山下清の背景と成長
みんなが爆弾なんか作らないで、きれいな花火ばっかり作っていたら、きっと戦争なんて起きなかったんだ。
始まりました。「大人の近代史」よろしくお願いします。
よろしくお願いします。えっと、誰の言葉でしょうか?
これはね、画家山下清の言葉です。
へー、そうなんだ。
そうそうそう。今回山下清をやるので、
まあ、この言葉がどういうところで使われるのかっていうのも、なんとなく話していく中でわかってくるかなっていうので、ちょっと冒頭で言いました。
この人、花火好きだったんだよね。見に行くの。
あ、そうなの?
そうそう。有名な作品もね、花火をね、作品にしたものってあるんだよね。
まあ、ということで今回は、画家山下清についてやります。
特にさ、この人って針絵で有名でさ、色紙をこう、ちぎって貼っていくような作品なんだけれども、
で、あとはさ、放浪の天才画家っていうふうに呼ばれてさ、全国各地を放浪してさ、その場所から見た作品を多く残してるんだよね。
まあ、そんなわけで、彼のね、ちょっと置いた地から話していきたいんだけれども、
1922年ですね、東京、現在のね、台東区で長男として生まれるんだよね。
で、お父さんはね、浅草の日本料理店の板前をしていて、
まあ、ただ、だいぶね、酒癖が悪かったっていうのがあったんだよね。
なんか、昔の親父ってそうだよね。
そうそう。まあ、そうなんだろうね。
うん。
そう。で、2歳の時に関東大震災が起きて、一家はね、焼け出されて、お父さんのふるさとである新潟へ移り住むんだよね。
うん。
この時にね、災害復興の最中で、衛生環境が原因なのか、ちょっと定かではないんだけど、清は重い消化不良になるんだよね。
うん。
で、そのためね、3ヶ月間寝たけりになって、高熱が続くっていうかなりの重病だったんだよね。
うん。
で、これが原因なのか、この頃からね、少しどもるような言語障害とか、発達障害っていうのが出始めるんだよね。
うん。
そう。で、翌年ね、東京へ戻ってきて、お父さんが浅草のね、板前に復帰していくんだよね。
うん。
で、小学校に入ると、この障害を理由に、周囲の子供たちから、ちょっとバカにされたりとか、いじめられるようになっていって、一人で虫捕りとかをして、孤独な毎日を過ごすようになるんだよね。
うん。
で、10歳の時に、お父さんがね、亡くなっちゃって、一家っていうのは、その経済的にも苦しくなるんだよね。
うん。
で、昭和9年に、清のお母さんが再婚したんだけども、またね、このお父さんもね、手乱で、家族にも暴力を振るっていうような、かなりひどい状態だったんだよね。
うん。
そう。で、妊娠中のね、体で、清と弟を連れて家出をして、母親はね、もう一家親中も考えたくらいなんだけども、杉並区の母子家庭向けの社会福祉施設に保護されるんだよね。
うん。
で、清氏が高学年になってくると、いじめがね、ますます激しくなっていって、そこでね、ある時刃物で対抗しようとして、相手をね、本当に怪我させてしまったってことも起こったんだよね。
うん。
まあ、こんな風にして困り果てたお母さんが、清氏がね、12歳の時に千葉県のね、養護施設である八幡学園に預けるんだよね。
放浪と創作活動
うん。
そう、ここの学園はね、障害を持った子供を受け入れる施設として、当時ね、珍しくて、全国で8番目に開園した施設なんだよね。
うん。
その中でね、授業があって、ずっこうの授業で、ちぎり絵っていうのに出会うんだよね。
うん。
これ、あの色紙を切ったものを画用紙に貼っていくっていう授業で、この清氏っていうのはさ、風景画として結構有名な作品を残しているんだけども、
うん。
この頃はね、大好きだった虫とか花などを題材にした作品を多く残しているっていうのが特徴なんだよね。
うん。
そんな時にね、早稲田大学の戸川幸男教授っていうのが八幡学園に訪れて、清氏をはじめね、子供たちの作品を見て驚かされるんだよね。
うん。
