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2023-03-29 05:19

【0299】2023/03/29 挫折も描くドラマ「舞いあがれ」に共感する

2023/03/29

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おはようございます。鶴岡慶子です。
この配信では、視観やナレーションを通じて、日々感じたことなどをお話ししています。
日本の秋田県から、毎朝発信しています。
現在放送されている朝ドラは、「舞いあがれ!」というドラマなんですけれど、2022年度の後半のドラマです。
主人公は、空を飛ぶことを夢見て、パイロットになる夢を叶えていくっていう、そんなストーリーだと思ってたんですけれども、
そうじゃなくて、いろんなお話が絡み合って、今までの朝ドラの流れからすると、パイロットを夢見て、航空学校に行って、そして、航空会社の内定ももらってるんですよね。
ただ、リーマンショックとか、実家の状況などで、その道を断念して、軌道修正する、ということが描かれるんですね。
今までの感じだと、パイロットになったものの、ダメダメで、
そのダメダメで問題が起こって、それを乗り越えていって、立派なパイロットになる、みたいな、そんな描かれ方をするのかなと思っていたんですけど、
パイロットになること自体をやめてしまうんですよね。
現実社会を見渡してみると、多くの人が、どんなに頑張っても手に入れられない夢ってあったりして、
そこをこのドラマは、非常にリアリティのある形で描いてるなって思いました。
ツイッターとかをはじめ、SNSでは、あの航空学校編って無駄だったんじゃないか、っていうふうに言ってる人たちもたくさんいたんですけれども、
私はそうは全然思わなくて、むしろ、こういうことってあるよなって思って、
ヒロインの姿とか、周りの家族の形だったり、もっと言うと地域の人たちとか、非常に共感できるドラマだったなと思います。
さらに、脚本がいいんですよね。脚本家が3人携わっていて、それぞれ個性があるものですから、
途中、ドラマの中でリズムが変わったり、なんならヒロインの性格まで変わってしまうように見えてしまったりとか、
そういう残念な部分もありましたけれど、そうじて、このドラマは、間がいいんですよね。
間っていうのは、セリフを吐かないところです。
セリフを言わないんだけど、
その時の役者の目線であったり、手の動きだったり、セリフで説明をしないところが、とても良かったなと思いますし、
こんな風に間がいいと、紡ぎ出される言葉が光るんだなぁとも思いました。
いろんな印象的なシーンはあるんですが、
今週で言うと、短歌を読む、歌人のたかしくんという登場人物がいるんですけど、
たかしくんが、
ずーっと悩んでいて、
詩人のヤギのおっちゃんのところに訪ねていくんですね。
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ヤギのおっちゃんはパリにいるので、フランスに渡るんです。
フランスに渡ってヤギのおっちゃんと会話するんですけれども、
会話する時のその内容って、噛み合ってないように見えるんです。
とかく私たちは文章を書く時って、こんな風に噛み合っていない風に書けないと思うんです。
だからこの脚本は、
本当に素晴らしいと思うんです。
考えてみると、私たち実際に会話しているシーンを思い浮かべれば、
一人が悩んでいます。
それに対して受け止める側の話っていうのは、噛み合わないことっていっぱいあると思うんですよね。
客観的に見て。
だけど、当人たちはちゃんと分かり合えている。
こういうことってあるよなぁと思って。
その噛み合っていないシーンで、
言いながら、私たちも、私たち見る側も、
ちゃんとその気持ちが通じ合っていることを受け取るんです。
なんだかとっても心が温まるシーンでした。
そんなことをはじめ、このドラマは本当に心の奥の方を揺さぶられるというか、
ジーンとするっていうか、
そういうシーンが本当にたくさんあるのは、
この言葉の美しさと、間の美しさだなって思います。
今日入れてあと3回で、もう寂しいんですけれど、
そして今悩んでいるこのたかしくんが、悩んでいるままで終わっても、
これはこれでまたリアリティがあるものだし、
いつか前向きになってほしいなって思うし、創作活動を続けてほしいなっていう希望は、
視聴者としてはあるんですけれども、
でも、それがまた違う道に行くことも、また人生ですからあるなっていうことも、
思っているんです。
それも含めてですね、どういうふうに終わらせるんだろう、この脚本家はっていうところに、
とても興味があります。
あと3回、しっかりと見届けようと思います。
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鶴岡恵子でした。
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