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2024-09-23 49:56

第169回 文学によって人生を見直す父と娘「リーディング・リスト」レスリー・シモタカハラ著

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【今回の紹介】 『リーディング・リスト』レスリー・シモタカハラ著、加藤洋子訳、北烏山編集室

https://www.kkyeditors.com/page0002.html

⁠⁠⁠⁠⁠. パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください! . 【今回の内容】 知ったきっかけは越前敏弥さんのYouTube番組/本好き、文学好きはハマる/しっかりとした自伝小説であり文学ブックガイドでもある/著者&作品紹介/人生に重ねられる13冊のブックガイド/1900年代初めからのファミリー・ヒストリー/父と娘の会話が読書会のよう/主人公の自己肯定感の低さが今の日本の小説のように感じた/ストーリー紹介/読後の印象/主観的に文学を読むことを肯定してくれている/13冊のリーディング・リストの中で読みたくなった本/次回予告 .

ーーーーーーー 版元サイトより ーーーーーーー  日系カナダ人4世の著者の手による自伝小説(オートフィクション)。本書の著者であり主人公でもあるレスリー・シモタカハラは、名門ブラウン大学で文学博士号を取得、カナダの田舎の大学で文学を講じている。だが、学生から〈史上最悪の教授〉と揶揄され、転職も恋愛も失敗、精神的にひどく追いつめられてトロントの実家へ帰郷。定年退職した父のために作った「リーディングリスト」=読むべき本リストに添って、日系カナダ人としての両親や祖父母の人生をたどり、自分自身の生と死を見つめる日々を送ることになる。



 本書は13章から成りたっており、各章のタイトルがすべて、リストの作品名、つまり英米加の文学作品の名前になっている。たとえば、ソロー『森の生活』、ウォートン『歓楽の家』、ジョイス『ダブリナーズ』、ウルフ『ダロウェイ夫人』、ナボコフ『ロリータ』、ハメット『マルタの鷹』など。この13作品はすべて翻訳が出ていて、日本語で読むことができる。



解説 倉本さおり(書評家)


装釘 宗利淳一 . 【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】 声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【番組へのお便りはこちらから!】 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【メルマガ会員募集中! 】 毎週土曜日朝7時に配信! 無料版は本編エピソードには収めきれず、泣く泣くカットした部分を聞いて頂ける内容になっております! 有料版は我々2人に対しての応援・支援をしたい!という想いを持って頂ける人を対象に、月額500円のサブスクをご用意。ささやかな御礼として編集後記という配信後の感想などをお送りします。なお、こちらに有料登録して頂いた方々を我々はサポーターと呼ばせて頂いております。 どちらも theLetterというニュースレター配信サービスを使わせて頂いております。最初は無料購読登録から始まりますので、是非気になった方はまず無料登録を! ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://radiocatwings.theletter.jp/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ※登録されると確認メールが迷惑フォルダに入ってしまう可能性がございます。すべてのメールをご確認ください。 ※もちろんサポーターとしてご支援頂かなくても、Podcastを聴いて頂けるだけでも本当に嬉しいです。 【文学ラジオ空飛び猫たちとは】 硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。 案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ 京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ 文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、 読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます! 毎週月曜日朝7時に配信しています。 【SNSでご投稿ください】 番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください! よろしくお願いします! ■twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/radiocatwings⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/radiocatwings/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Gmailでも受付中です bungakucafe.catwings@gmail.com ■ダイチ「小説家が好き!の会」 Twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/welovestory ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://www.instagram.com/booklogd/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■ミエ「羊をめぐるカフェ」 Twitter⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://twitter.com/hitsuji_meguru ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/hitsujiwomeguru.cafe/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ #本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック



サマリー

レスリー・シモタカハラの「リーディング・リスト」では、父と娘の物語が紹介されます。この本は、著者自身の体験をオートフィクションとして描きながら、文学作品が人生に与える影響について考察しています。このエピソードでは、『リーディング・リスト』を通じて、父と娘の関係の変化や家族のルーツに向き合う様子が描かれます。物語では、レスリーが父親とともにそれぞれの人生を見直し、文学を通じて絆を深める様子が示されています。レスリーは父におすすめの本を提供し、家族の過去や自己肯定感の低さに向き合いながら、自身の人生を振り返っています。このエピソードでは、父と娘が読書を通じてお互いの人生を見つめ直す過程が描かれ、彼らが文学を介して人生の喜びや悩みについて語り合い、自己理解を深めていく様子が印象的です。第169回のエピソードでは、リーディング・リストという作品を通じて、父と娘が文学の力を再認識し、現実の世界での本の可能性について語ります。

父と娘の文学の旅
文学に興味がなかった父に、おすすめの本を教えることになった娘は、 自身もそのリーディング・リストに沿って、人生を見つめ直し、変わろうとしていく。
13冊の本に彩られた文学ブックガイドのような、著者自身の体験を綴るオートフィクション、 レスリー・シモタカハラのリーディング・リストを紹介します。
どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私、ダイチとミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、レスリー・シモタカハラのリーディング・リストです。加藤陽子さん役で、北カラス山編集室から2024年に出版された本です。
今回紹介するリーディング・リストなんですけれども、どれくらい前だったかな?翻訳者の越前俊也さんがやっているyoutubeチャンネルで、オリンピアとストーナーか、オリンピアとストーナーを比較する企画に出させてもらったときに、同じくですね、出演されていた北カラス山編集室、この半元ですね、半元の樋口さんからですね、軽く紹介というか触れていただいて、それを聞いたときにめちゃめちゃ面白そうだなと思ったのを覚えています。
それでちょっとやろうかなって話に、ちょっと三枝さんとなっていったという経緯がありますね。
そうですよね。だからストーナーが大学教授の文学部の教授の話なんですけども、同じくリーディング・リストも大学の文学部教授の話で、結構この2つは重なるところもあるからっていうので聞いていて、本当これはちょっと読まないといけないなって思った作品でしたね。
実際に今回読んでみてめちゃめちゃ面白かったんですけど、まずこのタイトルのリーディング・リストという名前通りですね、10作品の作品が紹介されるというか、13章で構成されていて、それぞれ1章ごとにですね、ある1冊の文学作品がキーになったりというか、タイトルになっていて、紹介されていく本になっています。
これはもう文学好きには間違いなくハマる1冊なんじゃないかなと思っているので、本編の中でこの本の中でいろんな話があって、自分の人生を小説の登場人物に重ね合わせるのはどうなんだみたいな話とかも実はあったりするんですけど、でも結構多くの人がですね、小説が好きな人だったら自分の人生と読んでいる小説の登場人物を重ね合わせてしまうってことはやったことある人多いんじゃないかなと思うので、そういう経験がある人には絶対刺さる1冊だなと思っています。
おだしょー わかりますね。僕はこのオビーのキャッチコピーに自伝小説×文学ブックガイドと書かれていてですね、それって小説なのかブックガイドなのかどっちなのかって最初よくイメージがつかめなかったんですけども、やっぱり読んでみるとちゃんとした小説、自伝小説だったなと思いましたね。
本当にちゃんとストーリーがあって、その要所要所で13章の中で1つ本が紹介されていくっていうような、すごくブックガイドの要素もあるし、それ以上に小説としての要素がしっかりしていたっていうのがまず読んでいるとちょっと驚き、自分の中にあったんですけども。
で、この人生に重ねられるような、そんな本の紹介がされているんですけども、それがすごい上手くてですね、本当にその1章に1つ本が出てくるんですけども、読みたくなるようなこの辺の紹介の仕方っていうんですかね、この小説の中での本の出し方、それがすごい良くて、本当にブックガイドとしてもこれはすごいなとやっぱり思いましたし、
さらに家族の歴史ですね、著者のレスリー・シモタカハラさんが日系カナダ人なんですけども、そのルーツは日本にあってということで、このおばあちゃんとか、さらにその先の非おじいちゃんとか、遡っていってのこの家族の歴史も描かれていってというすごく大きな物語もあってですね、すごく充実感がありましたね、読んで。
そうなんですよね、なんかその充実感という意味では、すごい本当13冊の本がちゃんと出てくるので、かなり充実した内容だなと思ったのと、確かにこれ自伝小説とブックガイドってなんだってなると思うんですよね。
われわれ今まで結構この自伝小説、オートフィクションと呼ばれるジャンルを結構紹介してきているんですけれども、なんか今まで読んだオートフィクションともちょっと違うような、なんというか、作りをしていて。
ちょっと近いなと思ったのは16の言葉かな、イラン系の方のエブラーヒミさんかな、16の言葉、以前紹介しましたけども、ちょっと確かにあれもオートフィクションだったと思うし、ある言葉たちに寄せて物語が進行したりイメージが作られていくので、それにもちょっと近いかなと思いましたが、
これはもう具体的な文学作品なので、もう多分読んだこともある作品が出てきて、それに合わせてちょっと主人公の人生が進んでいくというか話が進んでいくので、まあね確かにこのオートフィクションかける文学ガイド、ブックガイドっていうのはキャッチコピーは全く間違いではないんですけれども、イメージは確かにちょっと持ちづらいですよね最初ね、これなんだろうみたいな。
本当に読むと、なるほどこういうことだったのかすごく分かりましたね。
じゃあちょっと早速ですが、著者紹介してから作品紹介入っていきたいと思います。著者のレスリー下高原さんなんですけれども、この方は日経カナダ人4世になります。カナダで活躍した医師の方がいて、日経の方で、それが下高原光蔵さんって方がいらっしゃるんですけど、その方の子孫になりますね。