そう。で、このことがきっかけで、早稲田大学で八幡学園の子供たちの展覧会が催されて、もう有名画家とか訪れた人たちから絶賛を浴びたんだよね。
うん。
で、その中でもとりわけ清氏の作品っていうのは評価が高かったんだよね。
うん。
で、それからね、1939年になると、17歳の時に東京の銀座で山下清氏初のね、古典を開くことになったんだよね。
うん。
で、当時さ、肖像画の天才って呼ばれてた安井総太郎なんかも、彼の絵を見て、その強烈な表現力はまさにゴッホの後継者だとか。
うん。
油絵のさ、第一人者だった梅原隆三郎は、美の表現の激しさ、純粋さはゴッホやアンリル層の水準に達してるっていうような、もうすごい絶賛だったわけよ。
うん。
そうそう、ある画家に関してはね、今まで何のために絵の修行してきたのかって言って、画家を辞めてしまうって人も現れたぐらいなんだって。
うん。
で、この古典で絶賛を浴びて、新聞社などメディアも取り上げられて、彼って有名になっていくんだよね。
うん。
時代は、ただ第二次世界大戦と突入して、男子はさ、20歳になると当時国民の義務だった徴兵検査を受けなきゃいけなくて、その結果で軍隊派兵されるんだよね。
うん。
当時清はさ、18歳で、戦争へ行くってことに、すごい恐怖を感じてたんだよね。
うん。
で、徴兵検査を逃れるためっていうのもあって、またね、八幡学園の生活にちょっと飽きていたっていうところで、突如ね、放浪の旅に出るんだよね。
うん。
彼20歳が徴兵検査だから、21歳まで放浪を続けて帰ってくるんだよね。
うん。
これでさ、軍隊行かなくていいって思ってたところに、母親がね、これを許さずに清を無理やり連れてって、徴兵検査を受けさせたんだよね。
うん。
ただ清はさ、不合格になるために、直前まで目が悪いふりとか、字が読めないふりとかもしたり、絶食までして兵役を逃れようとしたんだよね。
うん。
結局、このこういった関係なしに、徴兵検査の結果は発達障害っていうことで、不合格になるんだよね。
うん。
で、放浪のきっかけのこう一つだった、戦争に派兵される恐怖から逃れた彼なんだけども、その後もね、35歳までなんとね、たびたび放浪するようになっていくんだよね。
うん。
これはね、長い時で3年ほどだったり、短い時ではね、数ヶ月とか、そういうスパンで放浪してるんだよね。
うん。
このね、ちょっとね、ある特徴があって、暖かくなる春先になると旅に出ることが多くて、
うん。
前日にね、必ずチェックすることがあるんだって。
うん。
これ何だと思う?
いやー、全然思いつかないけどな。
これはね、あの、星が出てるかっていうのをチェックするんだって。
星?
そうそう。星が出てればさ、明日の朝はきっと晴れだろうっていうのを確認してから行くんだって。
へー。
そうそう。もうなんか、自分と一緒だなと思って。
いや、嘘でしょ。
あとね、入っていく下駄とか靴の手入れも入念にしたりするんだって。
うん。
こんなことからさ、突然無意識に放浪するってより、ある程度自発的に行動してたんだなっていうのが分かるんだよね。
うん。
放浪先ではね、好きな景色をもうただただぼーっと見るってことを好んだの。
うん。
八幡学園ではさ、自分の好きな針絵を優先的にやらせてもらえてはいたんだけども、集団生活の中でさ、それでもやっぱ規則があってさ、行動すべてが自由じゃないんだよね。
うん。
だからさ、彼は誰にも束縛されない自由を好んで、こういう放浪っていう手段を選んだんじゃないかっていう風に言われてんだよね。
うん。
で、とはいってもさ、放浪先ではお金も住むところもなくて、そのためね、物恋のように片っ端から人に声をかけてご飯を食べさせてもらったり、家に泊めてもらうってことをするんだよ。
うん。
これこんなにうまくいくって思うんだけど、戦時中さ、生活も苦しくてさ、食料も十分にない時じゃん。
うん。
彼はね、放浪していく中で、都市部より田舎の方が親切にしてくれるって人が多いことを感じるんだよね。
うん。
