しばやん そうだよね、ここね。たぶん実際に受験会場こんな感じなんだろうね。
そうそう。とかね、その本当にこのヤナが高校時代かな、なんかすごい日本の映画とかにハマって財布にミフ・ネトシローの写真入れてたとか。
しばやん なんか妹と二人で黒澤明の映画をフリーズさせて、そのミフ・ネトシローの筋肉を見てるとか。
そうですよね。
しばやん 結構やばいなって思う。やばいよね。
そうですよね。
たぶん実体験なんでしょうね。なんか日本への愛をいろいろ感じる小説なんで、その反対は本当に面白いですね。
じゃあちょっとストーリーラインの話をしていきたいなと思います。これもネタバレはなるべくしないというか、ほぼしない形でいきたいと思っています。
話の通りプラハから最初始まるんですけど、ヤナという女の子はお父さんの影響なんですけど、お父さんが結構いろいろ日本のものを与えてくれてて、
あと文学も好きで、文学というか芸術関係がわりと家の中にあふれてる、いいとこのお嬢様みたいなイメージなのかな。文学なんかだいぶ傾倒してます。
それは日本だけじゃないんですけど、ドフトエフスキーとか読んでたし、日本だけじゃないんですけど、
でも村上春樹のアフターダークっていう小説を読んで、一気に日本文学の虜になります。
で、こういう小説を書きたいっていう自分でも思うようになりましたね。
アフターダークっていうのは結構なかなか、自分の中ではここ来るんだって思ったポイントでもあって、
やっぱ村上春樹の中でもアフターダークを選ぶって結構マニアックっすよね。
そうですよね。それがきっかけっていうのはまたすごいですよね。
もっとさ、ネジ巻き鳥クロニクルとかさ、夢のカフカとか、あのあたりが結構引っかかるのかなと思った。
アフターダークなんだ。アフターダークって渋谷の話でもあるんで、あれ。
それで渋谷かっていうのもちょっといろいろ自分の中で落ちたとこもありますけど。
だから多分アンナさん自身もアフターダークにだいぶ最初はまったんじゃないかなと思いますね。
で、彼女はアニメ、漫画にはまったりとかして、最初日本語の勉強をしていきます。
で、日本学を専攻したいので、ブラハの大学に、さっき話したとおり、とんでもない受験会場をくぐり抜け、入学していきます。
大学2年生の時に図書館で川下清丸という大正昭和の作家を知れます。
で、この作家の分裂という作品を読むんですけど、
これがですね、ある殺人事件を追っている男を描いた小説なんですけど、
その男がその殺人事件に、なんていうか、はまってしまうあまり、
その殺人事件が起きた四国に魂が離れて、囚われてしまうっていう話なんですね。
で、なぜかヤナはそのことに対してものすごく惹きつけられます。
川下清丸っていう作家を調べていくんですけど、全然情報が出てこない。
なんとかですね、川下の他の短編、恋人というものを入手して、
これを苦労しながら、なかなかやっぱり日本文学専攻者としても
訳すのが難しかったりするんで、結構な思いをしながら訳していきますね。
この最初にこのヤナが、この分裂っていう作品で魂が離れていく作家を描いた物語に
惹きつけられている時にはまだ明かされていないんですけど、
もちろんこれはもともと渋谷に自分の魂があるっていうのが影響しているんだと思います。
川下清丸を調べていっているヤナは、日本文学にめちゃくちゃ詳しい男が大学にいるんですよ。
そいつがクリーマーって男なんですけど、ヴィクトル・クリーマーっていう陰性がいるんですよ。
で、そいつは結構クレイジーなやつで、なんかクレイジーっていうかなんていうのかな。
分かりやすいっちゃ分かりやすいんだけど、ちょっと変わったやつで、
ある日本文学者がこの大学に来て講演を行った時に、その時鉛筆落としたりとかして、
落ち着かない態度で、なんかこれちゃんと聞いてるのかよみたいな感じだったんだけど、
最後の質問がめちゃくちゃ的確だったりとかして、一緒にケイジとヤナは、
この人ちょっと話そうと思って話しに行くんだけど、結構態度が悪くて、
お前の専門なんだよみたいな感じで聞かれて、ヤナが日本のミステリー小説って言ったら、
その段階ですぐ見下してきて、クリーマーが。それだけで。
クリーマーは結構文学研究してる俺の方が偉いんじゃない?
