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2021-10-11 37:03

第58回 人類の存亡をかけた時間遡行戦「時砂の王」小川一水著

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【今回の紹介本】

 ■『時砂の王』小川一水著 ハヤカワ文庫JA 

メッセンジャーたちによる時間遡行戦は、はるか昔邪馬台国が最終防衛ラインとなった! 

エンタメ要素の強い時間SF、読みやすいのでオススメです! 

是非お聞きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■『時砂の王』小川一水著 ハヤカワ文庫JA 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/20904.html 

【番組へのリクエストや感想はこちらから!】 

https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8  

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きの貝野大地と、羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、公共と教とをつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらを聞きください。
また、このラジオへのご質問やリクエストメッセージを随時受け付けています。
番組概要欄にホームのリンクを貼ってますので、そちらからお寄せください。
ご質問などある程度いただけたら、お返事をする回をしたいと思いますので、気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
今回はですね、「時砂の王」という作品を紹介したいと思っております。
今回はこれ、三枝さんのセレクトですね。
そうなんですよね。もう何年も純読のまま読んでいた本で、どこで最初知ったのか、ちょっときっかけが思い出せないんですけど、
すごいもう名作SFとして、紹介をおそらくされたことがあってですね。
で、頭の片隅に、すごいこれはすごいSF作品だっていうのが、もうなんかインプットされた状態で、
読みたいなと思いつつ時間が経ってしまっていたので、今回ラジオで何を紹介しようかなという時に、
ついに読んでみようかなと思ったというところですね。
私も作者の小川一吹さんは存在していて、「時砂の王」っていう小説もですね、
多分自分の読書会で1回は確実に紹介されてたので、めちゃくちゃ印象に残ってます。
で、面白そうだなと私も思っていたので、あ、なるほどという感じで、もう三枝さんから提案があってすぐ乗りましたね。
なんかね、あらすじの段階ですごいロマンクがあるというか、いいですよね。設定がめっちゃいいという。
間違いのない設定を置いてますもんね。
そうですよね。
で、読んでみたらもう完全に動演ため作品で、もう私なんか結構最近ちょっと仕事忙しかったんですけど、
まあ移動の合間とか読んでる時にもうグイグイ読んじゃったんで、結構こう仕事が忙しくてもですね、面白いから読めるような作品なんじゃないかなと思ってます。
確かにそれでめっちゃ思いましたね。
今回ね、同じ日に、定殿の夜にという作品もね、前回紹介したのも、この2つの作品を同じ時期に読んでたんですけど、
もうね、時砂の王は息抜きにめっちゃ最適な本で、そうですよね。
で、定殿の夜にはね、ちょっと読むときに、まあ余裕があるときにね、なんか読むのに適してるかなと思ったんですけど、
時砂の王は逆に忙しいときとかに、まあ本当にリフレッシュできる本ですよね。
うん。読みやすいし面白いしってとこで、本当にいい小説でしたね。
じゃあちょっと書名いきましょうか、みなさん。
うん。じゃあ今回紹介するのは小川一史さんが書いた時砂の王になります。
早川文庫から2007年に出版されています。
03:00
あ、そうか、もう2007年なんですね。結構前なんだ。
うんうん。結構ね、経ってますよね。
