10周年の振り返り
甲斐
こんにちは、primeNumberです。この番組は、データとAIであらゆる企業のデータドリブン経由を推進するテクノロジーカンパニー、株式会社primeNumberがお送りするポッドキャストです。
前編は、CEOの田邊さんを迎えて、10周年を迎えたprimeNumberのこれまでとこれからについてお話しいただきます。
ということで、実はこのポッドキャストを配信する日がまさに10周年当日、11月19日なんですけど、まずは10周年を迎えていかがですか、田邊さんの今のお気持ちを。
田邊
そうですね、正直ベースですとそこまで実感はないんですよね。
甲斐
そうですか、いつの間に、あっという間っていう。
田邊
あっという間っていう視点もそうですし、節目でありますから、みんなで分かち合おうという意識はあるんですけど、何かワーッとね、やり遂げたという状況でもないですし、いろいろな取り組みが半ばなものですから、我々もそうですし、いろいろお世話になっている方々もいらっしゃる中で、
そういったお声掛けをいただくこともやっぱりありますので、一つの区切りとしていろんなお話させていただければなというふうに思っています。
甲斐
それでは早速なんですけれども、primeNumberという会社がどういう形で成り立っていったのかというところをお伺いできますか。
田邊
当時、今でもそうですけど、データですとかITのマーケット、広告テクノロジーとかマーケティングテクノロジーとかそういったところで仕事をする中で、エンジニアリングとそのマネジメントをすることが多かったんですよね。
自分たちで組織を立てていこうというふうに心に決めて、(CIOの)山本もそこに賛同してくれて、ではどういうことをやっていこうか、どういう組織であろうかというのを整理していく中で、
今でも変わらず社内で話しますけど、エンジニアリングファーストで価値創出してくれる者たちが評価されて活躍できるような組織を作っていこうというのがprimeNumberのスタートですね。
甲斐
創業当時はどんなビジネスをされていたんですか。
田邊
ありがたくもいろんな会社さんがそういった組織を立ち上げたということを耳にしてくれて、であればこんなことを相談してみたいんだけどというところから話が始まっていくんですけど、
かといって全く門外漢の相談は来ないわけで、IT、エンジニアリング、マーケティングテクノロジー、広告テクノロジー、それに関係するエンジニアリングワークやコンサルテーションのお願いをするところからスタートしていきましたね。
甲斐
創業当初苦労したなとか、今振り返ると大変だったことはありますか。
田邊
そういったことを考える間もなくどんどん走り続けてきたという正直なところで、
もう毎日価値を返すじゃないですけど、一個一個前の仕事を完成させていくというのに腐心していましたね。
それこそ準備してくれた年表とかにもあると思うんですけど、2015年の11月に登記して、5月に都内にオフィスを構えるという話になってくるんですけど、
あまりにも目の前の仕事にフォーカスしていく中で余裕ができたってわけじゃないんですけど、
ふっとするタイミングもあってですね、そんな時に感じたことが、ずっとお客さんのところにいたので、改めてメンバーが集まろうよみたいな時に場所がないんですよね。
登記したのが本当に登記することだけを目的に構えた、本当に私の家からバッと行けるようなところだったので、そんな時にオフィスがないと。
これは結構ですね、精神的に来るんですよね。帰るところがないみたいな。これは良くないなみたいな発想から、
これも縁があって中目黒に本当に格安で見つけて、そこに家具を運び込んで掃除するところから始まったのが中目黒オフィスのスタートですね。
甲斐
今回10周年に合わせて年表をWebサイトで公開するんですが、その中でちょっと気になったのが、オフィス増築の時に小上がりの和室に掘りごたつを設置っていう。
これまさに今もオフィスでもCC Loungeでも掘りごたつが結構名物になってて、来ていらっしゃるお客様とかに、あれすごいですねってすごく言っていただけるんですけど、
ここから始まってたのだっていうのがちょっと面白かったんですけど、これってどういうきっかけで掘りごたつ的な場所を作ろうってなったんですか。
田邊
本当にもう中目黒のオフィスがすすだらけで本当に汚いんですよ。広いんだけど汚い。自分たちでこの壁についた埃を落としたり、