彼女自身は、今回の作品リーディングリストの主人公の名前と一緒なんですけれども、2000年ですね、マギル大学文学部を卒業、その後ブラウン大学の修士課程に進み、2006年現代アメリカ文学で博士号を取得と。
パスコシア州のセイ・フランシスコ・ザビエル大学で2008年まで教鞭を取る。2009年ディアスボラ・ダイアローグス・エマージングライターズの一人に選ばれ、短編小説がアンサロジー・TOK・ライティング・ザ・ニュートロント及びメイプル・ツリー・ライトラリー・サプリメントに収録されると。
本書は、著者初の単行本で、2012年にカナダ日本文学賞を受賞。3冊の長編が今書いているということみたいです。2024年にも発表しているそうなので、今一線にいらっしゃる方かなというところですね。という方が書いた、初の長編小説でございますね。
ちょっと具体的に入っていきたいと思います。
文学作品のリスト
本書は13章から成り立っており、各章のタイトルがすべてリストの作品名、つまり英米課の文学作品の名前になっている。
例えば、ソロ、森の生活、ウォートム、快楽の家、ジョイス、ダブリナーズ、ウルフ、ダロウェイ夫人、ナポコフ、ロリータ、ハメット、マルタの鷹など。
この13作品は全て翻訳が出ていて、日本語で読むことができるとなっております。
ざっくり冒頭でも話した通りなんですが、13冊の小説が各章のタイトルになっていて、それに合わせてその読むべきリストという形で展開していって、
そのあいまにですね、あいまにというか、それを絡めながらレスリー下高原さんの家族のことが、祖先のことが描かれたり、
あと彼女が今直面している人生ですね。転職も恋愛も失敗ってあるんですけど、精神的にもひどく追い詰められとあったんですけど、
実際、結局かなりですね、状況としては思わしくなくて、かんばしくなくて、本当に今人生の起路に立たされているような時間の中にいる彼女という感じですね。
そのあたりのこともこの13冊の本も絡めながら描かれていくという形になっています。
あとちなみにこの本でちょっと面白いところが、単行本なんですけども解説が入っていて、書評家の倉本沙織さんが結構長めの解説を本の最後に寄せていて、
個人的にはこういった後書きとか解説とかは作品読み終わった後に読む方が楽しめるかもしれないし、
一方でちょっと作品読むのに行き詰まった時とか読むとちょっと助けになるような解説にもなっているかなと思うので、
こういうのが入っているのも文庫とかだとよくありますけど、単行本で入っているのは翻訳の小説でちょっと珍しくてちょっと面白いなと思いましたね。
確かにそうですね。これ読んだけどめちゃくちゃ分かりやすいというか。
そうですね。結構作品の背景みたいなこととかもこういうことかって分かっておりますし、
あとは本の想定、この北から西まで出版、編集室から出ているこの翻訳小説が第2弾で、第1弾がオリンピアだったんですけども、
そうですね。
すごく綺麗な想定で持っているだけでちょっとこれは自慢になるような本にもなっているなと思いまして、
あと本の大きさがちょっと縦長で、通常の本よりも縦長で、中開くとちょっと文字の下に余白があって、
片手で結構読みやすい、そんな作りになっていて、まさに移動している時とかですね、
ちょっとなんかのんびり読書をする時とか、すごく読みやすい作りになっていて、
この本そのものっていうんですかね、その作り方もすごく面白くて、
前のオリンピアの時もこれはいいなと思ったんですが、今回のもやっぱり実際読んでみるとすごく見栄えもいいし、読みやすいしっていうので、
持っておいてすごくいい本だなって思いますね。
そうですね、確かに。これは本棚に収めると、オリンピアとリーディングリスト系、他の単行本から結構飛び出るっていうね。
そうなんですね、なのでちょっと僕の家の本棚にはその2冊入らなくて。
そうなんだ、結構ギリギリのあれなんだね。
ちょっと別のところに置いてます。
我々で言うと前紹介したションタンの本は大きすぎるからあれかもしれないけど、ションタンと同じような感じで別のところにとかって感じかな。
本当見栄えのいい1冊なんですけれども、これから作品について具体的にいろいろ話していきたいと思います。
まずお話ししなくてはならないポイントは、もうさっきから何度も出てる通り、これブックガイドのような話なので、その点についてお話ししたいと思います。
さっきちょろっと何作か出たと思うんですけど、アメリカ、イギリス、カナダの名作に寄せて話が展開していきます。
ちょっとここで一覧を読み上げちゃいますか。
第1章がヘイニーデイビットソロの森の生活。
第2章がイギリスウォートンの侵略の家。
第3章がジェームス・ジョイス・ダブリナーズ。
第4章がバージニアウルフのダロウェイ夫人。
第5章がウランチミール・ナボコフのロリータ。
第6章がダシール・ハメットのマルタの鷹。
第7章がウィリアム・フォークナーの死の床に横たわりて。
第8章がアーネスト・ヘミングウェイの日はまた昇る。
第9章がウィラ・キャザーの教授の家。
第10章マーガレット・アトウッド浮かび上がる。
第11章ラルフ・エリソン見えない人間。
第12章ジョイ子川失われた祖国。
第13章マイケル・オンダーチェの家族を駆け抜けて。
という13作品ですね。
いやこれなかなかの良いリストですね。
と思いながら。
この13章それぞれ本当作品が出てきます。
作品に対しての主人公の一人称視点の話なんですけど
その一人称の形でですね
この作品はこういう作品でみたいのがある程度語られるというか
主人公はこういう経緯でこういうところに行って
こういう思いを抱えてとか
あとはもうこういう場面からこの小説が始まるとか
こういう場面があってこういう感情を揺さぶられたとか
結構ですね具体的な話がささっと入るかつ
でもなんか全体像話の全体像がわかるみたいな
ご紹介のされ方をしていて
なかなかうまい紹介をされるなと思ってちょっと読みました。
でかなりそのあたりの紹介うまいんですけど
さっき言った通りちょっとこの読んでる主人公が
レスリーさんがそもそもこれ設定としては再読っていう時もある
再読するのがほとんどか
お父さんのために選んで
この本読んでねみたいな感じで持っていくので
もちろん自分は以前読んでいて
さらに例えばちょっとお父さんが最初あんまり読書しない人間
読書したことがなかった人間なんですけど
父と娘の読書を通じた変化
読書するようになって娘がリビングで放置した本とか
ちょっと読み始めちゃったりとかして