そうそう。だから頼むのは必ずその田舎中心に頼んで、その方がより食事にありつけたり、泊まらせてもらえたんだよね。
うん。
これは戦時中はさ、都市部より田舎の方が食料もあったっていうような要因も関係してるんだけど。
うん。
で、2つ目はね、同情を誘うような嘘をついたんだよね。
うん。
そう、彼はね、お父さんもお母さんも病気で亡くなっちゃって、兄弟も頼れる親戚もいないっていうような嘘をついて、親切な人からの行為によって放浪を続けたんだよね。
うん。
で、警官にね、尋問されたことがあって、食べ物なんかもらえない場合はどうするんだっていうふうに言われたんだけど、彼はね、平然ともらえるまで家に行く、なのでもらえない時はないっていうような回答をしてるんだよね。
うん。
すごいよね、これ。
まあ、昔だからなんか笑い話で済むけど、今だったらやばいやつだよね。
ああ、そうだね。昔だから成立したっていうのもあるかもね。
うん。
で、だいたいね、3食きっちり食べることができてたらしいよ。
うん。
で、寝るところがない場合はね、駅のベンチで寝てたっていうのはあったらしいんだけど、
うん。
で、放浪中さ、最初は風呂敷を使ってたんだけど、リックサックに途中から書いてるんだよね。
うん。
で、この中身っていうのがね、あったんだけど、手ぬぐい、着替えとか、あとね、箸が一全入ってるんだって。
うん。
じゃあ、もう食べる気満々だよね。
笑
もう箸は自分のを使いますみたいな。
で、その他にね、石が5つ入ってたんだって。
うん。
これ、何のためだと思う?
石?いや、全然開目検討がつきませんね。
これはね、犬が吠えてきて、襲ってきた場合に、石を投げて身を守るためだった。
笑
まあ、武器を持ってたわけね。
そうそうそう。狩りなりのね。
うん。
で、またあの、生活していくために、やっぱ放浪先でね、いくつかの職業をこう転々としてたりもして、
魚屋とか弁当屋とか、鍛冶屋とか、蕎麦屋とか、郵便局とか、いろんなところでね、意外とこう働いているんだよね。
うん。
こうしてね、長い間放浪を続けて、自由に日本各地の好きな景色を見たりとかして、
で、それをね、脳裏にこう焼き付けて、放浪から帰ってきて、それを一気に吐き出すんだって。
うん。
で、そうやって作品を作り上げていて、だからね、その場でスケッチってほとんど実はしてないんだよね。
うん。
そうそう。裸の大将とか見てた?
いや、見てはないけど、なんとなくわかるよ。
現地でさ、スケッチしてるってイメージがそれだとあるんだけど、
うん。なんかそういうイメージあった。
そう。晩年ちょっとしてたことあったんだけども、ほとんどしてないんだよね。
えー、なんかランニングシャツ着てスケッチしてるようなイメージはあるんだけどね。
それはね、結構メディアが作り上げてるの。
なるほど。
そうそうそう。で、しかもその記憶して作成した作品が見事にね、その場所の構図や色まで再現してたりするの。
再評価と影響
おー。
そう。彼はね、あの驚異的ななんか記憶力を持ってたらしいよ。
うん。
ま、こんな風にさ、一躍人気のあった山下清だったんだけれども、
第二次世界大戦に突入したことで、人々の話題から消えていったんだよね。
うん。
それでね、戦後、1953年になって、朝日新聞の社会名のトップに突然、
戦後日本のごっこ、今伊豆湖っていう見出しで新聞に載ったんだよね。
うん。
これは山下清を創作する記事で、なんでこれを出したかっていうと、
アメリカのね、雑誌ライフの記者が彼の作品を見て、こう協談して行方を探してたことから、朝日新聞が協力したんだよね。
うん。
放浪と再発見
で、この新聞記事がきっかけとなって、その時ね、鹿児島に放浪してた山下清が発見されるんだよね。
うん。
で、再び脚光を浴びて、その後も全国各地で彼の展覧会が催されて、
どこのね、その展覧会もすごく大盛況で長蛇の列ができたって言われてんだよね。
うん。