入って間もない頃に掃除機かけたらすごい埃が取れるみたいな。少し綺麗なところもそうですし、それこそワイワイ飲み食いしようみたいな。
こういう醍醐味だったりするじゃないですか。そこでちょっといいスペース設けようって。
結果的に掘りごたつになるんですけど、ああいう形式のものって飲み食いするのが好きな人からすると鉄板というか憧れじゃないですか。迷わなかったです。
甲斐
なるほど迷わずに。
田邊
迷わず作ってもらおうとしてましたね。
甲斐
それが今も引き続きオフィスの根幹として。
今6個あります。
田邊
こりずによく作りましたね。
それこそあれですよ。それ系の逸話を言うと今でもそう、私が今座っている椅子もそうですけど、家具は僕の美的センスには好きなんですけど、
IKEAで揃えたんですよね。机も椅子も棚もみたいな。その間違いなく名残だと思いますけど。
経済的だという理由もありますけど、今のうちの目黒の上のオフィスもほぼIKEAですよね。
甲斐
以前にインタビューした時も田邊さんと車に乗ってIKEAまで買い出しに行ったというエピソードがありましたけど。
田邊
当時自分で作ってましたからね。今は来てもらって組み立ててもらってもらってますけど。
甲斐
おかげさまですごくお客さんが来た時にすごく喜んでいただけるので。
本当にラウンジのソファーとかああいうところはすごく雰囲気がすごく良くて。
オフィスなのにちょっとくつろげる感じがあるのがすごく好評ですね。
田邊
そのラウンジのソファーもIKEAですからね。
甲斐
あれもIKEAなんです? 気づかなかったです。結構高級なソファー買ってたんだと思ってました。
田邊
IKEAの高級ソファー。
甲斐
こうやってみんなの集まれる拠点を作った一方でprimeNumberのビジネスとはこの時期どういう状況だったんでしょうか?
TROCCOの誕生
田邊
2015年の11月に創業していろんなお客さんのいろんな課題をエンジニアリングでテーマで解決しながら
ちょっとずつ取り組みの汎用化みたいなものだとしていくんですよね。
受託開発みたいな形でやり続けることが自分たちにとって経済合理性の観点からもいい悪い話もありますし
そうじゃない仕組みを作っていかなきゃいけない課題認識は当然あって
今ではサイトに掲示して紹介しているコンテンツはないですけど
当時systemNという仕組みで汎用型のエンジニアリングサービスをやってたんですよね。
それが2017年とか8年くらいかな。
ちなみにたまに名前の由来聞かれるんですけど
甲斐
気になってます。
田邊
知らない?
甲斐
はい。
田邊
Nは任意のNですよ。
甲斐
任意の?
田邊
任意のN、数字のNなんです。
任意、何にでもなるでしょ。
何にでも化けるシステムって意味なんですよ。
なるほど。
それ言い過ぎですけど何にでも化ける。
そのビッグデータ基盤を作るにあたって
様々な形に変容するというコンテキストでsystemNというのをつけたのと
私音楽が好きで昔トランスとかも聴いてたんですけど
トランスDJでフェリー・コーステンという人が別名でSystem Fって言うんですよね。
そのへん文字ってsystemNって言ってたんですけど
今はね、大企業様でまだ稼働しているような環境もありますけど
もちろんSaaSでしたりProfessional Serviceのビジネスの方に
2018、19年くらい今まで切り替わっていくんですかね。
甲斐
その後、2018年に我々のすごく重要なプロダクトでもあるTROCCOが生まれるんですけど
TROCCOが生まれた経緯をお伺いしてよろしいでしょうか。
田邊
これも10年という期間を鳥瞰的に見た時に
役員同士でも話をしていくと
共通項はやっぱりあって
その後24年5月のCOMETAもそうだし
Professional Serviceとしてリニューアルした時もそうなんですけど
それまでやってきたことの延長線上で
ストレスだったり課題ってあるんですよね。
それの延長線上にいたメンバーたちのキャリアが重なって
それだけにフォーカスするような組織ではなくて
シードラウンド的な資金調達もしてないですから
それまでやってきた取り組みの利益だり
並行して動けるような体制を利益を稼ぎながら構えていくことで
MVPのリリースに至ったのが2018年10月であり
TROCCOのアルファ版って呼んでたかな、当時な
そんな流れで2018年の10月を迎えますよね。
甲斐