読ませる気もそこまでなかったけどみたいな本とかもあったりするんですけど
でも娘であるレスリーですね
レスリーは何故このタイミングでこの本を読みたくなったか
みたいなのもちゃんと語られていて
そのあたりがですね彼女の人生と
あと一緒に読むことになる父親の人生も変容していくっていう
そういうちょっとある意味この13章を進んでいくうちに
いろんな変化が訪れていくダイナミックなストーリーになってますね
自分の現実世界のことと小説の持っている世界っていうのが
重ね合わせてしまうときって多分あると思うんですよ
なんかこういう心境だから今こういう本読みたいみたいな
そういうふうに本をチョイスする人って
このラジオを聞いている方々の中にも絶対いると思っていて
私とかもそういう読み方たまにするので
そういう方はですねこれ読んだらですね
多分めちゃくちゃ共感すると思います
その1冊の本だけではなくて13冊それぞれに重ね合わせれる人物とか
重ねられる何か状況とかがあって
ファミリーヒストリーとルーツの探求
このあたりはすごい良かったところですね
本当に1冊これだけではないっていう本当にもっとたくさん
人生に重ねられるものがあるんだっていうですね
そういうのもちょっと教えてくれるような
そんな描かれ方してるなと思いましたし
そうですよね
次の特徴というか話したいポイントなんですけれども
これはファミリーヒストリーの話になってます
これはトウトウでも言いましたが日系カナダ人4世の著者のオートフィクションなので
彼女の本当の人生がですねこのあたり本当に描かれていくんですけれども
日本にまずルーツを持つ父と母ですね
日本にルーツを持つお父さんがいて
そのルーツっていうのはたどっていくとある時にですね
カナダに移住してきた日本人の祖先がいることになるんですけれども
ちょっと解説なんか読んだりすると
カナダに移住する人っていうのは結構多かったみたいですね
1900年の初めの方ですね
そうですね1900年の初めの方です
でなぜかというと日本よりもですね
カナダの方が賃金が高かったからですね
日本で働くよりも7倍ぐらいの収入が得られるということで
結構カナダの方に日本人が押し寄せてきたらしくて
結構人数が増えちゃってその規制が始まったりとかして
よくあるあれですね家族であれば入国できるというか
住むことができるみたいな形になるので
お嫁さんを日本から連れてくるみたいな流れになってきます
これアメリカとかでもあるんですけど
カナダでもやっぱりそういうことがあったということですね
それはもうちょっと一般的なカナダの事情なんですけれども
この主人公のレスリーさんなんですけれども
日系の父と母を持っていて
彼女自体はもう4歳なんで
もうカナダ人って感じなんですけれども
もう見た目は日本人という感じになってます
このレスリーさんの一家なんですけれども
なかなかちょっと複雑な家族でして
まず父の父つまりレスリーさんから見ると
父方のおじいちゃん祖父ですねがカズという名前の人物なんですけれども
カズと結婚したおばあちゃん
ちょっとこのおばあちゃんがですねちょっと入院していて
もうかなり状態が悪くて
いつ死ぬかわからないっていう状況に今あります
でそのおばあちゃんの結婚相手だったカズという男がいて
なんですがちょっとこのおばあちゃんと
カズっていうのがカズの一家の長男なんですけど
あまりなんていうか酒飲みで仕事も安定しなくて
結構ダメ人間みたいな扱いをされていたようです
逆に弟は下高原家の医者という家系を継いでるというか
医者になっていて優秀な弟みたいなという形になっています
でどうもこの祖母はカズの弟ハルキって名前なんですけど
そのハルキとですねハルキのことが好きだったような話とかが出てきて
結構そのあたりからこのカズとそのおばあちゃんを取り巻く
なんとも言えないなんかドロッとしたような感じがですね
垣間見え始めてきてそれもですね話が進むにつれて
父の口からだとかあとおばの口からだとか
ポロポロポロポロ出てきて全体像が最初に見えてくるというような作品になってますね
そうですよね
一応小説の中のメインというかですね表の物語が
この主人公のレスリー娘とお父さんのリーディングリストですね
この父と娘の人生に起きる変化の話が表の物語であれば
今のファミリーヒストリーこの家族のルーツを遡っていって
見えてこなかった真実みたいなものが見えてくるっていう
そこがちょっと裏の物語なのかなと
父と娘の心の交流
でその2つが表と裏の2つの物語があることで
結構この小説にやっぱり深みができてると思いますし
読書していてもただ面白いだけではなくて
かなりですね考えさせられることが出てくる小説になってるなと思いましたね
順番本当はこっちから先に話せばよかったかもしれないですけど
メインの部分ですねこの父と娘の関係っていうのが
結構大きなテーマになってるかなと思っていて
この父と娘の関係についてちょっと話していきたいと思います
これなぜリーディングリストを作ることになったかっていうと
父はですね自分の娘が大学教授になったというか
そういった立場の仕事について頑張っている姿というか
ちょっとそこまでトロントから離れたところで働いているので娘は
分からないんですが娘がその職に就いたことをすごく嬉しく誇りに思っています
娘はですねちょうどその時ですね逆に大学のこの教授という仕事が
全く自分には向いてないんではないかっていう悩みにぶつかっていて
それはちょっとあらすじにも出てきましたけれども
学生からバカにされていたりとかそれはどこだったかな
明確に書いてあったシーンがあるんですけど
クラスで白人以外であるのは私だけだっていう
教室では白人以外であるものは私だけだみたいな形で
疎外観というか居心地の悪さみたいなのをすごく感じていたし
なかなかそこにこの授業ですねやってくる上にもう鬱病になるぐらいですね
悩みを抱えていたというのがちょっとありまして
でも父はですねそんな娘に自分のためのリーディングティストを作ってくれよ
っていうことを頼みますちょっと本を読んでみたいんだけどっていう形ですね
でお父さんこれまで一切いわゆる文学を読んだことがない人間で
飛行機の模型を作るのがめちゃめちゃ趣味で
しかも結構異様なのめり込み方をしていたりしていて
たびたびこの小説の中で展開されるんですけど
このお父さんたぶんハマったらもうなんていうかハマりきってしまうタイプのお父さんで
のめり込みがちなタイプの人間です
でリーディングティストを送れということで娘はですね
