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2025-09-08 03:52

【1193】2025/09/08 めでたしめでたし とっぴんぱらりのぷぅ

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2025/09/08

サマリー

「とっぴんぱらりのぷぅ」という言葉は、秋田の昔話における終わりの決まり文句であり、地域によってユニークなバリエーションが存在し、文化の中で生き続けています。

とっぴんぱらりのぷぅの紹介
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
先日、神奈川からいらしたお客様が、タクシーの運転手さんに、きりたんぽ鍋のおいしいお店を訪ねますと、秋田駅前の居酒屋、とっぴんぱらりのぷぅを紹介されたそうです。
そこで行ってみたいと盛り上がっていました。
とっぴんぱらりのぷぅ、ちょっと不思議な言葉です。
これは、秋田を含む東北地方の昔話で、最後に語られる、「しめの言葉」です。
明確な語源は不明なんですが、その独特の音の響きから、物語の終わりを告げる一種の交換音のような役割を担っています。
これでおしまい、とか、めでたしめでたし、と同じ役割です。
特別な意味はありません。
リズムの楽しさや、響きの面白さで、子供たちに親しまれてきた言葉遊びなんですね。
こうした昔話の終わりの言葉は、けっくと呼ばれまして、各地にユニークなバリエーションがあります。
秋田の中でも、「とっぴんぱらりのぷん」とか、「とっぴんしゃん」といった地域もあります。
他の県では、青森の南部地方では、「どっとはらい、どっとはらえ」、下北では、「とっちぱれ」、岩手の東野では、「いちんをさかえたまごこしげえた」、宮城では、「どんとはれ」、山形では、「とうぴんぱらり」。
それから、東北を越えて全国に広げますと、新潟では、「いっちごさっけえどっぴん、あまざけわいたらのんどくれ」、岐阜では、「しゃみしゃっきり」、広島では、「もうしむかしけっちりこ」、高知では、「むかしまっすーたきまっこうざるのつべぎんがり」。
とまあ、意味があるのかないのか、不思議なフレーズがたくさん残っています。
秋田では、「とっぴんぱらりのぷー」なんですが、冒頭でもお話ししました、タクシーの運転手さんが紹介した秋田駅前の居酒屋は、ひらがなで、「とっぴんぱらりのぷー」です。
最後のぷは伸ばさないんですね。実は私、そしてマネージャーさんも、そのとっぴんぱらりのぷが大好きでよく言っています。
名前がちょっと長いので、私たちの間では、「とぴぱる」という動詞を勝手に作って、そろそろとぴぱろうか、なんていうような合言葉にしています。
もともとは意味のない、「とっぴんぱらりのぷー」ですが、民話の終わり、昔話の終わりを飾って、居酒屋の看板になったり、そして私たちの中では、会話の中で動詞にまでなってしまうという、言葉はこうやって旅をして、文化として生き続けていくんだなと思います。
ちなみに、「けっくー」というのは、終わりの決まり文句のことなんですが、少し整理をすると、漢詩の場合は、起承転結なんですね。なので、聞く、承句、転句、結句ということで、4つの展開があります。
配信の案内
昔話の場合は、じゃあどうかというと、終わりの決まり文句は、語りを締めるという意味で、結句なんですが、
始まりの決まり文句のことは、語りの発端を告げるということで、発句と言うそうです。
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Listenでは、この配信のテキスト版を公開しています。合わせてご覧ください。
それでは、また明日。
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