今振り返っていかがですか。TROCCOというものをリリースしたことについて。
田邊
これはね、私の性格的なところもあるんですけど
常にフラットに見てましたよ。
その時の会社のメインビジネスというか
収益になっている構造は何であるってこと
どこに自覚を置かなければいけないかってこと
ただ先のことを見せて考えなければいけないと
いろんな観点を持ってこのリリースを迎えている
それこそこの2017年の11月から2018年の1年間って
本当に俗に言う事業とかプロダクト企画会議いっぱいやってるんですよ
振り返ると。
会社としてそういったアクションをやった上での活動だったので
その意思の先にこういったアウトカムに恵まれてよかったな
という風には思ってましたけど
これがきっちりビジネスになるという風な過剰な期待だったり
寄りかかってありきで考えるとか
そういう風な立場ではなかったです
甲斐
一方でフラットな目線で続けながらも
2025年現在非常に多くのお客様に使っていただくサービスとして成長してまして
そこは今振り返られてどうですか
ここまで成長してきたことについては
田邊
PMF(Product Market Fit)まで時間もかかりましたし
ぐんと売上が伸び始めた
世の中に受け入れられたというタイミングを迎えるまでに
いくつかのイベントがあるんですよね。資金調達もそうですし、
CI(Corporate Identity)を見直して
それとセットでであればという風に力を貸してくれる人が増えたり
耳目を集められたり
それによって筋肉質に徐々になっていって
うちもそうですけど
商談化してから成約するまで何か月とかある中で
それが明確にいわゆるPMFを迎えられたね
みたいなタイミングに至るまでは時間はかかりましたけど
そこに至るまでに携わったいろんな機能を
みんなで構成しているわけですけど
TROCCOとProfessional Serviceの立ち上げ
田邊
その賜物に他ならないかなという風に思います
それこそ私たちって自社内で
営業活動マーケティング開発していることに加えて
パートナーさんも当然いらっしゃいますし
あとはコミュニティですよね
pUG(primeNumber User Group)も含めて複数運営している中で
こういったところから声をいただいたり
フィードバックをいただいたりということをセットでやっているので
私たちも頑張りましたけど市場にも育ててもらった
取り組みだったのかなというふうに解釈しています
甲斐
TROCCOというプロダクトに加えて
もう一つ我々のこれも柱である
Professional Serviceが2021年にスタートするんですけど
こちらを立ち上げられた経緯というのは
田邊
21年だから資金調達2回目の資金調達の前ぐらいですよね
こういったこともセットで価値提供していますよということの
社内の情報整理と対外的な意思表示だろうね
社内ではもうみんなに伝えていますし
聞くことも伝えましたけど
このフィードバックグループ
Professional Serviceとプロダクトビジネスの
効果的なフィードバックをずっと続けている会社ですから
当然だから欠かさざる事業の一つではありますし
こういったハイブリッドで両方やりきっている会社って
手前味噌ですけどそんなないかなと思いますので
我々の特徴とも言えるんじゃないかなと思います
甲斐
そして2022年に自社として01というイベントを立ち上げまして
今はDATA SUMMITという名前に変えて引き続き大型で続いているんですけど
こちら立ち上がった経緯ってどういう流れだったんでしょうか
田邊
先ほども話をした通り
いろんな人にこの事業を支えてもらった
作ってもらったって話の中でコミュニティの話もありましたけど
これもその一つの要素かなと思いますね
きっかけは適切なマーケティング投資先が少なかった
見当たらなかったっていうのはきっかけで
じゃあ自分からやってしまおうかっていうのが
今社外取りの小島さんとの話から始まるんですけど
本当にそれに尽きないなと思いますし
当初から言ってるんですけど
単純に僕たちってこんな活動してて
こんないいことあるんですよだけだと
自分たちの視座というか視点も狭まってしまう
視座も上がらないことはすごく気にしていて
自分たちがやれることできていることより
少し高めのところに視点を置いて
マーケット全体に対してまたオピニオンリーダーさんを迎えながら
様々な意見交換をできるような場として
