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2021-11-29 46:00

第64回 ドイツの難民文学「行く、行った、行ってしまった」ジェニー・エルペンベック著

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【今回の紹介本】

 ■『行く、行った、行ってしまった』ジェニー・エルペンベック著、浅井晶子訳 

今回はドイツの難民文学をご紹介します。 

難民について、自分が知らなかったことについて、読むとどうしても考えてしまう作品です。 

案内人二人とも大絶賛の一冊です。 是非お聴きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■『行く、行った、行ってしまった』ジェニー・エルペンベック著、浅井晶子訳 白水社 

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b582856.html 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:04
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの回のダイチと羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方などそちらを見ていただけるとありがたいです。
本編に入る前にですね、告知が2点あります。
この度、文学ラジオ空飛び猫たちのしおりが出来上がりました。
こちらですね、なんていうか素敵にデザインしてもらって、文学なら世界を旅ができるというキャッチコピーのもとを作ってみたので、
こちらちょっとリスナーの方々にどう届けていくかっていうのはまだ全然決まってないんですけれども、
一部私が関わりがある場所とかで配布させていただこうと思っております。
ミエさんだったらカフェに置いていただけるという。
そうですね、カフェに置いてますので。
そんな感じで、受け取れる方っていうのがちょっと限られてくる状況ではあるんですけれども、
しおりを作ったので、欲しいっていう人はなんとかその辺りで手に入れていただければなと思っております。
もう一点、12月末、もう本当年末にですね、年末年始のお休み入ったぐらいで、
まだちょっとネーミング検討中なんですが、オンライン忘年会のようなものをちょっとやってみようと思ってます。
これはリスナーの方々にぜひ参加していただきたい企画でして、特に人数制限は設けないですし、
ちょっとどういう形になるかっていうのはまだ全然やるってことしか決めてないので、決めてないんですがやります。
内容としては1点決まっていることがあって、参加された方々のうち抽選で1名の方に、
我々が来年紹介する本をですね、選べる権利というのをちょっと、
1冊選べる権利というのをちょっと与えさせていただこうかなと思っておりますので、ちょっと楽しみにしていければと思います。
じゃあ今回なんですが、行く、行った、行ってしまったという本を取り上げたいと思ってます。
2021年度、日本翻訳家協会賞、翻訳特別賞というのを受賞したというのを、これ三重さんがあれですよね、書きつけて。
ニュースで知って、この日本翻訳家協会賞っていうのが、歴代のを見てると、すごい早々たる受賞履歴があってですね、
その中で今年受賞されたというので、これはすごいんじゃないかと思って気になって、今回取り上げてみたという形ですね。
で、まあ私読んで思いましたけど、これはちょっと日本翻訳大賞、来年取るんじゃねえかなって、ちょっと思ってます。
いや、内容めっちゃ良かったんで、と思っております。
で、なかなか今回ですね、私ちょっと目が震えてますね。
感動でいいですか?
なんか、なんだろうな、いや、今回結構やっぱすごい本だったんで、これはぜひ皆さんに読んでもらいたいと、強く思ってるせいで、
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なんかうまく紹介できないかったら、やだなーって、ちょっと怖さがあって、私ちょっと震えてますね。
僕も今回読んでる間、本当にその小説の方にちょっと引力だと思うんですけど、もうなんかね、ちょっと心が引っ張られていっちゃって、
ちょっとね、現実の問題とか、ちょっと心荒らずな状態が少しね、あったので、でもそれぐらい本当に引きのある小説ですね、本当に。
間違いなく今年読んだトップ5に私入りますね、と思いました。
なので、ちょっと震えてるのがもしかしたらこれ、みんなに伝えたいってむしゃぶるいかもしれない。
いやでも怖さだな、これちゃんと伝えられるかどうか、本当不安なんですが、ちょっと頑張りましょう、今日。
いや、本当多くの人に読んでもらいたい。
そうですよね。
じゃあ、お願いします。
今回紹介するのが、行く行った行ってしまった、で、ジェニー・エルペンベックさんが書いた小説になります。
浅井翔子さん役で、白水社から2021年7月に出版されています。
私の方からあらさじを、大学を定年体感した古典文献学の教授リハルトは、
アレクサンダー広場でアフリカ難民がハンガーストライキ中とのニュースを知る。
彼らが英語で書いたプラカード、我々は目に見える存在になる。
についてリハルトは思いをめぐらす。
その後、オラリエン広場では、別の難民たちがすでに1年前からテントを張って生活していることを知る。
難民たちは、ベルリン州政府と合意を結んで広場から立ちのくが、
