AIメディアの紹介
甲斐
お時間になりましたので、本日のイベントを開始させていただきます。今回、4つのメディアにご登壇いただいて、最前線のAIと、これからのAI Media Nightを開始いたします。
今日、4つの媒体の方々、1人ずつお越しいただいています。まず、トークテーマに入る前に、各媒体から自己紹介いただきたいと思いますので、1人ずつ、1分くらいでいただければと思います。
まず最初の媒体、Ledgeさん、お願いします。
Ledge.ai 武石
皆さん、こんばんは。初めまして。私は株式会社レッジの武石と申します。弊社はLedge.aiという、今、前方に投影いただいているAIメディアを運営しております。
このLedge.ai自体は、2017年、まだ世間的には、これからAIが来るんじゃないか、みたいなところで言われ始めていたぐらいから、Ledge.aiというものを立ち上げています。
今でいうと、結構AIメディアみたいなところは、いくつか有名なものもあるかなと思うんですけれども、一応、その中では老舗のAIメディアという立ち位置で、これまで運営をしてきております。
弊社、このLedge.aiというのは、AIトレンドの公脈みたいなところを目指して立ち上げ、運営をしているメディアでございまして、日々様々なAIに関する、ビジネスマンが今、押さえておくべきニュースはこれですよ、というのを
編集部が厳選をしてお届けしたりですとか、あとは定期的にイベント等を開催して、半期、あとは1年を振り返るイベントみたいな形で特集を企画したりというところで、情報発信を行っている、そういった会社でございます。
今、画面に見えているところであるんですけど、年末年始特集というのを開催しておりますので、ぜひ、もしご興味がある方がいらっしゃれば、こちら特集のサイトのほうもアクセスいただければなと思っております。
このあたりの1年を振り返るみたいなところで、いろいろと今年、我々のメディアの中で取り上げてきた話題とかも使いながらお話しできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
甲斐
ありがとうございます。
続いて、テクノエッジさんお願いします。
テクノエッジ 松尾
テクノエッジという媒体をやっております。
僕はそこでシニアエディターというポジションでやっているんですけれども、僕自身はかなり古いITのメディア関係をずっとやってきているんですけど、最近はもうAIが主戦場になっていまして、
テクノエッジ自体も元々はガジェットとかを中心とする媒体としてスタートしたんですけれども、今は半分以上がAIのネタになっていますね。
他の媒体さんと違って、コンシューマー向け、エンドユーザー向けの話題が主体となっていまして、
最近だとですね、生成AIを使ったメディアであるとか、あと生成AI関連の様々な技術が論文として出てくる、それをまとめた記事とかその辺が人気です。
あとですね、変わったところだとAIグラビア、生成AIで作ったグラビアアイドルをどういうふうに作っていくかという人気連載もありますので、よかったら見ていてください。
甲斐
はい、ありがとうございます。続きまして、マイナビ TECH+さんお願いします。
マイナビ TECH+ 小林
株式会社マイナビ TECH+というオンラインの媒体をやらせていただいております。小林と申します。よろしくお願いいたします。
マイナビというと転職とか就職じゃないのかという話があるんですけど、実はもともとの出自が出版がメインでして、それの流れを紙で買っていただいている方もいるかと思うんですけど、
それの流れでオンラインのメディアも実はやっておりまして、その中でTECH+というのはまさにB2B向けのメディアという形で、
半導体のミクロの世界からその上に広がるアプリケーションのレイヤーの皆さんの使い方の世界ですね。
全部テクノロジーをつなげる、誰かにつなげる、何かにつなげる、そういった意味でTECH+という形でやらせていただいている媒体になります。
ちょっとですね、会員登録をしていただかないと大半の記事が読めないので、もし興味ある方はお手数ですが会員登録をしていただければ、そういった気になる記事を読めるかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
甲斐
