2022-04-21 06:46

インスタントラーメンの進化(2) サッポロ一番の秘密

日本が生んだ革新的食品、インスタントラーメンの進化について、産経新聞に過去に連載された「戦後史開封 即席ラーメン」など過去の記事を基に、最近の情報を加えて全5話の音声コンテンツでお届けします(登場人物の肩書などは取材当時のものです)。

登場人物のセリフをLUNA SEAのドラマー真矢さんが担当します。

第1話「チキンラーメン誕生」
第2話「サッポロ一番の秘密」
第3話「あさま山荘事件とカップヌードル」
第4話「うまかっちゃん、九州殴り込み」
第5話「マルちゃん正麺の逆襲」

 

【原作】 「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊) 
【語り手】 内田健介
【登場人物の声】真矢
【番組制作】産経新聞社

 

■この番組は
政治、経済、事件、スポーツ、文化、そして風俗・・・。
戦後の歴史の中から、印象深い出来事を再取材して、知られざるエピソード、報道されていなかった面に新たな光を当て、戦後を振り返ります。

 

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00:01
戦後史開封
インスタントラーメンの進化
第2話 札幌一番の秘密
案内役は私、俳優の内田健介
セリフは私、ルナシーの深夜です
日清食品のチキンラーメンと同様
明星食品の主力商品も
味付け麺の明星味付きラーメンだった
しかし、昭和36年
後に明星食品の社長を務める八原正元は
こう提案した
インスタントラーメンを一家制のブームに終わらせずに
さらに市場を広げるには
主婦層の指示が絶対に必要です
そのためには
味付け麺にお湯をかけるタイプだけではなく
即席麺を鍋で見て後で味をつける
スープ別添えタイプを開発すべきですよ
いいですか?
確かに味付け麺は簡単に作れますが
実は多くの消費者が野菜や肉を足しているんです
スープ別添えタイプの方が具材を加えやすくて
味のバラエティーも出しやすいんです
腹が膨れればいいという学生や
独身男性にとどまらない市場を作るんだったら
家庭の主食にした方がいいんです
となればスープを別にするタイプの方が主婦に受ける
将来性を考えればスープ別添えの方が有利です
お湯をかけるから鍋で煮るへの転換
はためにはどうということはないように見えるが
この違いは生き残りへしのぎを削っている
インスタントラーメンメーカーにとっては
まさにコペルニクス的な転換だった
明星食品は営業担当者の反対を押し切り
お湯をかける味付け麺から
鍋で煮るスープ別添えタイプへと
商品の全面転換を図った
昭和37年6月
スープ別添え方式の品地区入り明星ラーメンの出荷が始まり
主力商品だった明星味付きラーメンの製造を停止した
しかし発売から1ヶ月過ぎても
消費者は食いつかず
めぼしい反応はなかった
八原は動揺した
外したかな
いや夏の暑い盛りを過ぎれば
八原の予想通り
9月に入ると徐々に注文が増え始め
03:00
品地区入り明星ラーメンは
作っても作っても間に合わない状況になった
明星食品の転換は成功した
東洋水産も明星食品とほぼ同時期
スープ別添えのまるちゃんのハイラーメンを発売した
スープ別添え方式だと
塩味や味噌味
そして豚骨味も可能になるとあって
各社もこぞって
今度はスープ別添え面に参入してきた
チキンラーメンの日清食品でさえ
昭和43年にはスープ別添えの出前一丁を発売し
販売の主力にした
中でもホームランだったのが
昭和41年に山陽食品が出した
札幌一番だ
当時宣伝や企画を担当していた清水康二によると
この時期に長崎タンメンというヒット商品を出していたが
危機感も強かったという
東京はやはり醤油味の人気が根強いんですよ
塩味の長崎タンメンの人気は
そう長く続かないと読んでました
当時の専務が全国のラーメン屋を食べ歩いて
札幌市内でこれはうまいといえる店を見つけたんです
スープをこっそりビニール袋に入れて持ち帰り
その味を研究したところ今までいない味ができたんです
モデルとなった味の三平という店は今でもやっている
札幌ラーメンのイメージを出すため
名前は札幌一番と決めたが
そのパッケージにはちょっとした秘密があった
今だから話せるがと清水が打ち明けた
実はカタカナの札幌ビールのロゴがぴったりだというので
札幌の字の形をそのまま釈用したんです
札幌ビールの総務課長から書き留めでクレームが来たんですが
社長が挨拶に行ったら
向こうの社長がどうぞお使いくださいと認めてくれたんです
山陽職員はそれ以来顧客の接待や宴会では
必ず札幌ビールを使うのだという
一方札幌一番にシェアを奪われた明星食品も
必死の巻き返しを図り
明星チャルメラが誕生した
昭和47年のミュンヘンオリンピックでは
日本選手団が現地に持っていく指定銘柄となった
出前一丁
札幌一番
明星チャルメラやエースコックのワンタン麺は
今も売れ続けている
次回第3話はカップ麺の登場です
06:10
産経新聞社がお届けする戦後紙開封
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