1. 文学ラジオ空飛び猫たち
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2023-02-27 45:47

第109回 オリエントに流れ着いた人たち「雨に打たれて」アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ 著

spotify

【今回の紹介本】

■『雨に打たれて』アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ著 酒寄進一訳 書肆侃侃房

死後半世紀近く経って注目されたスイスの作家がいた。

1930年代のオリエントに流れ着いた人々をルポルタージュのような筆致で描いた短編集。

是非お聞きください!

【番組内で紹介したトピック】

■『雨に打たれて』アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ著 酒寄進一訳 書肆侃侃房

http://www.kankanbou.com/books/kaigai/0540


【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】

声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集

https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35

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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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文学ラジオ空飛び猫たち。 死後半世紀近くたって注目されたスイスの作家
アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ。1930年代のオリエントに流れ着いた人々を描いた
ルポルタージュのような短編集、雨に打たれてを紹介します。 どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組はいろんな人に読んでもらいたい
いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークする
ポッドキャストです。お相手は私小説が好きのカウンター1と羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのはアンネマリー・シュバルツェンバッハさんの雨に打たれてになります。 坂頼真一さん役で諸子官官房から2022年に出版された本です。
今回はこのラジオで取り上げるおそらく初めてのスイスの作家さんになるんですけども、ただあの書いてるのはアルプスとかですね、そういうのでは全然なくてもう完全に
中近都、オリエンとか舞台の作品を書いている、そういう本になります。 この前が何になるんだ?窓越し?窓越しで一回いろいろ番外編が3つ続いたんですかね? そうですね、久しぶりですねそういえば。
うん、そうですよね。でも収録ちょっと今、あの… 全然感覚がねちょっとずれてるかもしれないですね。喋ってるほうと。
前回が窓越しか。なので、しばらく私がやりたいって言ってる本が続いていたはずです。
で、久しぶりの三重さん戦争だなぁとちょっと今回思って読み始めましたが、この本はですね、私は本屋で表紙を見て知っていました。
非常に印象に残る表紙なので気にはなってたんですけど、実際ちょっとやろうということで買って手に取ってみたら、あれなんですね、1930年代に書かれた本なんですよ。
そうなんですかね、意外と古い… 原書が89年にはスイスで出てるみたいなんですけど、でもそれは見つかった原稿を出版社が出したというだけなので、おそらく書かれたのは1930年代じゃないかなという本ですよね。
こんな古い作品だったなんてっていうのがちょっとあの最初帯読むまで知らなくて、表紙が持つ印象とちょっと私はちょっと差があって面白かったですね。
僕ももともと本屋で表紙は見たことがあってすごい気になる作品だったんですけども、手に取るきっかけとしては今年1月に文学振馬京都で書士館官房さんのブースに行ったときにですね、ちょっと教えてもらってですね、この作者のアンネ・マリーさんがすごい経歴が独特で、この後作者の紹介でも話そうと思うんですけども、唯一無二の作家だと教えてもらってですね。
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そこで結構舞台がオリエントのことを書いていたりというので、すごい興味を持って本を買ってですね、そこで面白そうだなということでラジオで紹介しようと大地さんに言ったんですけども、でもなかなかこのサクサク読んでいくものではなくて、じっくり噛み締めて読むタイプの作品が多かったなという。
まあでもそれだけ読みごたえのある。本自体200ページぐらいなんですけども、ボリュームはねそこまでないんですけど、でもすごいねじっくり読みごたえのある、そういう短編集でしたね。
一つ一つはそこまで長くないけど、結構ね多分文体なのかな、刺さるような印象は非常にある本ですね。
なるほど、そうか、書士館官房さんで勧められたわけですね。
そうですそうです。
まあでも確かにこれは多分編集者の人がもしそこにいたら、編集者の人に言われたら多分俺も読んじゃうな。
そうですね、もともと気にはなる調子だったんですけどもね、中身も唯一無二だってちょっと教えてもらうと、ちょっとこれだってねやっぱ思いますし。
確かにそうですよね。
ここでちょっと作者紹介移ろうと思うんですけども、このアンネ・マリーさんですね。1908年にスイスのチューヒリーで生まれた方で、結構肩書きが多いです。