そんなものとか思いながら始めに一冊二冊という感じでちょっと渡していくと
父がですねなんかいや意外と文学やっぱダメかな
いやいけるかなみたいな揺れ動きながらですね
読書にのめり込んでいくっていう姿が描かれてきますね
ここで面白いのは結構父と娘はあまり分かり合いでなかったようなスタートがあって
父さんってこういう人だみたいなイメージと
あと娘に対してしっかり仕事をしてくれみたいな
大学の仕事を辞めてちょっと違うことをしようかなとか言い出した娘に対して
しっかりしっかりちゃんと働けっていうことを言い出したりするんですけど
そのあたりは結構まあなんていうか
一般的に見たらあんまりいい父娘関係ではなかったなみたいな感じなんですけれども
この娘がですねこの本はこういう本なんだよみたいな話をしたり
実際に父が読んで感想を娘に伝えてきたりする
そういう交流の中でちょっとまた父と娘の関係が変わっていって
同時にやっぱ父の中でも変化が訪れてマイルドになって
マイルドって言い方あるかななんていうのかな
良き理解者みたいな感じになっていくところがありますね
結構正直このあたりの父親の変化っていうのは
最終盤感動させられるところも結構あって
娘もですねやっぱり自分の人生が改めてこの13冊を読むことで変わっていく
いろんな決心をしていくっていう流れもなっていくので
非常にこのあたりはですねこの2人の関係が変わっていく様っていうのは読んでいて
本当このメインのテーマで胸に迫ってくるものがあるなと思います
この父と娘の会話がすごく僕は好きでしたね
読んだ本の感想とかを話しているのを読んでいると
本当読書界を読んでいるかのような感覚があってですね
例えばフォークナーの死の床に横たわり手について
お父さんと娘が話しているシーン179ページから180ページにかけてなんですけども
お父さんがこの舞台である死の床に横たわり手の舞台である
ヨクナパトファー群っていうすごく言いにくい名前の土地ですね
そこって実在するのかっていうのを娘に聞くんですけど
それに対して娘さんがそれは味方によるかなって言うんですけど
それは架空の地名だったんですね
フォークナーが実際自分が過ごしたのはミシシッピ州オクスフォードなんですけども
そこを舞台に架空の地名にしたと
それでお父さんがなんでフォークナーはミシシッピ州オクスフォード
小説の舞台にしなかったんだと娘に聞くんですけど
娘さんがそれに対して実在の場所でないことを明確にしておきたかったからと
架空の舞台を想像すれば祖先の人生を自由に思い描くことができるものと答えていて
それに対してお父さんがなるほどってなってですね
フォークナーは自分のルーツを作り直したかったんだなというですね
そんな一連の会話のやり取りがあって
こういう会話がすごい個人的には読んでいて好きなところで
お父さんがちょっとした疑問を持って
それに対して娘さんがちょっとヒントを与えていって
お父さんが自分なりの答えを導き出すと
またそれがちょっと読書会のやり取りにも
実際こんなのもあるかもなって思いながら読んでいけることもできますし
こういった会話が他にもいくつかあって
この作品の中でも特にこの父娘の会話っていうのは僕は好きなところでしたね
そうですね
これはね父がやっぱ自分のルーツのことをね
なんだろうコンプレックスじゃないけど
非常に意識してるからこういう話になってくるんだけどね
あとちょっと最後にこれちょっと自分の感覚すぎるから
ちょっと共感を得られるかどうかわからないんですけど
今回この本を読んで非常に日本の小説っぽいなみたいな感じを感じたんですよ
それは別に下高原さんがレスリー下高原さんが日本にルーツを持ってるとかって
全く関係なくて文章の展開の仕方とかがなんか日本っぽいなって思っていて
なんていうのかななんか感傷的な感じがするんだよね
感傷的なリズムがあるっていうか何と言っていいのかなんだけど
話の入り方とかセリフの後の字の分の入り方とか
セリフの入れ方とかもそうなんだけど
なんとなく日本の純文学で見るようなリズムを感じたんだよな
これ何と言っていいのかわからないんだけど
感傷的な感じに響くように書かれてる感じがするっていうか
なんて言ったらいいんだろうな
日本の方だともうちょっとライトな感じだったりすると思うんだけど
切り口が似てる気がするんだよな
レスリーの感傷と心理描写
ちょっとこの漢字はまだ自分の中でも説明できないので
ちょっとこれぐらいにしておいて
感傷的なところっていうのは全体的にですか
それともある場面というか
全体的に感傷的な文章運びをしてる気がするんだよね
それこそジョシュという男性のことをよく思い出すんですけど
このレスリーさんはその辺に入っていく感じとか
なんかこう過去に対しての振り返り方というか
それがなんか文章にすごい結びついてる気がしていて
感傷的な感じがすごくしたなっていう感じなんですけど
みずさんは全く感じずって感じ
どうでしょうね
感傷的なのかもしれないですけど
確かにこのレスリーはちょっと病んでるところがあったんだなと思うんですけど
それで何か本読んだりちょっと考え事をしたりすると
とあるごとにやっぱり元彼とかジョシュか
男のことを考えてしまったりとか
あとは大学教授の自分の立場、キャリア
そういったものにちょっと絶望感を持ってしまったりとか
かなり悲観的な見方を
悲観的だし失ったものに対して
なんかあれこれ囚われてしまってるような
そんな一人称なんでそんなちょっと心理描写が
結構入ってるなとは思いましたね
そうなんだよね
だからその辺も含めてかな
なんかオートフィクションで冒頭にも書いてあったっけな
オートだったっけな
やっぱり文学のフィクションですと
はじめにって書いてある本なんだけど
特定の個人のプライバシーに配慮して
何人かを仮名にしていますと
っていう話があったんだけど
結構この本当多分いろんな実体験なんだろうなって思いますと
だからこそ逆に言うとかなり
センシティブな部分もあるんだろうなって思うんだけれども
それを結構割と明け助けに書いている
一冊なので
なんかその辺りも確かに
私が感じている感傷的な部分に
繋がってるのかもなとか
ちょっと思ったりもしました
そうですねなんだろうな
なんかうまく言えないんだけど
でもこの感傷的な感じがあるなって思ってます
逆になんかだからなんか読みやすいなって感じがした
なんかすごくフックになってって
読み進むのが
というかもうなんかどんどん読み進めていってしまうような
文体だったなとはちょっと思いましたね
確かに
なんかこの自分のかなりプライベートなことも
さらけ出して書いてるんですけど