記録だとね、1956年の東京大丸百貨店で行われた、これね、約1ヶ月間の山下清展なんだけども、
うん。
約ね、80万人訪れてんだよ。
すごいね。
すごいよね。
俺ね、ちょっと今回調べたんだけど、2023年に日本で4番目に入場者の多かった東京国立近代美術館が、1年間で約88万人だかんね。
ああ。
それを1ヶ月もないぐらいで、約80万人ってやばいね。
いや、すごいね。
もう社会現象なんだろうね、これね。ぐらいすごい有名だったんだろうね。
うん。
で、彼のちょっと針への特徴をいくつか紹介したいんだけど、
うん。
1つ目はね、一般の絵画ではさ、人の目から3次元の空間を2次元の平面に表現する方法として、遠近法が使われてることが多いんだけれども、
彼はね、必ずしもこの遠近法に作品を当てはめるんじゃなくて、自分が見て感じた特徴を独自の感性で表現してるってところが特徴なんだよね。
うん。
2つ目はね、色紙を切るのにハサミは使ってないんだよね。
ああ。
数ミリのね、大きさに紙を切る場合でも指でちぎるの必ず。
うん。
これはね、ハサミで切ると切り口がシャープになりすぎちゃって、貼り合わせた時に境目がね、目立ってしまうっていうことで、手でちぎることで切り口がこう柔らかくなって絶妙な色の階調が表現できるんだって。
うん。
3つ目がね、小寄りっていう技法を使ってるんだよね。
うん。
これね、色紙をね、細い棒状にして輪郭部分などに使ってたりするんだけど、それでより立体感を出すっていうような作品になってるんだよね。
うん。
4つ目がね、人物を表現するのに正面とか側面、背面のみから描かれていて、斜めからとか、そういったちょっと角度を変えた感じのものがないんだよね。
うん。
これがまたね、独特の味を出していて、なんかね、ほのぼどとする温かさを感じるって言われてるんだよね。
うん。
で、彼の有名な作品に花火っていうのがあって、ちょっと冒頭でも花火のフレーズに触れたんだけれども、彼、花火大会見るのが本当に好きで、各地を訪れて作品を残してるんだよね。
うん。
中でも名作って言われるのが、長岡の花火っていう、これが新潟で行われてる、今でも大きな花火大会なんだけども、1950年で28歳の時の作品なんだよね。
うん。
これ見たことある?
いやー、見たことあるのかもしんないけど、今パッとは出てこないな。
あー、俺も実物ないんだけど、こんなこと言ってさ。
ネットとかで全然見えるんで、もしよかったら検索してもらえるといいんだけど、この花火をさ、針絵で表現っていうのがまずすごいじゃん。
あー、針絵ってそうだね。あんまりやったことないからな。
うん。すごい細かくて、一本一本の花火の細かい線とか、それをね、見てるたくさんの群衆をすごく緻密に表現してるんだよね。
うん。
そしてさ、色合いも絶妙で、真っ黒な夜空に鮮やかなこの色の配色があって、温かみがある作品になってるんだよね。
うん。
ちょっとね、この長岡の花火の歴史の背景に触れたいんだけども、
うん。
このさ、長岡花火ってさ、明治12年から花火祭りっていうのが行われていて、大正15年にね、ここでは直径3尺の大玉を打ち上げたことでも有名なんだよね。
うん。
戦時中はさ、もちろんどこの花火大会も中止になっていて、1945年の8月1日に長岡っていうのはB29による大規模な空襲を受けてるんだよね。
うん。
市街地のさ、80%以上が消失して、死者はね、1488人って言われてるの。
うん。
そう、新潟県で大規模にこう被災した唯一の都市で、こういうことがあって、戦後1947年に復興の思いを込めて、この花火大会っていうのはまた再開するんだよね。
うん。
そうそう。まさにさ、なんか花火って復興の象徴だなって思ってさ、なんかみんながこう集まってさ、同じ方向を見てさ、打ち上がる花火をね、見るって戦時中じゃできなかったことじゃん。
うん。
そうそう。まあ、そういったさ、戦後復興の思いっていう背景を知ると、さらになんかこの山下清志の作品が楽しめるんじゃないでしょうか。