作家、ジャーナリスト、写真家でそういったジャーナリズムをやっていたという人で、大学では歴史学を学んでいてですね、
今回の作品でも遺跡の発掘調査隊にこの作者の人が同行するようなですね、そういう描写もいくつかの作品で出てくるんですけども、
やはりその歴史というところはアンネ・マリーさんのとっても一つの重要なものになった。
時代背景としては本当に第二次世界大戦が始まる手前ですね。1930年代、もしくは20年代、そのあたりが今回小説で書かれている時代になるんですけども、
アンネ・マリーさんがレズビアンの方で、27歳の時、同性愛者のフランス人外交官の男性と結婚というですね、結構ここがややこしいんですけども、
どちらも同性愛者の人同士で結婚すると言って、ナチスから逃げるようにして中近東を旅してという、なのでスイスがヨーロッパではないんですよね。
今回の短編集に関しては中近東を旅した時の話が主に書かれています。その旅の後、そういう創作をするようになったと。
そこから薬物依存になったりですね、いろいろあって、1942年ですね、第二次世界大戦が始まって、その時にはヨーロッパに戻っていたんですけども、
自転車の事故で34歳で亡くなってしまうというですね、非常に若くして生涯を終えた方なんですけども、この20年代、30年代の書かれたものというのが1980年代に、
さっき大地さんが言われたように原稿が見つかってというか、注目をされるようになって出版されたという、4後40年以上経って出版されたというですね、すごいこういう人がいるんだなと思うような人で。
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ジャーナリズムもあるので、単純な創作ではなくて、結構現実も捉えた、そういう作品を書いているという、自身のレズビアンであるというところとかですね、
そういったところも相まって、スイスの方なんですけど中近都に行っているというところで、周りの人も結構変わった人が多いというので、なかなか個性豊かというか独特な人だなという、そういう印象でした。
まあ読むと結構彼女の眼差しみたいなのが見えてくる作品ではあったし、あとね、このこれ偽装結構なのかどうか、ちょっとその辺がね、
なんだろう、この情報だけ見て勝手に決めつけるわけにはいかないけどね、どういう経緯でとか非常に気になる人物ですね。
あとこれ、表紙がこのアンネマリーさん本人ご本人の写真みたいで、カバー写真のところ見たら誰が撮ったかわからないが、アンネマリーとカメラの写真1939年って書いてあって、
あ、そうなんだって思って。結構ね、本当すごいなんだろう、こんな写真残ってるみたいな、すごいかっこいい写真ですね。すごいセンスのある芸術的ななんか写真で。
この写真を構えている立ち姿がなんかね、かっこいいですよね。
一瞬男性見えた。俺ってか男性だと思ったんですけど、女性なんだっていう。
だからすごいかっこいいですよね。
線の華奢な感じで、わかったから、なるほどと思っておりますね。
じゃあ具体的に作品紹介入っていきたいと思います。ではまずですね、あらすじを引用させていただきます。
1930年代、那須に迎合する不幸の漁師に反発し、同棲の恋人とともに中金島を旅したスイス人作家がいた。
同じように世界に居場所を失い、中金島に流れ着いた人々がいた。
旅先で出会った人々を繊細な筆記で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集となっておりますが、
この魂の吹き溜まりのような短編集っていうのがまさにこの短編をうまく言い荒らしていて、
この帯を書いたおそらく書士官官房さんの担当者の方かな。やっぱりセンスあるなっていう。
実際にですね、さっきも話したんですけど、作品としては数ページから長くても30ページほどの作品が多い短編集となっています。
舞台設定は1920年から30年代、第一次世界大戦の前ですね。第一次世界大戦の傷跡が残る、そんな時代ですね。
作品としては、著者自身を投影した人物が主役というかその視点が多くて、実際の旅で見たものが描かれている。
そればかりじゃないんですけど、いわゆるオートフィクションに入る形式のものが多いかなという短編集です。
そうですよね。やっぱりこの著者がオリエントを旅していた時の、そこがもうかなり色濃く反映されている旅を文学に昇華させたような、そういう内容になっているかなと思います。
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あと一つですね、ちょっとこの本読み終わって、アンネマリーさんが写真家としても近年評価されてきているというのが書かれていてですね、
この本書の中にもアンネマリーさんの写真があったら、さらに良かったなとは思いましたね。
もし中近都を旅していた時の写真とかがあれば、もっと雰囲気が伝わってきたなと、そこがちょっと一つ思ったところでしたね。
確かに。役者解説ですね、なんかその登場人物は何人かモデルがいて、写真も残っているみたいなこと書いてあったから、ちょっと見たかったよね。
ここからですね、ちょっと作品の全体的な魅力をお伝えして、その後ですね、ちょっと短編集の中から具体的に作品を紹介していきたいと思うんですけど、
まず全体的な魅力として思ったのは、一つ目がルポルタージュとしての良さがあるという点ですね。
これは先ほどからの話で、このアンネマリーさん自身がジャーナリストでもあるので、作品自体はフィクションではあるんですけども、
結構ですね、作中に描かれているこの中金島オリエントを旅してきた、そこで見てきたものですね、そこにかなりリアリティがあるなというのを感じました。
序盤に収録されている移民という作品があるんですけども、そこの中では列車の中なんですけども、
でかすぎの少年と出会って、少年から事情を聞いて、なんとか救いたいと思いつつ、その少年が連れ戻されてしまうというですね、結構悲しい話があったんですけども、
ああいったのもですね、おそらく現実にそういった少年がいたと思われるというですね、この辺りは本当にこういうことがあったのかと思うようなね、
