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迫真のイドバタ番組、職業、主婦です。主婦の目線で世間を見る、イドバタ会議的な番組です。
円の下から社会を支えている、けど意外と知られていない主婦の世界を、都内で子育て中の私、PIUがご案内します。
主婦の方だけでなく、主婦のパートナーの方にもヒントになればというのと、主婦が身近にいないという方にも楽しんでもらえたら嬉しいです。
この番組は、Spotify独占配信でお送りします。
今回のテーマは、子供の頃の忘れられない一日。今回はですね、ハッシュタグSpotifyで話そうの企画に参加する回です。
この企画は、これまでは毎年子供の日に合わせて、音楽アーティストの方が小さい頃の写真でプレイリストをジャックするっていう企画で、Spotifyさんがされてたっていうことなんですけど、
それを今年はポッドキャストでもやるっていうことで、いろんなポッドキャスターさんが、私もですね、子供の頃の写真を載せつつ、子供の頃の忘れられない一日を語るという企画です。
私も子供の頃の記憶をたどってみたいと思います。
子供って冒険物の小説が好きですよね。その冒険って子供の日常でもあると思うんですよ。
というのも当たり前なんですけど、子供はやることなすこと、人生初なんですよね。
人生初だなんて子供は意識しないと思うんですけど、常に冒険をしているようなもので、だから冒険小説にも大人より共感するのかなと思いました。
私も子供だった頃、これは人生初だなんて考えないでいろんなことを乗り越えてきたわけなんですけれども、明確に初めてを意識した、これがおそらく初めての出来事だと思うんですね。
初めてのお使い。
小学校1年生になったばかりか、その前後だったと思うんですけど、母に卵を買ってきてって言われたんですね。
どうしよう、一人で?って思うと、お金を持って一人で買い物に行くっていう、この大人な感じ、スリルにワクワクもしたのを覚えてるんですね。
今みたいにコンビニがすぐ近くにあるような生活だと、買い物なんて小学校入学前から一人でするよなんていう子供もいるだろうし、幼稚園時代にクオカードを渡してコンビニで買い物させてるっていうお母さんもいましたね。
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現金を持たなくても、例えば交通系ICカード、あれでピッとすれば簡単に決済できる世の中だから、ハードルはずいぶん低いと思うんですよ。
でも当時、私の住んでいた田舎の村は、田んぼや畑が広がってて、家はまばら、移動はもっぱら、車社会だったんですよ。だからもう車も必須で、大人は一人一台車を持ってるみたいなところでした。
コンビニもね、私が高校生の時に村に初めて一つできたんですよ。ファミリーマートだったと思うんですけど、大ニュースでしたね。
最寄りの駅に行くにも車で10分以上かかりますし、スーパーもパン屋さんも文房具店もスイミングもね、車で15分走ったとこまで行ってたんですね。しかもお店の選択肢はほとんどない。
ただ、隣町に本当に小さな個人商店があって、今はね、もう跡形もなくなってて、さらちになっちゃってるんですけど、その個人商店、細長い通路一つだけのお店だったんですね。
ここへは子供でも歩いて行けたんですよ。歩いて行けると言っても、私が住んでたのは村で、川を渡ったところにあるそちらの商店は住所としては町。
私としてはその川にかかっている橋、これを登った先っていうのは車でしか行ったことのない、当時の私のテリトリー外というか、部屋の外に初めて一人で出るくらいの感じだったんですね。
自転車に乗り始めてからは随分行動範囲も広がって、放課後に友達の家へ行くのも自転車だったし、たまに同級生と一緒に少し遠出して、隣町に足を伸ばしたり、なんてこともあったんですけど、その前まではやっぱり橋が一つの車でしか越えられない境界線だったんですね。
それから一人で行くっていうのも大きなことでした。私一人っ子で祖父母と同居してて、母が忙しくても祖母が遊んでくれてたし、誰か絶対家にいる、当時のりすけさんじゃないですけど、私から見たおじさんも同居してて、学校に行くときは1年生から6年生で集団登校してたんですね。
下校も誰かと一緒に喋りながら遊びながらだったんですよ。だからたった一人で出かけるっていうのは大冒険だったんですね。お金っていうことで言っても、確かに自転車で友達と駄菓子屋に行き始めてからは自分でお金持って買うわけだから身近なものになったんですけど、
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それまではね、親と一緒に行った自販機の前で親にお金を渡されて、チャリンチャリンと入れるのが関の山。それがお金を託されて全てを任されて旅に出る。これは私が責任というものを実感した、おそらく初めての出来事だったんじゃないかなと思います。