はい、ありがとうございます。では続きましてデータのじかんさんお願いします。
データのじかん 野島
はい、データのじかんの野島と申します。データのじかんはですね、母体がウイングアーク1stというIT企業をやっているメディアとなっています。
ウイングアークは、primeNumberさんと同じようにデータであったりとかDX、AIという形でミドルウェアを提供している会社でして、
データといえばprimeNumberさんと思い出した後にウイングアークというのもちょっと気にしていただいて検索していただければなと思うんですけれども、データのじかんはその中で自社のオウンドメディアという形で運営しております。
本業がIT企業なのでデータとかテクノロジーに関してもちろん発信しているんですが、
視点としてはそのテクノロジーそのものというよりはですね、テクノロジーを当てる人であったり組織であったりチームというものがどういった形で適応していくのか。
もしくはその中での文化であったりカルチャーというものがどういった形で変化しているのかという形で、結構組織であったりとかですね、人であったりとかというものにフォーカスしているメディアになっています。
トップページに載っている方も東京大学で組織を作りながら、物理学で世界の100本に入るような研究者になっている方の取材であったりという形で。
テクノロジーを語る上ではですね、やはり今日の話でも上がってくると思うんですけれども、それを当てる人とか社会というものが同時に捉える必要があると思いますので、その観点でデータのじかんを発信させていただいております。
パネルディスカッションの展開
データのじかん 野島
本日はよろしくお願いいたします。
甲斐
ありがとうございます。
それでは早速ですね、パネルディスカッションに入っていきたいんですが、今回ですね、我々のほうでトークテーマを用意しまして、それぞれ各媒体にトークテーマに対して回答をいただいています。
実際その回答を見ながらお話しいただくという方式にしております。
テーマ自体ですね、媒体名は書いておりませんので、箇条書きで4つ並べておりますので、ちょっと気になるところを拾ってですね、これ誰が書いたんですかというですね。
うちの若手に質問されたんですけど、「恋のから騒ぎ方式で」と説明したらキョトンとされたんですが、これでわかる方はそういう方式だとご理解ください。
というわけで早速参りたいと思います。
一番ですね、今年12月でやっぱり忘年シーズンということもありますので、2025年、この1年本当にいろいろAIの話題があったと思うんですが、改めて思い出深いAI関連のトピックというものを各媒体に挙げていただきました。
ということで一旦ご覧いただきます。
一つ目、#keep4o運動/NotebookLMの進化。
二つ目、テレビ業界のAI導入推進。
三つ目、AIエージェント元年、
GPUのギガワット化。
四つ目、AnthropicのZero Slop Zoneということで、結構ですね、バラエティ豊かな4つが挙がってきたと思うんですが、ちょっと変わったところでいうと、Zero Slop Zoneというのがわりとどんなものか、これご説明いただきながらお話しいたけど、これどなたでしょうか。
データのじかん 野島
はい、データのじかんの野島です。
甲斐
お願いします。
データのじかん 野島
Anthropicですね。
クロードとかAIをやっている会社ですけれども、Zero Slop Zoneというカフェでやったりとかリテールを作っているというニュースになります。
もしかしたらマイナビさんなのかどこかで見た記事、マイナビさん確かあったかもしれないですけれども、日本でも記事になっているんですけれども、Slopというのがですね、情報の洪水みたいなイメージのキーワードで、
AIによって質の低い情報が垂れ流しにされて、他の論文とかだと1年間で100万倍増えたみたいな論文とかも出たりするんですけれども、それが情報洪水になっている中で、AIの大きなキープレイヤーであるAnthropicが、Keep thinkingというキャンペーンをする中で、Slopをしない、つまり情報を垂れ流さないような視点でキャンペーンをしているというものになります。
