階で。
すごいですね。これ2010年。出て4ヶ月後で、それで17冊してるんでやっぱすごい。
ちなみに伊坂さんって帯で書いてるのが、ナイーブな語り口で未来の恐ろしい世界の仕組みを描くこの作品はアクションもあればユーモアもあって、つまりは小説としてとてつもなくかっこよくて夢中になりました。
夢中になり嫉妬してファンになりました。というのを書いてますよね。
その帯にやられて買いましたね。だから全然、私そのSFってよくわかってなくて買った気がします。
僕もそうですね。タイトルの虐殺機関っていう、このインパクトに惹かれて発売してすぐ買いましたね。
そういう意味では、このSFとしては結構入りやすい方ですよね。
そうですね。SFですけど、結構現実世界というか、そっちの要素がまだ強い話ですもんね。
じゃあちょっと話していきましょうか。
世界観についてなんですけど、さっき言った通り9.11までは私たちと実質的な世界なんですけど、そこからちょっと大きく変わっていて、核戦争みたいに起きちゃったというか、
サラエボにテロによって核が落とされて、サラエボがなくなってしまったというか、核の脅威がかなり一時期高くなったんですけど、
それをその危機感をもとに割と先進国がテロを一掃した社会になってますね。
テロがなくなった世界になってます。ただその代わりに後進国で内戦が激化していると、紛争が激化している状況ですね。
そこでいわゆる虐殺みたいなのがよく起きていると。
それを主人公たちの部隊は、首謀者とかを暗殺するような部隊で、それを治めに行く部隊です。
なぜ内戦が増えているかというのが結構この小説の肝になっているところなので、この後ちょっと話していきます。
ここからがSF設定になってくるかなと思うんですけども、世界観として個人情報の管理がすごく徹底されていて、監視社会で、その辺はもう全部管理されているんですよね。
そういったところで移動のたびに認証とかも必要になってくると。逃げようとしてもすぐ終われてしまうというようなね。
行動履歴が全部残っているみたいな感じですよね。決済とかも全部IDみたいなのをやるから、何を買ったかもわかっちゃいますもんね。
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そうですね。個人情報というのがもうさらけ出されるというような中でできている物語であるというのが一つと、
あと今回すごく戦闘シーンがたくさん出てくるんですね。主人公が特殊部隊で暗殺とかをミッションにしているので、
これは実際の戦争でも重なるところかもしれないんですけども、すごくカウンセリングというのが重要視されているというのがあって、
兵士が人間の心を持つとやっぱり躊躇してしまったりするようなところでも、
マスキングという言葉を使ったりしているんですけども、そこで自分の意思とはまた別物で実行できるようにカウンセリングというのをほどかされていくと。
マスキングというのが結構肝ですよね。感覚に蓋をするというか、感情に蓋をするという、いろんなものによって意識を調整した上でいくみたいな感じなんですけど、
一種のマインドコントロールに近い。
そうですね。それによって戦争というか戦闘が円滑にできるようになるし、
銃で撃たれたりしても痛みを感じずに戦っていけたりとか。
痛みを知ることができるけど、感じることができないっていうことですね。
そうですね。それは本当に死ぬまで戦い続けることができると。
腕が一本なくなったぐらいじゃ止まらないっていう兵隊が出来上がってますよね。
トラウマを、心の傷を負わないようにするっていうのも結構重要な役割もあって、
実際にアメリカ、ベトナム戦争の後、軍隊上がりの人の自殺者が増えたと思うんですけど、そういうこともないようにっていう世界になってますね。
そうですね。しかもメンタル面だけではなくて、着ている服装をスマートスーツというように書かれてるんですけど、
それが自動で手当てをしてくれるスーツになっていて、例えば腕がなくなってしまってもスーツが圧迫してくれて、すぐに処置をしてくれるという。
脳と心臓を打たれない限り永遠に戦える、まあ永遠にはないかもしれないけど、かなり戦える兵隊が生まれてるっていう状況ですね。