経ってますね。じゃあちょっとあらすじを私の方から。
山大国の女王秘美子を救った使いの王は驚くべき物語を語る。
2300年後の未来。謎の戦闘機械軍により地球は壊滅。
人類の完全殲滅を狙う機械軍を追って、
彼ら人工地生体たちは絶望的な時間速報戦を開始していた。
そして3世紀の山大国こそが全人類の存亡をかけた最終防衛戦であると。
著者初の時間SFとなっております。
時間SFということですけど、そういえばラジオで日本のSFを取り上げるのは伊藤啓覚さん以来になりますね。
そうですね。
海外のSFは最近、サンタイとか他にも、
こうしてあなたたちは時間戦争に負けるとかいうのを取り上げていたんですけど、
日本のSFは久しぶりになります。
小川一水さんは90年代からもう小説は書かれていて、
代表作としては天命のシルベというシリーズを出されていて、
これも2、3年前に完結したと思うんですけども、
本当に壮大なスケールのSFで、
ただこれも読めてはいなくて、
小川一水さん、もうちょっといろいろ本体を読みたいなと思っているところであるんですけど、
まず今回ラジオではこの一冊完結ということで時砂の王を紹介したいなと思いました。
あとはネットで調べると、
2012年ぐらいのニュースで、
この時砂の王がハリウッドで映画化するんじゃないかという情報もあったんですけど、
ちょっとその後お届けがないので、
映像化の話とかどうなっているのかなというのが気になりますね。
結構映像化して面白そうな作品だなと思ったので。
これそうですね、確かに話の流れからすると、
映画2時間にいい感じに収まりそうな感じですよね。
そうですね。ただね、弥生時代と未来のことで、めっちゃお金かかりそうですよね。
確かに。2つの世界作らなきゃいけないもんな。
そうですね。
確かにそうっすね。じゃあこの時間速報SFですけど、いってみましょうか。
そうですね。まずどういう小説なのかというのを説明したいと思うんですけども、
時間速報というのがタイムスリップですね。
時間SFとあるとおり、過去に行って、過去の出来事を変えることで歴史回編になっていくと。
それまで現在地点ではなかったことが過去に行くことで、
新しいシナリオになっていたりとか、本来はいなかった人が生まれていたりとかですね。
06:01
そういう歴史回編というのを行っていくという話になっていて、
設定としては山大国の時代ですね。
秘密子がいる時代の3世紀の日本と2600年頃の未来社会というのが交互に語られています。
歴史回編なのでちょっと時代設定は途中途中で変わったりはするんですけども。
そうですね。これ目次を見ると、目次っていうか、昭和もうAD248とかその時代になってるんですよね。
だから目次を見るだけで、結構飛ぶなぁみたいなのがわかるんで、それだけで結構ワクワクしますね。
そうですね。後半にBC8579っていう10万年前の。
そこまで行くっていう。
そうそう、10万年前って何なんだっていう。
あとはそうですよね、本当1943年とか2010年とか、結構ね、現在というところも小説の中には出てきていて、
そういうところも面白いんですよね。話としては、人類がETという謎の地球外生命体との戦いを繰り広げていくという、
そういう話になるんですけども、このちょっとETというのが、また後でも話出てくると思うんですけど、
なかなかすごい存在で、ただの生命体ではなくて、すごい入っていくというか、
もう人類の先を行くような存在で、このまま行くと滅ぼされて、人類は滅ぼされてしまうというので、歴史を遡って戦いを挑んでいくという、そういう話です。
その中で人類サイドの希望というか、それが主人公のオービルという男性になります。
これはETを阻止するために、未来社会が作った人工人間のようなもので、メッセンジャーと呼ばれています。
このメッセンジャーはオービルだけではなくて、他にもたくさんいるんですけど、そういうメッセンジャーたちが過去にタイムスリップしていって、歴史上の様々な時代でETと、
死闘を繰り広げるという、そういった展開になってきます。
小説の舞台である3世紀の日本、秘密子の時代にもオービルが現れて、化け物に襲われた、秘密子を助けると。