誰なんだよって。
その後もさ、数々の作品が評価されて、彼の人気がこう全国的に広がって、まあ、そんな有名になってもね、たびたび放浪は続けていたんだよ。
うん。
それがね、35歳でぴったりとやめてんの。
針絵技法の特長
うん。
これはなぜかっていうとね、1957年に家族の提案で、東京のね、世田谷にね、お母さんと弟、妹で一緒にね、新しいこう家を建てて住むことになったんだよね。
うん。
今までね、八幡学園だったりとか、狭いお母さんの家に行ったりとかしていて、自分の居心地の居場所っていうのがなかったんだよね。
うん。
で、そこでまあ新しい家はさ、自分の部屋もできて、こう居場所ができたんだよね。
うん。
まあそういうのも要因と言われてるし、ただそれだけじゃなくて、家族にね、もう放浪しないのかって聞かれた時に、彼はね、どこに行っても山下清とわかってしまうからな、だからもう放浪はしないんだなっていうような回答してるんだよね。
うん。
そうそう。自分のさ、知名度がこうどんどん上がっていって、行く先々でサインやさ、絵をせがまれるようになってったんだよね。
うん。
で、それまでさ、本当に善意で異色児をこう提供してくれた人たちがいたんだけども、人気になってからはさ、絵を描いてもらうために声をかけてくれるとか、まあなんかその欲の部分が目立つようになってきたりとかしたんだよね。
うん。
彼はさ、やっぱ放浪の目的はあくまで自由でいたい、好きな景色をぼーっと眺めていたいっていうのがあって、それがさ、どんどんどんどん有名になることで難しくなっていったんだよね。
うん。
で、そういった理由もあって放浪をやめたんじゃないかって言われて。
うん。
で、それまでね、放浪した箇所っていうのはね、もうね、北は北海道、南は鹿児島って全国各地に及んでいて、彼はね、自分で日本の5分の1は自分で歩いたって言ってるんだよね。
うん。
すごいなと思って、特にね、あの関東から南のあったかいところとか多く歩いてたりするんだよね。
うん。
で、その後1980年から1997年で裸の大将放浪記っていうのがテレビで放送されるんだよね。
晩年の作品と死
うん。
俺ね、これね、見てたんだよ。
ああ、そうなんだ。
まあ、小学校の時やってたんだろうね。
まあ、そのぐらいだよね。
そうそう。なんかよくおばあちゃんとおじいちゃんが見てたから一緒に見てたんだよね。
うん。
これはさ、山下清をモデルとして放浪の旅の中で人々と交流していって、最後にその町の風景を描いて、で、まあその後さ、山下清が白だってわかって町からこっそり姿を消すみたいな、そういうストーリーが定番だったんだけども。
うん。
まあ、その中でさ、山下清っていうイメージ像がさっきも言ったけど出来上がっていって、ただね、実際は違い部分もあるんだよっていうのをちょっと今日は紹介したくて。
うん。
清氏自身もあれは僕じゃないっていうような言い方もしてたりするんだよね。
うん。
裸の大将でさ、ランニングシャツに短パン姿ってさっき永丸も言ってたけど、
うん。
あと顔とか着てるものは汚れてるっていうような、もうまさに放浪が似合うような姿になってんだよ。
うん。
まあ、そういう格好も一時期暑い時はしてたっていうのもあったらしいんだけど、本当はね、オシャレで服装にも気を使う人なんだよ。
うん。
襟付きのシャツだったり、ジャケット、スラックス、そしてベレー帽をかぶったりとかしていて、
うん。
取材があるとね、取材人からランニングシャツと短パン姿になってくれないかって言われるんだって。
うん。
彼は嫌な顔せずにこう応じるっていうのがあって、いやこれはちょっとダメでしょって思っちゃったけどね。
メディアのイメージがやっぱ強いのか。
そうそう。あとね、ナイブな一面もあって、マスコミにその特徴ある言葉遣いが注目されると、自分がこうどう扱われてるのかっていうのを気にしてたりするんだよね。
うん。