スタートさせたのが今のDATA SUMMITですね
甲斐
DATA SUMMITの話は後編でまた深くお伺いしたいと思います
COMETAの狙いとデータエンジニアリングの未来
甲斐
そして少し時間が飛びまして
2024年にTROCCOに次ぐ新たなプロダクト
COMETAがリリースされまして
こちらについてCOMETAの生まれた経緯
狙いをお伺いしてよろしいでしょうか
田邊
ここは2024年の5月ですが
TROCCOも大きくなって
Professional Serviceも変わらずやっていく中で
僕たちが提供している業務領域業務プロセスを
広げていく必要があるというのは
常々お話をしていました
TROCCOの役割は主に
企業さんがデータを活用していく上で
自社の基盤に統合していく
Professional Serviceをサポートしていく
特に今年1年100+もやってきましたが
コネクタを始めとしたデータを統合する
本当にコアバリューですよね
あらゆるデータをビジネスの力に変える
というビジョンを掲げながら
その先のプロセスは手付けられていなかったです
Professional Serviceも含めて
トライしてくれていましたが
見ていかなければならないというのは
市場面であったと思います
その観点からは
データカタログという文脈で
ある程度の規模のある企業さん向けの
サービスとして切り出しましたが
社内でのデータ活用の民主化という観点から
それを行うために必要な機能群を
作り提供していこうという形でスタートしたのが
COMETAです
甲斐
今まだCOMETAは生まれて間もないサービスと言われるのですが
2025年のこのタイミングでCOMETAは
いかがですか評価として
田邊
COMETAは2つの視点で話をしたくて
1つはこの1年で僕たちを取り巻く環境はかなり変わりました
つまりAIですよね
データを参照する人格というか
キャラクターが人だけじゃなくて
AIが増えたのですよね
彼らも人間と同様に
データの意味が分かっていないとよりよく動けない
そういった観点も含めながら
またCOMETAそのものを動かす上でも
AIの力を借りながら広く企業様の
データ活用に資するサービス
結果的にAIの文脈でリブランドすることになるのですが
その観点でも非常に時代の潮流に合わせながら
成長が加速していくようなサービスだと
いうふうに認識しています
甲斐
ここまで駆け足でprimeNumberの歴史を振り返ってきたのですが
新たな10年
これからprimeNumberがどういう事業
どういう社会を目指していくのかというところをお伺いしてもよろしいでしょうか
田邊
私が考え方としてまとまっている表現があって
僕たちって創業とまでいうかは
あるとしてもProfessional Serviceだったり
TROCCOそしてCOMETAがある中で
ひとえにまとめるとデータを
エンジニアリングしてきたのですよね
データエンジニアリング データテクノロジー
その確かな歩みを生かしながら
これからこの10年
データの伴走者にもなっていきたいと思うし
その先には
よりマーケットに対してのリーダーシップを発揮すべく
データの先導者というような評価を得られるような
進化成長を遂げていきたいと思っています
なので
データと一括りにいっても
AIとワンセットで経営資源となろうとしている中で
僕たちのケイパビリティを
プロダクトビジネスだけではなく
Professional Serviceも含めて広げていくのは大前提ですし
その一つの大きな宣言というか
新しいテーマを26日のDATA SUMMITで
発表させていただきたいと考えています
甲斐
最後にこの10年を振り返って
一言改めていただいてよろしいでしょうか
田邊
ありていに聞こえてしまうかもしれないですが
この10年
ジョインしてくれたタイミングの早い遅い関わらず
CoPrimeで一緒に挑戦をしてきた
メンバーさん そのメンバーの家族もそうですし
お客さん ビジネスを作っているパートナーさん
そして私たちの可能性に賭けてくれた
株主の皆さん 本当にこの場に変えて
御礼に返させてもらえればと思います ありがとうございます
ありがとうございます
甲斐
後編では引き続き田邊さんに我々が開催する
大型カンファレンスDATA SUMMITのお話をしていただく予定です
引き続きよろしくお願いします
田邊
よろしくお願いします