ことをハッとさせられるような登場人物であったり、出来事というのがあったりしますので、そこは非常にこの読んでいく中の魅力だなと思いましたね。
そうだよね、これ実際本当に見たんだろうなみたいなリアリティがあるよね、この移民。他もそうなんだけど、だからこそちょっとこう胸に残るという感じの作品が本当に多いなと、
思いますね。描写とかもね、きっと移民なんか本当、その子供の少年がね、最後電車の中がいなくなっちゃうんだけど、ああそれも実際あったことなんだろうなって、ちょっと思ったりして、
すごくリアリティのある作品が多いなと思いました。で、あとなんかそれに寄せてだと思うんだけど、割と淡々と書いてる感じはあった。もちろんその移民の時はその車掌さんかな、向こう側の人と
話す時は結構そのなんだろう、そこの会話は割とウェットなんだけど、まあ実際字の文は結構ドライというか、すごい淡々としてて、割と結構過酷な環境というか、過酷な状況かを描いていて、もうなんか受け入れるしかないのかなみたいな空気感を
あのこの文章からは感じるんですよね。なんだろうな、まあジャーナリストでもあったっていうことなので、やっぱりそういうのを伝えたいっていう思いがあったのか、
もしくはもう割とありのまま、しかも結構冷酷に描くので、もうそうすることでなんだろう、自分に対してこのどうにもできないことっていうのを何か受け入れさせようと自分でしたのかなとかちょっと思ったりもするし、もしくはもうこの現実にあがらうために、
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あらがうために描いていたのかなとか、ちょっと思ったりもしましたね。ここはなんかちょっともう想像するしかない域なんですよ。
そうですよね、確かにその読んでいると結構この主人公というか、アンネ・マリーさんを投影したかのような人物は、なんかあんまりその感情に流されないというかですね、まあもちろん喜怒哀楽はね、その出来事に対して持つんですけども、でもまあ確かにね、まあ淡々とね、それを捉えているっていう印象はね、なんかあったので、まあそういう描き方をしているっていうのはね、確かに。
わかんないけど、人によっては非常に突き放されたような印象を受けるかもしれないなとは思いましたね。優しくないっていうか。
でもそんなことはないと思うんですけどね。
うん、そうなんですよ。なんですけど、たぶん人によってはちょっとそれを感じるかもしれないっていう。
でもね、ちゃんとあれです。移民という作品も読んでいくとですね、この少年とこのアンネ・マリーさんとのやり取りとか、なんかその電車の中でやろうとしたその行動を起こすというかですね、なんかそこちゃんとあってですね、やっぱり見て見ぬふりはしないというか、すごい持っている正義感と言っていいのかなと思うんですけども、そこはちゃんと貫いてますしね。
そうなんです。なんかその辺のウェットさみたいなのもあるんだけど、字の文がね、結構ドライなんだよね。そこが結構、その大変が結構、個人的に好きなんだけど、うまく言えないけど、読む人によっては結構そこのギャップにやられる気はするな。
なんか読みにくさを感じるかもしれない。作者イコール視点、だけど文体が結構ドライっていうのは結構ね、独特だと思うし、結構あると思うんだけど、それなりにあると思うんだけど、うまく言えないんだけど、ちょっとやっぱ独特の冷酷さのようなものは感じましたね。冷酷さって言ってるかなんて言ってるかわかんないけど。
そうですよね。なんでもないにその文体もイメージ通りというか、すごい見た目もそうだし、生き方もそうなんですけども、もう本当にすごい自分を貫いているというかですね、すごいかっこいいだなと思うんですけども、なんかその人を表すようなね、なんかちょっと文体もちょっとシュッとしているような感じで、それがいいのかなと思うんですけどもね。
次ですね。魅力として2つ目が、居場所がない登場人物たちの悲しさという点ですね。これがですね、あらすじでも大地さんから話したように、故郷を離れてオリエントに来た人々というのが描かれていて、それぞれに事情があってドラマがあるんですね。そういう人物がたくさん出てくるんですけども。
で、そこに対してこの帯に山崎まどかさんがちょっとコメントを寄せていてですね、ここがすごく言い表しているなと思ってちょっと読み上げると、「シュバルツェンバッハは冷徹な観察者の眼差しと簡潔な文体で、オリエントの国々をさまよう異邦人の高齢とした自由、追放者の勲章としての孤独、そして過酷な運命を雄美に描いてみせる。」書かれていてですね。
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まさにこの作品を読んでいると、自由もあるし、勲章もあるし、孤独もあるしというですね、過酷でもあるしという、それがすごく本当にその通りだなと思ってですね。でもこういう人物たちが出てくるというところがやっぱりちょっと悲しい部分があるんですけど、良さかなと思いましたね。
そうですね。この追放者の勲章としての孤独っていうのが一番自分は言い入れてみようかなと思ったところで、本当ね、あの故郷にいられなくなってしまった、いたくなくなってしまった、まあいろいろあると思うんですけど、それでこのオリエントの方に来て生活やら仕事をしているっていう、もしくは一時的な避難みたいな人たちがいるんですけど、
誰もが何なんだろうな、孤独と追いやられてしまった、もしくはもう出てくるしかなかった、そこにはもうどうしてもいたくなかったみたいな気持ちとかを抱いている主人公、登場人物結構多くて、もちろんオリエントに来たからって言ってなんか自分を受け入れてもらえるわけでもないし、だから結局彼らにとっては地獄で受け入れられてもらえなかったことの延長になってしまってるかもしれないんだけど、