彼らの一部は、長らく空き家だった郊外の元高齢者施設に移ってくる。
難民たちに関心を持ったリハルトは、施設を飛び込み訪ね、彼らの話を聞く。
リビアでの内戦勃発後、軍に捕らえられ、強制的にボートで地中海へと追いやられた男。
命からがらたどり着いたイタリアで、訳もわからず難民登録されたが、仕事も金もなくドイツへ流れてきた男。
リハルトは足刺激施設を訪ね、彼らと徐々に親しくなっていく。
ドイツ語の授業の教師役も引き受け、難民たちの交流は次第に日常生活の一部となっていくが、
東ドイツの記憶と現代の難民問題を重ね合わせ、それぞれの性を繊細に描き出す、
トーマスマン賞受賞作となっております。
じゃあ、ちょっと具体的に話していきたいと思います。
まず、ちょっとですね、最初に伝えておきたいところは、
これちょっとあらすじ、今聞いてもらって、難民文学、難民を取り扱った小説っていうところで、
社会的なテーマを扱っているんですけれども、
硬い内容ではあるんですが、それだけじゃなくて、結構ですね、人物がユーモアを持っていたりとか、
結構魅力的な登場人物が多くて、内容としてはちょっと重さはあるんですけれども、
物語の展開が結構うまく練られているので、かなり面白く読めるなと思いました。
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で、まずね、冒頭からそうなんですけど、文章がまずめちゃくちゃいいです。
語彙を失っちゃってるんだけど、読めばすぐ分かってしまうんですけど、
なんか巧みなんですよね。
なんか要所要所いい感じの印象に残る文章が差し込んでくるし、
その差し込み方がうまいし、表現もなんていうか、
お!って思わせるような表現を随所でしてくる。
表現というか、文章並べ方の問題だと思うんですけど、
ほんとすごくそこがうまくて、
マジで最初の5、6ページ読んだだけでね、
名作だって思いましたよね。
これ間違いねえって思った小説ですね。
ほんとこの作家さんの文体とかもすごい特徴的ですよね。
結構シンプルというか、短い言葉でテンポよく書いているんですけども、
でもなんか作家の語彙力って言うんですかね。
なんかもう、この言葉の豊富さというか、それがすごくて、
小説読んでると大体この次はこういう文章が来るのかなとかっていうイメージがあるかもしれないんですけども、
もうそれがね、ことごとくイメージ通りにいかないというか、
もうこっちが思ってないような言葉を次から次にどんどん投げてくるっていう、
そういう文章でそれがすごい魅力的で。
そうですね、確かに。
具体例が。
あ、じゃあちょっと私の方から。
なんでもない。
例えば最初の方で言うと67ページの終わりぐらいなんですけど、
ちょっと文明化いろいろあるんですが、
リハルトはこの些細な動きで突然自分の視野と判断基準が変化したことに気づいたのだった。
たった今もやはりそうした瞬間の一つだった。
誰の視点にも他の誰かの視点と同じ価値があるということを思い出した瞬間。
メルという行為には正しいも間違っているもないのだ。
ここもこういう何だろうな、なんか表現というか文章の並べ方だと思うんですけど、
すごく真理をつくようなことが要所要所にググッと入ってくるんですよね。
そうですね、でまたこれがその登場人物が大学の先生だったっていうのもあるんですけども、
本当にいろんな引用とかも入ってきたりもして、
ちょっとその読んでいて奥行きとかもすごく感じたりもして、
なんかその文章が出すイメージというんですかね、
そこもまたすごく楽しめたところではありました。
小説の魅力としてですね、
人物にユーモアがあってというのもあるんですけども、
特にこの主人公リハルトという人物ですね、
大学教授を退官したばかりという人なんですけども、
この人がすごく面白くて、話としては難民の人たちと交流していくということで、
すごくその正義感の強い人なのかなと、
あらすじを読むと思うんですけども、
決してその一面だけでもなくて、
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もともと大学教授だったっていう成功者だと思われるその一面も持っているし、
一方で若い女性と不倫をしていたりとか、
ちょっとその人としてどうなんだろうという思うような、
なんかそういう一面も持っていて、
そういう意味ではこの人って良くも悪くも一般人なのかなと、
結構そういう状況とかにも流されやすい、
善人ではあると思うんですけども、
流されやすい人でもあるのかなと、
そういうふうに思いますし、
ただこのリハルトというのもすごくユーモアを持っている人物で、
そういったところでは小説の中で重たい部分を扱っているところもあるんですけど、
このリハルトがいるからそこをユーモアで受け止めてくれるというか、
それを進めてくれるという、そういうのがあったなと思っています。
そういったところではこの小説の本と人物像、もちろんリハルトだけではなくて、
難民の人たちやリハルトの友人たちという、
その一人一人にエピソードがあって、
そこもすごく読ませるところではあるんですけども、
そうした人たちとやっぱりリハルトとの交流ですね。
やっぱりこの小説の面白さ、
最初はリハルトという人物の視点で描かれていくんですけども、
だんだん難民の人たちって一体どういう人なんだろうというのが交流していく中で、
そこの人間関係ができていって、
それによって物語を進んでいくんですけども、
この小説のやっぱり一番読んでいて、
本当に読みどころはそこかなと思ってましたので。