見下してるところありますよね。
尊いというか、なんて言うのかな。
いわゆるチェコでさっき受験解除のあふれてた、
ナルトとかイヌヤシとかのコスプレとかするような連中とか、
そういうものにハマってる連中を見下してて、
もうこういう俺みたいに近代文学を研究してる奴の方が偉いんだぜみたいな空気をすごい出してくるやつで、
結構ヤナやつだなっていう感じがするんですけど、
でもめちゃめちゃ色々詳しいし頭もいいので、
ヤナはいろいろ川下清丸に関しても行き詰まってしまったので頼ろうとするんですよ。
で、クリーマーにメールを打つんだけどメールが返ってこない。
で、自分でこの川下清丸の恋人という話を訳してくんだけど、
まあそれでもなかなかこの川下清丸の、
まあ訳すことはできるんだけど、その情報が少なすぎて、
もう研究が進まなくなっちゃうんですよね。
どうやってこの人にアプローチしたらいいんだろうみたいになってくるんだけど、
結局このクリーマーと偶然会った時に、
ヤナがそういう近代文学を訳してるってのを知って、
クリーマーが急にヤナに興味を持ち出すっていう。
なんか厳禁って言い方はあれだけど、あれこいつちゃんとしてんじゃんみたいな。
で、ヤナもそれにちょっと乗り出して、
なんかこのクリーマーにちょっとこう認められたいっていうわけで、
まあそういう書かれ方はしたいんですけど、
でも私はそういう風に読み取ったんですけど、
そんな感じになってて、
二人の関係が最初出会いはなんだよみたいな感じだったんだけど、
徐々にこう仲良くなっていくっていう。
ちょっとラブコメあるあるなんですけど、
そんな感じでですね、ちょっと二人の関係が発展していくんですよね。
も分からないと でやっと警官の言ってることが
聞き取れたと思ったらだからもう 全然関係ないもうほんとねだから
もうなんかクソみたいな情報っていう のを言ってたりとかであと渋谷
出ようとしたら何度も八甲の前に 戻されてしまうからこの犬マジで
ムカつくとかってそんなになんか 今って言って状況深刻だとは思
うんですけど深刻に感じさせない なんかね面白さっていうのが結構
あったんですよね
RPGがありますなんか出れなくなった ものの町から連れ戻されて話しかけ
た相手も同じことしか答えない
そうそう
RPGだなと思って
ヤナがバンドマンの中田井っていう 人を追いかけていくんですけども
結構そこで出来事が起きてある日 中田井が練習を地下スタジオという
ところでしていてなかなか人目 にはつきにくい倉庫みたいなスタジオ
ですからねだからそこに入って たときにちょっと閉じ込められて
しまって電源の問題なのか何なのか でちょっとそのたまたま管理している
人たちが休みだったりとかでちょっと 周りに人がいない状況で2日3日
ぐらいその中田井が地下スタジオ に閉じ込められてでヤナが助け
ようとするとでも幽霊なんてできる ことがなかなか限られてしまう
ことでそこでどうなるかっていう ことが途中であったりして結構
これが物語の後々影響を与えて いくところになるんですけども
この時中田井とヤナが呼んでいる 男の彼女というか元彼女が現れるん
ですけどこいつがヤバいんですよ そうですよねなかなか人として
ヤバかったですね どうヤバいかちょっと読んでもら
いたいんであんま詳しく語んないん ですけどとにかくヤバいっす
この状況でそういうことをするか って思うようなね
までもいるこういうやついるって 思った
まあまあまあまあまあそれ考えて くるとだから中田井の自業自得
な部分もあったのかもしれない けども
いやあそうかなどうだろうな いやこの女の子の性質を見抜け
なかった中田井がやっぱガンと 見せてね
まあそうかもしれないですねそうですね そんな感じでヤナは最初は中田井
を追いかけていたんですけど結局 7年くらいかな7年くらいもう渋谷
に閉じ込められていたんですけど ある時渋谷でバッタリクリーマ
に出会うんですよね
これで現実世界のヤナにプラ波 で描かれているヤナの時代に追
いつくって感じですよね
そうですねそのプラ波にいたヤナ とクリーマの2人は川下清丸の
研究調査をしてたんですけどその 途中でクリーマが日本への留学
が決定して俺はちょっと留学に 行ってくるっていうそういう流れ
になってたんですね
でその後渋谷のパートに戻って その幽霊だったヤナが7年くらい
過ごしている間に日本に留学に 来たクリーマとたまたま渋谷で
出会ってなぜかヤナ幽霊で誰も 見えないんですけどクリーマだけは
ヤナの姿が見えていたんですね
でそこでクリーマが川下清丸の 話をして川越に行こうとちょっと
ヤナ渋谷を出るとハチ公前に戻 されてしまうんですけどもそれを
ちょっと回避できる手段っていう のを見つけて渋谷を出て砂板の
