テレコ出荷の由来と意味
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
先日、楽天で買い物をしました。
一つはプレゼント用、もう一つは自宅用のものです。
プレゼントは8月1日着指定にして、私自分のものは8月1日着予定となっていたんですね。
で、発送されたら追跡アプリに番号を入れてチェックしようと思っていたんですが、
ある時ふと、え、私自分の分も相手に送ったんじゃないだろうかと不安になっちゃったんです。
焦って調べてみたら、実際はまだ私物の方は発送されていなかっただけで、
単に私が同じ追跡番号を2回入れてしまったというミスだったんです。
結果としては大丈夫で、プレゼントも無事に相手方に届きましたし、
私の方はまだ届いていないという状況です。
それでも一瞬頭をよぎったのは、もしかしてこれテレコ出荷になってたんじゃないだろうかという、そういう不安です。
このテレコ出荷という言葉なんですが、
Aさん宛ての荷物をBさんに、Bさん宛てのものをAさんにというふうに送り先を取り違えてしまうことを、業界ではテレコ出荷と呼ぶことがあります。
テレコという言葉、実はいろんなところで使われていて、意味は互い違いとか入れ違いとか、あべこべというようなことです。
語源は歌舞伎にあります。
2つの異なる筋書きを交互に進行させる演出手法のことをテレコと呼んでいたんですね。
そこから交互にとか取り違えというような、そういう意味が派生していきました。
関西では日常語としても使われていて、
靴を左右逆に履いちゃっている場合に、
あ、靴テレコに履いてるやんというような、そういう言い方をするようです。
私がこのテレコという言葉をしっかりと認識したのは、以前あるラジオ番組の企画会議でこんな提案を受けた時だったんです。
これテレコでやりませんか、ということ。
テレコってテープレコーダーの略なのかなとか、録音なのかなとか、ちょっと一瞬ポカーンとしちゃったんですけれども、
どういうことだったかというと、結局各州交互に番組を入れ替えてやりませんかっていう、そういう提案だったんですね。
つまりAチームとBチームが一周置きに担当するというような形ですね。
ちなみに英語でテレコミュニケーションズカンパニー、通信会社の略としてIT業界でテレコと使われることもあるんですが、
この日本語のテレコというのは、英語のテレコとは関係ありません。
日常でのテレコの使い方
完全な日本語由来の言葉です。
こういう日常のちょっとした焦りだったりとか、業界ならではの言い回しの中に面白い日本語の世界が広がっているなって感じることがありますよね。
テレコ、上手に使えたらちょっと楽しいかもしれません。
そして追跡番号の入力ミスにはくれぐれも注意しましょう。
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それではまた明日。