じゃあちょっと話をちょっといきますか。
ストーリーラインのお話をしたいんですけど、
ちょっと今回難民文学っていうところなんで、
ちょっとそのあたりを補足していきたいなとまずは思います。
これはもともとこの大学を定年退職したばかりのリハルトが、
自分の生活圏に難民がいるっていうことを気づくところから始まる小説でございます。
リハルトは難民に対してそんな意識が高かったわけでも全くなく、
ニュースで聞いたことがあるぐらいって感じですね。
なので価格で言うと一般的な日本人の私たちと同じようなぐらいの関心度だったんじゃないかなと思います。
ただちょっとそれがたまたまこのニュースで近くにいるみたいなことを知ることになって、
彼の好奇心というか時間も体感したばかりであるっていうところを手伝ってですね、
難民を調べて彼らに近づいていくっていう形で話は進んでいきますね。
今回ドイツが舞台なんですけども、
ちょっとストーリーラインに行く前に難民の状況というのを補足で説明したいと思いまして、
これは役者跡書きでも書かれていることなんですけども、
そもそも原作が発表されたのが2015年なんですけども、
ちょうどその時期というのが中東とか北アフリカからですね、
戦争が原因なんですけど、ヨーロッパへの難民流入というのが急増していた、
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そういう時期でした。
難民が2014年頃から増えていて、
2015年、16年がヨーロッパに来る難民の人たちというのはピークを迎えて、
ヨーロッパ全体で250万人以上被害死因設定があったと言われています。
じゃあ、なんでそういう難民の人たちはヨーロッパに来ることになったのかという経緯のところなんですけども、
ちょっと遡ると難民の人たちの多くというのは、出身はアフリカのいろんな国の人たちなんですけども、
ただ当時安定していたリビアですね、
これが2011年よりもっと手前だと思うんですけども、
2000年か90年代も含まれているかもしれないんですけど、
そういうリビアがまだアフリカの中で安定していて、
そこへいろんな国から人が来ると。
2011年にリビアで内戦が起きて、
リビアに住んでいた人たちというのが軍によって強制的にボートに乗せられて、
地中海に追いやられてしまいます。
要はその国から追い出されるということですね。
リビアが地中海に面している国なので、
ボートに乗せられて、地中海をさまようことになるんですけども、
その海の北の方に行くとイタリアとかギリシャがあるので、そこにたどり着くと。
そこでギリシャやイタリアに着いたら、難民申請をさせられる。
ただイタリアやギリシャもたくさんの人が来るんで、
受け入れることっていうのは不可能な話なので、
自分の国からも退去してもらうというので、
多くの難民の人がイタリアやギリシャに着いたら、
その後はヨーロッパ各国に流れていくという、そういうことがありました。
今回の舞台のドイツにも本当に多くの人が仕事もないし、
お金もないという状況でドイツまで来ていたという、そういう経緯があります。
さらにですね、ちょっとだけ法的な話になってしまうんですけども、
ラブリンツ規約というものがありまして、
これは作中でもたびたび出てくる言葉なんですけども、
EUで定められている難民の保護ルールというようなものですかね、これが。
これを簡単に説明すると、最初に難民の人が着いた国ですね。
最初に着いた国で、卑怯してもらう。
卑怯というのは守ってもらうということなんですけども、
守ってもらうというのは原則としていると。
なので、イタリアに着いた人はドイツに守ってもらうというわけにはいかないと。
イタリアに着いたらイタリアに守ってもらわないといけないというですね、
そういうルールがありまして、
ただ地理的にリビアから大量に難民が出てるんですけども、
地中海、リビア、レボートに乗せられた人っていうのは、
だいたいもうイタリアかギリシャに行くことになるので、
そこでイタリアやギリシャが大量の難民を、全員を守護する、守るっていうのは、
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これは現実的には不可能なことなので、
最初にたどり着いた国で、
じゃあその守護をしてもらえるかっていうと、
決してそこがちょっと難しいということではあると。
なので、そういうルールがあったとしても、
本当にヨーロッパ中をいろんなところに難民の人たちが行ってしまうというところがありました。
しかし、ただそういうルールがあるので、
ドイツにいても、いずれドイツからイタリアに戻りなさいという、
そういう話になってくるので、それが作中の中でもやはりありました。
ずっとドイツにいるのはやっぱり難しい。
そうですね。ここが結構、この書籍を読んで初めて知った部分でもあるんで、
なかなか残酷な規約というかルールで、
たどり着いちゃった場所がイタリアっていうことが多いから、
イタリアで膨れ上がっちゃってるけど、
全員面倒見るのは無理なんで、
他に流れていくけど、結局そこでも、流れてた先でも、
いや、あんたイタリアから、イタリアに初めて着いたんだから、イタリアで守ってもらえよって言って、
追い出されるっていう非常に残酷なルールですね。
そうですね。ちょっと調べてると、このルールも小説の後の世界ですね。
2010、2017年からにちょっと改定されたりして、
今は小説の時とはちょっと状況は変わってると思うんですけども、
