芥川龍之介記念館の建設
東京都北区初の女性区長、山田かなこ。
彼女の描く展望や、未来を描くゲストとの対談など、
北区の新たなビジョンを語るこの番組。
今日は、どんな北区未来予想図が描かれるのでしょうか。
おはようございます。北区長の山田かなこです。
本日11月19日火曜日、今月2話目の配信となります。
今月のゲストは、田畑文志村記念館の館長補佐、学芸員の石川さんをお迎えしています。
石川さん、今週もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今回のトークテーマが、芥川龍之介が暮らした文化のまちづくりをもう一度です。
文豪が愛した田畑文志村の魅力を聞いていただいたところで、
今回は、その田畑文志村を愛した文豪の一人であり、記念館を北区に構えようと準備をしております、
芥川龍之介の魅力に迫っていきたいと思います。
特にですね、今、北区としては盛り上がっております。
華奢芥川龍之介記念館についても話ししていけたらなと思っております。
まず、全国で初めてとなります芥川龍之介を単独で検証する記念館、建設に向けて内容を作っていく中心役としてお手伝いをいただいている石川さんですが、
文豪再評価の流れ
この企画を最初に聞かれた時から今に至るまで率直な思いとして、どんなふうに感じられているか伺いたいと思います。
芥川龍之介に限らず家族と暮らしたあそこの土地に記念館ができるとは夢にも思ってませんでした。
私は小中学校の時か、毎朝家の前を通っていましたので夢のようです。
そうですか。
なかなか文豪を検証する記念館って、やっぱり全国的に文豪であっても夏目漱石、それから森鴎外、そして今回の芥川龍之介、なかなかないですね。
やっぱり難しいのかなというふうに思うのと、逆に今そういった近代文学のムーブメントみたいなことが起こっているのか、こういったところはどうでしょうか。
そうですね。やはり今文豪が非常に注目されているというのはムーブメントとして起こっているところです。
あとはやはり教科書に必ず漱石、鴎外、龍之介っていうのは載ってきてますから、やはりその載った理由っていうのは記念館できちっと検証していくっていうのが動きとしてあるんじゃないかなというふうに思います。
素晴らしいですね。
やっぱりみなさん学校で必ず習って、触れて、そこで終わるのではなくて、そこからさらに深めていただくという意味で、今回の芥川龍之介記念館が成り立っていくということは素晴らしい大きな帰宅にとっても契機となるかなと思っております。
また芥川龍之介っていうのは日本でも最も有名な文学賞、芥川龍之介賞、そうですよね。
そうですね。芥川龍之介賞は半年に1回必ず発表されますので、たくさんのニュースで報道され、本屋さんには受賞作あるいは候補作が平積みになって、みなさん本屋さんで見かけると思います。
近年ではお笑い芸人の又吉さんが芥川賞受賞されましたよね。
あと、区長もお前だ対談されました、バンドマンの尾崎世界観さん。
素晴らしいですよね。本当に。
候補作に前回、残念ながら受賞はされませんでしたが、候補に上がっているっていうのは素晴らしいことかなと思います。
すごいですね。
なので話題も芥川龍之介については、みなさん日常的に耳にする名前なのかなというふうに思います。
そういった形で、この抜群の知名度を生かして、みなさんに興味を持っていただき、訪れていただきたいなと。
そして訪れていただいたときに、やっぱりよかったなとか、さらに興味を持てたな、そしてもう一度来たいなと思っていただけるような記念館にしていきたいと思っておりますし、そういった思いで芥川さんにもかかっていただいております。
クラウドファンディングの成果
この記念館では、当時の書籍や建物、庭などを再現しまして、ゆかりの品や関連資料などを現在展示予定でありますが、田畑文志村記念館にもこちらを再現するためにお手伝いをいただいております。
改めてありがとうございます。感謝しております。
一生懸命やっています。
今年の5月には当時の芥川龍之介が書籍として作品を書いていた、書籍をよりリアルに再現していくために、北区と日本近代文学館が書斎再現に関わる協力に関する覚書を締結させていただきました。
なかなか当時のままを再現していくって難しい。ただその資料をたくさん持たれている近代文学館の皆様に指導していただけるということはすごく大きいなと思っているんですけど、それも大きいんですが、その間に立っていただいているのが芥川さんということで、とても今回の記念館を作っていく上ではキーマンになっていただいていると思っていますが、
