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2022-10-23 05:25

【0142】2022/10/23 ドラマは美しいセリフを聞く時間

2022/10/23

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おはようございます。鶴岡慶子です。 この配信では、司会者として、花火鑑賞師として、そして気象予報士として、日々感じたことなどをお話ししています。
富士テレビのドラマ、サイレントをTverの見逃し配信で見ました。 Twitterでものすごく評判になっていたので、気になっていたんですね。
結果、Tverでは見逃し配信1話から最新の3話まで見ることができたんですけど、それをちゃんと私は最初に理解してなくて、最新の3話だけを見ました。
その後で、2話も1話も見られるんだっていうことが分かって、遡って1話を見て、2話を見て、という形で3話まで見ることができました。
ろう者の役をジャニーズのスノーマンのメグロレンが演じていて、これが素晴らしいんですよね。
高校時代に付き合っていた川口春奈と再会するシーン。 この時、彼は中途生涯なんですけど、ろう者になっていて、力強い手話で話をするんです。
でもそれは川口春奈には伝わらなくて、涙ながらに本当に熱量を込めてお話をするんですね。
瞬きせずにそのシーンは見ました。 もしまだご覧になっていない方はTverで見ることができるので、ぜひチェックしてみてください。
このストーリーそのものもそうだと思うんですけど、ろう者がいて音声でお話をしないというシーンもたくさんあって、
音があるセリフと音がないセリフがあるんですけど、どちらもとても重みがあって、一つ一つ言葉が厳選されているような気がします。
どのセリフも無駄がなくて、でも説明にはなってなくて、これは役者の演技力も非常に求められる素晴らしい脚本だと思っています。
私がかつて好きだった脚本家に野沢ひさ氏がいます。 彼はもう亡くなっているんですけど、いわゆる月句ドラマが熱い時代に
親愛なる者へというドラマがあったんですが、主演が浅野裕子と柳場俊郎でした。 二人は夫婦で3年目の夫婦だったんですけど、それぞれが元彼女や元彼と再会してしまって、
そこからダブル不倫に発展してしまう、そういうドラマだったんですけど、視聴率も高くて話題になったドラマでした。
その中で私が忘れられないセリフっていうのがあって、それはストーリーの流れを決定づけるセリフではないんですけど、浅野裕子が
あの人の耳の形がどうしても思い出せないの、っていうセリフがあるんです。 もはやどんな場面で言っていたのか、
この耳の形の主は夫である柳場俊郎のことなのか、元彼の佐藤浩一のことを言っているのかすら、もう私は思い出せなくて、ネットでも検索したんですが、ヒットをしませんでした。
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印象的で忘れられないんですよね。 このセリフを言うことで、夫のことなのか元彼のことなのか、これは別として浅野裕子が感じ取って喋っている
その人との距離感が伝わる言葉だと思うんですよね。 このセリフを聞いたときに、私はエンドロールを確かめました。
そして脚本家野沢久志って書いてあったので、この人の本を読みたいと強く思ったし、この親愛なる者への脚本を何とか手に入れられないだろうか、と探し回って
確かゲットしたんですよ。もうそのセリフだけではなくて、たくさんいい言葉があるんですよね。 いっぱいマーカーしたのを覚えています。
ほどなくして、野沢久志が亡くなったというニュースを聞いて、本当にショックでした。 彼が書くドラマはもう見ることはできなくなったんですけど、もっともっと言葉を紡ぎ出して欲しかったなぁって思います。
まだ私はプロ司会として駆け出しの時期で、今もそうですけど、たくさんのいい言葉に触れよう、触れよう、触れようと思っていた時だったので、
いやでもそれにしても、彼の耳の形がどうしても思い出せないのというのは、 婚礼には使えないと思うんですけど、何か引っかかったんでしょうね。
いまだに、なぜ覚えているのかもよくわからないんですが、 でもその時、すごく心に響いたのをいまだに覚えているんですね。不思議ですね。
私は本は書きませんけど、例えば葬儀の司会をする時に、その方の人生をお話をするということがありますが、
その人が生きた証として、何かキラリとしたものが伝えられるといいなぁと思って、 これからも言葉探しの旅を続けていこうと思います。
鶴岳恵子の花火と天気と言葉と。 今日もお聞きくださりありがとうございます。
リンクから飛んでいただいて、いいねやコメントでぜひつながってください。 鶴岳恵子でした。
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