文学ラジオ空飛び猫たち
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
お相手は私、小説が好きの回のダイチと羊を巡るカフェのミエの2人でお送りします。文学のプロではない2人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
はい、ありがとうございます。今回はですね、前回に引き続き番外編となっておりまして、ゲスト回となっております。先週も来ていただいているお2人、早速お迎えしたいと思います。
阪大ビブリオバトルの大西さんと堀内さんです。今週もよろしくお願いします。
大西です、よろしくお願いします。
堀内です、よろしくお願いします。
今日はちょっとこの4人で先週教えてもらったですね、ビブリオバトルを実践編ということでやってみたいと思います。
いよいよ。
いやー、ちょっと緊張しますね。
ちなみにお2人どうでした?先週ちょっと話してみて、ビブリオバトル伝えられた感はあります?
なんか途中から楽しくなっちゃって、楽しくワイワイ喋ってただけになってないかが不安です。
そうですね、先週楽しくおしゃべりできたのと同時にビブリオバトルしたいなっていう熱が高まったのでね、ついに今からできるということでワクワクです。
そうですね、今日は私と三重さんも多分結構緊張してると思うんで、まずはもう早速やっちゃって。
緊張からね、解放されましょう。
緊張を通してその後もちょっと話したいことあると思うんで、早速ですね、ビブリオバトルをやっていきたいと思います。
ビブリオバトルについて先週いろいろ話してるので、必ず、こっちから聞いてもわかるかもしれないですけど、前編聞いていただけると大変ありがたいです。
じゃあ、ビブリオバトルいきたいと思います。
その前に私の方からですね、ちょっとルールを改めて説明したいと思います。
ルールなんですが、公式のルールはですね、発表時間は1人5分、質疑応答はその後2から3分あって、計約8分で1人構成されていきます。
紹介する本は各自好きなものを、そして基本的な時間限定となっております。
この質疑応答の時間なんですけれども、こちらは発表内容の挙げ足を取ったり、基本的な問い合わせはしてはならないとなっております。
発表内容でわからなかった点や追加の説明を求めたり、どの本が一番読みたくなったかという判断に必要な質問を心がけることとあります。
要はこれ、最終的にどの本が一番読みたくなったかという視点が非常に重要になるので、そこに集約するように質問することということですね。
参加者全員がお互いにとって楽しい場となるように配慮すること。
質疑応答が途中の場合など、ディスカッションの時間を多少延長しても構わないそうです。
ただ当初の制限時間というものを大幅に超えないように気をつけること。
全ての発表は終了した後に、どの本が一番読みたくなったかという観点を基準にして投票を参加者全員が1人1票で行い、最多票を集めた本をチャンプ本とする。
まず一つがですね、大学生の吉本バナナさんの気持ちが全面に出ている点です。
ちょっと駆動さあるんですけど、突き動かされるものがありまして、もう一言で言えば荒削りな小説です。
でもそれがいいなと思っています。主人公の心の中の声が響いてくるような感覚があって、
これもし学生の人が読むとですね、よりもっと感じるものがあるんじゃないかなと思っています。
二つ目の理由なんですけど、これ今の時代こそ必要とされていると、そういう小説だと思うということですね。
1987年のバブルの時に出た小説なんですけど、世の中が上向きで楽観的になっていくような時代に
恋人を失った女性が再生していくという話が描かれていて、これ時代の流れには全然乗ってなかったんですけど、
今30年たってですね、不意に失うものが起こり得るこの世の中になってきて、
この小説に共感できる人というのは多いんじゃないかなと思っています。
しかも2021年に映画化もされていて、今こそですね、この物語が必要とされているんじゃないかなと思っています。
最後の理由なんですけど、小説として非常に魅力的だという点ですね。
さっき荒削りと言ったんですけど、個人的にはラスト数ページ。
主人公がもっと強くなりたいと思うに至る心境の変化を描いた文章とか、すごく好きですし、
あと登場人物、恋人の弟のヒイラギというキャラがすごくいいキャラで、男性なんですけど、
セーラー服を着て私と行って高校に帰っていると。
でも最終的にはセーラー服を着なくなるんですけど、この経緯にですね、僕ちょっと泣かされました。
ちなみにこのムーンライトシャドウというのはですね、タイトルはマイク・オールドフィールドという人の曲にちなんで作られていて、
すごくいい曲なんで、音楽を聴きながらこの本を読むとですね、楽しさがさらに3倍増すと思います。
ですのでぜひ読んでみてください。ご静聴ありがとうございました。
ぴったり!すごすぎる!