その化け物というのがETなんですけど、ここから物語が動き出すというところですね。
ちょっとまた後でも話すと思うんですけど、ETがですね、結構ヤバい存在で、この戦争がですね、この話のメインですけれども、本当に面白くて読み進めてしまいましたね。
今日はですね、この小説の魅力というところをいくつか本編に入る前に紹介していきたいと思うんですけども、
まず何が面白いっていうか、人類とETとのこのバトルがすごく手に汗握る展開で、これが面白い。
人類もETもこれどっちもなんですけど、タイムスリップして歴史改変をしていくっていう、これは時間速報理論というので小説では書かれてるんですけど、
09:09
なんかこの歴史上の中で戦っていくっていう、このスケール感が結構面白かったですね。
ちなみになんですけど、この時間速報理論の原理は明かされないんですよ。結構SFでありがちなのは、こういうことが可能になって、こういう理論でこういうことができるから、時間を遡ることができるみたいな話が出てくると思うんですけど、
この小説はですね、ただ時間速報ができるというだけちょっという設定が出てきて、もしかしたらこういう細かいところ気になる人は気になってしまうかもしれないなと思うんですけれども、
逆に3体のように結構もうこっちの理解を超えてくるような話が展開しまくるよりは、あんまり考えずに読めるので、ある意味このSFをライトに楽しみたい人たちにとってはめちゃくちゃ向いてる作品なんじゃないかなと思いました。
なんかそこに頭のリソース使わなくて済むんで、時間速報ができるんだって思うだけでちょっと読み進めることができるんで、そのあたり結構ちょっと3体とかで挫折した人にはですね結構おすすめですね。
そうですね。確かに読み進めていくとわかってくるっていうのもありますよね。時間速報を途中でしまくって、どの時代で何が起きてるのかっていうのがよくわからない時とかあったんですけど、そういうのも読んでいけば後でわかってくるので、結構本当に楽しく読めたなという印象でしたね。
他にもですね、小説のいいところとして、戦い、人類サイドは常に戦いをしているわけなんですけど、結構その中に人間心理というのを描いていて、例えばメッセンジャーですね、完全な人間ではないんですけど、すごく人間に近い存在ではあって、そのメッセンジャーがだんだん人間のような心を持っていくようになるそのプロセスであったりとか、
あとは現在の20世紀とか22世紀とか、そういう時代でも人類とETの戦いというのが起きていくんですけど、結構こういう時代に、現在だと人類がすごく有利な状況に本来あったはずなんですけど、
人類の愚かさというか、結構その人類全体ではなくて、結構その自分の利益を優先させるような行動というのが目立ってしまって、自滅していく様とか、こういったところもこれは現代社会のもしかすると皮肉もあるんじゃないかなと思ったりしたんですけども。
確かに。結局利害が一致しないから、利害は表面上一致してるんだけど、その奥でいろんな思惑があるんで、うまく団結できないとか、ちょっとね、この辺りは後でストーリーとかでも具体的に話すかもしれないですけど、読んでて納得感もあるし、面白かったですね。そこでメッセンジャーの足元を救われるっていう。
12:01
そうそうそう。いいですよね。なんかね、ほんと単純な戦いではなくて、ちょっと政治的な部分があったりして、そこもね、なんか良かったですよね。で、あとやっぱりこの小説の中で悪の象徴として出てくるETですよね。
このETがすごくね、もう不気味な存在で、ヒミコの時代は化け物として登場してきて、ちょっとファンタジー的な描き方がされているなと思ったんですけど、これが未来社会に出てくるETは本当にもう殺戮兵器のような機械になっていて、
このETという正体不明で謎の存在ではあるんですけど、常に人類を脅かすというか、人類滅亡のために向かってくる敵という、この存在感がすごくいいところですよね。
で、このET、このラジオの中ではちょっとその正体というのは明かさずに、これはもう読んで、ほんとにETって何者なんだというのを知ってほしいなと思うんですけども、これがすごい面白いところで、だからこのETの存在という、なんていうんですかね、この結構宇宙スケールな話になってくるんですけど、それはもうちょっと3体を思い出しましたね。