はっちゃけてる感じはないんですよね
そうだね
プライベートすごいさらけ出してるっていうのも
読んでてわかるんですけど
でもすごくなんか例なんでしょうね
客観的に書いてるのかなって
そうだそうだね
なんか今ちょっとわかってきた
自己肯定感が低いんだよね
そうですね
レスリー下高原さんのこの
このオークを閉める
この小説の中でオークを閉める部分は
自己肯定感が低いんですよ多分
で日本の小説で最近の文学でがってくるやつとかで
多分何作品か自己肯定感が低い
主人公の時点であると思うんだ
それを多分読んでる時の
なんていうかちょっと他の人はすごいけど私はみたいな
このなんていうのかな
自分をちょっと髭しているような書き方に似てるのかもしれない
なるほどはい
どこだろう
ちなみにですがレスリーさんは
すごいエリートで
本当は若くして一流大学で博士号を取って
文学部の教授に地方の大学ですけど
なってそういう意味ではプライドは結構あったのかなと思うんですね
もともとはこれちょっと推測ですけど
ただ一周回っていろいろ辛い目にもあって
そういうちょっとプライドみたいなところとかではなくても
自己肯定感が低くなってしまってという
だからそこの自覚も含めてですけど
淡々とそんな自分について書いているのかな
というのは思ったりはしますね
リーディングリストと家庭の物語
そうですねこれはあるな
確かにそうですねこの詩小説っていうところを踏まえると
文章にも絶対特徴があると思うので
ここもそうですねこのレスリーさんの精神状態というか
何かそういうのが文章にも表れているかもっていうのは
確かに読むと感じる人とかいるかもしれないですね
そうですね
ここからストーリー紹介したいと思います
では結構今までの話で前提の話はして
ストーリーではそんなにその細かいところは触れていかず
ちょっとざっくり全体像をちょっとこれから読んだりする人にとって
ちょっと参考になるような話ができたらなと思います
ではまず先ほどから言っている通り
この小説としてはこの著者であるレスリー下高原さんの
自伝的小説オートフィクションになります
レスリーさんが地方の大学ですね
このカナダの田舎のとある田舎の大学で文学部の教授をしていると
お父さんが元々は優秀なビジネスマンだったんですけども
にとっても自慢の娘であったと
ただ実際はそんな父にとって自慢の娘であったレスリーさんなんですけども
学生の評価は悪くて大学で教えていても
この大学史上最悪の教師だというようなですね
そんなレッテルを貼られてしまったり文学の研究も
若い時はされていたと思うんですけど
うまくいかず進んでいないようで
この文学の世界大学教授というところに身を置いているんですけども
多分その幸福感みたいなものは持てなくて
精神的に落ち込んでいって田舎に住んでいたので
週末になるとちょっと都市の方に出て行って
カウンセリングを受けるというようなですね
ちょっとそんな生活を送っていました
夏休みですね
カナダのトロントに実家があるのでそこに戻って
お父さんとお母さんが暮らしているんですけど定年退職した
家にいるお父さんからちょっと家にいたら
リーディングリストを作ってほしいと頼まれます
おすすめ本ですねお父さんにとっての
お父さんはもうビジネスマンバリバリやっていた人で
小説を読まないタイプの人間だったんですけども
そんなお父さんにおすすめの本を13章なんで
1章に1つ13冊1つずつ教えていくというですね
そんな展開になっていきます
昭和が進んでいくことでやはり物語も進んでいって
レスリーさんがこの日系カナダ人で
ルーツが父方のおばあさんかお母さんですね
レスリーさんにとってのおばあちゃんは
ルーツは日本にあって今入院していて
いつ死ぬか分からないような状態で
代々この石の家系下高原家は石の家系だったんですけども
レスリーさんの非おじいちゃんである下高原公造が
1900年の初めに日本から移民で
このカナダにやってきて最初にその移民の中で
その石になった人物ですごく苦労をして
働きながら学校で勉強もして
石になったというのですごく偉人のように
思われていた人物でそんな家系を継いだ下高原の
レスリーであったりお父さんであったりなんですけども
お父さんと一緒にこのレスリーとですね
おばあちゃんとかですねこのおばあちゃんの夫
カズという人なんですけどもについて
このリーディングリストで本を読みながら
それと同時進行でその家系の
やっぱ知られざる秘密を探っていくというか
知っていくというですねそんな話にもなっていきます
レスリーはこの父とのリーディングリストを通じて
お父さんは本を読むにしたがって
だんだんちょっと性格の変化というか
この人としての変化というのも見えてくるようになるんですけども
レスリーさん自体ももともと子供の頃から本が好きで
そんな子供の頃のような読書を楽しめるようになっていきます
大学教員としてちょっと幸福感というのは持てなかったんですけども
それ以外のキャリアですね大学の先生以外のキャリアも
考えるようになってある選択をするというですね
話としてはそのような大まかな流れになっていきます
レスリーの成長と新たな読書体験
ありがとうございます
ちょっと途中だいぶ物語にいろんなことが描かれているんですけども
レスリーさんの恋愛事情とかですね
そうですねそんなところもあったりするんですけども
ちょっと今回はそこは省略をさせてもらっています
これ時間軸で言うとあれかな夏休みから
始まりですもん
大学に戻ってみたいな
あれどうですかもうちょっと長いあれじゃないですか
そうなんか2年間っていうのがどっか出てきたんだよね
この13冊を2年間2年間あれば13冊読めるかって感じだったんだけど
そうですね
お父さん定年退職してるからかどうかわからないけど
読むの早いなって思った
確かにそうです
お父さんしっかり読んでますからね
でもこのレスリーさんが地元を歩いていると
結構昔の同級生と偶然出会ったりするとか
確かに2回ぐらいあったのかな
それを考えると時間で言うと2年ぐらいは
そうだよね2年ぐらいなんかどっかで書いてたような気がしますね
ラストなんですけどちょっと三井さんの説明の中でも
子供のような子供の時のような読書を楽しめるようになるっていうのがあったりして
レスリーはやっぱり大学で授業をしなきゃいけないから
ずっとそのポイントとかを考えながら本を読んだりとか
その辺を深掘るような読書の仕方をしてきたけれども
子供の時のようにね主人公たちに自分を重ねていったりとか
