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こんばんは、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 お布団の心地いい温かさに包まれながら、リラックスして聞いてね。
おやすみ歴史ラジオ、今夜は第5回、昨日の真田正幸さんに負けないくらい、 頭がものすごく良くて、ちょっとびっくりするような乗り物に乗って戦った、
戦国時代最強の天才軍師のお話です。 お名前は黒田官兵衛さん。歴史が大好きなお友達なら、
あ、豊臣秀吉さんを日本一の出世頭にした、 あの天才軍師だってすぐに気づいたかもしれないね。
この軍師というのは、刀を振り回して敵と戦う人ではありません。 戦う時の大事な作戦をじっくり考える、
今で言うチームの監督や、みんなを引っ張る天才プログラマーのような役割の人のことです。 官兵衛さんは、まだ秀吉さんが小田信長さんの部下だった若い頃から仲間になって、
数々の難しい戦いを、自慢の知恵だけで大勝利に導いてきました。 今夜はその前編として、官兵衛さんの人生最大のピンチと、
そこから生まれた戦国時代のスーパーカーのお話を詳しくお話ししますね。 ある時のこと、信長さんの仲間だったはずの荒木村重という別の部将が、突然信長さんを裏切って、
自分のお城に立てこもってしまいました。 これを聞いた信長さんは大激怒、裏切り者は絶対にもとさん。
今すぐ何万人もの大軍で攻め滅ぼしてやると怒り狂います。 何万人もの大軍でお城を力任せに攻めれば、裏切ったおじさんだけでなく、
お城の中にいる普通の人たちや子供たちまでたくさん巻き込まれて、傷ついて死んでしまいます。 官兵衛さんはそれがどうしても許せませんでした。
そんなの悲しすぎる。よし、僕がたった一人でお城へ行って、裏切った荒木さんを説得して、戦いを止めさせよう官兵衛さんは、刀などの武器も持たずに、本当にたった一人だけで、敵がうじゃうじゃいるお城へと乗り込んでいきました。
自分の命なんか怖がらずに、みんなを助けようとしたんだね。 ところが裏切った敵の大将は、官兵衛さんの優しい言葉に全く耳を貸しませんでした。
それどころか信長の部下がやってきたぞ。 こいつを捕まえろと、官兵衛さんをがしっと捕まえてしまったんだ。
便所や牢屋を兼ねた、お城の地下にある、太陽の光が全く届かない、真っ暗でじめじめした狭い牢屋に閉じ込められてしまいました。
床は冷たくて、湿気でベタベタしていて、ご飯も少ししかもらえません。 それだけではありません、お城の外では、さらに恐ろしいことが起きていました。
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リーダーの信長さんは、官兵衛さんがなかなか帰ってこないのを見て、あいつ、敵のお城から帰ってこないということは、僕を裏切って敵の仲間になりやがったなと、ものすごい勘違いをしてしまったのです。
信長さんは怒って、官兵衛の家族をみんな捕まえてしまえとまで命令しました。 味方の信長さんからは裏切り者だと誤解され、敵からは牢屋に閉じ込められてしまった官兵衛さん。
なんと、その真っ暗な地下の牢屋の中で、1年もの間、ずーっと閉じ込められることになってしまいました。
春夏秋冬、季節が一周する間、ずーっと暗闇の中です。 普通なら、寂しくて、悔しくて、もうだめだ、誰も助けに来てくれない、と心が折れて、諦めてしまいそうだよね。
でも、官兵衛さんの心は絶対に折れませんでした。 牢屋の小さな小さな窓から、外の庭に咲いている藤の花が風に揺れているのが見えたんだって。
官兵衛さんは、その美しい紫色の花をじーっと見つめながら、 よし、僕もあの花みたいに、もう一度太陽の下で、きれいに咲くぞ。
絶対に生き残るんだと、自分の心に毎日エールを送り続けて、じっと耐え続けました。
1年後、信長さんの軍がお城を攻め落とし、ようやく官兵衛さんは味方に助け出されました。 官兵衛、疑ってごめんよと、みんな大泣きして喜びました。
しかし、牢屋から出てきた官兵衛さんの体は、ボロボロになっていました。
長い間、冷たくて狭い牢屋でずっと座ったままだったせいで、片方の足が麻痺して固まってしまい、 自分の力でうまく歩けなくなっていたのです。
頭の髪の毛もすっかり抜けてしまっていました。
お侍さんにとって、足が動かないというのは、もう戦いに出られないということ。 今でいう、引退、追い身するくらいの大問題です。
周りの家来たちも、あんなにすごかった官兵衛さんが、もう歩けないなんて、 と悲しみました。
ところが、官兵衛さんの天才の頭脳は少しも衰えていませんでした。
むしろ、暗闇の中で研ぎ澄まされてパワーアップしていたんだ。
足が動かないなら、動くものに乗ればいいじゃないか、官兵衛さんはそう言って、
なんと、牛が引っ張る特性の乗り物、今でいう車椅子や頑丈な走行車のような、 かっこいいオリジナルの車を作らせました。
正式には、栗毛の牛車って言うんだけどね。
官兵衛さんはその車にどすんと腰掛け、車輪を片言、片言と鳴らしながら、 堂々と戦場に現れました。
そして、走ることができなくても、車の上から、 よし、敵はあっちからやってくるぞ。
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次の作戦はこうだと、天才的な指示をテキパキと出したんだって。
足が動かなくても、頭脳ひとつで戦場を完全にコントロールしてしまう官兵衛さん。
敵の部署たちは、その車を見ただけで、 うわ、天才軍師の官兵衛が出てきたぞ。
逃げろうと、ガタガタ震え上がりました。
さあ、そんな風に復活した官兵衛さんですが、 この後、大親友である豊臣秀吉さんが、
歴史上最大のピンチを迎えることになります。
その時、この車に乗った官兵衛さんが、 秀吉さんの耳元で、
にやりと笑いながら歴史をひっくり返すような、 大逆転の作戦をささやきます。
一体、どんな恐ろしい作戦をひらめいたのでしょうか。
そのドキドキの続きは、 明日の後編でたっぷりお話ししますね。
今夜の歴史ラジオはここまで。
官兵衛さんみたいに、もし体に痛いところがあっても、 心が折れそうな大ピンチになっても、
頭を使って工夫すれば、 何だってできるぞという強い気持ちを持っていると、
どんな高い壁だって乗り越えられるかもしれないね。
明日の天才軍師の大活躍を楽しみにしながら、
今夜はゆっくり温かいお布団の中でいい夢を見てね。
それじゃあ、ゆっくり目を閉じて、力を抜いて、
おやすみなさい。