このETがちょっと名前も、映画のETをちょっと今話してると思い出した人もいると思うんですけど、同じ意味ですね。エキストラ・テレストリアルっていうのは、スピルバーグの映画でも同じ意味でつけられてるんですけど、地球圏外っていう意味ですね。
で、でもこのトキツナの王の中ではちょっとそれをもじって、エネミー・オブ・テラっていう名前でも出てきたりするんですけど、ここのETの扱いっていうのはほんとすごく、敵の設定というのが面白いですね。
では小説のストーリーラインを話していって、ところどころで感想であったりっていうのも話していけたらと思うんですけども、まず舞台は3世紀の日本ですね。
ひみ子がいる時代なんですけど、そこから小説が始まってきます。ひみ子が熊のような化け物に襲われるようになって、これ何か旅の途中なのか、本当にも危機的な状況に陥るんですけど、そこで缶一発、大剣を持った男に助けられます。
その男が2300年後の未来から来たメッセンジャー・オーヴィル。化け物の正体を地球外生命体のETであることをひみ子に知らせます。という、最初はちょっと歴史ファンタジーっぽい始まり方からこの小説は描かれていて、だんだんSFになっていくというところです。
明らかにこのオーヴィルはめちゃくちゃハイテクな武器を使いこなしたりしているので、明らかにこの時代じゃないというのはすぐわかるんですけど。それに対してひみ子が使いの王という形で解釈します。オーヴィルもそういう話をするんですけど。
15:00
オーヴィルはこの時代の人たちを協力を得るためにいろいろ獲得をしていって、誘導してたんですけど、その中でもちろんいろんな歴史的な事実をインプットされているので、ここで彼らこの三世紀の人たちが自分に従ってもらえるような形っていうのを取るために使いの王という形を取ります。
これはヤマタイ国とかその辺り、この時代の日本で信じられている聖書みたいなものがあるんですよ。同じ話が、部族というか国が違ってもヤマタイ国だけじゃなくても、どこ行っても同じような話が信じられていて。
ちょっと言語が違うのに同じような話が出てくるという状況になっていて、その中に出てくるのが使いの王とかっていう話になってくるんで、オーヴィルはいとも簡単にこの時代の人たちの協力を得ることができるという状況を作ってます。これちょっと未来の話といろいろ繋がっていくんで、後でもうちょっと触れたいと思います。
だからそういうちょっと伝説上のことが実際に起きたみたいな展開になってくるんで、結構最初はワクワクしながら読んでましたよね。
そうしてここで小説始まって比較的すぐヒミコがオーヴィルと出会うんですけど、次にオーヴィルのパートをですね、ちょっと未来の社会の話は飛ぶんですけど、それが2300年後の未来、2600年くらいですね。
その時、地球はすでにETによって破壊されていて、人類はトリトン太陽系中枢腐という惑星ですかね、地球じゃないところを拠点としています。オーヴィルもそこで誕生しています。
オーヴィルは人類が作った人工人間みたいなものなんですけど、まずETとの戦いの歴史というのを聞かされて、ETというのは戦闘機械で人類の根絶が目的であって、その創造主は人類の一人の可能性も否定されていないが、太陽系外の存在とみなされていると。
人間たちが生き延びている場所というのは、結構太陽から離れた場所で、このETたちは太陽の熱による熱源をエネルギーとしているので、そこまで行くとですね、だいぶ彼らの活動がしにくくなるので、人間が結構戦いやすい環境になる。
人間たちも太陽から離れるので結構エネルギーを生み出すのは難しくなるんですけど、そういう状況でちょっとギリギリのラインで今戦っているという状況ですね。ここで急に人工知能の視点から話が始まって、オーヴィルだけじゃなくて、たくさんのメッセンジャーが生み出されて、彼らを教育していくシーンとかも描かれて、結構この辺り面白いですね。
急に宇宙の話になったかと思えば、そういう人工知能のような高度知的生命体ですかね、存在の話になったりして、もう本当にいかにもSFな展開になっていくんですけども。話としては、人類はETに地球から今木星圏まで制圧されていて、