川越に行ってでそこに川下清丸 のお墓があるんでそこにお墓に
行って謎大きいサッカーの謎に 迫っていこうっていうねなんかそういう
展開頑張っていると
これ以降はもう結構大きなネタバレ になってくるんでちょっとここ
までにしておきましょうか
そうですね
うん
だからこっから先がねめっちゃ 面白かったんですね
面白いよね
うん
結構私このクリーマほんと最初 ヤナヤツだなみたいなやったら
最終的にこの辺まで来るとなんか すごい感情いいよっていうかめっちゃ
いい奴じゃんって思っちゃったり して
そうそういやほんとねそうもうめっちゃ 高青年に思えたんですよね
完全に耳をすばすば状態になって るわね
笑
いやでもわかるなそういやクリーム はねほんとなんか好きになります
よね
うーん完全にあのアマザー星人 になってますからね笑
笑
それは確かにね
まあちょっとそういうことで
うん
でラストなんですけどこれあのいろん な話がこうぐちゃぐちゃになり
つつこう解き明かされていく部分 も結構あってかなり独語感は私
かなり良かったですね
そうですね結構うんなんかやっぱ ラストもなんか爽やかな
うんうん
終わり方したなって思いました ね
うんまあ人によってもしかしたら ちょっとどう思うかはそれぞれ
なんで
うん
あねこの終わり方どうなのって 思う人もいるとは思うんですけど
まあかなり良い独語感を持って 終えられたんで個人的には安心
してみますよって言っていい作品 じゃないかなと思ってます
うんそうですね
うんではこんなところで今日の お話は終わりにしたいと思っている
ので最後いつも通り感想とどんな 人に読んでもらいたいかお話して
終わりたいと思います
じゃあまず私の方から話題な本 だったんでどんな話なんだろう
と思って読み始めたら構造がマジ で面白かったんでもうすぐに引き
込まれました
で結構ですねこのライトさでこの 読み応えがある感じっていうのは
あんまりないんじゃないかなと思 っていてすごい良い小説だなと思
ってます
日本の小説なのかなって思うぐらい 舞台となっている日本に対して
私はあんまり違和感はほんとなかった ので日本人にとって読みやすい
小説であると思いますしこれ今 すごくいろんな国で訳されてる
らしいんですけどあの外国人 の方が書いた日本語舞台の小説
を日本で読めるっていうのはやっぱり すごく幸せなことなんじゃない
かなと思いました
このラジオですね日本翻訳大賞 のあたりからちょっとマーダーボッド
ダイアリーはちょっと除いて結構 重めの作品の紹介が続いていた
と思うのでちょっとライトな小説 読みたいっていう人にはかなり
お勧めなんじゃないかなと思う のでぜひ手に取っていただきたい
なと思います
多少やっぱり高いんですけど手 に取っていただけたらなと思って
おります
僕は日本文学への思いに溢れている 小説だなと思って読んでいました
中でもプラハでヤナとクリーマ が川下清丸を調べていく過程
っていうのをすごいワクワクしました し日本が渋谷ですね渋谷が舞台
でプラハ渋谷川越えっていう3つ が絡んでいくっていう構造の面白さ
もあるしなんかそういったとこ ではもう他にはない小説かな
と特に舞台が日本っていうところ はかなり珍しいのかなと思います
であとですね作者の跡書きという のが最後にあるんですけどもそこ
で川下清丸という作家について 書かれているのでこれが結構よかった
なと思いましたこれ読み終わった 後のお楽しみとして読んでほしい
なと思いますね本当に日本のカルチャー 満載で読んでいて楽しい小説
だったんで肩肘張らずに文学近代 文学とかですねそういうのが好き
になりそうな結構貴重な小説なの かなと思いましたぜひねこれは
読みやすいので多くの人に読んで ほしいなと思っています
じゃあ次回を告知して今日は終わり たいと思います次回ですが村上
春樹を取り上げたいと思います この渋谷で目覚めてと影響じゃない
んですけどちょっと日本の作家 ちょっと紹介そろそろしたい
なと思ったので本は世界の周り とハードボールドワンダーランド
をご紹介したいと思っております のでお楽しみにしていただければ
なと思います番組の感想やリクエスト またこのラジオを聞いて紹介された
本を読みました読み返しました などございましたらハッシュタグ
空飛び猫たちをつけて教えていただける と嬉しいですツイッターやインスタ
のdmや投稿などでお待ちしております 今番組情報欄にメッセージフォーム
を載せておりますのでそちらから いただいても大丈夫ですむしろ
そちらからいただけたら大変ありがたい です積極的に拡散共有していただける
と大変助かりますそれではまた 来週よろしくお願いします
ありがとうございました