そこのキーコンセプトはKeep thinkingという考えることを続けろという表現でキャンペーンをしていまして、本質的にはAIというものは考えの拡張であったりとか人間を助けるもので、そこでAIによって人間の考える活動とかやっている活動を退化させるものではないというアンチテーゼみたいなキャンペーンになっています。
実際このカフェだとスマホもダメだし、パソコンも持って行っちゃダメだし、ペンとノートだけ持って行ってくださいみたいな制約もあったりとかというので、キャンペーンが行われ、日本でも来年ぐらいやると思うんですけれども、そういうキャンペーンが行われている。
ポジション的な意味合いもAnthropic側はもちろんあると思うんですけれども、現状の我々のAIに捉えられる懸念点というのを一つ対応した施策なのかなという観点で見ております。
甲斐
はい、ありがとうございます。
これ結構この後のテーマでも出てくる気がするんですけど、AIが進んだ結果、人間がどんどん考えなくなっているみたいなところって、結構一つ課題感あると思うんですけど、他の媒体の方でこの辺りって、今年振り返って、こんな企業がこんなことやっているとかありますか。
マイナビ TECH+ 小林
僕、そこでインパクトあったのは、AIと結婚したって話ですね。
甲斐
ありましたね。
マイナビ TECH+ 小林
現実の人間と付き合うよりもAIと付き合った方が優しくしてくれる。自分を包み込んでくれる。だからAIと結婚する。
本当にそこがどう転がるかって、これ後の話ももしかしたら繋がるかもしれないですけど、AIっていうのはデータの存在なんですけど、そこ今出てきましたね。
AIを人間として感じられるところまで、進化しているっていうのは非常に。ただAI側は感情を理解しているかというと、実際は感情を理解していなくて、データとして理解しているだけっていう。
そこの温度感をどこまで感じるか。一般の人は多分感じないでどんどん進んでいくんだろうなっていうのはすごい、今の直感のところで。
そこの変化をどう踏まえて、さっきのKeep thinkingじゃないんですけど、AIにどこまで委ねるかっていうのをちゃんと先引きをするっていうことが必要になってくるのかなっていうのはすごい感じている話ですね。
甲斐
これ若干少し違うかもしれないんですが、松尾さんとかこの辺りって。
テクノエッジ 松尾
はい。
AIアバターの発展
テクノエッジ 松尾
実は僕はですね、妻が13年前に亡くなりまして、彼女の姿とか歌とか声とかをAIで再現するっていうのをずっと取り組んでいまして。
それで去年おととしあたりからテレビで結構出てたり取り上げられたりとかしてたんですけれども、今年になってやっているのはですね、AIアバターという姿と、
実際にそのLLMを介して、学習したLLMを介して、本人らしいアバターと対話をするというふうなところが実際できるようになってて。
これをある企業と共同開発を進めているところです。
今どういうフェーズにあるかというと、感情を持つような受け答えができるようなレベルまで持っていくことができた。
昨日か今日か出てた、これはGoogleの新しい音声モデルもかなりよくできてますね。
感情を持ったリアクションができるような、そういうTTS、Text to Speechのサービスができるようになって。
そこもだいぶ進んでいるんですけれども、実際はこちらがどういうふうにリアクションしたか。
こちらの話している感情をLLMがどう解釈するかというふうなところまで来るようになってて。
さらにはカメラを双方向にして、こちら側の感情がどういうふうにリアクトしているか。
それで向こうが提示しているトークの内容に、こちらが賛同しているかどうかというところまで理解するようなフェーズが次には来るんじゃないかなと。
ということでAIアバターも結婚するとか、なかなか面白い話ではあるんですけれども、どんどん進化していくようなところに来ていると思います。
甲斐
ありがとうございます。
AIが出てきて考えなくなっているんじゃないかというところから、むしろ考えすぎているようになったりとか。
すごい新しいところに発展していて、非常に冒頭から面白い議論が出ていますが、せっかくなのでいくつかもうあるので、トピックとして。
#keep4o運動の重要性
甲斐
これも結構思い出深いなと思うので、#keep4o運動あたりもお伺いしたいと思います。
これ挙げた方はどなたでしょうか。
#keep4o、知らないって人います?