なんかでもやっぱりわかんないけどね、想像だけど、外国に行くと受け入れてもらえなくても、なんだろう、いることができるっていうか、なんだろうね、すごくうまく言えない感覚なんだけど、そういうのが結構自分は描かれてる感じがして、そこの彼らの持つ孤独さみたいなのが惹かれてしまいました。
わかります。本当に居場所がない人が行き着く場所としてのオリエントというか、あとやっぱり時代もあったと思うんですよね、本当に戦時中のすごいナショナリズムが相当強い中で、ヨーロッパ全体的に、ここで描かれている人も基本確かヨーロッパ方面から来ている人が多かったので、人によってはね、本当にそこにはいられないって思う人ってやっぱりその当時でもいたんだろうなと。
そういう人が行き着く先としてのオリエントだったのかなというのがね、すごい感じましたね。
さっきもあらすじにもあったけど、吹きだまりみたいな表現があったけど、本当その通りだなと思って、逃げ場の一つとしてちょうどよかったんだろうね、土地っていうのは。もちろん行ったら大変な目に遭うっていうのはあるのかもしれないけど、でもこの本を読んでるとそれなりにヨーロッパの人たちがこのオリエントにいるじゃないですか。
ある程度同じ立場のような人もいるみたいな多分感覚もあったのか何なのかちょっとあれだけど、なんかその辺はちょっと感じましたね。
で、あと私が今回感じた魅力ではないんですけど、特徴かなみたいなもので言うと、これ短編集なんですけど、一個一個が独立してる話ではなくて結構つながっていて、それはもちろんアンネマリーさんの視点で書かれてるっていうのがあるかもしれないですけど、
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なんか話がですね、つながっていってまたちょっと全体像が見えてくるみたいなつながりもあります。結構前の続きの話だなって思うものとか、あとはその軸というかその時間の他の登場人物が結構主軸になって描かれたものなんかがあったりして、結構この多面的に物語とか状況とかを見せていく作品だなと思っていて、
個人的には好きなタイプの小説なんですけど、でも途中で全く違う話とかが挟み込まれたり、これは全くつながらない話だよな、本当独立しただけの話だよなみたいなのが入ってきたりするんで、たまにある形式なんですけど、こういう形式読み慣れてない人にはちょっと読みにくいかもしれないな。
あれ、これあの話つながってんの?あ、いや全然独立した話だったみたいな。あ、でもあの話に出てきたことをちょっと広げた話かなみたいなとかいろいろあるんで、その辺はちょっと統一性はないと言えばないので、そこが気になっちゃう人はちょっと読みにくさを感じるかもしれないなとちょっと思いましたね。
確かに話を把握していないとちょっと入っていけない部分はありましたね。把握できてるとすごく面白さあるんですけども、あと作品の中で登場人物の名前とかが突然パッて出てきて、これが誰だってなるんですけど、でもこれもやっぱり複数の物語を読んでいくと結構だんだんわかってくる人物もいたりするんで、ちょっと注意深く読んでいって、
この作品の中全体像みたいなものがちょっと見えてきたときすごいね、やっぱりこの世界観というか、なんかそれを感じれていいなと思いましたね。
確かに。ちょっとストーリーのところで話そうかなと思ったけど、最初結構読みにくさのような感じで、途中からなんかスッと入ってくるようになった感が自分はありましたね。その後もちょっと登場人物のことであれこれ誰だっけみたいなのがひっかかりはちょっとあったんだけど、これ前出てきたのこの人、え、なんだったっけみたいな人は結構いましたね。というところですが、ストーリーいきますか。
はい、ではですね、ここでストーリー紹介をしていきたいと思います。僕と大地さんがそれぞれ印象的だったと思ったですね、作品をちょっと一つずつ紹介していきたいと思います。まず僕からで、ベニ・ザイナブという作品ですね。これについてですね、ストーリー紹介をしてちょっと印象的な話とかね、まずはしていきたいなと思います。
ではまずベニ・ザイナブのストーリーなんですけども、主人公とクロードというですね、同伴者ですね、一緒に旅をしている。その2人でパルミラという地域に行きまして、ベドウィン人というですね、この民族ですね、タバネ役をしているマダム・デル・ブロスという人を訪ねる、そういう話になっています。
このマダム・デル・ブロスというのがいろんな異名であったり、いろんな何て言うんですか、呼ばれ方をしていてですね、作中でもアラビア語でゼノビアと呼ばれたりとかですね、結構ですね、名前がたくさんある人なんですが、ちょっとここではマダムというので統一したいなと思います。
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このマダムはですね、ホテルのオーナーをしていて、フランス人の夫がキリスト教徒でいるという人で、主人公とクロードがホテルに着くとですね、マダムはですね、結構歓迎をしてくれてですね、そこから仲良く話をしていくことになるんですけども、ただですね、主人公たちはですね、このマダムの危ない過去というのを知っていてですね、それが今はですね、親家が15人くらいいてですね、すごく栄えている人というかですね、成功しているような人なんですが、
昔はですね、使用人であったベドウィン人の男性と結婚した過去があって、その旦那さんが毒で亡くなって、このマダムがですね、容疑をかけられていたとかですね、そういうのがあったりするんですけども、ただですね、これに関してはマダムのいる家柄というんですかね、そういういい家柄の人がその身分を狙われるというところがあってですね、
で、毒で亡くなった旦那さんというのも悪党だったから、自分を狙う悪党だったから殺してたんじゃないかとかですね、なんかそういうね、推察もされたりするような、まあそういうですね、ちょっと過去もあって、でもう一つですね、他にもちょっと逸話があって、このマダムがそこで容疑をかけられた後、監獄を出てからオスマン帝国のハーレムに連れて行かれるんですけども、そこでヌーディズムを広めたというですね、そんなこともしていてですね、で、それはやっぱり地域柄というか宗教柄とかあると思うんですけども、