出発の時、分厚い気持ち、緊張と不安と好奇心と激温な感じで、なんだかふわふわしてたような記憶があります。
当時って今と比べて目線が低いし、道端の草花とか畑の様子とか、学校に行くときはそういうものを観察しながら、くっつく素材の草だったら服にくっつけてみたり、雑草に花があったら何かしらそれで遊びを考えたり、冬だったら霜とか氷とかを踏みながらね、なんか常に周りにあるもので遊んでやろう精神。
で、周りを観察しながら歩いてたんですよ。でもこの時は、前を見据えて、目的地の焦点を見据えて、いつもはね、下に向けてる視線をクイッと上げて、手には100円玉2枚、それを絶対落とさないように握りしめて歩きました。
これも覚えてるんですけど、この100円玉を今、私が道端にある速攻に落として、取れなくなったりなんてしたら、卵が飼えなくなるっていうことを、そういうね、最悪の場合を想像して、少しうすら寒いような気持ちになって、いや、ダメだダメだって、また100円玉を握り直す。
その手の金属の感触と、100円玉の大きさを覚えてますね。
平地を抜けて橋への坂道、それを登り切る。川の上、橋は一段高くなったほど、そこはここを渡ったら目的地、一番の気持ちが高ぶるポイントでした。
下ったすぐのところにあるお店が見えてくる。そしてついにお店に到着したんですね。
多分ここは緊張のピークだったと思います。
卵を自分で見つけたのか、入ってきた私を見てお店のおばさんがやってきて聞いてくれたのか、そこは定かじゃないんですけど、店内の雰囲気は今も目に浮かびます。
お店のおばさんのはっきりとした顔は覚えてないんですけど、短めの髪でパーマがかかってたような気がするんですよね。
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ぼんやりした印象なんですけど、ふんわり丸いとかじゃなくて、シャキッとした感じのシャープな、図形でいうと直線で構成されているような、ちょっと意味がわかんないかもしれないですけど、そんなおばさんの雰囲気も覚えてます。
ついにお金を払う段になって、じっと手に汗をかいて張り付いた100円玉を出して、そこで一旦まずほっとしたわけですね。
買うことができた、この達成感です。
そこから帰り道、次はお釣りを落とさないようにっていうのもありますけど、卵ですよね。
白いビニール袋に卵のパック一つ、これを右手に下げて、足にぶつけて割らないように、割らないようにと、それだけを考えて歩いて帰ったんです。
さあ、冒険も終わって帰宅。
いざ、白いビニール袋から卵のパックを出したら、半分くらい割れちゃってたんですよ。
気をつけてはいたんですけど、足にぶつかって割れてたんでしょうね。
母に怒られたわけではもちろんないんですけど、それを見て幼いながらにね、自分の不甲斐なさ、成し遂げられなかったっていう悔しさ、落胆、この淡く切ない思いを抱いた、そんな初めてのお使いでした。
子供の足でもね、10分かかるかかからないかの距離ではあったんですけど、私にとっては大冒険でした。
ちなみに補足というか、今の我が家の子供たちのお話もしておきますと、望遠レンズ越しの初めてのお使い。
上の子が小学校1年生だったかな。下の子は幼稚園児だったと思います。
男子2人でね、その頃カブトムシにハマってて、ベランダでカブトムシを飼ってたんですね。
そのカブトムシのエサ、ゼリーですね。それを100円ショップで買ってたんですけど、もうなくなりそうだったんですよ。
で、最寄りの100円ショップに2人で行ってきたらとなったんですね。歩いて10分、15分の距離です。
確か夏休みでした。子供たち、もちろん最初はえ?っていう不安もありつつ、まあでもね、2人で行くわけだし、
大丈夫だよって余裕も見せつつ、お金を持って出発したんですね。
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子供たちはもちろん子供たちだけで行ってると思ってたと思うんですけど、
実は夫が随分離れた場所から一眼レフを持って防衛レンズで覗いて様子を確認しながら、
時々ね写真とか動画とかも撮りつつ、ついて行ってたんですよ。
今それを見ると横断歩道で2人してね、手を挙げて渡ってたりとか、すごくね、微笑ましいですね。
無事ゼリーの袋を2つ買ったところで、子供たちね、ベンチに座って休憩したんですよ。
ここも夫が隠れて見てるわけだけど、客観的に見たらね、すごく怪しい人ですよね。
で、なんとこの休憩が終わったら、ゼリーをベンチに置いたまま、2人で楽しくおしゃべりをしながらキロに着いたんですね。
ここで夫がゼリーをピックアップして、家に帰るまで見守った後、夫も帰宅して、
で、ゼリーは?と尋ねたところで、子供たちハッとして、あれ?どこ?