そうですね。
っていう技術があって、他にもいろいろ戦闘における技術は結構SFっぽくあるんですけど、ちょっとそこを話してると時間が全く足りなくなっちゃうので飛ばしますが。
ちょっとストーリーラインの話をしましょうか。
主人公のクラヴィスは米軍の人間なんですけど、内戦をなんとかしたいと思ってて、米軍たちも、精神学も。
なのでそれをなんとかしようとするんですけれども、結局全然収まらないと。
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で、それを陰で先導してるジョン・ポールっていう存在がいるんじゃないかっていう話になってて、これがちょっとずつ作戦が進むにつれて、主人公たちの部隊のターゲットになってってるっていう状況ですね。
このジョン・ポールって名前もなんていうか、エージェント・スミスみたいな、すごく一般的な名前であれなんですけど、ジョン・ポールっていう存在がいると。
こいつが必ず内戦が起きた国にはいて、内戦が起きるってなったときにはもうその場所にはいないっていう、不思議な謎の男で。
こいつの存在を知らされて、なんとか殺してくれという命令が下るんですけれども。
で、消息を探そうとして、チェコにいるぞという発見情報があったので、行ってみたらもう全然いないっていうか、見張りしてたCIAから見失いましたっていう報告があって、どうすんだよみたいなところから始まったりするんですけど。
もうちょっといろいろ最初あるんですけど、大枠はそこからスタートするんですけど。
そのチェコにポールの愛人だったとされるルツヤっていう女性がいるんですけど、クラヴィスは相棒のウィリアムズとちょっと赴任して、
クラヴィスがルツヤっていうのがその現地でチェコ語を教えてる個人講師やってるんで、広告代理店で赴任してきてチェコ語わかりませんみたいな体で接触して生徒になって、ちょっと関係を築いていくんですけど。
っていうところで話を進んでいきます。クラヴィスはルツヤと過ごすうちに、なんていうかちょっとルツヤのこと好きになっちゃうんですよね。
クラヴィスにもいろんな過去があって、これが物語に結構深く関わってくるんですけど、母親との関係がちょっといろいろあって、
そのことをちょっとルツヤに許してもらいたくなっていくっていうか、認めてもらいたくなっていく。ルツヤと話してるうちに心を許していってしまっていくっていう状況で。
任務的にはちょっと危ない状況に、兵士としてはちょっとどうなのっていう状況になっていくんですけど、そうしてるうちにルツヤと行動を共有するうちに、
尾行されてるとかに気づいて、クラヴィスは軍事なんですぐ気づいて対処していくんですけど、対処しようとしてたらついにジョン・ポールが体の前に姿を現して、
クラヴィスはちょっとジョン・ポール側に捕まってしまう、捕獲されてしまって、でも初めて米軍側がジョン・ポールと接触したっていう感じになり、いろいろ情報は聞き出せるんですけど、
クラヴィスは無事なんとかウィリアムズに助けてはもらうんですけど、ジョン・ポールはチェコでは逃がしてしまったと。ルツヤも行ってしまったとなります。
その後、結構何度もジョン・ポールの作戦を追いかけて、最終的にジョン・ポールが逆襲を発動させる前、準備段階の時に追いついて対面を果たすんですけれども、
もちろん捕獲できるんですが、そこでですね、ルツヤとの約束みたいなものがあって、ルツヤも結局ジョン・ポールがやってることはよく思ってない。
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逆襲を巻き起こしてることはよく思ってない。このことをルツヤは世界に指示をしてもらいたいと思っているので、ジョン・ポールを殺さずに逮捕して裁判にかけてくれという話になっていて、
本来ならクラビスはジョン・ポールを殺さなきゃいけなかったんですけれども、ジョン・ポールを逃がそうと最後動くんですよね。ジョン・ポールもあれですもんね。今の話聞いてるとめっちゃ悪いやつみたいな感じだけど、そうでもなくてみたいな。
そうなんですよね。一概に悪とは言えないからと思うんですよね。悲しい過去というか、人間がやってしまった核戦争のある意味被害者ですもんね。