そういうヌーディズムはもうダメだと、それはもう犯罪行為だというので、危険行動ということで、ハーレムからも追放されてというですね、で、ここでその元旦那さんが毒で亡くなったとか、ちょっとハーレムでヌーディズムを広めてしまったとかですね、
この辺りはマダムが抱えている面倒事の例えばの2つぐらいで、他にもいっぱい面倒事を抱えているみたいで、で、このマダムというのはそういうのでパスポートが発行されなくても平気で国境を越えたりとかですね、この政府、当局ですね、ホテルをやってるんで苦情をですね、100件ぐらい出して困らせたりとかですね、めちゃめちゃやってると。
ただすごく楽しい人物でもあるというので、この主人公と同伴者がマダムと会うのをすごく楽しみにしていて、そこで食事を楽しくしていたんですけども、そこで突然ですね、ちょっとマダムに伝言が伝えられて、マダムが親しくしているこのベドウィンの民族の、ベドウィンの中にもいくつかの民族というか族長みたいな人がいてですね、
で、そのマダムの仲のいい族長がちょっと他の族長を殺してしまって、で、ちょっと民族間で争いが起きようとしているから、ちょっと仲裁してほしいというですね、そういう依頼が入って、でですね、マダムが政治に介入するとですね、非常にややこしくなるからですね、もうちょっとそういう仲裁入るのやめた方がいいと、主人公たちはね、言うんですけども、ただマダムはですね、これはもう政治じゃなくて、友人として意見しに行くだけだと言ってね、もう主人公たちの言うことを聞かずに。
で、最終的にですね、マダムの周りの友人とかがですね、このマダムと付き合っていくのはね、大変だと言ってね、そういうふうにして話は終わっていくんですけども、この話はやっぱりこのね、マダム・デルブロスというホテルのオーナー、女性の人のね、すごいこのキャラクターがいいという、だからそんな作品ですね。
24:19
マダムのね、この人柄っていうのを描いている。で、おそらく、まあこれが原因かわかんないけど、何かのタイミングで亡くなっちゃった人なんだろうね。自分の処分のせいでね、きっとね、というのがちょっと描かれますね。
おとがきにも書いてあったら、男まさりな人物で、主人公のアンネ・マリーさんも、結構このマダムに憧れを持っていたんじゃないかというですね。
うん。いや、間違いないだろうね、それはね。
本当にね、なんかもう頼りがいのあるリーダーっていうね、感じの人物で。あれはね、めちゃめちゃもうね、なんか世の中のルール全部無視してね、なんかやっちゃおうとかですね。そういうタイプ、そうなんですけども。
あの、めちゃめちゃ矛盾した言葉で表現してるのがどこだっけな。あ、孔明氏のところだった。本当だ、ラストなんだけど。私がこれまでに出会った最も立派な人間の一人です。しかし文別はありません。
すげえ矛盾した言葉が出てきたなって思ったし。まあでも確かにそういう人いるよね、きっとね。で、憧れちゃって、まあその、なんだろう、憧れを持ってるというか、こういう人間がいいよねって思ってるのは文章から伝わるんだけど、このままじゃこの人死んじゃうよねっていうのもなんか感じて、ちょっとね、それを滲ませる、本当に短いながらすごい良い小説だなと思いました。
マダムぐらいの立場の人だったら、やっぱりその文別がないと、本当は生きていけないと思うんですよ。やっぱりこの、なんか政治に関わることってもう政府に目をつけられたら、なんか終わってしまうと思うんですけど、マダムはね、まあそんな政府に目をつけられるかどうかとか全然気にせずに、自分のね、思ったままを行くっていう、自分が正しいと思えばやるっていう、なんかね、そういう生き様の人ですからね。
個人的には、ヴェニーザナイブか、始まりがめっちゃ好きで、あの夜の帳が降りた後っていう文章から始まる、オートフィクションっぽい感じもあるし、なんか実際にこれあったことなんだろうなみたいな、なんかあの、この道が正しいかどうか分かんないまま車を走らせてるんですよね、ずっと。で、この時の会話とかすごい良くて、この方角で正しいと思うかい、私は肩をすくめた、だろうと思ったよってクロードは言ったみたいな。私たちは何も言わず、もうしばらく車を走らせた。
そのうち左前方に明かりがいくつかも見えてきた。私たちは鉄からそれを逸れて、あ、鉄で道ですね。私は鉄から逸れて、そっちへ向かったみたいな感じとか、あの行き当たりばったり感がすごい良くて。
良くて。
あとなんか不安感とかもね、感じます。見知らぬ土地で、そのドライバーが多分ね、言葉も通じない可能性があるんですけど、この道で本当にやってるんだろうかっていう。
こういうところから始まるのもこの小説結構好きなとこですね。
今回の雨に打たれての中でも結構面白い。マダムっていう良いキャラが出てくるんで、楽しんで読める作品かなと思いますね。僕は結構好きな短編でしたね。
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ちょっとこれをあげるのは意外でした。他いくかなと思ったけど。
今回は私が選んだ短編はですね、耐えに耐えという短編でして、これあのちょうどこの短編集の真ん中に入ってますね。
で、ここで前の7編か。7編とは舞台が変わって、ペルシアを中心とした話が続くとこの一番最初になってます。
その前が割と前半はですね、パレスティナとかシリアを舞台にした話が多かったんですけど、後半はペルシア、今のイランか、当時ペルシアですね。
舞台にした作品が多い流れになってます。の一作目なんですが、個人的にはちょっとここに入った時に結構急に読みやすくなったような印象が実はあって、
だからちょっとこの小説に慣れてきたんだなっていうのはちょっとちょうど勘したとこだったんで、多分それでも印象に残ってるのと、
あとこれ今あらすじを書き出してみたんですけど、なんか俺が読んだ時の印象をうまく伝えられる自信がないあらすじになっていて、
なんかすごくいい作品だなと思ったんだけど、あらすじだけ書き出してみるとなんかそうでもないなって思ったりするやつなんですけど、