ただやっぱりどこの国が負担することになる話になると、
なかなかそれは意見が一致するのって難しくて、
やっぱり今でも難しい問題として残ってるみたいですね。
このあたりの話で言うと、ドイツはですね、結構積極的にこの2015年あたりは、
難民を受け入れようっていう政治的な動きがありあったみたいですね。
そうですね。メルケル首相が難民は全員受け入れるって言ってましたし、
そういうところがあるんで、ドイツに結構流れてきたというところもあってですね。
なんとなくその辺のニュースはぼんやり私は覚えてて、
その辺のドイツのメルケル首相の話とか、
あと地中海をぎゅうぎゅうなってるボートが漂ってるみたいな映像、
ニュースで見た映像って結構印象に強く残ってて、
なんかすごいことなってんなみたいなのはあったんですけど、
その当時ニュース見てても詳しく調べようとはしなかったんですけど、印象に残ってました。
やっぱり個人的にこの難民っていうのは、その時自分もニュース見ただけで何にも何ていうか考えを深めることができなかったんですけど、
日本ではイメージしにくいものだなと思いましたね。読んでても思いましたし。
で、なんで今回この本を読んでる時にそこに結構力を使ったっていうか、
なんかかなりイメージしにくいなと思ってるんで、それを自分の中に落としていこうっていうんで、
結構そのあたりは意識して読んでしまったというか、読まざるを得なかったので、
なんかいつもとは違う力が入って読んでたなっていうのはすごく感じた。
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それも読書体験としてはすごい良かったんですけど、
じゃあそういう難民というところを踏まえた上で、ざっくりストーリーの話をさせていただきたいと思います。
あらさじもあった通りなんですけど、このリハルトという男が主人公で、
大学を古典文献学を教えていたんですが、定年で退職してところから始まります。
結構良いお年の主人公っていう感じですね。
死ぬまでも読書中止の生活になると思って過ごしていたんですけれども、
この大学を辞めた後すぐの8月に、ベルリンで起きた難民たちのハンガーストライキというニュースを彼は目にします。
実はこのストライキが起きていた広場は、リハルトはこの時すぐ近くを通っていて、
自分がそこにいたっていうのは間違いなく覚えているのに、このストライキ自体に気づかなかった。
テレビで見た時に気づかなかったと思います。
なんで気づかなかったのかなということを考え出すところから、この物語が結構始まっています。
テレビには我々は目に見える存在になるとプラカードをかけている難民が映っていて、
そのことを全く自分はなぜ気づかなかったんだろうと、見ることができなかったんだろうと彼は疑問に思います。
そこからリハルトは難民に関心を持つようになり、難民について調べていきます。
近くに難民が滞在している施設があって、そこに足を運ぶようになっていきます。
そこが元老人ホームの場所で難民の受け入れの施設になっていて、リハルトはそこに通うようになって、
施設の人たちと面会をするようになっていくと、インタビューを始めたりするんですね。
リハルトは彼らとの交流を通じて、難民一人一人の人生、様々な事情を知っていきます。
その流れでリハルトはですね、彼ら難民にドイツ語を知るようになっていき、何人かの難民たちとは友情のようなものが芽生えていきます。
お互い友人だという認識をしたしますね。
彼らをちょっとずつ支援していくようになっていきます。
しかし難民に対する保護には限界があり、彼らにはドイツから退去命令というのが下されてしまいます。
リハルトは友人たちと協力して、自分の家とか知り合いの家、友人がやっているお店とかオフィスなんかで一人でも多く難民の受け入れというのを働きかけていきます。
リハルトの誕生日にはドイツ人の友人だけではなくて、難民の友人たちも集まり、ラストリハルトはちょっとあることを語って終わります。
というのがちょっと割と大きいストーリーラインなんですけど、ざっくりといろんな難民の状況が個々と変化していって、徐々にドイツ、受け入れるぜって言ったドイツが、
なかなか難民を対処しきれないというか状況になっていって、難民たちの状況はどんどん悪化していきますね。
それに絡めてリハルトのことが語られたり、彼の過去の人生のことがちょっと挟み込まれたりとかして話は進んでいき、
最終的にはちょっとネタバレになっちゃうからなんですけど、状況が悪化していくという中で終わっていくというのがこの小説でございます。
そうですね、本当ストーリーラインでなかなか説明しづらい、内容が本当にたくさん彫り込まれていて、
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例えばリハルト自身も本当にドイツが、東西統一ですね、その瞬間というのにも立ち会っていて、
今まで自分のすぐ近くに国境線、境界があったものがなくなった経験とか、そういうのもしていて、国とは何かっていうのをすごく考えていたりして、
そういうリハルトの思考的なところをですね、ここも小説の中ではすごくたくさん書かれているところで、
僕も小説読んでいて、印象に残るところが、いくつもあるんですけど、2つだけ言いますと、
そういうドイツで生まれ育って、ドイツの本当にいろんな激動というのをリハルトも経験していて、
という中で、今ドイツにはたくさんの難民の人がいると、でも難民の人たちに対して結構ネガティブに見ている人もいるし、