意気込みですとか、こんなことを注意していきたいとか、より再現していきたいとか、思いを改めて伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
まず日本近代文学館に芥川の蔵書ですとか、使っていたものが残っているというのがありがたいことだなと思います。
すごいですよね。たくさん。
およそ100年以上前のものもありますので、それがすごいな。それを保存してくれている文学館はありがたいなと思いますし、それを寄贈されたご子息の方、こういった方もきちっと一箇所にまとめて寄贈されたというのはいいことだなと思っています。
やはりそれを厳密に調査しまして、来たお客様が張りボテではなくて、実際にあったものをきちっと調査したものが展示されているという空間にして、本物に近い、忠実な再現をしたいと思っています。
このテーマとして、一番の売りというかテーマというか、フィール、感じるということを今回の記念館の大きなテーマにしているところでありますが、感じられるということでいけば、大正期の暮らしの様子も感じていただける。
もちろん芥川龍之介がそこに家族とともに暮らしていたものを感じていただけるということだと思うんですけれども、ここの部分で一番感じてもらいたいなというのはどんなところですかね。
そうですね。やはり名作を生んだ書斎、家族と暮らした家というのを感じていただきたいなというふうに思っています。
芥川龍之介自身は大正3年に田畑に転入してきました。
当時、東大に通う学生で、両親とともに田畑に暮らしたわけです。
大正8年にはその当時、教師との二重生活をしていたんですが、その教員を辞めて筆一本で頑張ろうということで、書斎にガキ靴という変額を掲げて、そこから小説家として田畑の記念館が立つあの場所で創作活動に邁進していたということになります。
準備を手伝いさせていただいている中で、数々の名作を生んだ書斎の再現というのはもちろんですが、建造する資料を基に忠実に再現すると。
その他にも庭についても大きな土地を使いますので、当時の庭というのも再現といいますか、イメージを崩さないようにしようと思っています。
ヤクタ川が晩年、木登りをしている様子というのが映像で残っています。
その木登りのした木は残っていませんが、似たような木を探していまして、そういった木も再現したいなというふうに思っているところです。
お庭を当時のより近い形で再現されて、そこに立つことができ、そこから空を見て、この空を見ながら作品を作ってイメージしたのかなという、
ヤクタ川流年助けになった気分、どんな思いで作っていたのかななんてことも感じられるというのは素敵だなと思います。
感じられるというのは肌でその空間に入って感じるということもそうですし、今おっしゃった通り流年助けの気分になるというのもすごい魅力の一つだと思います。
そういう意味ではこれまでの様々な記念館だとか博物館とかとは一味違う記念館になるんだなということを感じております。
箇条ヤクタ川流年助け記念館は平成30年に帰宅としてヤクタ川流年助けの旧居跡の土地の一部を取得しました。
記念館を作っていこうということで企画が始まったんですが、当時は令和5年度内に建設完成の予定で始まったんですけれども、コロナの影響を受けて建設が遅れましたが、
令和8年度末までに完成を目指して今ご協力いただいております。
そしてやはり建設をしていく、ヤクタ川流年助け記念館を作っていくということを作っている間もファンの皆さんにお知らせをしたいという思いで、
2回のクラウドファンディングも開始をいたしまして、これは今年の4月から6月、第2弾としては7月から9月、また第3弾として10月から始まっています。
多くのファンの皆様にクラウドファンディングご寄付をいただいております。本当にありがとうございます。
さらに皆さんに知っていただき、一緒にこの記念館を作ってきたんだと思っていただけるファンの方を全国、そして世界にも広げていきたいななんて勝手に大きくイメージしているんですけれども、
このクラウドファンディングを成功させていくために返礼品が大きなポイントとなっていると思います。
この返礼品にとても思いを込めていただいているのが石川さんをはじめとする関わっている皆さんだと思いますが、この辺をぜひお話しいただきたいと思います。
今10月中旬ぐらいまでの段階で180人以上500万以上のご寄付をいただいているようです。