そういう純粋な読書の楽しみみたいなのを取り戻していくって姿も描かれていて
ちょっと感動したりします
あとラストもうちょっといろんななんていうのかなお父さんとの関係も含めて
すごいいい話になっていくなと思っていて
そうですね特にレスリーさんの人生が前に動き出すような
そうだよね
そんな展開は描き方があってそういうのはすごく読んでいてよかったですね
そうだよね結構これレスリー視点の話でするんですけど
結構レスリーがですねなんて言ったのかな
さっきちょっと自分は自己肯定感が低いみたいなような話をしたんですけども
ちょっと状況も相まってかすごく悲観的なモードになっていると思います
でもその中で結構男性と連絡を取り合ったりとかしていることが多くて
それも特定の男性とじゃなくて結構いろんな人とですね
関係を持ったりとかしているシーンが描かれるんですけれども
この辺りもですね結構この作品
13作品ですねと絡めてちょっと話も進んだりとかするんで
この辺りも上手い使い方をしているなと思うんですけれども
このレスリーもですねなんか言い方あれだけど
おそらく今これ自暴自棄になっているタイミングで
なかなかこういろんな男性もですね安定しないんですよなかなか
恋人とか恋もって言っていいのか
この辺りもなんか結構自暴自棄だなって思っていて
それもオートフィクションで結構さらっとさらけ出しているから
そこもなかなか身肌によっちゃパンチが効いているところかなっていうところがあったりしますよね
全然あんまり好きじゃなかったけど
なんかスーパーで再会した男性と
グラントだっけ
とかね結構なんかその辺りは流されやすいタイプの主人公ですよね
そうですねでなんか読んでるとこのレスリーが出会う男性
なんかちょっと変わった人が多いと思うんですよね
そうですね
ちょっと個性的というか
読書の喜びと解釈
確かに
そうですよね
でもどうなんだろうね
女友達も割と個性的だったりしたから
多分そういうものなのかなってちょっと俺は思ったけど
そういう界隈というか
友達が多いのかなっていう感じでしたけど
パーティーどこで知り合った男性とも長くなったりするしね
そんなレスリーがですね結構この作品の中で
本の読み方ですね
読書について述べているところがいくつかあってですね
結構そこに僕は共感することが多くて
例えばですね269ページに載っている文章だと
普通の人たちにとって
作品解釈は読書の喜びを削ぐ以外の何物でもない
大抵の小説はガイドブックがないと理解できないような
難解な知るものではない
たとえ難解だとしてもその難解さが
神秘的な読書体験の一部となっているのだから
わざわざ神秘性を剥ぎ取る必要がどこにある
それで最悪の時期に私を支えてくれた読書体験が
作品解釈によって壊されかねなかったことに
今更ながら気づいた
それは見売りするのも同じだと書かれていてですね
なんかその作品を批評することに対してですね
このなんかその批評家みたいなですね
なんか作品の解釈みたいな
そういうなんか世界批評家の世界っていうんですかね
そういうのに対してちょっと指摘しているような言葉で
普通の人一般的な読者にとって作品解釈っていうのは
必要であろうかみたいなですね
そんな問いかけですね
そんな作品解釈がないと読めないほど
難しい小説って少ないし
でもその難解な作品であっても
その難解さが神秘的な要素もはらんでいるから
それもね読書体験のいい一部になるだろうし
っていう気候で僕も思うんですよね
なんかその本をどんな本なのかなと思って検索したら
本の評論みたいなところで
悪い部分が言われていたりすると
なんかその本ちょっといまいちなのかなと思ったり
してしまうんですけど
実際読んでみるとそれはまた別の話で
批評的な視点で本を読むと
なんかその批評家の人が書かれているような
悪いところっていうのは存在していると思うんですけども
ただは読者としてそのストーリーとかを
なんか味わって読む分にはですね
なかったりするっていうんです
結構この下高原さんも大学院で文学の
勉強もしっかり訓練を受けている
プロの文学の人なんで
文学を客観的に読むっていうのにすごく
それを徹底して叩き込まれている人
ではあるんですけども
そういうプロの読み方よりもやっぱり
この作品に自分を重ねてしまったり
そういうかなり主観的な読み方っていうんですかね
そういうのをやってしまうっていう
それは自分の癖だっていうふうに作品でも書かれているんですけども
結構そういう客観的に読むのが
プロとしての読み方だっていうのに対して
主観的に読んでしまうのはアマチュアだって
そこまでは作品では書かれてないんですけども
そういうアマチュアな主観的に読むことに対して
かなり肯定してくれているような
言葉がこの作品の中で
レスリーがかなり力強く言ってくれている
と思いますので
レスリー自体が大学教授から
いわゆる続けられないっていう感情を抱いていて
最悪な教授だってレッテル張られているっていう
学生から舐められているっていうのも
めちゃくちゃそれを後押ししているポイントであると思うんですけれども
本質的なところでは多分教授って仕事に関して
そういう批評をしなきゃいけないっていうか
そういう見方を教えなきゃいけないっていうことに対して
根本的に自分の中で合ってないっていう
感覚が強いんだと思うんですよね
こういう言葉が随所に出てくるし
私の皆さんもどっちかっていうとアマチュアなので
すごい感想は言うけど
こういう読み方ができるぜみたいなことは
なかなか言わないし
それは良い悪いっていう軸じゃなくて
合う合わないっていう軸だったりすると思うし
やっぱり批評によって見えてきている世界ってのは
多分あると思うんですよ
すごく楽しみたいものを批評読んでしまったかゆえに
文学との出会い
楽しめなくなるってことは
あり得るかなって思うので
こういう言葉は印象に残るというか
かなり確信の部分だなって思ったりもしますよね
主観的な見方っていうのを放棄した時に
本って楽しめるのかっていう
ちょっと問いは出てくるな
それは仕事って言ってしまったらあれだけど
なんて言いたいのかな
本に没頭している時って
作品そのものの世界に入り込んでいるの
プラス自分のことを振り返っていたり
している感覚があって
自分っていうのがどうしても
切り離せなくて
そういうのをなくしてしまうと
面白いんだろうかって思ってしまいますね
バックグラウンドに自分っていうのがあるよね
本編も最後にしていこうかなって思ってるんですけど
この13冊の中で
結構いろんな角度から紹介されてきたんですけど
読みたくなった本とかあります?