そうですね。ジョン・ポールにはジョン・ポールの正義があって、ただの快楽で逆殺を巻き起こしてるわけじゃなくて、彼にもちょっと歪んでるかもしれないけど、強い意志があってっていうところですよね。
結構いろいろ端折ったんですけど、ストーリーラインとしてはこの程度にしておいた方がいいのかなと思います。
そうですね。このストーリーの流れの中にも結構バトルシーンがたくさん入ってるというようなところですからね。
あとこの米軍側の仲間が何人かいたりして、それぞれちょっといろいろ話があったりとかして、物語の重厚性を出してるんですけれども、
あとクラビスの過去の話とか、ジョン・ポールとルツィアの過去の話とか結構いろいろあるんですけれども、ざっくりとはちょっとこの程度にしていこうかなと思います。ちょっと細かく話すとかなり長くなっちゃうので。
そうですね。では主人公のクラビスがジョン・ポールと出会ったりして、そこで交わされる会話っていうのが結構その逆殺期間の肝になってくる、逆殺の文法というものを表してるんで。
これ一番最初に、要はどうやって逆殺を起こしてんだお前って話をジョン・ポールに捕まった時クラビスが聞き出すんですけど、この逆殺の文法があるっていう話になるんですけど、皆さん理解できました?
全然分かんなかったです。もちろん書読の時分かんなかったし、今回また読み直したんですけど、それでもなんとなくこういうことなのかなっていうイメージは持ってるものの、でもよく分からないっていうのが率直な感想です。
そうですよね。私も書読の時は、「え、どういうこと?」って思って。でもやっぱりもう一回読んで、今回3回目だったんですけど、2回目読んだ時になんとなく理解した気もしてて、今回もやっぱりなんとなくだったなぁとは思います。
だから多分読んだ人で、逆殺の文法ちょっとよく分からなかったんだけどって人結構多いと思うんですけど、多分そこまで、これから読む人もそうなんですけど、そこまで深く理解しなくてもこの小説は楽しめますよね。
そうですね。
でもこの逆殺の文法っていう発想はめちゃめちゃ面白いですよね。
そうですね。まさか正体がこれだったとはっていう、なんかそこ面白さありますよね。
解説ではないんですけど、説明をちょっと試みますね。これがちょっと私は、逆殺の文法の説明を試みます。ちょっと何かあったら補足を。
18:08
お願いします。
はい、お願いします。
分かりました。
まずこの逆殺には文法があるっていう、ジョン・ポールが言い出すんですけど、要はあるその文法に反応してしまう機関が人にはあると。
その言葉によって、逆殺の文法っていうのを使うことによって、逆殺に人は走ってしまうことがあるっていうことなんですけど、多分マインドコントロールに近いんじゃないかなってちょっと思ってます。
そうですね。一種の洗脳みたいな。
これメディアとかを使ったり、広告とかメディアとか、人が目に触れるもの、言葉とかをうまくすり込んでいくと、それが一定以上伝播した地域では殺し合いというか逆殺が始まるという状況を作れると、ジョン・ポールは言ってます。
これちょっと今私思ったんですけど、これあれですよね、コロナで他県ナンバー借りってあったじゃないですか。
はい。
あれに近いのかなって思いますね、リアルで言うと。あれも別にメディアがそれを狙ったわけじゃないけど、コロナやばいよ、やばいよみたいな話をわーってメディアがしてて、
自粛しましょうみたいな、移動自粛しましょうみたいになってて、移動してるやついるじゃん、やっちゃえみたいなのはちょっと近い、逆殺の文法に近いのかなってちょっとリアルで考えるとですけどね、ちょっとすげー怖いですけど。
でも確かに情報統制取れた中で言葉を散りばめていくと、大衆心理みたいなところに働きかけるっていう、そういうことっていうのは近いものが多分今まで歴史にもあったと思うんですけども、
それが逆殺の文法に結びついてるっていうのがちょっとイメージできるところがあって、コロナの時のナンバー借りもそうですけど、
意外とそうですよね。あり得るかもって思ってしまえるところがちょっとすごい怖いですよね。
時計ナンバー借りのことってマジで理解できなかったんですよ。なんでこんなことするのって思う。逆殺機関もなんでこんなことなんのみたいなことだったりするし、