裸の対象だとさ、その終始、どもるような話し方っていうのがされてるんだけど、本人はね、あそこまで自分はどもらないっていうようなことを家族に言ってたりしてるんだよね。
うん。
そうそう。こんな風にさ、自分の短所を誇張されるってことを気にしていたんだよね。
うん。
他にもね、いくつか彼の特徴があって、貴重面な性格っていうのがあるんだよね。
うん。
自分で決めた作業時間をこう忠実に守っていて、作品作りをする時は朝10時頃から作業に入って、12時に2時間の休憩を取って、それからね、作業して夕方5時にピタリと辞めるんだって。
うん。
ただその間の作業してる集中力っていうのは本当に凄まじいものだったって言われてる。
うん。
で、あとね、いたずらが大好きっていう面があって、弟とも一緒に住んでるから、弟の妻が家に突入できた時に、翌日にね、弟の妻に分かるようにうんちのおもちゃをキッチンの床に置いたんだって。
うん。
で、驚くのを見て喜んでたりっていうエピソードがあって。
うん。
そうそう。ちょっとね、このおもちゃがどこのメーカーなのかっていうのは調べられなかったんだけども。
えー、調べてよ。おなたの好きでしょ、そういうの。
いやまあ、大人のおもちゃだったんだなって思って。
ああ、大人のおもちゃ。
で、あと、なんかね、座る場所にもね、ブーブークッション置いて驚かせたりとかしてて、たださ、こう何回もやってると、ブーブークッションあるなって弟の妻も分かってくるんだって。
うん。
たださ、驚かないとすごく残念そうな顔をするから、わざと驚いてあげたりっていうような、まあなんかそういう温かな家族のエピソードがあったんだけど。
うん。
それから、43歳の時に東海道53次を題材にして、描こうと彼は挑戦するんだよね。
うん。
もともとさ、江戸時代から浮世絵なんかでこの東海道53次題材にしてるのって有名なんだけど、
うん。
その当時の現代版として挑戦をして、東京からね、京都までの東海道にあった53の宿場町から見た景色を、正確にはちょっと場所が違ったところも彼描いてるんだけど、
5年間かけて巡ってるんだよね。
うん。
それから自宅に帰り、もう梁の下へとなる素描画の制作に入ったんだよね。
うん。
で、東京から名古屋まで42点の素描画を終えたところで、高血圧による眼底出血を起こして、ドクターストップになるんだよね。
うん。
以後はね、自宅で食事療法と通院を繰り返して、数年後のね、1971年に脳一血のため49歳で亡くなってるんだよね。
うん。
若いよね。
まあ、そうだね。
で、葬儀を終えて数日経ったある日にね、家族がお父さんの部屋を整理してると、残りのね、京都までの13点の素描画が教えらから出てきたんだって。
うん。
そう、実はね、彼は療養中ながら、家族にもわからないところで描き上げてたんだよね。
うん。
そうそう。まあ、そんぐらいどうしても描き上げたいっていう熱意があったのかなと思うんだけど。
うん。
残念ながらさ、これがこの後、針絵になるってことはなかったんだけども、そのね、死体となるね、素描画っていうのも、彼の集大成っていうほど素晴らしい作品なんだよね。
うん。
で、亡くなる前のね、家族との最後のその夕刊の時の会話があって。
うん。
山下清の作品と影響
それがね、「今年の花火見物はどこへ行こうかな?」って言ってるんだよね。
うん。
いやー、なんか、まだまだなんかいろんな作品作ってほしかったなと思うんだけど。
うん。
で、彼の作品っていうのはさ、その場でさ、感じた感性を純粋に表現しててさ、枠になんかはまってないっていうような印象を受けたんだよね。
うん。
それでいてさ、なんかほのぼのしてて温かみがあるっていうような作風で。
うん。
彼自身もさ、飾ることもなくてさ、愛らしいキャラクターが多くの人を惹きつけて、戦後こう苦しい時代を乗り越えて復興してく日本人の心の隙間を埋めたんじゃないかなって思いました。
うん。
まあ、そんな彼はね、今天国で好きなだけ放浪してるのかもしれません。