#keep4o運動ってやつを。
じゃあちょっと#keep4oの解説からお願いします。
Ledge.ai 武石
もうちょっと手前というよりかは、この1年みたいなところの感想も含めて少しお話をしたいなとは思っていて。
結構この2025年って、LLMの製品進化というか、モデルの進化というところが、かなり短いスパンの中で急速に進んだなというふうな印象があって、
本当つい昨日ですかね、GPTも5.2に上がってリリースされたりみたいなところとかは、
GPT-5自体が出たのが今年の8月なんで、そこから5.1が出て、5.2が出てというところで、
Geminiも2.5から3が出てみたいなところで、結構いろんなところで、いろんな企業のモデルの進化みたいなところが多かったなというふうに感じています。
またそういったモデル進化を辿っていく中で印象的だったのが、この#keep4o運動かなというふうに思っています。
この運動何かというと、8月にさっき言ったGPT-5が出て、GPT-4oから5.0に進化をするという中で、
4oのそれまで使っていた人たちが、4oに対して結構応答の内容がすごく人間らしいとか、自分に馴染む応答をしてくれたのに、
5になってから、そこのリアクションというか、無味乾燥なものになっちゃったなみたいなところとか、
より人間らしさなのか、さっきの話に関連するところじゃないですけども、
4oの時に感じていた、LLMに対する人格とかそんなところに回帰をしたいという声がすごい上がったというのが、この#keep4o、4oを戻してくれみたいな話ですね。
要はGPT-5になると、4を使えなくなっちゃったんですよね、そのリリース当初。
なので、4oに戻してくれみたいな声が一気に上がった運動というのがあってですね、
性能を求めるというよりかはですね、人格を求め出すみたいな運動が非常に興味深かったなと思っていて、
ある程度多分ここまで来ると、LLMの性能進化って多分そんなに人間が普段使っていて感じられなくなってきていて、
どちらかというと温かみがあるとか、自分に馴染みのあるトーンとか性格みたいな存在になってくれるっていうのが、
割とこれからのLLMに求められてくる価値になってきているのかな、みたいなのがこの運動を通してちょっと垣間見れて、
GPT-5から5.1になるときに会話のトーンが選べますよみたいな、そんな機能が出たりしてですね、
OpenAIもこの声に対応せざるを得なくなるというかですね、やっぱりこういう声の大きさを受けてそういった機能を強化していくみたいなところがですね、
運動としてあったっていうところがトピックとしてですね、ちょっと思い出深いなと思って取り上げております。
NotebookLMの進化
Ledge.ai 武石
製品進化という中で、ちょっとこう抽象的なお話だけというわけではなく、足元のところでNotebookLMとかを使っていて結構良かったなみたいなところも、
ちょっと私の実感としてシェアできればなというところで、このNotebookLMの進化というところは挙げさせてもらったというところですね。
結構音源とかですね、我々メディアなんで取材とかをしてですね、記事を書くというシーンが多々あるんですけれども、
ちょっと前までこの取材音源から記事に起こす、初稿を起こすというところのコストってものすごくかかってたんですけれども、
これがNotebookLMが登場して、それのツールがですね、機能が進化したことで、かなりですね、そこのスピード、そして最初に出してくれるアウトプットの精度というところがめちゃめちゃ上がったなという実感があってですね、
このあたり業務でもですね、使える幅、領域というところも広がっていったなというふうに思ったので、
ぜひまだNotebookLM触ったことないよ、みたいなこともいらっしゃいましたら、ぜひこれを機にちょっと触ってみてもいいのかな、みたいなふうに思ったので、
ちょっとそんなところもシェアさせていただきたいと思いました。
甲斐
ありがとうございます。
結構あれですね、2025年のトピックが人との関わりというのが一つあったのかなというのは、今お話聞いていると、人が考えなくなる、
もしくは人が愛する対象みたいなところで、ちょっと面白い一つのトレンドかなと思いました。
