2021-02-15 11:20

#4 Podcast News : ポッドキャストの多言語放送トレンド

音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー

3話に渡ってお送りしているAmazonのポッドキャスト制作会社買収ニュース、今回が最終回です。
今回はポッドキャストの多言語放送トレンドに焦点を当てて、Wonderyの戦略、他社の動き、そして日本語吹き替え版の実例と今後の予測というところまで、少し踏み込んでお話したいと思います。

テキスト版の配信はこちら

https://note.com/rinaarailevia/n/n3a96ac48e4fc

00:06
音声業界の海外市場が見えてくる番組、
PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、自称ポッドキャストアンバサダーことあらいりなが、
海外で人気のポッドキャスト番組のレビューやおすすめ、
そして業界の注目ニュースまで、
さまざまな視点でお送りしています。
3話にわたってお送りしている
Amazonのポッドキャスト制作会社買収ニュース、
今回が最終回です。
前回のエピソードで少し触れた多言語放送。
実は、ポッドキャストも、
映画と同じように、
吹き替え版が配信されている番組というのがあるんです。
そこで今回は、
その多言語放送に焦点を当てて、
まず、一歩リードしているとも言える、
ワンダリーの多言語放送戦略、
次に他社の動き、
そして日本語吹き替え版の実例と
今後の予測というところまで
少し踏み込んでお話ししたいと思います。
テキスト版でご覧になりたい方は、
概要欄にリンクを貼っておりますので、
そちらからご覧ください。
今回のテーマである多言語放送トレンド、
まずは今回、
Amazonに買収されたワンダリーの戦略についてです。
前回のエピソードでも少し触れたんですが、
この会社、
既に多言語放送2019年から開始しています。
最初に多言語放送された番組は、
ドクチャーデス。
このポッドキャスト第2話で取り上げた
ワンダリーの代表作品の一つです。
もともと2018年9月に
英語版がリリースされました。
そして、
この番組は、
その7カ国語とは、
中西スペイン語、
カタルーニャ語、
ドイツ語、フランス語、
中国語、ポルトガル語、
そして韓国語。
また、
ワンダリーは、
翻訳を吹き返した多言語コンテンツ製作だけに
とどまらず、
いろいろな面から
翻訳を吹き返すことができます。
そして、
ワンダリーは、
翻訳コンテンツ製作だけに
とどまらず、
いろいろな面からのローカライゼーションも
同時にしています。
まずは、配信プラットフォーム。
AppleやSpotifyといった
世界的プレーヤーだけではなくて、
例えば中国なら
ヒマラヤのように、
例えば中国語圏で強みを持つ
プラットフォームと
手を組んで配信をしているのです。
さらに、音声広告についても同様で、
各国の広告会社と契約を結ぶという
周到っぷりです。
つまり、
配信プラットフォーム、
広告と三本仕立ての
ローカライズ戦略です。
ちなみに、
この1番組だけにとどまらず、
前回の放送で取り上げた
ビジネスウォーズという
ビジネスドキュメンタリー系の番組も
多言語放送されています。
続いては、他社の動きについて。
ここでは、
多言語放送で注目された他社の放送、
そして大手の動きも合わせて
3つ取り上げたいと思います。
今回の事例です。
これ実は、多言語放送ニュースの中では
03:00
結構注目を浴びた番組として
紹介されているんです。
なぜかというと、
番組リリース当初から
5カ国語同時配信をしているからなんです。
番組名は
The Nobody's Own
ロンドンで起こった
殺人事件の真相を追った
トゥルークライムジャーヌの番組です。
2020年の頭に
英語、デンマーク語、スペイン語、ドイツ語、
そしてアイルランド語と
リリースされました。
また、実はそれだけではなく
オーディオシネマバージョンという
YouTube版も同じく
リリースをしていて
多言語にとどまらず
多様なプラットフォームに
同時配信をしたという
面白いチャレンジをした番組です。
そして2つ目の事例は
Spotify。
ポッドキャスト事業に
ここ数年力をどんどん入れていますよね。
ここも実は
2018年にバイリンガル番組を
スペイン語・チャポ
ゥルークライムジャーヌの番組で
メキシコの麻薬密売組織の幹部
通称エル・チャポの
精髄を描いた番組です。
イメージで言うと
ネットフリックスの番組で
ナルコスというのがありましたよね。
コロンビアの麻薬王の史実を
元に作られたドラマだったと思うんですが
それと似たようなイメージだと思います。
こちらは
Spotifyとニュースメディアである
ヴァイスニュースが
共同で制作された番組で
作られたのではないかと思います。
そして最後の事例は
アイハートメディア
アメリカ大手のネットラジオ会社で
世界中のユニークダウンロード数
ストリーミング数で
1位を誇る大手のポッドキャスト
配信会社です。
ここも実は
2019年に人気番組を
5カ国語に翻訳・吹き替えすることを
発表したんですね。
ただ現在2021年になっても
まだ配信されていないんです。
いろいろリサーチをしたところ
アップ企業と協力して
当初の予定とは違う番組を
多言語配信する方向で
進めているようです。
昨年は多くのポッドキャスト番組でも
緊急事態宣言で
インタビューや取材に思うように