18:13
ただその後40年ぐらいの時間をかけて、今度は人類が恒星に移ろうという、ちょっと未来社会の中での転換期を迎えていて、その中でオーヴィルは人類に勝利をもたらすという命令を受けて活動していきます。
さっき話があったように、オーヴィルのようなメッセンジャーというのが、すごく高度な知性体であって、自分が何者であるかというのをすごく哲学しているんですよね。
単純にその戦い妥協していくとか、命令に従うとか、そういうわけじゃなくて、自分が何のために戦うのかという考えていくという話になっていくんですけども、そこでオーヴィルがサヤカという女性と出会って恋に落ちます。
オーヴィルも結構人間のような生活をしているんですけども、すぐに戦いに行くというわけでもなくて、それなりに時間はあって、その中生活圏の中で女性と出会うんですけど、そこで2人が幸せな時間を過ごしていくんですけど、
ただね、そういう時にETというのが攻めてくるんですよね。しかもETというのの攻め方がすごくて、時間速をタイムスリップして、480年前の人類が弱小だった時代に攻撃を仕掛けていたことというのが発覚します。
これ現在の人類じゃなくて、480年前の人類に攻撃してくるというところがなかなかすごいんですけど、それによって今オーヴィルとかサヤカという女性がいる時代ですね、これ小説では時代枝というふうな表現になっているんですけど、
現在の時代、時間枝において、人類は滅亡が待っていると、そういう運命にあるということが発覚します。で、サヤカとかオーヴィルがいるトリトンという惑星と言いますか、人類がいる拠点も消え去る運命になるというのが発覚して、
オーヴィルはちょっと人類の時間枝というのは救えないんですけど、ただ人類が生き延びる、そういう一つの時間枝というのを救っていくためにタイムスリップをして過去に遡るという展開になってきます。
ここはなかなかちょっと悲しいとこですよね。
そうですね。結構ね、サヤカという女性が結構ね、ここでは描写されてるんですけど、すごくいい人というか、オーヴィルとサヤカのこの2人がいるこの時代が消滅してしまうという結構その運命がして、これなかなかね、ちょっと悲しかったですね。
そうですね。なかなかもう過去に戻って何か手を加えちゃうと未来が変わっていくっていうあれなんで、もうサヤカがいる時代の人たちっていうのは、いなくなってしまうんじゃないかみたいな話とか出てきますよね。
21:09
あと私がここでいいなって思ったのは、このサヤカと恋に落ちるオーヴィルなんですけど、彼の行動がすごく良くて、高度な生態だし、いろんなセンサーも内蔵してるんで、サヤカがどういう状況なんだろうっていうのもすごく冷静にわかっちゃうんですよね。
自分をちょっと避けてる。これは自分に対して好意があるから避けてるっていうところまでわかっちゃったりとかして、自分もサヤカのことが好きなのかどうかみたいなのが人工物だからちょっとよくわからない。でもある時サヤカがちょっと他の男性から言い寄られそうになっていて、それに対してちょっと嫉妬する自分を見て、
その時にそうか自分はやっぱりこの女性が好きなんだと恋をしてるんだっていうことを、はっきりと自覚するとかそういう流れがすごく良くて。それでこの2人は付き合うことになるんですけど、その後そこが本当にすごく良いし、サヤカもやがてこの戦争に行く存在を好きになってしまったということに対していろいろ辛い思いもするし。
でもこの時代はこういう知性体との恋愛は結構広く認められているというか、一般的になっている時代でしたね。
そうですね。メッセンジャーそれぞれも自我があって個性があるんですよね。オービルはこのサヤカと出会ったことで自分が何者なのかみたいなところが芽生えてきたと思いますし、また別のメッセンジャーは別の行為とかではなくて、別の出来事によって自分の存在意義っていうのを確認できたりして、この辺も確かに面白かったですよね。
他にもアレクサンドルっていうメッセンジャーの話がここで書かれるんですけど、彼の話もすごく面白くて、この辺りこのメッセンジャー同じように生み出された彼らですけど、ちょっと個性みたいなのがそれぞれあってすごく面白くなってますね。