もうこれは期待につぶされないようにしっかりとしていかなきゃなというふうに思っています。
その中でやはりご寄付をいただいた方に返礼品としてご準備したのは、例えば第2弾、前回やったときですね。
芥川の旧邸、旧居宅に入っていただきまして、現在はさらちの状態ですので暴走シートが敷いてあるんですね。
その暴走シートの上でですね、私と研究員複数人で実際の芥川の家の間取りをですね、描いていったんです。
すごい面白い。
その中には数々の名作を生み出した書斎の場所が含まれているというのと、あとは亡くなった終焉の場所というのも含まれておりました。
なのでご寄付をいただいたお客様に体験していただいたときに、もうファンの方はその土地に手を当てていました。
いやもう震えますね。
もうここから生まれてたんだって、こういうところで描いていたんだっていうので、すごく感動されていました。
りゅうのすけないし家族が住んでいた家っていうのがまさにここにあったんだなっていうのを感じていただき、それにですね、加えてご案内した日は真夏だったので、もう南向きで日差しが強いんです。
みんな汗だくになりながらですね、その体験会をやったわけなんですが、これじゃあ当時のりゅうのすけも南向きの書斎で執筆してたわけですので、大変だったんだろうなという。
なるほど。
そういうのも感じられました。
素敵ですね。
それから体験会もそうですし、そういったものと合わせて様々な愛用品をモチーフにしたものも今回作られています。
そのへんのお話も伺いますか。
そうですね。第3弾の10月から始めたクラウドファンディングについては、芥川の愛用品をモチーフにした一筆線、手ぬぐいというのが加わりました。
これもですね、先ほど紹介された日本近代文学館ですとか、あとはですね、りゅうのすけの好物だったウサギヤの奇作もの館、ウサギヤさんからも協力いただきました。
それに芥川さんのご祖父であられる芥川直さんもデザインに協力していただきまして、完成しました。
素晴らしいですね。
もう唯一無二のものが完成しました。
場所も唯一無二ですが、編例品もそうだということですね。
そうですね、こだわりを持って作っております。
あとはですね、3月1日というのが芥川隆之助の誕生日です。
その誕生日の日に芥川隆之助生誕祭と称しまして、滝野川開館で講演会を行う予定です。
講演会の講師は芥川小作家の平野圭一郎さんです。
その平野さんの講演会の招待チケット版というのも編例品に加わっております。
本当に盛りだくさんですね、編例品ね。
そして編例品に対する思いとか愛を感じますね。
ありがとうございます。
本当にそれが良くてファンの方々も応募いただいていると思うんですが、
改めてこういったクラウドファンディングを通じて、
芥川隆之助記念館に対するファンをはじめとする多くの方々の期待値の高さというのはどうですかね。
非常に高いです。
街歩きのイベントをしていても、やはりここにできるんだってお声はいただきますし、
街と文豪のつながり
開館に来るお客様、受付に立つ場合も私はあるんですが、楽しみにしているよってお声掛けしていただいています。
嬉しいですね。
芥川さんの様々な講演とか取り組み、拝見する中で、
常に作品について語っていただくだけじゃなくて、
街と文豪やその歴史、思い、そういったものがつながっていくのをすごく感じるんですけれども、
そういったところへのこだわりとか思いってどうですか。
やっぱり作品がそこで生まれたっていうのもそうですし、
その作家がそこに住んでいたっていうのは非常に重要でして、
その人の作品は本で読めば分かる、その人についても拝見を読めば分かる。
ただそこの住んでいた場所のエピソードというのは長い人生の中で一部になりますので、
文志村記念館ですとか、今度できる秋田川の記念館、
そういったところでたくさん伝えて、こういう歴史があったんだよっていうのはきちっと検証していきたいなというふうに思っています。
本当にそういった取り組みが私たち北区にとっても街とですね、
秋田川龍之介をはじめとする文豪や歴史的な皆さんをつないでいただいていることが、
これからの北区の発展にも資するものだということで改めて感謝したいなと思いますし、
その視点をもって秋田川龍之介記念館、田畑文志村記念館だけでなく、
街が、区民が、みんなが一緒になって北区、田畑をですね盛り上げていくきっかけになっていけたらなと思いますので、
そういう意味ではぜひ先導役としてまたご視聴いただきたいと思います。
改めて石川さんから見た秋田川龍之介の魅力について伺いたいです。