いけなかったり
収録がスタジオではなく
自宅のクローゼットで行われたりと
なかなか普段通りに
いかなかったこともあると思うんですが
この多言語放送というプロジェクトも
アイハートメディアにとっては
計画変更となったものの
今でもちらほらと
独立系ポッドキャストで
多言語配信を進めている事例は
見られるんですが
そもそも選ばれる言語というのは
例えばスペイン語や中国語のように
その言語話者が多い順というだけではなくて
例えばその番組の世界観が
マッチする国とか
文化というところが
言語選択の一つの要素にも
なっているようです。
そこで
ではどんな番組だったら
日本語吹き替えの対象となるのか
というところなんですが
ついに出てきました
06:00
前回のエピソードで紹介した
ビジネスウォーズ
これが代々的に日本語訳された
アメリカ初の番組です
この番組
ワンダリーが配信する
いわば英語ポッドキャスト版
外野の夜明け的な番組として
前回紹介したんですが
色々あるシーズンの中でも
取り上げられたのは
任天堂対ソニーの回
もちろん先ほど挙げたように
リリースされました
このシーズン
オリジナルの英語版は
2020年の2月に配信されたんですが
それから約半年後の9月に
日本放送から配信されています
ここも単に
ポッドキャスト媒体で
リリースするのではなくて
日本の音声放送を
手と組んで配信するという
ワンダリーのローカライズ戦略を
ちゃんと取っていますよね
ちなみにこの番組
国内でも結構反響が大きかったようで
ちなみにシリーズ第2弾も
今月2月18日に配信される予定です
選ばれたシーズンは
こちらも前回紹介した
ナイキ対アディダス
今後他のシーズンも
配信されるのか注目しています
さてここからは
完全に私の個人的な予想での
深掘りなんですが
この番組
ワンダリーはそもそもの
英語版制作当初から
日本語版リリースを
念頭において制作をしていたんじゃないか
最初にワンダリーが行った
多言語放送のドクターです
これは最初の英語版と
多言語版のリリースとの間に
1年近くのタイムラグがありました
それが今回
日本語版のビジネスウォーズの場合は
6ヶ月
約2倍のスピードで作り上げているんですね
もちろん
ドクターですの場合は
一気に7カ国語への吹き替えということや
各国の配信プラットフォームや
広告会社との契約など
初めてのことで
すでに経験を積んでいる
ワンダリー側からすれば
新たな国への進出を見込んで
番組のテーマ選出の時点から
すでに下準備を進めていたということは
十分にあり得るんじゃないかと
考えています
そこで
最後に
多言語放送というのが
音声メディアにとって
どんな立ち位置になっていくのかという
今後の予測についてです
これについては
多言語放送の取り組みを
ちょっと引用したいと思います
世界のスマホ利用者数の
90%は
アメリカ国外なのにも関わらず
ワンダリーの国外視聴者数は
たったの22%しかいない
この言葉
要は
現在彼らの作っているコンテンツは
まだまだ海外で伸ばせる余地がある
ということを言っているんですよね
現在の市場の見方として
多言語放送に
注目が集まっているのは当然
ただ
音声業界として
そこに足を踏み入れているプレーヤーは
09:00
まだまだ少ないといった状況です
そこでよく引き合いに出されるのが
ネットフリックス
現在世界190カ国で
視聴可能なだけではなく
各国の独自のコンテンツ作成にも
力を入れています
もちろん動画のネットフリックスと
音声のポッドキャスト
それぞれの多言語展開の規模感には
大きく差があるんですが
視聴者として
ポッドキャストを始めることが
当たり前になりつつある現状で
音声コンテンツだけ
その流れに沿わないというのは
ちょっと考えにくいですよね
現在はほぼ
ポッドキャストの聖地とも言える
アメリカ発信の番組を
多言語展開という流れが
主にはなっているんですが
例えば以前ブログでも取り上げた
インド国内のポッドキャスト事情のように
例えばヒンディ語からタミル語というように
同じ国の中でも多数の言語が
混在する国では
ネットがすでに十分あったりしますし
また例えば
ネットフリックスのテラスハウスの
世界的ヒットと同じく
独特な文化背景をもとにした
日本語から英語への
ポッドキャストの多言語放送というのも
もちろん可能性としてはあるんじゃないでしょうか
そう考えると
この多言語放送というトレンド
エルナン・ロペス氏の挙げた視聴者数の
数値から見た市場の見方が
より納得できるように思います
さて今回は
ポッドキャストの多言語放送トレンドについて
様々な海外事例をもとにお伝えしてきました
今まで映画やテレビの字幕や
吹き替えがされてきたように
音声コンテンツの多言語放送というのは
十分にあり得る流れだと思います
もちろん
英語ポッドキャストの書き起こしを
機械翻訳にかけて理解するということ
今でもできるんですが
そうなった時点で
音声メディアが文字メディアに
変わってしまうんですね
それは音声を音声のまま楽しむという体験が
失われてしまう
やはり音声は音声のまま
コンテンツをボーダレスに
楽しめる世界を目指した
多言語放送という流れ
個人的にも後押しをして
コンテンツを作っていきたいと考えています
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました
ポッドキャストアンバサダーの
あらいりながお送りしました
それでは次回のエピソードで
11:20

コメント

スクロール