じゃあちょっと話を先に進めますと、章でいうと1章2章3章目にあたるんですけど、またちょっとヒミコの時代に戻ります。このヒミコはオービルの話を受けて、使いの王の話を受けて戦わなくてはいけないということで、自分の国とか他の国からも援軍が来たりするんですけど、ETとの決戦をやっていく必要があるということを周りに話していきます。
実際にその中ですね、あちこちでこの化け物、ETが現れ始めて、オービルが対応したりとか、オービルのこの指示に従って兵士が対応したりとかして、ちょっとこう戦争が始まってきますね。
オービルはこれまでの人類とETの戦いで、この人類の自分たちの利益のことしか考えない行動により、人類としての意思統一が取れなかったり、またこのメッセンジャーたちの足を引っ張ってしまって、結局救えなかった多くの敗北をこれまでしてきたということを語ります。
具体的に言うと、語られるのは2019年か、割と今の現代からちょっと遠い未来だと思うんですけど、ETが襲い出し始めた時の時ですね、その時の時代の時、もう国がなかなかまとまれなかったとか、あえて戦争中で大きな戦争が起きている時にうまくコントロールできるんじゃないかと思って、第二次世界大戦の時とか飛ぶんですけど、そこでもうまくできず失敗してきたということがわかります。
24:20
さっき魅力のところでも話していたみたいに、現在の20世紀とか22世紀とかの状況ってメッセンジャーがすごく奮闘していたのに、人類がね、人間側が自滅していくっていう、そういう展開になっていきますよね。
これは普通に考えたらそうなりますよね。だって未来から来ましたっていうやつが、これからやばい奴らが来るんで、ちょっとみんなで一団結してやらないと人類やばいんですみたいなことを言われても、それに対して現実味なんか持ちようがないし、本当にいいみたいな。まあでもそいつらがすげえ、確かにいろいろ交渉していくんですけどね、すごい技術を持っているし、でもなんか人類側としては、まあなんかお前らは俺たちが生み出したもんだろうみたいな、なんかそういう未来の俺たちが生み出したもんだろうみたいな、
そういう感情なんかもあったりして、こうなんかその時々のこの利益みたいなのに振り回されちゃうんですよね。
なんかそうです。今のコロナの社会で、なんか世界中で統一できれば泣くかもしれない。やっぱりね、それぞれの国ごとに事情があって、なかなかね、そうはならないっていうのも通じてるかもしれないと思います。
そうですね、この3体みたいにもう目の前に3体陣が現れないと、なかなか結束しないんじゃないですかね、人間は。
そうですね、でもね、小説の中でも実際ありましたけどね、あえてちょっとその敵を表に出させてて、人類の結束を図るっていうのも。
そうなんですよね、このメッセンジャーが、オーベルなんですけど、ずっとうまくいかなかったことをどんどんどんどん学んでいって、このヤマ太国の時代まで戻った時には、こういうことをやって人間たちを結束させようみたいな、いろんな計画、戦略を持って動いてる。
食糧法的なこともやってましたしね。
ただオーベル自体はそれによって深く疲れてるんですよね、この人間たちをあえて殺させてしまうこともするし、危機を認識してしまうためにちょっとひどい目に遭ってもらうこともするんで、それに対してオーベルの心ってのはかなり消耗してる。なかなか辛い立場のね。
そうですね。
27:02
面白いんですけど、急に自分たちの部隊が消えたりするんですよ。もうそれ未来に対する影響で、その人たちが生み出される未来っていうのが消滅して、そのバランス具合によって消滅するかしないか決まるんですけど、でも逆に過去に戻った行動によって新しい時間群っていうのが生み出されて、援軍が未来からバンバン来るんですよね。
この辺りの作りもめちゃくちゃ面白いんですけど、そういうETとの攻防のギリギリのラインが10万年前だろうという計算をして、ここが最後の防衛だということで決めて戦います。
オービルがメッセンジャーたちにこの我々が生きている時間軸、時間枝っていうのは見捨てることができないという話をして、彼らは10万年に行く前に何とか戦わせてくれと言って、何人か希望したメッセンジャーだけで戦いを繰り広げるんですけど、結局なかなかうまくいかなくて10万年前にみんなと合流してしまいます。