今聞いていて面白かったので、ちょっと登壇者に一言でお答えいただきたいんですけど、今、今日時点で一番使っている大事なAI1個、
一つずつボンボン言ってもらってもいいですか、松尾さんから。
1個だけです。
テクノエッジ 松尾
チャッピーですね。
ChatGPTは、僕今メインのブラウザーをChatGPT Atlasというブラウザー、OpenAIが出しているブラウザーにしていて、
それを使うとですね、タブの右側にAIのペインが出てきて、それで常にChatGPTと対応しながら練り上げることができる。
記事のリソースとかもそれに対して質問をして、それを記事の元にして、それをさらにNotebookLMに加わせるみたいなこともできるので、すごい気になっています。
ただ、性能としてはGemini3が素数でもあるので、非常に性能が高くてですね、もう駄目かと思ってたら、今度ChatGPT5.2でちょっと盛り返したんじゃないかなと。
非常に厳しい戦いをしている感じがしますね。
甲斐
はい、1つと言っているのに2つ出てきましたけれども、はい、じゃあ次、武石さん。
はい、私はジェミナイ、ジェミニ? 英語読みだとジェミナイだけど、日本語では、Google公式には日本語の表記はジェミニだと思います。
Ledge.ai 武石
私もGeminiが一番かなと。ただ、5.2出て確かにちょっとって今日思った次第ですが。
甲斐
ありがとうございます。小林さんいかがでしょうか。
マイナビ TECH+ 小林
僕も普段使いというか、仕様ではGeminiですね。
昨日なんかも、冷蔵庫の中に残っているこれ何使って何料理したらいいみたいなの相談したんですが、
非常にスマホと親和性が高いので、すぐ触れられるっていうのが非常に強いポイントだと思っていて、
やっぱりそこら辺が普段の生活に入り込めているなっていうのは感じるので、これが本当にさっき言った5.2がどこまで盛り返してくるかっていうのはすごい見物かなと感じていますね。
甲斐
最後、野島さん。
データのじかん 野島
私は同時に同じように使うように心がけているので、全部なんですけど、好きなもので言うとGeminiですね。
理由は使いやすいからというだけなんですけど、他のものって途中で閉じたりとか諦めたりするケースが多いような気はしている、仕組みがですね。
なので、一応全部同じようにプロンプトを打つとか、アプリ使って同時に打つっていうのをしてはいるんですけれども、好きなものはGeminiですね。
甲斐
ありがとうございます。結構Geminiに偏った感じですね。面白いですね。
続いて、今後注目のAIトレンドですね。
というところに話題を移していきたいと思います。
また4つ。
電力不足と半導体メモリの価格上昇、ロボティクス領域での基盤モデルの進化、
コンテンツホルダーとAI企業の提携、CPO。
最後はすごいシンプルでビシッと言ってますけど、CPOってわかる方いらっしゃいます?
これ結構難しいですよね。
CPOを書かれた方。
これも解説込みでお願いしていいですか。
データのじかん 野島
いろんな意味あると思うんですけれども、ここでリンクと一緒に送ったのは、Chief Philosophy OfficerのCEOのような形で並ぶ役職のことですね。
哲学責任者みたいな。
AIと企業倫理の関係
データのじかん 野島
古くはマルクス・ガブリエルという哲学界のロックスターというような人が2019年頃に、これのAIが出る前にコロナとかを踏まえて、社会変化が激しい中では最高倫理責任者みたいなものが必要だというのを言い出していたんですけれども、
その際には全く世の中に受け入れられてなかったんですけれども、
AI時代になったことで、いわゆる技術的課題、論理構成とかで解決できる問題じゃないものが増えてきた。
TROCCOさんの前で言うのもあれですけど、トロッコ問題とかもそうですし、
そういった技術的な側面以外の観点で企業の指針になるような立場というのが、それは外部環境の変化もそうですし、AIのような技術的なテクノロジーの浸透というところを踏まえて、より重要になるであろうと。