難民の人たちが生活もすごく大変そうにしていると、そういうのに対してリハルトが、ドイツで難民が生き延びることができて、初めてヒトラーは戦争に負けたことになるっていう、
そういうことを、なんていうんですかね、心の中では思っていたりして、そういう言葉があったりとかですね。
あと、この難民の人たちがどういう経緯でドイツに来たのかというところとかをリハルトは調べていくんですけど、
結局、アフリカの地図っていうのはヨーロッパの人が書いたと、アフリカの人たちが決めたんじゃなくて、ヨーロッパの人たちが戦争が終わって、
どこどこの国はここまでっていう国境線を勝手に引いていると、というのでアフリカ人には関係ないと。
アフリカ人には関係ない国境線の問題によって、アフリカ人が今被害を受けて難民となっているという、そういう状況に対してのことがですね、
結構こういうのを読んでいて、心に刺さってきましたね。
境界線っていうものは何なんだっていうのが、結構この小説の中では繰り返し問われるんですけど、
ここで、今、銘さんが読み上げてもらったところで言うと、やっぱりアフリカの国の国境って直線が多いじゃないですか。
もう明らかに誰かが引いたよね、みたいな線が多くて、私もこれ見てて、これを読んでて思った。
誰かが勝手に引いた何かに、なぜ従わないといけないのかっていうか、それがなんでこんな強制力を持つんだろうみたいなっていうのは、なんかすごく読んでても感じましたし、
それについて考えることができる本だなと思いました。
この小説なんですけど、ちょっと今いろいろ話した通り、このリハルトの人生を描いて、通して見せてくれる小説なんですけど、
難民というものを描いてはいるんですが、同時にですね、ドイツ・ベルリンという、場所というか国を描いた小説でもあって、
結構社会的政治的な内容を含んだ小説で、ドイツが持つ政治的なうまくいかなさと、社会的に構造的に持ってしまって、貧富の差とか格差とか、
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そこで起きる断裂のようなものかなっていうのも描いていて、具体的に言うと難民に対して、近くにいるのは結構、
ベルリンの中でも貧困層が割と難民と一緒に暮らすというか、接することが多くて、
富裕層はその辺と難民とあんまり接触しないのかな、ことが多いと思うんですけど、
だから富裕層は難民受け入れればいいじゃん、みたいな話とかするけど、貧困層はそれが困るみたいな、労働の機会が奪われるみたいなところと絡んでくるんですけど、
なかなかいろんなことを考えさせられるんですよ。
このドイツというものを、正しい視点という言い方が難しいんですけど、うまく描いてるなと思いました。
これがドイツでベストセラーになってるっていうのはわかるし、自分がこういうものの日本版をすごい読みたいなと思って、
難民とかいない、あんまり日本にはいないと思うんですけど、今の日本の政治の問題とか社会が持つ問題のようなものを、
こういう感じで掘り下げてるショースがあったらすげー読みたいなって思っていながら、ちょっとこれ読んでましたね。
でもわかります、本当に。
こういう映画とかもね、ちょっとやってたら見に行きたいですね。
うん、すごいなんか勝負してる本だなって感じましたもんね。
あと小説の中でリハルトが何人もの難民からインタビューするんですよね。
そこでなんでドイツでここまでたどり着いてきたのかっていう、その経緯を聞いていくんですけど、
結構その一人一人の話にすごくドラマがあって、本当に強烈な話ばっかりで、
なんか読んでてね、本当そこもすごく心が動かされたところではあるんですけども、
ちょっとせっかくなんで、具体例として一人、リビアから最初イタリアに渡ってきたアワードという人物の話を少ししたいなと思います。
このアワードという人なんですけども、もちろん難民としてリハルトの前ではなかなか苦しい生活をしてるんですけども、
もともとリビアにいた時の暮らしは結構良くて、お父さんが石油会社の運転手をしていたというのがあって、
自身も自動車整備工になって働いていて、おそらく現地では良い暮らしをしていたと。
お父さんにもすごく大事にされて、そういう人生を歩んできたというところなんですけども、
本当にある日突然ですね、戦争が突然勃発してというか、それで被害を受けてお父さんが亡くなって、
自身も軍に連行されてしまって、ボートに乗せられてしまうというのが本当に突然パッと起きると。
そこで本当にボートの中でも本当にすごく大変で、生きるか死ぬかというところをですね、本当に人がぎゅうぎゅう詰めで何百人も乗っていて、
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そこで本当に命がガラガラ、なんとかイタリア、シチリアなんですけど、シチリアにたどり着くと。
で、9ヶ月ですね、シチリアの収容施設で暮らすんですけど、そこも一部屋に10人いるような状況で、
そこでもやっぱりもう食べるのも大変ですし、お金もないし、でも食べるにはお金は必要というところで、
なんとかしてその働き口を確保してと。
でもそれでも本当にそこで長くいるとかっていうのは本当に現実的ではないというところなので、
なんとか仕事をちょっとお金を貯めてドイツにの飛行機に、ドイツ行きの飛行機に乗って来たという。
結構すごくアワードという人の人生が語られているんですけども、
本当に向こうでリビアでいた時の生活とかを、本当に一人の青年の頑張ってアフリカでなんとか生活、いい暮らしをしているっていう話だったのに、
突然もう一瞬で戦争になって難民になってしまうという、そういう話があって、この辺は読んでいて強烈なところでした。