秋田川龍之介の作品の魅力としましては、私の個人としては花、僧侶の長くなった花。
芥川の作品とその魅力
花に見られるような人間の心情を巧みに描いているところが好きです。
決して人には大きな声では言えない意地悪なところだったとか、
猜疑心、羞恥心、自尊心、そういった心の奥深くにあるものを龍之介はさらっと表現しています。
そんなところがですね、100年たった今でもたくさんの読者を獲得している理由なのかな、
普遍的な内容というか、そういったところが優れているなというふうに思います。
そして村上春樹さんも言っていたのですが、何より流れがいいと。
文章が淀むことなくスルスルと生き物のように流れていくというふうに称賛しています。
要は文章が整っているということも龍之介の特徴というふうに言われています。
あとはですね、短編作品が多いですので、さらっと読めちゃう。
これも秋田川の作品の特徴ですので、ぜひみんなに読んでいただきたいですね。
ありがとうございます。秋田川愛を感じますね。
そんな石川さんに最後の質問です。
石川さんから見た、秋田川龍之介記念館に期待すること、ぜひ教えてください。
文学ファンや秋田川龍之介ファンはもとより、
多くの区民の皆様に大切な人、家族、友達、同級生、
そういった大切な人と一緒に訪れて時間を共有していただきたいなというふうに思っています。
また教科書作家としての一面も龍之介は持ちますので、
秋田川龍之介を一歩踏み込んでより深く知っていただくために、
区内の児童、生徒の方にはぜひ体感しに来てほしいなというふうに思っています。
自分の地元に秋田川龍之介が暮らしたということを胸を張って将来言ってもらいたいなというふうに思っています。
素敵ですね。ありがとうございます。
本当に秋田川龍之介をはじめとする田畑に暮らした多くの文豪の方々の話や歴史について伺ってまいりました。
こういった愛をもって田畑文志村記念館や秋田川龍之介記念館への石川さんの思い、
私たちも区として北区文化振興財産とともに北区の文化的な街づくりを進めていきたいと思っています。
私は制作の中で文化芸術を区民目線で架線化というのを挙げさせていただいているんですけれども、
やっぱり文化芸術こういったものが身近になければいけないと思っています。
身近に感じられるそんな街づくりをしていきたいという意味では、
この田畑が秋田川龍之介記念館や田畑文志村記念館がその中心役となって、
より身近なものに広がっていければ、
区民の方々が多く関わっていただけるようなそんな街づくりにしていきたいと思っています。
ぜひともこれからも石川さん、お力をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
田畑文志村記念館館長補佐、学芸員の石川さんに2話にわたって貴重なお話をたくさんいただきました。
石川さん改めてありがとうございました。
ありがとうございました。
ラジオ収録いかがでしたか?
初めてだったので緊張しましたが、
リスナーの方には秋田川龍之介が田畑に暮らしていたということを知っていただけたのかなというふうに思います。
田畑文志村記念館は現在も開館しておりますので、
ちょっと足を伸ばしていただいてご来館いただければなと。
せめてXのフォローだけでもお願いできればなというふうに思っています。
あと、区長とお話できて大変光栄でした。
よろしくです。
ありがとうございます。
今度はぜひ区長の地元で
今私が住んでいる西ヶ原のお話をさせていただければなというふうに思います。
西ヶ原には人間国宝の奥山宝石先生。
そうですね。
さらに亡くなってしまいましたが、
ドナルドキー先生が古川庭園のそばです。
あとは滝の川地区なんですが、
図書館の閉館ソングを歌っている中山うりさんというシンガーソングライター。
シャクジー川で会いましょうという曲があるんです。
そんなお話。
他にもマンドリン奏者、ギターリスト、青山忠史さんだとか増田雅宏さん。
そういった人たちが現在もお住まいですので、
そんな話ができるといいなと思っています。
そうですね。楽しいですね。
現代版の芸術家村についてまたぜひお話できたら嬉しいなと思っています。
ありがとうございます。
今月は田畑文志村記念館、館長補佐石川さんをお迎えいたしました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
次回も皆さまお楽しみに。
素敵な一日をお過ごしくださいね。
パーソナリティ山田赤の子でした。