オープニング
こんばんは、PuriMagicです。 夕方の私から、今日は一つのテーマをじっくりお届けしますね。 お茶でも飲みながら、ちょっとだけ聞いていってください。
PuriMagic夕刊、10月22日です。 今日は、スタートアップの深掘りとして、中国のロボット企業、Astribotを取り上げます。
売上げも出荷台数も公表していないのに、評価額は150億人民元、日本円で約3000億円になりました。この値段は、何を前提にしているのかを考えます。
評価額とは:最新の調達条件から逆算した値段
まず、評価額という言葉から確認しておきます。 上場していない会社の評価額は、最新の資金調達で、投資家が合意した条件から逆算した値段です。
売上げを出していない会社の場合、何を根拠にするかで、その値段が妥当かどうかの判断が大きく変わります。
Astribotは、中国の新生にある人の形をしたロボット、ヒューマノイドの会社です。
10月13日に約10億人民元を調達して、評価額は3ヶ月前の100億人民元から150億人民元に上がりました。
半年で4回目の資金調達です。
調達の中身:深圳市の国有投資会社の傘下が主導
調達の中身です。
ロボット専門メディアのロボットホットによると、今回の調達を主導したのは、新鮮市の国有投資会社の参加にあるトポセンドキャピタルです。
他に複数のファンドと既存の株主が参加しました。
データ会社のディールルームは、調達額を約1億4千万から1億5千万ドル、評価額を約20億6千万ドルと集計しています。
時点と為せで差があります。
会社側の説明:自社AIモデルと機体、生産能力1万台
会社側の説明も紹介します。
ただし、いずれも第三者は確かめていません。
アストリボットは、ルモというAIモデル、自社の基本ソフト、そしてロープで関節を引く機体の3つを自社で作っているとしています。
機関のSシリーズは、2025年9月に1000台規模の受注を始め、T1は2026年6月に出荷を始めました。
T1の価格は約9万人民元からです。
SとTのシリーズを合わせた生産能力は1万台規模だと説明しています。
ただ生産能力は工場が作れる台数の上限で売れた台数ではありません。
DeepSeekがロボットAIのWinverseに出資の見通し
同じ時期にもう一つ動きがありました。
ブルームバーグの10月12日の報道によると、言語AIの会社ディープシークが甲州のロボット向けAIの会社ウィンバースの最初の資金調達を主導する見通しです。
評価額は約4億ドルで、創業者はテンセントでロボット向けAIの基盤モデルを率いた人物です。
評価額や参加する投資家はまだ変わる可能性があります。
ディープシークは上海に上場したユニトリーにも戦略投資家として加わっています。
言語AIの会社が機体を作る会社とAIを作る会社の両方に出資しているわけです。
上場した同業者との比較:売上の約33〜41倍
では、上場した同業者と比べてみます。
中国のメディアの試算では、香港上場を準備していたAzibotの目標評価額は2025年の売上高の32.8倍から40.9倍。
ユニトリーの上場時の評価額は売上高の約36倍です。
そのAzibotは中国紙の10月13日の報道によると、評価額約500億人民元で、10億から15億人民元を調達する新しいラウンドをほぼ終えました。
香港取引所の規則では、上場申請の後に資金を調達すると、原則120日は上場できません。
そのため、年内の上場は見送られる見通しです。
必要な販売台数の逆算:年に約4,800台
ここから必要な販売台数を逆算します。
Azibotの売上倍率を同業者に近い約35倍と仮定します。
150億人民元を35で割ると、年間の売上高は約4億3000万人民元になります。
約9万人民元のT1だけで売るなら、年に約4800台です。
高いSシリーズが混ざれば台数は減りますが、それでも年に数千台の出荷が前提になります。
生産能力1万台のおよそ半分が実際に売れて、ようやくユニツリーやAzibotの上場時の売上倍率に並ぶ計算です。
一方、ドルにすると約21億ドルで、アメリカのフィギュアの約19分の1、1Xの約5分の1です。
部品が安く、量産も早い中国の条件を考えると、アメリカ勢と比べて割高とは言い切れません。
値段が速く上がる理由
では、なぜ値段がこんなに早く上がるのでしょうか。
地方政府系のファンドは、出資の見返りに地元への向上の誘致や雇用を求めることがよくあります。
その場合の成果は、投資の利回りだけではないので、市場で決まる価格より高い値段がつきやすくなります。
中国がヒューマノイドとロボット向けAIを重点分野に掲げていることも理由の一つです。
ユニツリーの上場とAzibotの上場準備で、上場した時の値段も想像しやすくなりました。
また、中国の会社は作れる体制を先に整えて、需要が来た時に一気に出荷するやり方で太陽光パネルや電気自動車を伸ばしてきました。
この実績から、生産能力に値段をつけるのは理にかなっているとする投資家もいます。
今後の注目点4つ
今後の注目点は4つです。
Azibotの上場の日程と約500億人民元の評価額がそのまま上場時の値段になるか。
ユニツリーの10月末頃の決算で出る出荷台数と売り上げ。
アストリボットがT1の出荷台数を公表するか。
そして、ウィンバースへの出資が正式に発表されるかです。
PuriMagicの見方:国有資本と上場への期待で付いた値段
最後に私の考えです。
私はアストリボットの150億人民元は国有資本と上場への期待でついた値段だと考えています。
売り上げを公表していない以上、この値段が妥当かどうかは外からは確かめられません。
2010年代後半の中国の電気自動車では、地方政府の支援で多くの振興メーカーが高い評価額を得て、その後に残ったのは実際に台数を打った数社でした。
ヒューマノイドでも同じように淘汰が進むとは限りませんが、私が一番気にしているのは2027年以降に伸びたアジボットの上場の結果です。
そこでつく値段が上場していない会社の値段の上限の目安になると予想しています。
もしアストリボットが出荷台数と売り上げを公表して年に数千台の規模だとわかれば、期待でついた値段という評価は改めます。
なお、この放送は投資を進めるものではありません。
まとめ
今日の一言まとめです。
アストリボットの150億人民元は年に約4800台を売る前提の値段で、今は実績より期待でついています。
詳しい評価出展はサブスタックの記事にまとめています。
プリマジック夕刊、10月22日の放送でした。
今日も付き合ってくれてありがとうございます。
気になったつながりは頭の隅に置いておいてくださいね。
プリマジックでした。またね。