この難民の個々の話が結構強烈な、家族と引き離されちゃったりとか、奥さんと離婚することになったりとか、奥さんはもう再婚したりとかっていう、
いろんなエピソードが結構、インタビューしてるから当たり前なんですけど、挟み込まれてきて、結構それで潰れた気持ちになるというかなんというか、落ち着かなくなりますよね。
そうなんですよね。やっぱりみんなに共通してるのは、自分で選んで難民になったというわけではなくて、強制的に連行されてそういう状況になってしまったっていう人が基本的にそうですし、
そういうのを本当に読んで知らされたというか、考えさせられますね。この小説の中で結構強烈な言葉があって、これ204ページに書かれているんですけども、これは僕が読んでいて、
心に残ったところで、人生のほとんどの時間、リアルとは心の片隅のどこかで、アフリカの人たちは自分たちほど死者を認めないのではないかと思ってきた。
アフリカでは昔からずっと人がたくさん死んできたからだ。今、その心の片隅には代わりに恥がある。人生のほとんどの時間をそんな風に軽々しく考えてきたことに対する恥がある。
アフリカの人たちって、これはイメージですけど、たくさん死んでる人もいるしっていうのをリアルと思ってて、でもその一人一人もやっぱり同じ人間なんだっていう。
本当すごくリアルとが見守って体感しているっていうところの描写は、これすごい自分にも重なるところがあるなと。
そうですよね。私もここの自分はすごいグズっときましたね。これも状況が、墓について考えてる時で、自分の家族の墓っていうのは、3世代前から同じ墓を使って、そこに先祖が埋葬されてると。
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でも、このアフリカの方々たちはそういうことじゃないんだなっていう。そういう同じような墓に入れるっていうことができないんだなみたいなところからこういう話が、彼はリアルと思うんですけど。
いや結構刺さりましたね。
結構小説読みやすいし、重い話もあるんですけど、ユーモアもあって面白く読んでいけるところはあるんですけど、結構こういう言葉がぐさってきますね。そういうところが所々ありますよね。
すごい小説だなと思いますね。
まあちょっと他の話をさせてもらうと、つながる話なんですけど、この戦争から逃れてきた難民、戦争というかリビアから逃れてきた難民の方々なんですけど、
結局このイタリアでもそうだと思うし、ドイツでもですね、この小説で描かれるドイツでも、同じような苦しめられる状況下に置かれてきます。
結局自分たちが頑張ってなんとかしていかないと自分たちの状況っていうのは改善しない。
しかもその方法さえももうないっていう状況まで追い込まれていく感じがあって、なかなか苦しい状況に立たされていくっていうのが小説の中でも進行してきます。
結局そのせいですね、彼らは希望を感じることができないし、信じるっていうこともできなくなっていくという状況になってきますね。
人によってはもう自分の存在意義はないと考えるまで至ってしまっている方もいて、これはもう読んでて非常に苦しい部分ではあるなと思いましたね。
日本っていうのは恵まれているなと改めて感じましたし、当たり前のように本当に明日が来て生活が保障されているっていうことはとても幸運のことなんだろうなということに気付かされてしまう。
当たり前なんですけど、そこが結構グサグサ来るところでしたね。
日本の今の自分のいる環境とかっていうのはすごい恵まれているなと思いましたし、
もう一つ、この小説を読んで、今の自分たちが感じているこの平和さというかこの平和な世の中って、もしかすると一方では他の世界の人という境界線の向こう側にいる人に対してはもしかすると攻撃的なことをしているんじゃないかというのも考えさせられましたね。
これも、攻撃的なところっていうのは自覚して知っているわけではなくて、難民の人たちみたいに強制的に追いやられてしまった人が来たときに、どういう対応をとっているんだろうかと。
果たしてそういう人たちを受け入れることができるのか、それとも受け入れることはできないとなったときに、それはもしかすると攻撃的な対応になっているかもしれないとか。
平和さというのが成り立っている、裏ではそういうこともあるのかもしれないというのはちょっと思ったりしましたね。
あとは、ラストもすごく印象的でしたね。これネタバレになるのでどういう話かっていうのはしないんですけども、
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最後まで読んでちょっと思ったこととして、この主人公のリハルトが難民のためにすごくもう本当に尽力をしていて、
じゃあその行動の原動力って一体何だろうかっていうのはすごく考えさせられましたし、
リハルトっていうのは奥さんが数年前に亡くなっているし、定年もして時間もあるというか、やらないといけない仕事っていうのも一旦区切りがついたという状況だったんですけど、
もしかするとこのリハルトが自分自身に向き合うためでもあったのかなと、この難民という相手に対して何かをするっていうのは、もしかすると自分と向き合うためでもあったのかもしれないというちょっと考えたりですね。
あとは最後に出てくる言葉で、自分が耐えているのは耐えられないかという言葉があって、これももちろん文脈があっての一言なんですけども、
最後ここを読んだ時にはすごい、やっぱりこの小説が他人ごとには思えずに結構読んでいて、自分のことをつい考えてしまうような、そんな感覚になります。
