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こんにちは。
こんにちは。
コオロギ養殖の背景
さて、今回はですね、送ってくれた方のコオロギ養殖から学んだSDGsの現実という、非常に資産に富んだ体験談を一緒に見ていきたいと思います。
コオロギ養殖ですか?面白そうですね。
最初は、秋の虫の音をBGMに、みたいな構想もあったそうなんですけど。
風流ですね。
でも、現実はちょっと違った展開になったみたいでして。
なるほど。出発点はSDGsへの関心だったんですね。
そうなんです。バッジをつけたり、検定も受けて合格されたり。
すごいですね、行動力が。
でも、その検定自体がなくなってしまったと。
あらら、それはちょっと時代の流れというか、切ないですね。
そこから次の関心として、昆虫食が浮上してくるわけです。
なるほど。昆虫食ですか?
この流れ、送ってくれた方のアンテナの高さが伺えますよね。
まず、SDGsから昆虫食へ、どう関心が移っていったのか、その辺りから見ていきましょうか。
SDGsへの意識が高くて、検定まで取られたのに、その熱意の行き先が一旦途切れちゃったわけですね。
そうなんです。そこで昆虫食に注目したと、未来のタンパク源とか環境負荷が低いとか、そういうキーワードに惹かれたと。
よく聞きますね、そのフレーズは。
あと、無印良品のコオロギせんべいとか、地元福島での養殖授業開始みたいなニュースも背中を押したみたいです。
なるほど。社会的な動きとか、具体的な商品化が個人の挑戦を後押しするっていうのは、よくありますよね。
元々はキノコ栽培とかメダカ養殖を考えてたらしいんですけど、メダカ用の水槽を転用してコオロギを飼おうと。この発想の転換も面白いですよね。
養殖の課題
確かに柔軟ですね。で、実際に挑戦されたのが?
フタホシコオロギだそうです。
ああ、フタホシ。昆虫食では割とメジャーな種類ですよね。
サイズも大きいし、万が一逃げても日本の生態系への影響が少ないとか、そういう理由で選んだそうです。
なるほど。リスク管理も考えて。
最初は結構順調だったみたいで、夜には鳴き声も聞こえて。
いい感じじゃないですか。
ところが、すぐに予期せぬ問題が。
問題ですか?
それが凶食だったそうです。
うわあ、凶食ですか。それは結構ショックですよね。
ですよね。これって養殖だと避けられないものなんですかね。何か工夫とかで抑えられたり。
ああ、いい質問ですね。どうも原因は、植物性の餌だけだと、動物性のタンパク質が足りなくなっちゃうみたいなんです。
ああ、なるほど。タンパク質不足。
ええ。で、対策として煮干しとか、そういう動物性の餌を与えることになるんですけど。
ふむふむ。
ここで何か大きな矛盾に気づかれたと。
矛盾ですか?
つまり、環境負荷を減らすためにコオロギ育ててるのに、結局動物性の餌が必要なら、最初から魚とか食べればいいんじゃないかって。
うーん、確かに。そりゃ根本的な問いですね。だいたいプロテインのはずが、その前提が由来でしまう。
そうなんです。まさに。で、理想と現実のギャップはそれだけじゃなかったみたいで。
ほう。
実際にやってみると、いろいろな課題が見えてきたと。
具体的にはどんな点が?
まずあの、温度管理ですね。厳格な。
温度管理。
コオロギって変温動物だから、一定の温度を保たないとちゃんと育たない。
特に冬は暖房が必須で、電気代が思った以上にかかったそうです。
わあ、電気代ですか。エコを目指したのにコストがかかる。
で、それに衛生管理。これがまた大変で。
衛生管理?
掃除を怠ると、ダニが発生して全滅する可能性もあるって、これはかなりシビアですよね。
全滅。それは怖いですね。手間もコストも想像以上にかかるんですね。
そうなんです。さらに期待してた環境負荷の削減効果も、こういろいろ調べてみたら、鶏肉生産と比べて、まあちょっとマシかなっていう程度だった。
ああ、劇的な差ではなかった。
そうみたいですね。これも宣伝されるメリットと実際のところのギャップというか。
なるほど。いろいろな運用上の困難があったわけですけど、最終的に撤退を決めた一番大きな要因はまた別のところにあったんですよね。
ええ、そうなんです。それをまあ大局的に見ると、結局需要の壁に行き着くんですね。
需要。つまり食べる人がいない。
そういうことです。いくら生産技術があっても、食べる文化とか市場がなければビジネスとしては成り立たない。
撤退と学び
日本だと稲戸とか一部では食べますけど、コオロギとなるとまだちょっと心理的な抵抗感って強いのかもしれないですね。見た目とか。
ええ、それもあれでしょうし、あとはアレルギーの問題も言われてますよね。
ああ、アレルギー。
それに加えて大豆ミートとか、最近だとバイオニクとか、他の代替タンパク質の技術もどんどん出てきてますし。
競合も多いわけですね。
そういう状況を総合的に考えて、残念ながら撤退という結論になったそうです。
SDGsっていう大きな目標から始まって、未来の食料問題への期待もあったのに、その挑戦が強食いとか需要不足っていう、なんともリアルな壁にぶつかって終わる。
これはなんというかシュールですけど、すごく貴重な経験ですよね。
本当にそう思います。この一連の経験って、新しい情報とかトレンドに触れたときに、そのキラキラした部分だけじゃなくて、裏にある運用面のリアルとか、市場の現実とか、そういうところまで想像して、多画期的に見ることの大切さを示唆してるんじゃないかと。
そうですね。
情報だけじゃわからない本質みたいなものは、やっぱり実際に手を動かしてみて初めて深くわかるんだなと。
ニュースとかSNSだと、かんかんそうに見えても現実は大変なんだっていう。でも送ってくれた方は、その失敗談もネタとして美味しいって前向きに捉えてらっしゃるのがまた面白いですよね。
ええ、そこがまた素敵ですよね。しかも一度撤退したのに、次はヨーロッパで注目されてるミルワームの養殖に関心を持たれてるとか。
へー、諦めないんですね。
失敗から学んで、また次の好奇心を持ち続けてる。素晴らしい探究心だと思います。
というわけで、今回は送ってくれた方の体験談を通してSDGsや昆虫食といったトレンドのその裏側にあるリアルな課題、そして実践からしか得られない深い学びについて一緒に考えてきました。
えー、流行に安易に乗っかるんじゃなくて、その背景にある複雑さとか、現実をちゃんと理解しようとすること、そして実際に試してみることの価値っていうのは改めて感じますね。
送ってくれた方、本当に貴重な学びの共有ありがとうございました。
はい。
さて、こういう大きな目標に挑むとき、理想と現実のギャップにどう向き合って、どう学びに変えていくか、皆さんも何か考えるきっかけになったのではないでしょうか。
それでは、次回の配信もお楽しみに。さようならー。
さようならー。