あと逆殺の文法を擦り込まれた内戦を煽動したリーダー、その地域のリーダーとかはですね、なんで自分たちは平和を築こうとしていたのに殺し合ってしまったのかわからないっていう状況に陥ったりとかしてるんですね。
それをちょっと操るという方法がジョン・ポールは持ってると。これちょっと裏表になるんですけど、主人公クラビスたちの米軍も兵士に感情のマスキングをさっきしてるって話があったんですけど、これが方法としてはほぼ同じようなことをしてるんですよね。
この小説の中ではジョン・ポールとクラビスの会話の中では攻撃と防御だみたいな話になるんですけど、そんなもん差はなくて根本一緒だよっていうのはジョン・ポールの主張ですね。要はその感情を調整することができるものがあるということですね。それが逆殺の文法なのか感情のマスキングなのかっていう感じですかね。
21:08
ジョン・ポールに言わせると逆殺の文法っていうのはすごく遺伝子に組み込まれてるというか、進化の過程で人間が得てしまったものでもあるということになってて、もともと人間というのは文化文明を築くことで自分たちを守る生き物。群れを成して互いを助け合うことによって進化してきた生き物なんですけれども、
ある時、感抜とか自然災害とかによって食糧に陥ることがあったと。その時に他人を助けただけではダメだっていうことで、逆殺という他者を殺すことを良しとしなきゃいけない状況になったときに使ったのが言葉だったと。情報伝達するために使うのが言葉だったと。
他の生き物だったら、例えば群れからちょっと間引かなきゃいけないとか、そんな時に他のもので伝え合ったりする。嗅覚とまだまだ鋭いので、フェロモンだったり何だらを出して伝達をするかもしれないけれども、人間にはもうその能力が生き物として失われてしまっているので、退化しているので、その代わりに言葉を使ったというのがジョン・ポールの研究のもとになっている、一番最初の出発点になっているところですね。
それを使ってジョン・ポールは次々逆殺を巻き起こしていたと。
この辺の話面白いですよね。
面白いですね。でもやっぱりちょっと理解が読んでてもらえますよね。
そうですね。
でもざっくり言うと今のことだから、ある程度理解はしているつもりなんですけど。
そうですね。でも人類の脳の歴史とかで絡んでくる話で、もともと人って言語っていうのってなかったんですね。
結構後付けで認知する力とかが発達してきて、言語っていうのが生み出されてきて、それによって今の文明とか社会っていうのができてきたっていうのがあるんですけど、
一方で逆殺の文法っていう恐ろしい悲観っていうのが実は備えられていて、それが世界で戦争とかを巻き起こしていくっていうね。
そこの仮説を作っていくっていうところとか、この辺が結構好きなところですね。
多分このアイディアは当時めちゃめちゃ他にもなくて、めちゃくちゃ評価されたっていうか、めっちゃみんな面白いってなったわけですよね。
ちょっと難しいとこあるかもしれないんですけど、でもここの面白さっていうところもやっぱりここがもう一つの肝かなと思いますしね。
何度も言うんですけど、100%理解しなくても、多分7割6割の理解でも、逆殺期間はめっちゃ楽しめると思います。
そうですね。なんとなくのイメージで十分だと思いますしね。
結末については話さないというか、どういうことが待ってるかっていうのは最後は話さないでおきたいんですけど、
24:01
多分読んだ人ならなんとなくわかるとは思うんですけど、2点3点あって最終的に逆殺っていうのが世界に広がっていくんですよね。
この世界が最終的に来週のハーモニーにもつながってるんですけど。
最後、ラストっていうのはエピローグの部分になるんですけども、これすごい考えさせられたなところで、短い話なんですけども、
それまでは戦闘シーンが結構多い話、小説で、ある意味なんていうかミクロなことを描いている傾向が多かったんですね、小説全体的に。
また最後に逆殺が広がっていくっていう話がありましたけど、一気に風呂敷を広げたようなマクロな視点っていうのが描かれて、
まさかこうなるんだっていうのはちょっとびっくりなところがあって、そこのヨシヤ氏は人それぞれだと思うんですけども、
