ソラトの葛藤
- こんにちは。さて、今回はですね、送ってくれた方が共有してくれた、ウルトラマンオメガ第23話、宇宙観測隊のレビューを一緒に見ていきたいなと。
いやー、これはただの怪獣バトル回じゃなかったですね。主人公ソラトのその存在そのものを揺さぶるような、かなり心にずしっとくる回でした。
- そうですね。このエピソードの何がこれほど強烈だったのか、送ってくれた方のレビューをヒントにその確信を探っていきましょうか。
- はい。まずはやっぱり、主人公ソラトの葛藤ですかね。
- そこですよね、中心は。
- 人を守りたいっていう今の自分と、本来の宇宙観測隊としての使命、この2つがもう彼の中で引き裂かれていくっていうのが。
- レビューにもありましたけど、そのもう一人のソラト、本当のオメガが出てくるっていう形で葛藤が具現化されているのがまた巧みで。
- 静かでしたけど、なんかだからこそ本当に怖かったです。
- まさに。あれは単なるヒーローの悩みっていうレベルじゃなくて、自己同一性の崩壊っていうもっと深い内面ドラマなんですよね。
- あー、なるほど。
- 最近のヒーロードラマって、完璧な正義の見方じゃなくて、自分の存在意義に苦悩するヒーロー像が一つのトレンドじゃないですか。
- 確かにそうですね。
- このエピソードは、その現代的なヒーロー像をウルトラマンというフォーマットに落とし込んだ、かなり挑戦的な取り組みだったと思います。
- なるほど。一方で、地上ではまた別の物語がちょっと不穏な方向に進んでいくんですよね。
- そうなんですよ。その対比がまた上手いところで。
- 舞台は福島県。レビューを読んで、えっと思ったんですけど、エンギャネイジ監督の出身地が舞台になるのって、そんなに珍しいことなんですか?
- 結構珍しいと思いますよ。何か特別な意図があったのかなって考えちゃいますよね。
- そこで行われるのが、怪獣の兵器か。
- はい。怪獣ガボラの能力をヒントにした新兵器。
- 宇宙人の技術を兵器にするっていうのは、まあよくある話ですけど。
- はい。でも怪獣の能力を人間が解析して兵器化するっていうのは、確かにちょっと珍しい視点かもしれないですね。
- なんかこう一線を越えてる感じがします。守る側がその破壊の力そのものに見切られていくような。
- まさにそれです。人間と怪獣の境界線がこう曖昧になっていく危険性を示唆してるんですよね。
- ソラトが自分は何者かってアイデンティティを失いかけてる裏で、人間側も自分たちは何なのかっていうのを見失いかけてる。この構造がすごい。
- うわ、そう考えるとあのクライマックスの絶望感がもう倍増しますね。
- ですよね。
- 複数の怪獣が入り乱れる大乱戦の末、ようやくオメガに変身して、よしこれで勝つって誰もが思った瞬間に戦闘を放棄して宇宙へ帰ってしまう。
- あの瞬間、テレビの前で、えーって声が出た人多いでしょうね。
- 絶対そうですよ。送ってくれた方のレビューにも、鬱っぽいホラー感すらあるとありましたけど、全く同感です。希望の象徴が最大の絶望の引き金になるわけですから。
- そしてラストですよね。小笠原諸島に会われた新しい怪獣のそばにソラトがいるっていう。
- あれはもう、いやーこれはひどい。クリスマス商戦はわかるけどファンとしてはこの状態で年を越せとってなりますよ。
- 最悪のクリフハンガーです。レビューではね、ソラトが元に戻る明るいラストを望んでいましたが、ここで一つ考えてみたいことがあるんですよ。
- はい。
- 一度自分の存在意義を根底から副されて、さらに人間たちの危うさも目の前にしたヒーローがもし戻ってきたとして、
- うーん。
- 以前と全く同じヒーローでいられるんでしょうかね。これは送ってくれた方にもぜひ考えてみてほしいテーマですね。
怪獣と人間の境界
- 次回の配信もお楽しみに。さよならー。
- 次回の配信もお楽しみに。さよならー。