ここもなかなか大変ですね。参加しなかったメッセンジャーたちはパッと移動しただけなんですけど、オーベルたちはずっと戦ってきて、そこにたどり着くんでめちゃめちゃ疲労してるっていう。
なかなかオーベルは本当に辛いものを抱え続けるんですけど。この3世紀なんですけど、この10万年前から始まった人類とETとの戦いの分岐点がこの3世紀のヤマ太国になっています。
だから我々が知っている普通のヤマ太国よりもちょっと何か発展しちゃってるんですよね。色々ね。微妙なところで。船ができたりとかするんですけど、
ヒミコとオーベルはですね、人類の生き残りをかけてこのETとの死闘を繰り広げてクライマックスへ向かってきます。
歴史改変ものなんですけど、面白いですね。すでに歴史改変めっちゃされまくってて、ヒミコの時代っていうのが本当最後の最後のやり直しが一切効かない。
これに勝った方が、人類が勝つかETが勝つか、勝った方がもうだけが生き残るっていう、そういう極限状況だったっていうね。
ここに来るまでオーベルは一体どれくらいの時間を過ごしてきたのかっていうのがね、やばいよね。
そうですよね。
クライマックスの方になってくると、敵のETがそもそもなぜ存在しているのかという説明もあって、これがねすごい面白いというか、いい話ではないんですけどね、すごい理屈なんですよね。
そうですね。唯一SF設定をちゃんとここで掘り下げているというか、読者側に向けて開示している部分でもあるので、ここはかなり面白かったですね。
この存在理由というのはすごく納得感があるし、正直いつETが我々の前に現れるかわからないですね。
確かに確かに。確かにそうですね、この小説読んでいると。
まあでもこれ、なんていうか、ちょっとネタバレのない程度に言うと、今結構このSDGsみたいな話が叫ばれてますけど、やっぱり人間がこう、地球なり地球外なりにやってしまっていることっていうのは、大きいなってちょっと感じてしまうところでしたね。
30:11
今ね、すごい宇宙産業って盛り上がってきているし、もうまさにそうですよね。今の時代とこのETっていうのがね、すごいリンクしてて面白いんですよね。
ちょっといつ現れるかわかんねえなって思って読んでました。
やっぱりね、面白かったのは、人類が有利な局面になるケースですね。戦力が大きくなって、これやったらETに勝てるかもしれないという、そういう有利になるほど人間同士の争いが起きてしまうっていうのが結構繰り返されていて、この辺に人類の歴史のちょっと切ない部分というか、そういうのも感じましたね。
山対国ぐらいになると結束力がちょっと硬いんですよね。
そうですよね。
まあもうね、これ以上失敗は許されない。
オービーもだいぶ色々獲得してるからこそなんですけどね。
そうですね。小説で個人的にすごく良かったなと思えたところが、メッセンジャーの一人でアレクサンドルというのがいるんですけれども、その人が結構物語が好きで、オービルと一緒に未来社会で童話を作っていて、
アレクサンドルもタイムスリップしていって、いろんな過去に現れたりするんですけど、時々でも物語っていうのを残していったんですけども、最初はそれはオービルとアレクサンドルの遊びに近いようなやりとりで、
最終的にはアレクサンドルというのが物語に傾倒してしまったせいで、ちょっと追い出されるというかですね、メッセンジャーとしての役割を果たせないというふうに見なされてしまったりもするんですけども、
実はこのアレクサンドルが残した童話っていうのが、本当最後の最後にすごい重要な存在になっていて、なんかこういうふうに書いてるっていうのが、何かその物語の持つ力っていうのを最後すごく感じさせてくれて、
意外深かったですね。そういう意味ではこのアレクサンドルの存在っていうのがすごく良かったし、物語の力っていうのをこの小説の中に感じさせてくれたっていうところもすごく良かったですし。
このアレクサンドルはなぜ物語を書くかっていうと、オーベリーでいうとこのサヤカみたいな存在がアレクサンドルの未来というか、未来になっちゃったけどいて、その時その人のために、愛した女性のために彼は物語を書いていて、いつかこの物語が彼女に届くんじゃないかと。