まあちょっとその辺のことも踏まえてですね、ちょっとお話ししたいと思います。
この短編の主人公はイタリアから来たドクター・リエティという人物です。家畜の研究をしてるっぽい感じですね。
実験動物たちを連れてペルシアに向かうリエティだったんですが、道中ですね、自分が連れてる家畜がですね、病気だったり病気をうつされてしまったりとかなんだりで、
どんどん数が減っていくんですね。目的地のテヘラン、イランの人ですね。
テヘランに着くがそこでもですね、動物と不遇な目にあって自分の仕事がうまくいかなくなっていく、そんな状況にあります。
そんなおりですね、そのテヘランのバーでイタリア人の歌姫と出会います。
その歌姫はですね、ちょっと騙されちゃってこのテヘランまで連れてこられた様子なんですけれども、
このリエティはですね、まあそのことに同情もしなければ何かしてやろうみたいな気持ちも全くない。
で、その歌姫と会ってる時に自分の今の感情っていうのをトロします。
イタリアに戻りたくはないみたいな話とか、そんなあたりの話をしますね。
やがてですね、そのテヘランで動物の仕事、家畜の仕事が始まりますね。
実験農場に動物を移してそこで仕事を始めます。
現地で女子を雇います。
その人と二人で農場で過ごしたりするんですが、リエティはイタリア政府に新しい家畜を要望するがその望みは取らない。
そんな時ですね、この女子と二人でお酒を飲み、彼らはいろんな話をします。
ちょっとこの打ち解けるような瞬間がありますね。
その中でリエティはこの自分の置かれている状況、もう我慢はしないぞみたいな話とかもしたりしますね。
戦争が起きます。
リエティは気づけば捕虜のような立場になっていたのか、この大使館とですね、ちょっと折り合いが悪くなってきて、
表向きはこの多分テヘランで仕事をするようなことになってるんですけど、
30:03
もう何年ここにいればいいかわからなくなるような、しかもその仕事のための援助なんかがあるわけでもない状態で、
ここに居続けなきゃいけないというような状況に追い込まれていきます。
っていうのは対に対での多分大枠の話なんですけれども、
個人的にはおそらくこのリエティのどこにも行けなくなってしまう感じとか、
あとこのバーで会ったイタリア人の歌姫の望んでもないのに、
もう自分が置かれた立場で行けなくてはいけないみたいなところに多分惹かれたんじゃないかなって思うんですけど、
結構あらすじとかをやると、
多分これさっきも自分が使ってた表現でおそらく感じてることがウェットじゃないんですよね。
なんかすごくドライで感情が見えにくくて行ったりトロしたりしてるんだけど、
でも結局耐えなくてはいけないって、タイトル通り対に対になってて、
本当に耐えなくてはいけないような状況に追い込まれていくので、
そういうのが描かれてるから多分惹かれてはいたんだなと思うんですけど、
ちょっとあらすじからでは伝わりにくいかなとちょっと思いました。
この作品もリエーティというキャラクターがキャラクターの物語になってるんですけど、
耐えに耐えのタイトルがリエーティってどっちかというと流されるタイプの人で、
この作品でも自分は今まで逃げてきたっていうのを言っていて、
いろんな過去があるんですけど、やっぱり逃げてきて今ここに行き着いたと。
さらに歌姫、歌姫っていうのがそんな若くないんですよね。
ちょっと歳いっていて、向こうから誘われて、リエーティが気づいたらその誘いに乗ってしまっていてっていう。
そうなんですね。なんでこうやって。
なんか耐えに耐えっていうのはあれなのかなと。
リエーティが流されていくから耐えないといけない状況になっていってるっていうですね。
ちょっと皮肉というか、そういうところも含まれてる作品だなとは結構感じましたね。
なんかね、自分が正直になれるのはこの助手の場合とかだけっていうのもなんかね、彼の状況をちょっとうまく表現してる感じもあるしね。
なんとなくやっぱりこういう人が多かったのかなと思うね。
自分の国から逃げるようにしてきて、逃げたけれども、この状況で何だろうな、耐えなくてはいけないみたいなことはあるのかなとはちょっと思いましたね。
ちょっと最後の終わりの方で、助手との会話でイタリアに戻りたいですかって聞かれるんですけど、リエーティがここからおさらばできるならどこでもいいさって言って。
リエーティ、でもそれはね、そういったものの内心ではね、イタリアに戻ってじゃあどうなるかって考えたらですね、結構戻ったら戻ったら辛いというか。
で、次のページではリエーティが全く逆のこと言ってて、御恩にいれば御恩に従いというので、一旦引き受けた仕事を投げ出すことはできないと。
今は旅立つわけにはいかないというですね。なんかそのイタリアに戻らなくて大丈夫って聞かれるんですけど、いや自分はここで役目を果たすまでいますっていうですね。
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心変わりというかね、いろんな格闘があってやっぱ耐える方向に流れていくというか、そこにちょっとリエーティの切なさみたいなものは感じましたけど。
すごく強い人間ではないので、そこに共感もするし。で、リエーティの父がイタリアにいて多分イタリアのために戦うことを望んでいるんだろうけど、それには従わないみたいな、そういうところとかね、いいなと思いましたけどね。
絶えに絶え読むとリエーティってやっぱちょっと弱い人間かなとは印象としては思ったんですけども、その後3日連続のテツヤッシュという作品でもリエーティが出てくるんですけど、
ちょっとそこで若干リエーティの絵の印象変わったところがあってですね。その後で出てくる作品では結構登場人物たちで、ちょっとその世の中の情勢の話をしたりするんですけど、
リエーティやっぱり頭がいいと思うんですけども、周りに比べてやっぱりよくそういった世の中のことを考えている、もしくは考えすぎかもしれないと。