それで最後の一言、たどり着いた時には結構厳密には最後のっていうよりかは最後の方に書かれている一言ではないんですけども。
ラストの一文が、正確に言うとラストから2つ前の行なんですけど、この最後の一文と言っていいと思うんですけど、これはだいぶ残りますね。
そうですね。
本当ここにまでたどり着いて、全体的にすごくうまかったなって思ってるのが、このその文章を生かすためにだったと思うんですけど、結構最初にこのリハルトの家の前に湖が広がってるんですけど、すごく綺麗な湖が広がってるんですけど、
ここでですね、ある男が死んでしまったと。ボートに乗ってて、転覆して沈んだまま上がってこなかったっていうことがあったんですね。事件として。その死体がまだ見つかっていない。
で、その湖の中にはまだその死んだ男が沈んでるというイメージが結構作中ずっと出てきて、でラストでもちゃんとそこがですね、うまく重なってきて、なんて言うんですかね。
自分の印象を言うと、このそれを通してやっぱり自分が知り得ることというか、なせることというか、何かには限られているというか、っていうことを何か伝えてくれたような気がちょっとしてて。
そうですね。本当にでも何か目に見えるところと目に見えないところにも本当世界はあるんだってすごく教えてくれた小説でしたね。
この小説を読んでみて、本当にすごく考えさせられる作品だったなと思うんですけども、ちょっとせっかくなのでテーマトークを大地さんとできたらなと思っていて、
これもしもっていう話なんですけど、自分の友人にリハルトがいたらどうするかどう思うかっていうところをですね、話していきたいなと思います。
今はこのリハルトっていう難民に積極的にサポートしている人物が近くにいたってことですよね。まあなんていうか結構もしかしたら理解できないっていう感覚が強くなるかもしれないですね。
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リハルトが結構これ、友人にはいってないと思うんですけど、難民のために土地を買ったりとか、出身国の土地を買ってあげたりとか、ピアノを使わせてあげたりとか、家に招いたりとかいろんなことをしてるんですけど、結構そこまでするみたいなことはだいぶやっていて、
彼の気持ちがどう変化しているのかっていう、どういう変容があるのかっていうのを読んでればわかるから、それなりに受け入れて読んでたんですけど、これが客観的に友人とかっていう立場でリハルトを見てたら、結構大丈夫かなって心配するかなと思いましたね。
僕もそうですね、もしかするとボランティアの一環で打ち込んでいることなのかなというふうに捉えて、なんかそれ以上は考えないかもしれないですね。
ちょっと心配になるかな。家が荒らされちゃったこととかもあるじゃないですか、リハルト。
ああ、そうですね。
まあ難民のせいなんじゃないかみたいな、ちょっとその疑いみたいなのが出てきたりする。友人だったらだいぶ心配するだろうなと思いますね。
でも、自分がもし難民に対して関わっていたとしたら、例えば雇っていたりとか、仕事上で付き合いがあったりとか、まあ友人に近しい感じで難民の方がいたりしたら、リハルトに協力するのかなとかちょっと思ったりもするけど、リハルトほど打ち込めはしないんですけど。
でも、作中でもリハルトが友人に、難民の人が住めるスペースがあれば提供してほしいって、まあでもこれはリハルトだけじゃなくて、結構リハルト以外の友人というか周りの人もすごく協力しながら探していたという感じでしたけど、
それも何も知らない状況でちょっと住むスペースを提供してほしいって、友人に言われたら戸惑うか思うんですけど、もしこの小説というかリハルトが、小説のようにリハルトと一緒に何て言うんですかね、食事しながら難民の人と一緒に時間を過ごすというか、
そういう経験とかをもししていたら、やっぱりちょっと協力していくのかもしれないと思いましたし、そうですよね。まあ何かできることがあるんだったら協力するんだろうなと。
やっぱりどれだけ難民に対して知ることができるかって変わってきますね。人として現実的に接してたら、たぶん助けたくなるんだろうなと思います。
例えば出てくるラシドとか、心臓病を患ったりするじゃないですか。なのに結構大変な環境に置かれているということを知ったら何とかしたいって思うかもしれないですね。
しかもそのラシドとある程度知り合いになっていたりとか、友人関係に近いものを結んでいたとしたら助けたいと思うんだろうなと思います。
やっぱりどれだけ知れるかで、リハルトに対してどれだけ協力しようとか思えるんだろうなとちょっと変わるのかなと、今ちょっと話しながら思いましたね。
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確かにそうですね。もし自分が難民の立場だったら、自分のことを知ってくれるその相手国の人ですね、ドイツの人とかって果たして何人いるんだろうかってすごく思うんですね。
リハルトは確実にその一人で、支援団体とかの人たちも自分のことを知ってくれる人だと。
で、もちろんそれ以外にも偶然出会った人とかっていうのもいるかもしれないんですけど、でも絶対そんな多くないはずなんですね。
その自分を知ってくれている人っていう。ではもし自分がその難民のことを知ったとしたら、多分その人を協力できる本当に数少ない一人なんだろうなぁと思うし、
そうなるとそうですね。できることはやろうって思うかもしれないですね。
なかなかちょっと難しい言葉もないですね。
