日本が生んだ革新的食品、インスタントラーメンの進化について、産経新聞に過去に連載された「戦後史開封 即席ラーメン」など過去の記事を基に、最近の情報を加えて全5話の音声コンテンツでお届けします(登場人物の肩書などは取材当時のものです)。
登場人物のセリフをLUNA SEAのドラマー真矢さんが担当します。
【原作】 「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊) 
【語り手】 内田健介
【登場人物の声】真矢
【番組制作】産経新聞社

「戦後史開封」は、戦後日本の政治史、外交史、エンタメ・服飾芸能史などの様々な出来事を再取材、現代の観点で再構成するドキュメンタリー番組。埋もれていた逸話、報道されていない事実にも光を当てて戦後日本を振り返ります。

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00:07
戦後史開封 インスタントラーメンの進化
第四話 うまかっちゃん 九州殴り込み
案内役は私、俳優の内田健介
セリフは私、ルナシーの深夜です
カレー粉など香辛料でおなじみのハウス食品が
インスタントラーメン市場に進出したのは昭和48年
創業60周年事業だったが、決して早い参入ではなかった
しかし、シャンメン醤油味、卵麺、つけ麺などのヒット商品を次々と開発
昭和51年には、袋麺市場で15%というシェアを獲得し
大正2年創業の食品業界老舗の実力を見せた
あっという間にインスタントラーメン市場の一角を占めたハウスだが
思わぬアキレス圏に悩まされていた
九州市場での低迷だ
他の地域での販売は好調なのだが、なぜか九州では受けず
シェアは一桁台で低迷していた
九州市場は昭和22年に福岡市で創業した
大ラーメンで知られる丸台の画場で
44年に発売した初の九州豚骨味スープ
屋台ラーメンのシェアは圧倒的だった
ハウス職員が得意としているカレーやシチューに比べ
ラーメンは地域によって指示・不指示がはっきり分かれる食品だ
地域の好みを最も反映する食品と言ってもいい
九州は特にその傾向が強かった
ハウスのラーメン担当だった徳岡龍太郎はこう振り返る
九州には九州の味
同じ商品を全国展開するんじゃなくて
地域の味覚に合う商品を開発したらどうかと考えたんです
福岡市店の社員が市内のラーメン店を片っ端から回って
お客さんの好む味を確かめました
全国という目線で見ると豚骨味は冒険的だったんですが
昭和54年8月地域限定という考え方に基づくインスタントラーメンが
九州市場に投入された
ご当地ラーメンのパイオニアとなるうまかっちゃんだ
地元への浸透を考えて宣伝にも知恵を絞りました
漫画はかたっこじゅんじょうの作者の長谷川宝生先生や
03:01
一般公募した地元中高生を起用して
味から商品名まであくまでも地元を強調しました
もちろんネーミングにもこだわりました
パッケージの博多議音山傘の図柄を描いたのは
博多出身のグラフィックデザイナー西島勲
福岡市の地下鉄のシンボルマークもデザインした
喫水の博多っ子だ
その西島がうまかっちゃんの名付け親だ
ハウスの狙いは当たった
顔を開けてみると8月の発売開始からわずか4ヶ月で
九州地区のシェアでトップとなり
マルタイの画像を攻略した
マルタイの取締役業務部長だった笹木俊秀はこう話す
うまかっちゃんには完全に負けました
当時消費者にあれはマルタイさんの新商品でしょ
と間違われましたよ
最近はマイルドなうまかっちゃんの影響か
博多のラーメン屋も薄味になってきてます
笹木は以前ハウスとは逆の苦労を経験している
醤油味好みの東京で
豚骨味の即席麺の営業をしていたのだ
ここ数年やっと東京でも豚骨味が市民権を得たようですが
昭和44年ごろ
屋台ラーメンを声優や代営に持ち込んだときは
こんな匂いはダメと蹴られました
仕方なく九州出身者の多いブリジストンや
新日鉄などの企業の支店に行って売っていたんですよ
ハウスはさらに新たなご当地インスタントラーメンの開発に取り掛かり
関西のキアネン、大阪のうまいっしょを送り込んだ
各社も日清食品の九州豚骨ラーメンクウオーカ
明星食品の九州コ
山陽食品の九州ラーメンヨカトンなど
ターゲットとする地域の開拓を急ピッチで進めた
この結果九州はハウス食品
北海道は東洋水産
関西では日清食品とエースコック
東京では山陽食品など
住み分けが進んだ
ご当地インスタントラーメンは
一家制のブームとはならなかった
地元の中小メーカーも参入し
地元産の海産物や農作物を使い
水煮まで地元産にこだわった
究極のご当地インスタントラーメンが次々と登場し
地元のみならず
全国のご当地ラーメンファンの舌をつかみ
家庭でその味を堪能することができるようになっている
次回最終話は
カップ麺に対する袋麺の逆襲についてお伝えします
06:20

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