一方で周りは考えなさすぎているのかもしれないと。ただ嫌だから逃げる。でもリエーティはちゃんとそこに政治的理由があるから逃げるとかですね。
それを言い訳と捉えるかどう捉えるかっていうのはそれぞれかもしれないんですけど。
なのでちょっと思ったのは、このオリエントに出てくる人たちを比べた時にリエーティがちょっと最初は弱い人間なのかなって思ったりはしたんですけど、
いやむしろリエーティが正常なのかもしれないとかですね。周りがちょっとヤバいだけじゃないかとかですね。
いろんなことがちょっと後の作品を読んでリエーティって本当はどうなんだろうとちょっとは思いましたね。
三日連続徹夜酒のところで結構印象的だったのは、これはその酒場にいた若者が言う言葉で、
ところで誰にも責任はない。そういう世の中のさ、誰にも責任を取らせられないんだから仕方ない。
なんかもうそういう諦めみたいなムードがすごいあるんだろうなーみたいな、そういう世界だったんだなーっていうのはちょっと感じるですね。
次ですねテーマトークに移りたいと思います。
テーマなんですけども、国境に居心地の悪さを感じた時、アンネ・マリーのように旅に出れるかというですね、
ことについてですね話をできたらと思うんですけども、今回のアンネ・マリーさんってやっぱりスイスにいて、
時代背景とか自身がレズビアンだったというのもあると思うんですけども、
両親に反発、両親もナチスに言語をする富豪の両親ということで、ちょっとそこに反発して出て行ったという人ではあるんですけど、
まずはね、そういう国境に居心地の悪さとか反発するものがあった時に、やっぱり人って旅に国境を離れるんだろうかという、
なんかね、ちょっとその辺りはどうなんだろうと思いましたね。
今回難しいなと思ったけど、そもそもこの小説でどうテーマ投稿を設定するんだというのはすごい難しいなと思ったけど、
まず日本じゃまず感じないじゃん。どうなんだろうな。戦時中だとしてもさ、
36:02
オイソレと島国だから、他の国に渡るって難しい気はする。
そうですよね。
戦時中だから別に日本どこでも同じような状況だからさ、自分の生まれ故郷から少し移動したとしてもさ、あんまり変わらない感じはするからさ、
なんかこの雨に打たれて描かれてるように、なんかほんと違う地域の国に行くっていうことはあんまりできないなってちょっと思っていて、
まあ現代だったらね、できるじゃできるんだろうけどね。
だからその、わかんないけど、すげえイメージだけど、インドに旅に出るみたいな。
そういうのなのかなみたいな、ちょっと思っちゃうけど。
そうね、現代だとどうなんだろう。タイとか東南アジア。
どうなんだろうね。どこまで行ったら切り離されるものなんだろうね。
そうですよね。
わかんないけど、でもこれくらいのレベル感が全然違うかもしれないけど、北海道どこに行ったらだいぶ切り離される感じもするしね。
生活をちょっと1年2年北海道でやるとかね。
どうですかね。もしかするとね、この同じ国の人っていうところがもうすでにダメなのかもしれないですね。
確かにね。日本に行って日本語で話していて、しかも携帯で絶対捕まっちゃうし、
ちょっとほんと違うところに行かないと。
そうですよね。日本だとやっぱり言語の問題とかいろいろ。
この国にいる居心地の悪さみたいのは解消されないかもしれないよね。
そうですよね。とんでもなく高い壁っていうのは感じてしまうんですよね。
海外文学読んでて思うけど、やっぱりこの事実的な世界、国同士が、その感覚がやっぱりどうしても他の国で1年2年生活しないと持てない感覚なんだろうなってちょっと。
だから列車乗ってればさ、どういう交通網が開かれてるかわかんないけど、他の国に行けちゃうわけじゃないですか。
飛行機乗らなくても。それがわかんないんだよな、多分俺には。
これはね、確かに。旅に出たいっていう願望を持ちつつ、居心地が悪くても耐えようとする自分がいるような気はするんですよね。
どっちの居心地の悪さを選ぶんだみたいな感じだと思うな。
よく知っている人たちの中で居心地の悪さを感じるのか、あまり知らない人たちの中で居心地の悪さを感じるのかって。
その時にこのショーズに出てくる人たちは、よく知らない人の中での居心地の悪さを選んでいるような感じはする。
この列車に乗ればいけてしまうみたいなところで。
そうして故郷を離れて違うところに来た人でも、アンネ・マリーさんと作中に出てくる人物ですね。
リエティっていう人とか、あとカトリーンっていう女性もいたりするんですよ。
ちょっと違いがあると思うんですよ。
若干リエティとかは現実逃避というか、そこが流されるようにして故郷を離れてオリエントに行き着いたというのを感じるんですが、
39:03
アンネ・マリーさんはどうなのか、流されるというよりかは、完全に自分の意思で地に足ついて旅している感じがしてですね。
そういったところでも、故郷を離れて、その先で辿り着いたところでどう生きていくかというところもですね、
人によってだいぶスタンスが変わってくるんだろうなという感じがします。
親というかなんだろうな、親を含めた自国のスタンスに、自分の国の情勢が、流れが自分の中の疑問点、自分の中の納得感がない状況っていうのが多分あるんだろうね。
今もさわかんないけど、国がやってることにさ、いやちょっとそれはねえよみたいなこと思うことあると思うんだけど、
それの紛失の仕方が多分こういう感じじゃないんだよね、この時代の。
なんかね、SNSとかで投稿して、ちょっと言って吐き出して終わりみたいな感じなんだろうな。だから、うーん、何ともわからない。
もうちょっとね、感覚なんですが、やっぱアネマリーさん、ジャーナリストっていうところもあって、
なんか逃げるように旅をするというよりかは、なんかその、ちょっと突き止めに行くみたいな感覚なのかなとちょっと思ってですね。
まあそこが嫌な場所であろうが、良い場所であろうが、なんかただそこに身を置きに行くというよりかは、
そこがどういう場所なのかっていうのをなんか突き止めに行こうとしているという。
なんかその、ふと思ったのが、なんかその逃れようとしているというよりかは、確かめに行こうとしているかのようなんですね。
