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おはようございます。鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会やナレーションを通じて日々感じたことなどを語る声の日記です。 日本の秋田県から毎朝更新しています。
怒りだけじゃなく許しが必要。 こう言ったのは陸上女子中距離の田中臨美選手です。
この言葉は、ちょうど1年前の世界選手権の5千メートルで8位に入賞して、その後のインタビューで話したものなんです。
このこともあって、田中選手は5千メートルの代表、パリ五輪への代表は早々に決まっていたんですね。
先月アメリカで行われた陸上の国際大会の女子5千メートルで、パリオリンピックの参加標準記録を切れば内定するということが決まっていて、
先月のうちにもう決まったんですね。順位は11位だったんですけれど、タイムが参加標準記録内だったので内定していました。
あともう一つ1500メートルも決まったので、パリ五輪では2種目に出場することが決まっています。
この田中選手の1年前の言葉、怒りだけじゃなく許しが必要。 この感情の矛先はどこだったのかっていうと、自分自身なんですね。
全体としてどういうコメントだったのかって言いますと、 さらにその1年前ですから今から2年前ですけど、田中選手はオレゴン大会で結果が出なかったんですね。
そのことにも触れながら、去年のオレゴンは虚しくて悲しくて何の悲しみかもわからなかった。 その悲しみが怒りに変わってこの1年間努力をしてきた。
でもやっぱり怒りだけじゃなく自分への許しが必要なんだなと、この大会で初めて気づくことができたと言っているんです。
1年かけて努力してきて何の涙かわからなかった、その涙の原因がちゃんと自分の中で落とし込めたっていうことでもあると思うんですけど
で、その怒りとか何かそういう渦巻いた感情だけではなくて許しが必要なんだっていうことだと思うんですけど
じゃあこの許すって何だろうかということについて、このほど日本選手権の後に田中選手が言っていたことに少しヒントがあるように思いました。
どう言ってたかっていうと、自分の中で目標が高すぎる部分と最低限の目標をまずはクリアしなきゃいけないっていうことと
自信のなさから目標をちょっと過方修正してしまう自分と気持ちが3つに分裂してしまっていると
さらに言っていたのは、ちょっと一言一句同じではないですが、まだ会心の走りではなかったという思いはあるけれど
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最低限の今やるべきこと、一歩を踏み出すための部分といった自固め、そういう自固めができたかなっていう
そんなふうに思うということだったんですね。そんなコメントをしていました。
それを聞きながら、ものすごく自分に厳しい面がありつつも、できていない部分も受け入れるっていうことなのかなと
それが自分自身を許すっていうことを言っているのかなっていうふうにも思いました。
何の悲しみかもわからない、何の涙かもわからないという感情がぐっちゃぐちゃだったところから
自分の気持ちをちゃんと整理しているっていうところと、それからよくはなかったけどこういう見方もできると
何か感情の余白みたいなところを感じるんですね。その余白のところで最大限のパフォーマンスが生まれるんじゃないかという気がしました。
これで思い出したんですけど、野球の松中大輔選手が試合の時にとてもピリピリしていて、当番の時に
誰も近づけない感じだったそうなんですけど、ある時から直前までチームメイトと談笑できるようになったと話していたことです。
これも心の余白ができた結果なんじゃないかなっていう気がするんですよね。
で、集中は集中でいいんですけれども、その余白があるからこそまたオンオフの切り替えのオンになった時に最大限のパフォーマンスが発揮できるような気がしました。
私たちって満点でいなければならぬっていう気持ちにがんじがらめになってしまうと、少しでも減点されちゃった時に田中選手が言う、やっぱり虚しさだったり悲しさだったり、それが怒りに変わっていったりして、
なんか感情がぐちゃぐちゃしちゃうと思うんですけど、そうやって極限まで追い込んだからこそ許してもいいという境地に達したということでもあろうと思いますけど、
でもその心のゆとりというか、隙間というか、余りっていうか、その考え方がその時に力を発揮できるっていう、そういう力になっていくんだろうなって思いました。
こうやってオリンピアのコメントを聞くのが私はオリンピックの一つの楽しみでもあるんですけど、
田中臨選手は読書家でもありますので、また試合後のコメントも含めて楽しみにしたいと思います。
パリオリンピックはいよいよ今月7月26日金曜日に始まって、8月11日日曜日までの17日間、フランスのパリで開催されます。
そのうち陸上競技は8月1日からスタートして最終日の11日日曜日まで行われます。
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ではまた明日もお会いしましょう。鶴岡慶子でした。