で、夫がさっとゼリーを出して置き忘れた証拠写真も提示して、ミッションクリアはならなかったということがありました。
で、私の話に戻りますけど、次はね、おばあちゃん。同居をしてた私の祖母とのエピソードで、
かくれんぼ、お見通しに気づいたあの日。
母が夕食の準備をしてくれている時間帯は、よく祖母と遊んでたんですね。
中でもよく覚えてるのが、リビングの隣に祖母の部屋っていうのがあって、これが結構広くて、押入れもあったんですよ。
保育園時代かな、小学生になってたかもしれないんですけど、その部屋でのかくれんぼがマイブームで、何日か続けて、おばあちゃんかくれんぼしようって遊んでもらってたんですね。
中でも押入れの布団と布団の間とか、押入れの中の物陰みたいなところに隠れるのが楽しかったんですよ。
真っ暗の中でじっとしてると、祖母がね、どこかな、どこかな、あれいない、ここかなーなんて言ってるわけですよ。
それをニヤニヤしながら聞いてるんですね。
全然見つけてくれなくて、しびれを切らして、自分からここだよって出ていくこともありました。
でもね、今思えば、毎回のように押入れに隠れてて、分かんないわけがないですよね。
私に付き合って、見つけられないふりをしてくれてたわけです。
大人からしたら当たり前なんですけど、そのことに小学校の高学年だったか、中学生の頃だったかもしれないんですけど、ある瞬間にふと気づいたんですね。
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ああ、おばあちゃんは全部お見通しだったんだ。
もうその頃はかくれんぼなんてしなかったけど、押入れを目にしてね、なんかふと記憶がよみがえったんですよね。
それに気がついたとき、子供ながらに静かな衝撃というか、大人は子供のためにふりをすることがあるんだと思ったんですね。
単純に対等な存在だと思って遊んでたのが、そうじゃなかった衝撃だったのか、愛情を感じたということだったのか、ともかく一歩、私が大人に近づいた瞬間だったことは間違いないですね。
それから最後にもう一つだけ、おじいちゃん、私の祖父との印象的な思い出をお話ししたいと思います。
アロエの花、ポキンの衝撃。
小学生の頃、私の祖父、同居してた祖父が花とか景色とかを一眼レフかな、いいカメラで撮影してて、引き伸ばしたものを現像して飾るみたいなのに凝ってた時期があったんですよ。
アロエはイシャイラズーなんて言いますけど、祖父は毎日アロエを包丁で少しずつ切って、一かけらずつ毎日食べてて、トゲは切るんですね。トゲじゃないところを食べてたんですよ。
そういうこともあって、アロエの蜂がいくつかあったんですね。
祖父はすごく頑固で、祖母に対しては怒りっぽいところもあった人だったんですね。
ある日、まだ祖父はお勤めしてる時だったと思うんですよね。
昼間にいたから、休日だったと思うんですけど、ずっとつぼみだったアロエの花がね、開いてたんですよ。
赤い花で、堂々としてて、禍々しいくらいに大きかったんですね。
たくさんアロエの蜂があっても、こんな風に花が開いたのなんて、私も見たことがなかったんですよ。
いつ咲くかな、ちゃんと咲くかなって、この花が咲くのを祖父はずっと楽しみにしてたんですね。
早速祖父がカメラを撮ってくるって自分の部屋に戻って行って、その数分もなかったかもしれないですね。
祖父がいなくなってすぐ、私ね、もう少しこの花がこっちを向いたら写真に撮りやすそうだなと思って、
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クイッと花を触ってこっちを向かせようとしたんですよ。
そうしたら、簡単にポキッとその花が折れちゃったんですね。
私も頭が真っ白になって、ゼック、そこへ祖父がカメラを持ってやってきたんですよ。
もうね、すごい悪いことをしてしまった、それは分かってて、私自身もすごいショックで、
おじいちゃんあんなに嬉しそうだったのにと思ったら、どんどん取り返しのつかないことをしてしまったっていう後悔が大きくなったんですね。
もちろん謝ったんですよ。
そうしたら祖父は仕方ないよって言って、一言も私を怒らなかったし、攻めもしなかったし、そこから話を引きずることもなく日常生活に戻っていったんですね。
いつもはこだわりも強くて頑固な祖父が、私を気遣ってそういう態度を取ったんだっていうことが子供ながらに分かったんですね。
しばらくその場から、あらゆる所から離れられなかったっていうことがありました。
今ね、私が祖父の立場で子供が同じことをしたらって思うと、何で触ったの?取れそうだって分かりそうなもんじゃん。楽しみだったのにさ、とか言うだろうなと思ったら、本当私って何の成長もしてないなと思って嫌になるんですけど。
こうやって過去のことを思い出すっていうのも、久しぶりに祖父との思い出、祖母との思い出もね、いろいろたどったりして、今回この企画のおかげなので、本当貴重な機会でした。
最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。今回はハッシュタグスポティファイで話そうの企画で、子供の頃の忘れられない一日ということでお話ししてみました。
皆さんは振り返ってみて、どんな思い出がありますか?よかったら私にも教えてください。
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