それがAIでだと少し言われていたんですけれども、実際のニーズとして、LinkedInでこのChief Philosophy Officerという肩書きを求めるものが増えているというニュースが上がっていたのと、
データのじかんで哲学部出身のメンバーもいるので、しきりに喜んでいるというか、彼らは日の目を見ていないような認識があるので、やったみたいなことを言っていたというので印象的なので取り上げさせていただきました。
甲斐
はい、ありがとうございます。結構あれですね、野島さんは人とAIにちゃんと距離を置こうというか、人は人たれみたいなところがコンセプト的に感じてきました。皆さんいかがですか、このAIの時代だからこそ哲学倫理大事にせよという。
松尾さんすごい集中して見ていますけど。
テクノエッジ 松尾
倫理社会を高校の時から取っていたんですけれども、哲学といってもいろいろな理由があるんですけれども、そこで今必要とされているのは何なのかなというのは知りたいですけど、どの辺どうなんですか。
データのじかん 野島
そうですね、具体的にどれかというと企業倫理の観点でほとんどが今言われているので、正直弁護士と変わらないんじゃないかなというのが私の見え方です。
ただ技術的な観点で言うと、ハイデガーとかメルロー=ポンティとかポランニーのあたりのところが、もしかしたらこの後触れるかもしれないんですけれども、AIと人間の本質的な違いの観点で言うと、アカデミアの世界ではちょっと論文が出たりとか本が出たりとかという観点ではホットになっているのかなという印象があります。
身体性を伴うような哲学知みたいなところがホットトピックになっているんじゃないかなという見方をしています。
甲斐
松尾さんの考えが、より表情が深まった感じですけど。
テクノエッジ 松尾
いやそれでちょっと僕考えたのはですね、キカイダー、人造人間キカイダーというのの中で、良心回路というのを持っているかどうかというところとか、あとアシモフのロボット三原則とか、手塚治虫、鉄腕アトムのロボット法であるとか、そういった倫理的な規制というのが今のAIには欠けている部分というのがあるんじゃないかな。
ただそこの統一的な見解というのはその規制の方から、規制する側から話は出ていて、例えばイリヤ・サツケバーとかが中心となってやっている運動とかはありますけれども、今の3社、Anthropic、Google、OpenAI、この3社はそこにそれほど積極的じゃないような気がしていて、
その辺がどう動くのかというのは気になる部分というのがある。
あと政府との絡みがあって、政府とか例えばEUとか、それ規制を仕掛けてきているところではあるんですけれども、そこにその倫理の問題とか、倫理も国とか宗教とか様々な要因が絡んでくるので、
一筋縄ではいかないというか、一面的に規制をしていいのかどうかという問題もあるので、僕はできるだけ規制はない方がいいなという立場ではあるんですけれども、そういうふうなことを考えました。
データのじかん 野島
片書きが増えている理由はまさにこの国とか宗教で、倫理の定義自体も異なる。歴史経路依存性みたいなもので、歴史の経緯によっても倫理の捉え方が水物のように変わってくるので、ここがLinkedInの片書きの中で必要とされている。
本来であれば会社に一人いればいいという問題ではなくて、多面的な見え方が必要だというのがおそらく増えている理由の一つだし、いろんな人種、それぞれの人種であったりカテゴリーで必要になってくるというのが背景としてはあるんじゃないかなとは思いますね。
ロボティックス領域の進化
甲斐
やっぱり人とはAIの関係性距離みたいなところがテーマなのかなという気がしますが、テクノロジーっぽい話もちょっと言ってみたいなと思うんですけど、「ロボティックス領域での基盤モデルの進化」とかこれはいかがですかね。
Ledge.ai 武石
今後の注目というところで、今だとGPTとかGeminiとかブラウザに閉じた領域で、なかなか人間が指示を与えてそれに対して結果が返ってくるというところではある程度の一定のレベルでいい制度で結果が返ってくるというところがあると思うんですけども、
今後はフィジカルとかリアルな空間でどれだけそれが人間の現実世界のタスクっていうものを効率化してくれるんだろうかとか自動化してくれるんだろうかみたいなところに進んでいくというところには注目してみていきたいなというふうに思っていて、
