作品の魅力と違和感
こんにちは。
こんにちは。
さて今回はですね、送ってくれた方が共有してくれたテキストなんですが、秋アニメの野原ひろし昼メシの流儀についてですね。
はいはい。
これが、最初はなんだこれって懐疑的だった筆者が、気づいたらもう毎週夢中になっていたと。
そのなんか理由のよくわからない魅力の正体を、このテキストから一緒に紐解いていきたいなと思います。
いやー面白いテーマですね。
これ、国民的アニメクレヨンしんちゃんのスピンオフと言いながら、もうあらゆる点が異例尽くしで。
ですよねー。
だから筆者の方が戸惑うのも、まあ無理はないかなと。
で、このテキストを読み解くと、結構現代的なコンテンツの楽しみ方が見えてくるんですよね。
では、まずその筆者が感じた最初の大きな違和感から見ていきましょうか。
はい。
そもそも、ひろしが一人で昼飯を食べるだけっていうこの企画自体が、一体誰向けなんだっていう根本的な疑問があったと。
はは、わかります。すごくわかります。
加えて、原作者の薄井よしとしさんが亡くなった後の、まあ完全な企画者であることにも、ちょっと冷めた視線を向けてる感じですよね。
ええ、ファンならではの視点というか、愛菜弁当派のはずのひろしが毎日外食っていうツッコミもすごく鋭いじゃないですか。
そうそうそう。野原ひろし版の孤独のグルメですか?みたいな皮肉もね。
まさに。やっぱり長年のファンからすると、キャラクターの一貫性とか、その作品が生まれた背景とかってすごく気になりますからね。これはもうごく自然な反応だと思いますよ。
で、その違和感をさらに加速させたのが、筆者が三人のズレと表現したビジュアル面でした。
ああ、ありましたね。
まず、漫画版の絵。これが原作にもアニメにも似ていない。
うんうん。
で、次にアニメ版の絵が、今度はその漫画版ともまた違うっていう、なんかこうやる気のなさそうなひろしの顔。
はいはいはい。
そして極めつけが。
そう。料理の描写が、なぜか実写の写真っていう。
ここがまた面白いところで、実は制作の背景が関係してるんですよね。
視聴者参加型のエンターテイメント
と言いますと?
テキストにも少し触れられてましたが、本編の親営動画じゃなくて、秘密結社タカノツメで有名なDLEが作ってるんです。
ああ、なるほど。あのフラッシュアニマの。
そうですそうです。だからあの独特の、まあチープさというか、味のある質感っていうのは、この制作体制から生まれてるわけなんですよ。
なるほど。あの空気感はそこから来てたんですね。
でも普通ならその違和感で、まあ主張やめちゃいそうなのに、筆者はここから逆にハマっていく。
うんうん。
その決定的な転換点がニコニコ動画で見るっていう体験だったんですよね。
そうなんですよ。ここが肝で、作品単体で見れば、まあ普通かなくらいなのに、そこに視聴者のコメント、つまりツッコミが加わった瞬間に、とんでもない爆笑アニメに化けるんだと。
ああ、目に浮かびますね。
例えば、オープニングで背景が切り替わるだけで、あの料理器展開っていうコメントが弾幕みたいに流れたり。
ははは、なるほど。
広島がただ慌ててるだけのシーンに、今日の仕事これだけ?みたいなツッコミが入ったりとか。
それはもう作品を見ているっていうより、作品をお題にしてみんなで台を切りしてる状態じゃないですか。
まさにその通りです。筆者が例に出した映画ロッキーホラーショーの参加型上映と、全く同じ現象がネット上で起きてるんですね。
作品自体が、もう視聴者にとってツッコミを入れるための素材とかプラットフォームとして機能してる。
コンテンツの価値が受け手の共同作業によって、作り手の意図とは全然別の次元で生まれてるっていうことです。
うーん、素材として機能してるか。でもそれって作り手側からするとちょっと寂しい気持ちになったりしないんですかね。
あー、それは非常に重要な視点ですね。
自分たちが意図した面白さとは全く違うところで熱狂が生まれてるわけですから。
だからこそ筆者も作品単体では普通、でもみんなで見ると最強に面白いっていう次連話に陥ってどう評価していいかわからなくなってるんですよね。
確かに評価軸が揺らいでしまう。
ええ、このテキストが示唆しているのは、つまりこの作品が視聴者の参加によって初めて完成する新しい時代のエンターテイメントなんだっていうことなんです。
ということは、作品の面白さってもはや作り手だけが生み出すものじゃなくなってきているのかもしれない?
そういうことなんです。
そこで最後にですね、送ってくれた方に一つ思考の種を投げかけたいなと。
もしこうやって作り手の意図を超えたところで、私たち受け手の共同作業がコンテンツの価値を大きく左右するのだとしたら、私たちはこれから作品の面白さを一体どんな物差しで測っていけばよいんでしょうかね。
次回の配信もお楽しみに。
さよなら。