だんだんプレッシャーがすごくなっていく。
これはですね、もうちょっと言いたいことが用意してたんですけどね、ちょっともう無理やと思って省きました。
じゃあ早速質問タイム移っていきますか。
まず私からいいですか。
私もめちゃめちゃ好きな小説なので、すごく嬉しくなったんですけど、
もうこの小説3分で語るには、3分はあまりにも短すぎると思うのですけど、
三重さん先ほど削った部分あるって言われてたので、もし5分間あったら残り2分でどういうことを話そうとしてたか、
ちょっと話しきれなかったエピソードとか教えていただけると嬉しいです。
そうですね、一つがですね、僕読んでいてすごく印象に残ったシーンで、
この主人公の女性が恋人を亡くしてしまうんですけども、その恋人を回想するですね、描写が何ページかな、2、3ページぐらいですね、その話の中であるんですけども、
この主人公の心理描写がすごくですね、なんかこっちに訴えかけてくるようにね、書かれていて、
それを読んでいてね、大学生の吉本バナナさん、なんでこんな文章を書けるんだろうと思ってですね、
それくらいね、すごいね、なんかこの主人公の心の声がね、もうなんかこっちにね、届いてくる感覚があって、
なんかそことかね、もうちょっと話したかったですね。
なるほど、ありがとうございます。
じゃあ質問いいですか。
お願いします。
吉本バナナさんのムーンライトシャドウが映画化されているの、実は今回私初めて知ったんですけど、
なんか見逃してたかな、初めて知ったんですけど、見られましたか。
いや、まだ見てないです。
見てないですね、私も知らなかったので、ちょっと見てみたくなって、もし見てたら感想をお伺いしようかなって思ったんですけど、やっぱ本への愛が強すぎたらあれですよね、なかなか見る勇気も必要ですよね。
そうですね、ちょっと見たいなと思ってはいるんですけど、なかなか見れてないので。
本当はね、これすごく映画向きな小説家、映像化してもね、すごい面白いと思っていますし、
あと途中ね、亡くなった恋人と一瞬だけ再会するようなね、そんな描写とか、これ映像化だとどういうふうに表現してるんだろうとかね、それ気になるんで、ちょっと見てみたさもありますね。
ありがとうございます。
なるほど。
じゃあ私の質問、いいですか。
いやもう一番気になったのは海外文学じゃないんだっていう。
そうそうそうそう。
ちょっと思いました。
そこ、この何だろうな、今回この本を選んだ理由というか、意図みたいなところがあれば、ちょっと海外文学じゃないんだっていうところも踏まえて教えてもらえると嬉しいです。
最初ちょっといやらしいこと考えていてですね、今回ビブリオバトルっていうので、やっぱこれ勝たないといけないんじゃないかなと思っていたんですね。
で、大学生の吉本バナナさんが書いた本なんで、もしかするとこれ学生さんにプレゼンしたらウケるかもしれないっていうですね。
なるほど。
そこが理由としては、7割ぐらいと。
あと多分大地さん読んでないだろうなと、海外文学だとやっぱ大地さんが知ってる小説をプレゼンしちゃうちょっとリスク感じてたんで、それでね、ちょっと選びましたね。
もしかして、でもこの二人読んでそうだから。
いやもう読んでいたっていう、ちょっとそこが。
いやでも吉本バナナのキッチン表題作じゃなくてね、ムーンライトシャドウの方なんだって。
そう、そこが、そこが私もなんか。
だいぶツボを抑えてるっぽい。
キッチンはなんかこうパッて思いつくけど、あったなその作品みたいなのちょっと読みたくなりました。
これがね、この選称がね最初の準備の7割ぐらいを占めていたんで今回。
どの本にしようかなってめっちゃ悩んでしまった。
でも本当きっちり3分に収めてきたからびっくりしたわ。
これ初めてやった人とかしたらすごいよね。どうなの?
いや本当にすごいと思います。
なんか大会とかでもちょうどぴったりに収めることって難しいので、逆にちょうどぴったりに収めれた人にはもう拍手大喝采みたいなのが起こるんですよ。
だから三枝さんの今回ももう拍手大喝采ですね本当に。
ちょっとねありがとう、いや本当にありがたいですね。
ちょっとね中身が伴っていたかどうかがね、若干自分の中で怪しさあるかなと思うんですけど。
内容を知らないで聞いたんですけど、なんかすごい面白そうだなと思いましたね。
多分好きなタイプなんだろうなと思いました。
さて次行きますか。
じゃあちょっと私準備しますんで。準備しますっていうか。
まあでももう勢いで行くしかないな。
しかないです。
じゃあもういいですよ。
じゃあ行きます。
じゃあ今から大地さんの発表をお願いします。では始めます。
大地ですよろしくお願いします。
突然ですが皆さんは孤独は好きですか?