その中で言うとロボティックス領域での基盤モデルというところですね。Googleとかもロボット領域での基盤モデルを出したりとかそういったところもリリースとして出てきていたりしますし、
最近だと自動運転とかそういったところでもチューリングさんとかが東京都内を自動運転で走る映像とかもつい先日出していたりして、結構リアルな空間でAI技術を使っていくっていうところがかなり進んでいく。これから来年とかもですねより進んでいくんだろうなというふうには思っていたので、
ちょっとそのあたりを今後追っていく観点トピックとしてですね、上げさせていただいたという感じですね。
甲斐
登壇者の方でいかがですか。
マイナビ TECH+ 小林
そこら辺を見ている側として、フィジカルAIってよくNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが言ったので一気に火がついたんですけど、
彼は実際にNVIDIAさんのJetson ThorっていうフィジカルAI向けのボードですね、出してきたりとかして準備万端ですよって話が来てますし、
実際問題は日本だと人手不足っていうのが非常に問題になっていて、これをロボットで代替させるっていうのは実は地方中心に加速していっているのは実情でして、
そういった意味では非常に日本では期待されている分野っていうのは事実で、そういった意味では日本では逆に言うと日本が一番早くフィジカルAI導入する可能性が高いというか、
マッチングするという、海外だとですねアメリカと中国、人型ロボット、特にアメリカの方だと300万円で買いますってアナウンスが出てきたりとか、
中国だとですね男性型したりとか女性型したりとかいう人型ロボットが出てきたりとかっていうので、非常にフィジカルAIっていうとロボット、人型ロボットってイメージが強いんですけど、
日本だと今話があったら自動運転、あとドローンですねとかですね、あと共同ロボットっていう腕の工場で動くようなロボット、ああいうのが非常にフィジカルAI的に捉えられているところがあって、
そこらへんの温度差というか技術差というのがちょっと出てくるかなっていうのも一つ来年の注目度合いじゃないかな、
人型ロボットって日本だと昔アシモとか本田さん頑張ってたんですけど、今結構そこらへんやめてしまっていてどうなってんだというと、
実を言うと人型ってあまり汎用性がない、使い勝手が悪いっていう形で、よくロボットアニメだと人型じゃないとって言うんですけど、実際に使ってみるとキャタピラの方が走りやすいよねだったりとか、
腕マニュペーターいっぱい付けた方が使い勝手高いよねとかっていうので、その夢と現実っていうのは日本だと結構現実の方に振っているところが強いので、
そういった意味では日本だとフィジカルAIすごい受け入れられるかなっていうのは感じてますね。
Ledge.ai 武石
ちょうど先日僕もビッグサイトでロボットの展示会があったんで行ったんですけど、
ロボットアームの展示とかが結構とか、物理の倉庫で荷物を運ぶロボットとかがかなり多く展示されてたんですけど、
申し上げるように二足歩行とかそういったところよりはやっぱり倉庫とかそういったところで活用する領域でのロボットの進化みたいなところは結構展示見てるとすごい進んできてるんだなっていうふうには見て取れて、
最適化していくとああいう形になっていくんだなみたいなところは結構興味深く展示を見ながら感じになっているところで、
感想のシェアみたいな感じになるんですけども、
ぜひそういう機会があれば見に行ってみると現場の感じっていうのも見て取れるので、
ぜひある時間ある方とかはですね結構多分いろいろと来年もあると思うんで見に行っていただけると良いのかなというふうに思います。
電力不足と半導体の影響
マイナビ TECH+ 小林
それで一番分かりやすいのはファミレスの猫の配膳ロボットですね。
行ってきますにゃーって言ってくれるっていうあれが一番分かりやすいフィジカルAIの今後の発展系の一番身近な例になるんじゃないかなというのは感じてます。
甲斐
そうですね、ちょっとせっかくなので、皆さんこれ日常生活にも関係ないんですけども、電力不足と半導体メモリの価格上昇もこれもちょっと、
