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おはようございます、鶴岡慶子です。この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会やナレーションを通じて、日々感じたことなどを語る声の日記です。 日本の秋田県から毎朝更新しています。
おざなりと似た言葉に、なおざりという言葉があります。 私はいつも使うときに迷っちゃって、上手に正しく使えていません。
なので今日は、ちゃんと整理整頓しておこうと思います。 おざなりな練習をするとは言いますが、なおざりに練習をするとは言いません。
おざなりとなおざりは、似ているようでいて、明確な意味の違いがあります。 どちらもいい加減だという意味は一緒なんですけれども、
行動するかしないかの差がありますので、微妙なニュアンスの違いがあります。 おざなりは、いい加減でありながらも、何らかの行動をするのですが、
なおざりは、いい加減かつ、何もせずに放置している。 行動をしないという、そんな違いがあるんですね。
ですから、さっきのおざなりな練習をするは、練習はしているけど、その状態がいい加減である。
これは使うんですけれど、なおざりの方は、そもそも行動を伴っていないので、使い方として違和感があるということです。
こうやってゆっくり考えると、私も使い分けができるんですけれど、ふと会話の中で言えるかって言ったら、上手に使えないんです。
じゃあ、正しく覚える方法として、どうしたらいいかっていうと、漢字に直してみたり、成り立ちをちゃんと押さえるといいと思います。
おざなりは、お座敷遊びのことを指していて、お座敷のお座に、成りは形と書きます。人形の行です。
この成りの部分を、成人の成、成るという字を使うこともあります。 このおざなりは、宴会の席で芸者たちがお客さんによって扱いを変えたり、
表面的に形ばかりを取りつくろうとする、そういうことを表した言葉なんです。
そこから派生していって、おざなりは、その場逃れにいい加減な言動をすることだったりとか、その様子という意味を持つようになりました。
なので、おざなりは、お座敷成りという言葉を短縮した漢字と捉えると、意味を覚えやすいかなと思います。
一方で、なおざりは、等しいにカンコドリのカンと書きます。
カンコドリのカンは、門構えに中身が木です。木曜日の木と書きます。
なおざりは、なおせざりを合わせた言葉でして、いい加減で、そのまま放っておいて何もしないという意味を表すようになった言葉です。
ちょっと繰り返しになりますが、お座敷はお座敷成り、なおざりはなおせざり、こうやって分解して考えると、意味をイメージしやすいかもしれません。
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その場しのぎ、なんとか乗り切ろうとしている姿がお座敷の風景、何もしない姿がなおせざり、行動しているのがおざなり、行動していないのがなおざりです。
ということで、今日の配信の冒頭でお話をした、お座なりな練習をする、これは使えますよね。
いい加減ではあるけれど、一応行動しているということで、ただ、なおざりに練習をするとは言わないわけです。
練習しているということは、行動しているので、なおざりというのは全く何もしないという状況なので、そこが一緒になっちゃうと、ちぐはぐな感じになります。
行動しないのがなおせざり、なおざりなので、「野球の練習をしようと道具を揃えたが、今ではすっかりなおざりだ」というのが正しい使い方になるかなっていう気がします。
気になりながら、「なおざり」にしてきた2つの似ている言葉について、「おざなり」な説明にならないように丁寧にしました。
この配信はApple Podcasts他各種プラットフォームでお届けしています。ではまた明日もお会いしましょう。
鶴岡慶子でした。