私はですね結構孤独が好きで孤独を愛してるとさえ言えるかもしれません。
今日はですねそのことに気づくことができた本を紹介したいと思います。
ご紹介するのは石田五郎さんという方が書いた天文台日記。
一人の星を観測する人が書いたエッセイです。
時は1970年代石田五郎さんは当時国内最大の望遠鏡があった国立岡山天文台の副署長をされていました。
その彼が1月1日から12月31日までの1年間をただ綴っただけの本です。
だけどこの本にはとんでもない魅力があります。
描かれているのは一晩中星を観測する人たちの毎日。
夜に働く彼らが持つ独特の時間がこの本から滲み出てきます。
時刻を27時や31時と呼んでみたり
明け方に天文台の中にある深夜喫茶と呼ばれる場所があるんですけれども
そこで一人でホットミルクを飲む瞬間
あと雲をひとつない空という意味で快晴という言葉があるんですけれども
その真逆の言葉快論という言葉を彼らは使います。
快論になってしまうと彼らは仕事ができないのでその言葉がよくこの本の中に出てきます。
このエッセイにはですねきっと体験しないとわからないようなちょっとした静けさのようなものがあります。
国内最大の望遠鏡なので日本中の天文学者がここにやってきて
その人たちとのささやかな交流が描かれます。
最初私読んでいるときにこれ文系の自分が理系に憧れちゃってしまっているんじゃないかな
みたいな気持ちで読んでいたんですけれども
これ読み終わった時にですねちょっと気づいたことがあります。
この天文台には職員が何人かいるんですけれども
でも星を観測するときはですねこの人たち一人なんですよ。
単純ただ星に向き合っている。そういう仕事をしています。
すごい孤独な作業だなと思って
でももしかしたらその孤独が人を動かすのかもしれないなと思いました。
私もですねこのポッドキャストの編集作業をしているとき
一人で音声作業に向き合うんですね。
この過程にはですね一緒にラジオやってくれてる名産でさえわからない
自分一人のこだわりっていうのがめちゃめちゃあります。
この時きっと自分は孤独と向き合っているなと思っていて
だからこそ頑張れるなって思うことがたくさんあります。
だってこの作業自分でしか評価できないんだから
この人たちも自分でしか評価できない仕事をしています。
誰しもですねきっと自分でしか評価を下せない作業や領域を持っていて
それと向き合うとき孤独なんだなと思います。
でもその孤独はきっと愛するべき孤独なんじゃないかなと思いました。
そのことにこの本を読むときに勝手に教えてもらった気になって
もしかしたらこの本を読むとですねそういう気持ちになれる人がいるんじゃないかなと思ったので
今回この本を紹介しました。
以上になります。ご静聴ありがとうございました。
ぴったり
えー
超緊張した
もうジャストじゃないですか3分
プレッシャーが積み重なっていきますね
いやーでもタイマー見ながらやべえやべえと思って
ちょっとはしょったからね自分でやっててこうあここもう無理だみたいな
そうですよねやっぱどうしてもはしょってしまいます
すごいこのタイマー怖えな
じゃあ早速大西から質問いいですか
どうぞ
天体を観測することにまつわるエッセイっていうことなんですけど
文章の感じ文体は科学的に書いてあるのかそれとも文学的に序章たっぷりに描かれているのか
どんな感じなのか伺いたいです
本当はそのことをメインに話したかったんですけど非常にこの人文学に関しても理系の方なんですけど文学に関しても非常に造形が深い方で
文章もめちゃめちゃうまいんですけど途中でですね結構いろんな詩が挟まれるんですよ
日記なんで1月1日から本当にどっか付箋してあるんだよ
フランスの詩人バレリーがとか急に詩を挟み込み出します風が吹き起こるとか感じで
バレリーを引用
ラストも12月31日に引用する詩がすごい好きでこれはちょっと読んでもらいたいんですけど
これはフランスの詩人ギオム・アポリネーの作った詩であるって言って
31日にですねちょっと1年を思い返しながら詩をこの中で書き継がれるんですけど
そういうちょっと文学的な素養もある方が書いてるんで文章はすごく面白いんで
もちろん理系の話全然わからない話多いんですよ
例えばこんな図とか出てきても全く理解できなくて
わからないですね
今ちょっと聞いてる人わからないかもしれないですけど結構いろんな図が入ってますね
望遠鏡とかの
でもわからないけどこだわってるってのが伝わってくるんで
もうなんかそれだけで結構読み進められることができる一冊でした
すごい文系理系のいいとこ取りみたいな融合してる本ですねありがとうございます
じゃあ質問いいですか
なんかみゆちゃんに聞きたかった質問取られて
あってだってあわあわしてたんですけれども
そういうこともやっぱあるんですね