今まさにパソコン買おうとしている人が結構気になっているところなんじゃないかと思うんですけど、これはどなたでしょうか。
マイナビ TECH+ 小林
これは私です。
電力不足何かっていうとですね、AIデータセンターっていう括りになってくると今ですね、バカみたいな話になっていてですね、
さっきギガワットって話を僕が書いたんですけど、今まで半導体というかAIってどんだけ性能がすごいですよっていうのがトップスとかフロップスっていう指標があったんですけど、
この間ですね、OpenAIとNVIDIAが10ギガワット分の半導体を供給します。
AMDがOpenAIに6ギガワット分の半導体を供給します。
いわゆる電力分を供給しますなんですね。
で、これ実際問題として、今ラックあたりですね、これCSPさんとか言ったら分かるんですけど、今15キロワットとか次20キロワットとか言ってるんですけど、1ラックあたりNVIDIAが1メガワットになりますって言ってるんですね。
1ラックあたりです。
電力消費とデータセンターの影響
マイナビ TECH+ 小林
つまりこの天井ぐらいまでのラック、必要な電力が1メガワット。
これが何十台何百台データセンターに入るんですね。
そうすると必然的に電力がそこに持っていかれることになるんです。
そうすると発電所って別に産業用と一般用とって電力分けていないので電力の奪い合いが始まる。
これ実際アメリカでは常にそういう動きが出ていて、法律でそこの電力許容量をバジェットちゃんとキャップするって話とかテキサス州かなとかも出てきていて、それぐらい電力をデータセンター食ってるっていう問題が出てるんですね。
日本もちょうど北海道、泊原発動くって話がありましたけど、あれデータセンターあそこに作りますって話と、あと半導体工場ですね。
相当電力食うって話で、電力を賄わないとAI使えなくなる時代きますよ。
AIバブル崩壊っていつ来るんですかって話があるんですけど、下手すると電力が足りなくなって崩壊するっていうリスクがある。
もう一つ半導体メモリってさっきのPCの話、今日も午後、うちのパソコンの部隊から半導体の値段いつまで上がり続けるんですかって話が言われたんですけど、
これ全部AIに持ってかれてて、他のところに行かないんで、みんながそれを奪い合って価格が上がってるっていう状態になってます。
これ少なくともメモリメーカー、いわゆる本当にメモリチップを作ってる会社ですね。
モジュールじゃなくて、SamsungとかSKハイニックスとかマイクロンっていう会社があるんですけど、これ来年分までもう売り切れです。
完売ですって言ってるんですね、生産能力分。これ全部AIに持ってかれるのがほとんどで、ということはどんどん上がっていきます。
ただ上がると、まさにパソコンも値段が10万円上げるか、メモリの容量を下げたモデルを売るかっていう話になってきて、そうすると買わなくなるんですよねっていう。
これパソコンだけじゃなくてスマホもそうです。スイッチとかそういうのも影響してきます。
全てメモリが足りないんで。
CPUに関してもIntel、AMDが10%レガシーのモデルを上げるって話が秋口出ました。
なので全般的に上がってるんですよね。
NANDフラッシュ、いわゆる皆さんの使ってるパソコンのストレージ部分ですね。
の部分のやつも値段が上がって、どんどんどんどん半導体が値段が上がってくる。
それは高くてもAIデータセンターが買ってってくれるからっていう話で。
なってくると、高くて買わなくなって崩壊するっていうリスクもあって思っていて。
AIバブルとそのリスク
マイナビ TECH+ 小林
本当にそのAIトレンドの注目点は、いつAIバブルっていうものがあるとしたら崩壊するのかっていう話になってくる。
それが物理的な問題で起きる可能性があるっていうのはそこの話で。
ちょっとそこはですね、結構価値が上がってウハウハみたいな人もいると思うんですけど、
その裏を返すとそういうリスクがどんどん膨らんでいくっていう話になっていくのかなっていうのはこの話です。
甲斐
はい、ありがとうございます。
次のトークテーマに行きたいと思います。
ありがとうございました。