正直全部ではあるんですけど
読んだことあるやつも採読したくなったわ
ヘミングウェイの日はまたなるとめっちゃ好きなんだけど
前から言ってるけど
どっかタイミングで文学ラジオに出したいな
面白いこれはやっぱり
ヘミングウェイの若い時の作品
みえさんあります?1冊あげるとしたら
ウィラーギャザーの教授の家ですかね
第9章なんですけど
地位も名声も手にした大学教授が
孤独で寂しく亡くなっていくっていうか
余生を送っていくっていう
そんなすごく寂しそうな紹介の
され方をしていて
どういうことなんだろうってすごく思いましたし
地位とか名声とか
大学の先生も文学の先生だったと思うんですけど
そういう自分の研究ができたとしても
それだけでは人生ないんだなっていう
人ってどういうものを本来求めているんだろう
っていうのとか
そういうのが描かれていそうな気がして
かなり興味が出てきましたね
なるほど確かにね
これ気になるよね
そうですね
今回リーリングリストで初めて知った作品でしたね
私もこれは初めて知りましたね
家族の絆と成長
大地さんはどの作品読みたいな
私はオンダーチェの家族を駆け抜けてかな
オンダーチェは生なき人のテーブルで
一回ラジオでも紹介してるし
私読んだのはそれぐらいかな
イングリッシュペーシェントを読んでないので
色々気になっていて
家族を駆け抜けては最終章の作品だけあって
家族をまとめていくようなイメージがあるんで
実際にこれはオンダーチェのルーツの話
そうみたいですね
オンダーチェは生なき人のテーブルも自伝的というか
自分の少年時代を描いたような作品だったというか
その要素も結構強かったみたいなので
それも合わせてさらってくるものがありそうだなと思って
これはちょっと読んでみたいなと思いましたね
確かに 今回のリーニングリストも
オンダーチェの家族を駆け抜けても
家族に対しての知るはずのなかった
ちょっと闇の部分というと大げさかもしれないですけど
そういう風の部分もちょっと見えてきそうで
それがまたいいのかもしれないなと思いましたね
先祖代々の言い伝えによって
聞いていた噂ではすごく美談だったけども
実際本当のところを知っていくと
なかなか美しいだけの話でもなかったみたいな
そういうのが隠されてそうで
そこには歴史とかの大きな流れの中で
苦労した家族の生活とかもあったと思いますし
いいですね 確かに
そういうのを考えると読みたくなってきますね
じゃあいつも通り最後
感想とどんな人に読んでもらいたいか言って終わりにしたいと思います
じゃあ私の方から
今回リーディングリスト読んだんですが
会う人はめちゃめちゃ多いと思っていて
誰しも悩みがない人はいないと思うんですけど
自分の人生とかキャリアに悩んでる人とかは
あまり詳しく話してないですけどレスリーは
この本の中でキャリアチェンジを試みるんですね
それに対していろんな挫折とか
母親からグチグチ言われたりとか
いろんなシーンが実はあって
その中で自分の人生を見つめ直したりとか
直視できなかったりする部分とかそういうのが結構描かれていくので
そのあたりキャリアのことについて悩んでる人とかには
結構ハマるかもしれないなと思ってます
ちゃんと本編でどこかで言えばよかったんだけど
このレスリーはですね
大体20代後半30前後っていう設定で
結構悩みが深い年齢に入ってきているかなと思うので
そのあたりでも自分と近いなと思う人は
ぜひ読んでいただけたらなと思います
話したところですね小説が好きな人は
必ずハマる作品だと思っているので
特に13作品の文学作品1冊でも読んでいればですね
めちゃめちゃハマると思うので
ぜひ読んでいただけたらなと思います
そうですね僕がこのリーディングリストを読んでいたとき
ちょうど実家の京都に戻っていてですね
両親はもう定年退職していて
実家の家の横で96歳のおばあちゃんが
一人で暮らしていて
96歳なんでもだいぶ元気もなくなっているような状態ではあって
夏も中傷で2回倒れたとかですね
そんなことを聞いていて
ちょっと心配な状況ではあるんですけども
そういうので何ヶ月かぶりに
実家に戻ってきて
いるときにこのリーディングリストを読んでいたら
結構ですねこの作品の中でやっぱり
おばあちゃんのことを心配するとか
定年退職をしている両親と娘の会話とか
そうですねであとやっぱりレスリーさんが
なんだかんだ言って実家はやっぱりいいなっていうのをですね
親にはぐちぐち言われることもあるけど
それを抜きにしても実家の居心地はいいみたいなこと書かれていて
すごくわかるところもあってですね
そういうので何でしょうねもしかするとこの
ちょっとしばらく実家に戻ってない人とかですね
一人暮らしで一人で外出てきて頑張っている人とか
このリーディングリストを読むと結構ですね
改めて自分の両親とかルーツとか
そういったところに目を向けたくなるような
そんな本かなと思いますし
そうですねあともう一つだけちょっと思ったのが
この作品の中でやっぱりお父さんの変化がすごく大きいなと
思ったんですけどもそれはやっぱりレスリーさんが
その時その時に本を与えて
そこに対してしっかりとその本について
話し合う時間をとって
それで時間をかけてですけどお父さんも
本に向き合って自分の人生
自分に対してもお父さん向き合っていたと思うんですけども
そういうのがこの作品の中だけでなくて
リアルにそういう本を通じて
カウンセリングみたいなものって
あると面白いなというのはちょっと思いましたね
そうですね
人のその時その時によって最適な本を提案して
それ与えて終わりとかではなくてね
ちゃんとその後話をしてっていう
それが近い距離にいる人がやると良いのか
そういうカウンセラーみたいな客観的な第三者がやると良いのか
その辺はまたあるのかもしれないですけど
そんな本の可能性というか
そんなのがこの作品からもっと
作品の中だけではなくて
現実の世界でも本の可能性が広がればいいなというのも
ちょっと思いましたね
次回予告とお知らせ
なるほど じゃあそのところで次回予告したいと思います
次回はですね
斉藤麻里子さんの本の背負いにぶら下がるというエッセイですかね
をご紹介しますお楽しみに
お待ちしております
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最近では海外文学ニュースみたいな形で
我々が気になる新刊情報なんかを毎週お届けしております
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我々の番組気に入っていただいて
書籍代とか制作費とか
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番組の関数やリクエストまたこのラジオを聴いて紹介された本を読みました
読み返しましたとございましたら
ハッシュタグサロトミネコたちをつけて教えていただけると嬉しいです
Xやインスタの投稿などでお待ちしています
お便りフォームも番組情報欄に載せておりますこちらでいただけたら
定期的に開催しているお便り紹介会で紹介してご回答させていただきます
この番組気に入っていただけましたら積極的に拡散共有してあげると助かります
ではまた来週ありがとうございました
49:56

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