そう、問題そう。そうそうそう。でも本当小説読んでいたリハルトって、結構これが前触れなくなんて言うんですかね、難民を知ったと思うんですよね。
大学を定年でやめて、たまたま自分の近くに難民の人たちがいて、それをニュースで知るっていうところからきっかけだったんですけど、
でも案外こういうのって本当にそういう突然自分が気づいたりするものかなっていうのは思うし、
なんかその準備万端で何か出来事に向き合えるってなかなかないのかなと、本当にもう今までの生活とかちょっと何かした時に不意にパッて現れたりして、
その時自分がどうするんだろうかって思ったりするので、こういうのって本当に遠い話だなぁと思うんですけども、
でも現実的に起きるか起きないかっていうのはされておき、自分のスタンスって何なんだろうっていうのは、やっぱり考えるのって大事なんだなって僕結構この小説読んで思いましたね。
やっぱり前々からそう思ってたってわけじゃなくて、結構小説読んで僕はそういう考え、なんかね、なんかその自分のスタンスって何だろうっていうのは、なんかそこが大事なんだっていうのを思いましたね。
たしかいなぁ。
なんかね、この小説の中にもいろんなスタンスを持つドイツに住んでるリハルトの友人、知人の中でもいろんなスタンスを出してくる、スタンスの人が出てくるんですけど、スタンスはすごく重要ですね。
なんかうまく言えなくなっちゃってきたけど。
これでもなんか小説読むのよりなんか小説を読んだ後、いろいろ考える方がなんか難しい気がしましたね。
うんうんうん、わかるなぁ。
結局難民のこと調べちゃったしな、これ。
ほんとそうですよね。
これをなんか小説読んで、それではい、終了ってしちゃうわけにはいかないじゃないですか。
別に考えたところで、何もたどり着かないんだけど。
なんか偉いもの読んでしまったなっていう感覚ですね。
42:03
本当ね、すごい小説でしたね。
じゃあいつも通り最後にカナトとどんな人に読んでもらいたいかいきたいと思います。
まぁちょっと重なる部分あるかもしれませんが、ちょっとお話したいと思います。
今回ちょっと話してるとですね、今年読んだ中ではトップクラスに良い本なんですよ。
他がダメだったわけじゃなくて、めちゃめちゃ心に残る一冊だったんで、おそらくトップ5にはこの本入ってくるなと思ってます。
感動的っていうわけではないんですね。
涙を流すとかそういう小説ではないんですけれども、表現、文章、イメージの差し込み方すべてが良くて、ストーリーの構成もめっちゃ良くて、難民っていうテーマもすごく良くて。
なんかこのドイツという国、あとダブリン企画かっていうところに翻弄される難民やリハルトっていうのが、
読んでるともうずっとですね、どうしていいかわからない感覚が常にあって、これはほんと他の小説では味わったことのない感覚でした。
確実にこれは合う合わないがあると思います。
でも読んだら必ず自分の視野がどうやっても広がってしまうので、ぜひ皆さんに読んでもらいたい作品だと本当に今回思ってます。
僕はすごく心を持っていかれた小説で、やっぱり読み終えてからリハルトのことであったり難民のことっていうのを考えてしまったし、
なんかもうそれで頭がいっぱいになりましたね。なんか結構ね、現実で他に考えないといけないこといろいろあったのに、
なんかね、それがもう本当になんかもうどっか飛んでいってしまって、結構小説の方にもう吸い寄せられてしまったという感覚でしたね。
でもこういう感覚になりたいから海外文学読んでいるっていうところが自分にはあると思っていて、やっぱり良かったですね、これを読めて。
すごく社会派なテーマの小説ではあるんですけど、決して硬いという話でもないと思ってますし、難しい話でもないと思っているので、
難民に対して予備知識というのも本当なくても読んでいけるので、これは確実に小説なんですね。
扱ってるのは難民文学というジャンルかもしれないですけど、でも小説であってやっぱりリハルトという人物とかドイツという国とかっていうところと難民っていうところの話なんで、
やっぱり小説好きな人にはすごく良い小説だと思うので、できれば気軽にというとあれですけど、そんなに構えずに読んで欲しいかなとは思いました。
まあでも、なかなか恐ろしい小説あると思うので、多少の覚悟は必要かなと個人的には思いますね。
そんなに身構える必要もないけど、難しいところなんですけどね。
ただね、やっぱり読むといろいろ考えてしまうというか、そういうモードになってしまうという部分がちょっと怖さがありますね。
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じゃあそのところで本日は行く、行った、行ってしまったをご紹介しました。じゃあ次回も伝わっていただきます。次回はですね、漫画編をお届けいたします。
今回またですね、4回連続のゲストをお呼びして、文学とは何かというですね、非常に深いテーマでお話をさせていただきたいと思います。
ただ、ポップなところで働いているところもなるんじゃないかなとちょっと思っているので、ゲストもお楽しみにしていければなと思います。
番組の関数やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
読み返しましたのでございましたら、ハッシュタグ空飛び猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
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