いいね。いい締め方したね。
ということで、いかがでしたでしょうか。
まあ、俺全然その作品も知らないしさ、ランニングシャツのイメージしかない人だからさ、ああそういう人だったんだっていうのをなんか知ったね。
ああ、いやでも俺もランニングシャツのイメージそのテレビで見た。
うん。だからメディアに完全に操作されてる典型例になっちゃってるってことだよね。
まあ全てがとは言わないけど、かなりの部分がね。
うん。まあなんだろう、そのおかげで記憶に残りやすくもなってるのかもしれないけどね。
なんだろう、俺みたいに作品知らない人も結構多いと思うんで、だからそっちの印象が強くなっちゃって。
うん。
芸術と運の重要性
そう、だからまあこれを機にちょっとね、作品とかあったら見てみようなっていうのはちょっと思った。
ああ、確かにね。
うん。
この人あれ作品がさ、でも生きてるうちに有名になれたじゃん。
うん。
ね、よくさゴッホとかと比べられたりするんだけどさ、ゴッホって死んでから有名になったじゃん、あれって。
うん。
ね、そういった意味でさ、戦後さ、一時期こう忘れられた時にさ、アメリカのこの雑誌の記者がもし注目しなかったらとか思うとさ、なんかまあ生きてるうちにこういう評価されたっていうのは良かったなっていうの思うんだけど。
うん、まあ評価っていうのもさ、なんだろう、神ひとえなところがあってさ。
確かに。
そう、たまたま取り上げられたっていう人も結構やっぱいるじゃん、中には。
うん。
別にこの山下清史があってるわけじゃないけど、俺はすごい運命のいたずらじゃないけどさ、やっぱりすごいそういう運っていうものはものすごく大事だなと思うよ。
ああ、確かに。
そう、どんなに才能があってもさ、やっぱり埋もれてっちゃってる人の方が圧倒的に多いわけじゃん。
確かにそうだよね。
うん。
いや俺だから、素晴らしい絵ってなんだろうって俺考えさせられた回なんだけど。
まあだから多くの人を魅了してるっていう事実はあるわけじゃん。
ある、そうだね。
うん、でもほら尾形郎も絵上手いじゃん。
やめろ、それはやばいだろ。
それは俺はいいんだけどさ、山下清史って、まあ遅かれ早かれ誰かが評価すると思うんだけど。
うん。
なんかさ、彼って美術教育とかさ、あの受けてないんだって。
うん。
だから感性のみで描かれてっていうのがさ、それをまあ最初芸術家じゃないっていうような批判するような人もいたんだけども、
結果的にやっぱそういうのって感性のみで描いたものって、なんかこう訴えかけるものがあるような気がして。
まあその人の感情を動かすことが大事だからね、こういうのって。
そうなんだ、俺最近そこにちょっと注目しちゃってんだよね。
あなたは誰ですか?
いやだってポッドキャストもそうじゃないって思っちゃって。
結局決められた台本をこうずっと読んでって、もうその俺みたいなのよりもやっぱ長丸みたいに感性でこう自分の意見を言ったほうが、やっぱすごいじゃん反響が。
いやいやいいよ、その嘘じゃん。
嘘じゃん。
反響が小片郎のほうがいいじゃん。
俺はもう。
違うんだよ。
いやだからちょっと自分も改めなきゃいけないなっていうのもちょっと考えさせられた回でした。
ということで今回は山下清史についてでした。
はい。
そうですね、最後にちょっとYouTubeね、なんと皆さんのおかげで1000人チャンネル登録者数達成したんだよね。
そうおめでとうございます。
いやいやおめでとうじゃない、本当にありがとうございます。
なんか最後呼びかけた時にめっちゃみんな登録してくれたみたいで一気に上がって本当に嬉しかったです。
本当小片郎の回っていうところもあってすごい一気に跳ね上がったからね最後。
いやいや、まあということでこれからもよろしくお願いします。
はい是非ともよろしくお願いします。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ありがとうございました。
