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#466 星新一、また新しく出会えた『きまぐれカプセル』
2026-08-31 05:02

#466 星新一、また新しく出会えた『きまぐれカプセル』

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ピョン吉の航星日誌「#1646 星新一の新刊!『きまぐれカプセル』を読んだ話」をGoogle notebookでポッドキャスト化したものです。

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- こんにちは。今回資料を送ってくださった方、1997年に亡くなった日本を代表する作家、星新一のですね、なんと新刊がこの8月28日に新潮文庫から出たっていうニュース。これ本当に驚き見せたよね。
- えー、本当にびっくりしました。きまぐれカプセルというタイトルで。
- そうそう、税抜き630円っていう。なんか亡くなって30年近く経つのに、新刊が普通に本屋に並ぶなんて、ちょっとタイムスリップしたみたいな気分というか。
- そうですよね。これなぜ今になって新刊が出たかっていうとですね、次女郷麻里奈氏があの未収録のエッセイをなんと400編も発見したっていうのが大きな鍵になってるんですよ。
- 400編ですか。すごい数ですね。
- そこから時系列に沿って91編が厳選されまして、そこに未収録のショートショートを3編加えて今回の一冊にまとまったんです。
- なるほど。しかもカバーイラストが1979年に描かれた真鍋博さんの補完作品なんですよね。
- あーそうなんですよね。あの黄金コンビの。
- そう。星真一と真鍋博っていうもうその完璧なコンビ復活を見るだけでも、もう無条件に胸が熱くなるっていうか。
まあ未収録のショートショート3編だけを目当てに手に取る人も多そうですけど。
- 確かに多いと思います。
- でも実はこの91編のエッセイこそが、なんというか作家の脳内を旅するタイムカプセルになってるんじゃないかって私は感じたんですよね。
- おっしゃる通りですね。単なる過去の思い出話に留まらないっていうのは、時系列で追うことで彼の思考の変遷がかなり立体的に浮かび上がってくるからなんですよ。
- ですよね。でもちょっと疑問だった部分もあって。
- はい。なんでしょう。
- スマホもネットもない時代に書かれたエッセイが、いくらSF作家の目線とはいえ、現代の私たちにそこまで響くものなのかなって。正直どこか古臭い過去の異物になっているんじゃないかって少し疑ってたんです。
- ああ、なるほど。そこで重要になるのがですね、彼独自の執筆プロセスなんですよ。
- 執筆プロセスですか。
- ええ、彼は原稿を書き上げた後、すぐに出版社に渡すのではなくて、数日置いてから継承するっていう手法をとっていました。
- ああ、なるほど。つまり、あえて時間を置いて客観視するようなアナログな熟成プロセスを挟んでいた後。
- まさにそうです。
- でも、数日寝かせるだけで、何十年先の未来にまで通じるような不変性が生まれるものなんですか?
- 執筆職語っていうのは、どうしてもその時代特有の流行とか、一時的な感情といった、まあノイズみたいなものが混じりやすいんですよね。
- ああ、わかります。勢いで書いちゃうというか。
- そうなんです。で、あえて時間を置いて読み直すことで、そうした表面的なノイズを削ぎ落として、人間の本質的な部分だけを残すことができる。
これが結果的に、時代を公越するメカニズムとして機能していると考えられます。
- 検索してすぐ発信する現代とは、本当に真逆のアプローチですね。
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私も自分の書いた原稿をすぐに出さずに、一晩寝かせた方がいいかもしれないって本気で思いましたよ。
- 確かにそうですね。
- まあ、翌朝読んだら、なんでこんなこと書いたんだって後も抱えそうですけど。
- いや、でも、削ぎ落とす過程でそういう発見があること自体が、まさに客観視できている証拠ですから。
- ああ、そっか。そういうことですね。
- ええ。そして今回400ペン発見されたうちの、300ペン以上はまだ未収録のままなんですよ。
- ってことは、彼がノイズを削ぎ落として残した思考の断片が、まだどこかに眠っているかもしれないってことですか。
- そういうことになります。
- まだ宝探しは続いているんですね。お父様の故郷である福島県いわき市とか。
- はい。
- あと、彼が参加していた日本空飛ぶ円盤研究会の資料がある飯野町のUFOの里とか、
地方の図書館や新聞社にまだ知られざる原稿が眠っているんじゃないかって思うとすごくワクワクしますね。
- 真の価値なんです。
- アーカイブの価値。
- 例えば、かつてのNHKなどでは、当時高価だったビデオテープをどんどん上書きして使っていたため、貴重な番組映像が永遠に失われてしまいました。
- ああ、常に新しいものを追い求めるあまりに、過去の天才たちの記録を意図せず消去してしまっていたわけですね。
- ええ、今回のようにご家族が丁寧に保管していたからこそ、30年後に新しい価値として世に出たのとは本当に対照的です。
- 確かに。
- 過去の資料をいかに残し伝えていくか。それは単なる保管ではなくて、未来の世代へ文化を維持するための極めて重要なバトンなんですよ。
- なるほどな。今回資料を送ってくださった方、亡くなって30年経つ作家と、こうして新刊を通じて新しく出会い直す体験って本当に豊かですよね。
- ええ、本当に素晴らしい体験だと思います。
- そこで最後に少し考えてみてほしいんです。私たちが今、当たり前のように消費している情報や日々の記録の中で、数十年後に誰かの宝物になるタイムカプセルは果たして何でしょうか?
- 次回の配信もお楽しみに。さようなら。
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