その視点が一気に広がっていくっていうところはすごい印象的でしたね。
私もそのダイナミックさみたいなのがすごく、最後のところはすごく感じました。
クラヴィスの最後の決断というか行動がこの世界の方向性に大きく影響を与えていくっていうのは、
小説を読んでいる上ではすごい気持ちよさのあるところだなって思いますね。
そうですね。前回はボンクロックスをラジオで取り上げていて、それもSFファンタジーではあって、
そのボンクロックスでも正義と悪の戦いっていうのがあって、結果としてその戦いの結果どうこうではなく、
もう世界は滅んでいくというシナリオが描かれていて、
今回の虐殺機関も単純化すると正義と悪との戦いみたいな構造は最初あったものの、
でも結局その虐殺が広がっていって、その次にハーモニーという作品が出てくるんですけど、
その辺ちょっと作家の想像する世界って、そういうふうに捉えられているのかなって思うと、
ちょっと悲しくなるというか。
読んだ人ならあれかもしれないですけど、どっちに転んだとしても虐殺は広がっていっただろうから、
ハーモニーの世界は待ってたってことですもんね。
そういう意味じゃもう本当この小説って、ピーエンドとかっていうくくりじゃ全くくくれない、
ハッピーかハッピーじゃないかっていうものではくくれない小説だなと思うんですけど、
最後この状況って結構ものすごい印象に残るじゃないですか、ラスト。
とんでもなくピザ食ってるとこね。
すごい印象に残るじゃないですか。
どっちにもくくれないし、どう解釈していいのかとかもちょっとわからなくなるところも多いけど、
めちゃくちゃ印象に残る小説だからやっぱ面白かったなって思いますよね。
27:03
じゃあ最後にいつも通り感想とどういう人に読んでほしいかちょっと話して終わりたいと思うんですけれども、
で、虐殺機関なんですけど、私は初読の時結構衝撃も受けたし、
自分これ虐殺機関読むまでほとんどSFって、まあゼロじゃなかったんですけど、
こういうSFは多分読んだことがなかったので、めちゃめちゃ面白いなって思いました。
だからそのSF初心者でも絶対楽しめるし、アイデアとかあと文体とかも全然すごい読みやすいんで、
楽しませてくれるような小説なんじゃないかなと思ってます。
そうですね、虐殺機関という名前の通り、結構残虐な描写とかあるんですけど、
でもやっぱり面白いなと思っています。
良さはね、これまで語ってきたんですけど、やっぱり個人的にはそのジョン・ポールという、
県すると悪役の立ち位置にいる人の人間模様というか、その成り立ちですよね。
この謎の人物がどうやって生まれてきたのかとかって、そこのドラマがすごい好きですし、
それが徐々に明らかになっていくというところとか面白いですし、
主人公のクラビス・シェパードもすごく人間らしい人間で、
そのクラビスとジョン・ポールの2人の会話とか読んでいてすごく面白いなと思いますので、
SF小説の良さももちろんありますし、すごい意識のある登場人物がいるので、
そのキャラクターの会話とかその辺もまた楽しめるところで、
しかも読みやすいし、面白いし、すごくこれはもう多くの人にとってお勧めできるなと思っています。
ありがとうございます。じゃあ、そんなところで次回告になります。
次回は伊藤計画のハーモニーをご紹介いたします。
今週に引き継ぎ伊藤計画の作品になりますので、お楽しみにしていただければなと思います。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介されている本を読みました、
読み返しましたなどありましたら、ハッシュタグそのとみねこたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタの投稿、DMやリプライなどでお待ちしております。
メールアドレスも番組情報欄に載せておりますので、そちらからいただいても大丈夫です。
楽しかったら積極的に拡散共有してあげると助かります。
それではまた。ありがとうございました。
29:12

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