まあこの作品読むと、なんかそれを感じましたね。
なるほど、確かめにね。どうだろう。
多分自分の国ではなんかいられないっていう感覚はすごく強かった。
うん、で、だからなんだろうな、まあ放浪するしかなかったっていうのはあるのかもしれないけど、確かめに行くか。
なんかちょっと世の中を突き止めに行くみたいな。
うーん、なるほど。でも確かにそれで言うと、現代はあんまりそういうのないもんな、なんかな。
うんうんうん。
まあでも確かに行ってみないとわからないことも多いから。
ちょっと思ったんですけど、もちろんね、自分ごとで考えたら、どこに身を置くかっていうのは、選べたらそれが一番だとは思いますし、
なんか居心地の悪いところにずっといるって、ちょっと不幸なことかなとは思いますし、
まあかといってね、なんか場所を変えるってすごいそれも大変なことではあるんですけども、
なんかアンデン・マリーさんがしてるのって、ただ場所を変えるとかだけじゃなくて、
なんかその場所がどういう場所なのかっていうのはすごいね、なんかそのジャーナリスト視点でしっかり見定めようとしているような、
なんかそこの場所と見ることで、なんか世の中をどう捉えるかっていうのをですね、なんか自分に課しているような気もしてですね。
うんうんうんうんうんうん。
なんかそのくらいのアンデン・マリーさんでは、なんかちょっと意思の強さというか、
なんかそういうのが持てたときは、なんか外に出ていくっていう選択肢はありなんだろうなって、なんかすごい思いましたね。
まあでもあれだな、たぶん、まあ日本人の感覚が強いからかもしれないけど、やっぱ自分は居心地の悪さを感じても、
42:03
たぶん耐えちゃうな、ここで。って思っちゃったな、ちょっとグルグル話しながら。
そうなんだよ、もしかしたらそうやって旅に出るかどうかって、またちょっと違った目的が芽生えたときに、やっぱ行動に移すかもしれないですね。
そうですね。
じゃあ最後、どんな人に読んでもらいたいか、感想を交えて終わりたいと思います。
で、私なんですけど、今回ですね、ちょっと収録しながら思ったんですが、なんかすごく話しにくかったなと思っていて、
この話しにくさの原因がたぶん、この小説を今まだ自分はどう評価していいか見定めてないだろうなと思いました。
でも、あ、で、たまに読んでるとあるんですよ、これ自分の中でどう受け取っていいんだろうみたいな、
それはなんかもっとなんか大きく感じることもできるのかなっていう可能性があるなと思っていて、
今自分がこういう本だよねって評価を下しちゃうとそこまでになっちゃうので、
なんかもうちょっとこう自分の中で醸成させないと見えてこないものがあるのかなってちょっと思った一冊です。
だから結構今日、今回すごい言葉を選びながら話していたなと思います。
とはいえですね、それぐらいですね、なんか非常にいい本だなと思うので、
ちょっと今回の紹介聞いて少しでも気になった人はですね、
立読みでまず読んでみたりしてもいいんじゃないかなと思います。
なかなかちょっと100冊以上、今まで紹介してきましたけど、
自分の中でどう位置づけていいかわからない本っていうのは初めてもしかして紹介したかもしれないなと思いました。
自分の人生だと何冊か読んでるんですけど。
僕もなかなかちょっとね、消化しづらい本でしたね、これは。
このアンネマリさんはアウトローな人だと思いますし、
その分ね、書いてる内容もなかなか容易くね、理解できるものではないのかなと思うんですけども、
どうなんですかね、結構小説であり、ルポルタージュでありというような作品だと思うんですけども、
もっと自分がこの時代背景であったりとか、文化的背景であったりとか、
そういったのをこの先知っていくと、この小説を新たに消化していけるかもしれないなと思いましたし、
人によってはすごく読んでいて惹かれるものがあるなとは感じています。
やっぱり当時の空気感とかね、知ることができたので、
ルポルタージュとか好きな人にもおすすめな作品だと思っています。
面白い作品だったんですけど、説明しにくいかもしれないなとは思いながら終わります。
じゃあ次回予告をいたします。
次回はですね、エドワールド・ハルホンのポーランドの僕となります。お楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマが会員を募集しております。
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お返しとしてはですね、毎週毎週この編集講義というものをお届けしております。
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こちらはテキストです。詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので、そちらをご確認ください。
番組の完成やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
読み返しましたのでございましたら、ハッシュタグソロトピネクトたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
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番組概要欄にお便り本も今載せておりますので、そちらからお便りいただければ、
お便り紹介会の時にもご紹介させていただきますので、
ぜひ感想や紹介された本を読んで思ったことなんかですね、何でもいいので、
本関係ないことでもいいのでお待ちしておりますので積極的にお寄せください。
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ではまた来週。ありがとうございました。
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