でももうその未来は失われてしまってはいるんですけれども、っていう設定があるんで、かなりアレクサンドルのこの話っていうのはなんていうか、心を打ちますよね。
33:07
そうですね。本当に最後の最後にやっぱりアレクサンドルが本当に大仕事をしたなっていうのが本当にあって。
ちょっとそこまでは言えないかな。
そうですね。
ちょっとやめときましょう。
最後は本当どうなるかは、読んでお楽しみにしてもらえたらなと思いますよね。
まあネタバレにはならない程度に言うと、結構かなりいい感じにこの話最後終わるので、かなり安心して読めるんじゃないかなと思います。
最後までは話さずここで止めておこうと思うので、ぜひ皆さん読んでいただけたらなと思いますので。
ここでちょっと感想とどんな人に読んでもらいたいか話して終わりにしたいと思います。
私の方から。
私自身これ結構忙しい時期に読んでたんですけど、そういう時に何か読みたいなっていう気持ちを抱くというか、
なかなか本好きだと忙しくて本は読めないという状況がストレスになると思うんですよ。
そういう時に読むのは結構おすすめですね。
かなりサクサク読めるし、面白いから結構ストレス発散にも単純になりますし、
あと移動中だけでも十分読める内容ですね。
話がそんなに複雑そうにちょっと聞こえたかもしれないですけど、そこまで読みにくさみたいなのはないので、
かなり細切れに読んでもだいぶ面白いと思います。楽しめると思います。
SFって言ってもですね、独特の設定の難しさや理解しなきゃいけない部分っていうのはあんまりないので、
かなり読みやすく、ライトで、そういう書を読みたいって人にもかなりおすすめですね。
ちょっとSFってだけで聞き嫌いしなくてもいいかなと思います。
登場人物が結構かっこいいんで、オービラもちろん。
ヒミコもいいし、さっき言ったアレクサンドルもめちゃめちゃいいんで、
推しキャラっていうのが出てくるんじゃないかなと思います。
少年漫画要素が結構強い作品だと思うので、
かなりそういうのが好きな人には楽しめるんじゃないかなと思います。
そうですね、単純に面白かったですし、
人類とETの戦いの話なんですけど、結構人間同士のいざこざとかも描かれていて、
そういったところも面白かったですし、
あとはオービル、主人公の心理面とかも、
すごく感情移入したくような描かれ方をしていて、
そういった点で、戦いの話なんですけども、
ドラマがあって良かったです。
あとはやっぱりETの存在が、悪の不条理という感じがして、
この存在感はすごく面白かったです。
純粋なSFというより、ファンタジー要素もあるので、
エンタメが好きな人は、設定もすごくロマンのある設定なので、
楽しめるんじゃないかなと思います。
さあ、今日はちょうどそんな感じで、ときすなの王をお送りしました。
じゃあちょっと次回予告して終わりたいと思います。
36:00
次回はですね、また番外編を、ちょっと番外編多くてあれなんですけど、
また番外編をお送りします。またゲストに来ていただくことになりまして、
ちょっと3回連続番外編ゲスト回になっていて、
なかなかちょっと空飛び猫たち、いろんな人と話ができるようになってきて、
すごい楽しみになってきています。
そうですね、こういうビデオ楽しんでますね。
最近ね、リスナーを置いていけないように気を付けながら頑張りたいと思うので、
ぜひお楽しみにしていただければと思います。
ゲストはちょっと聞いてからのお楽しみということで、よろしくお願いします。
じゃあ番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、
読み返しましたのでございましたら、
ハッシュタグ空飛び猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタのDMや投稿などでお待ちしております。
メッセージ本も番組情報欄に載せておりますので、そちらから直接いただいても大丈夫です。
積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
37:03

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