古代の肉食文化
スピーカー 1
イギリスの作家、ジョセフ・アディソンは言った、「あらゆる動物において最も激しい欲望は、肉欲と飢餓である。」
始まりました。「大人の近代史」よろしくお願いします。
スピーカー 2
よろしくお願いしまーす。
肉欲はわかるけど、なんで飢餓なの?
スピーカー 1
いや、俺もわかんない。
スピーカー 2
なんだよそれ。
スピーカー 1
いやいや、そんな。でもなんか、なんで飢餓なんだろうって思ったね、確かに。
スピーカー 2
まぁ、肉欲はまぁいいじゃん。まぁわかるんだけどさ、飢餓がえ?なんで?っていうのは、なんか今パッて聞いて、やっぱすごい引っかかったなっていう。
スピーカー 1
ね。欲望ってなんだろう?心からの叫びっていうことなのかな。
スピーカー 2
まぁ、お腹減るとやっぱりあれなのかな。そういうのになっちゃうのかな。
スピーカー 1
ね。これ肉欲ってなんか性欲みたいな意味らしいね。
スピーカー 2
え?それ以外むしろ逆になんかあったの?
スピーカー 1
いや、俺は今回のテーマにちょっと似てるかなと思って選んだんだけど。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
結果違ったっていうね。
スピーカー 2
え?なんかちょっと多分今もうオトラがちょっと今なんだがっかりってなってると思うよ。
いやいや。
小ヶ太郎のそういう肉欲話聞きたかったみたいなね。
スピーカー 1
そんな需要ねえから。
スピーカー 2
あ、そう?
スピーカー 1
そう。まぁ今回のテーマは肉食です。
スピーカー 2
あ、お肉?
スピーカー 1
そうそう、お肉。
スピーカー 2
あ、なるほど。なんかね、肉食っていうとやっぱり小ヶ太郎っていうのが俺はパッと思いつくからさ。
スピーカー 1
嘘だよ、そんな。
まぁこのさ、肉食って言ったらさ、近代になってさ、日本は本格的に肉食文化が海外から入ってきて広がっていったっていうのがあるんで、
是非ね、大人の近代史でもちょっと取り上げたいなと思って。
スピーカー 2
なるほど。なんかちょっと話おっちゃって悪いけど、じゃのめやを思い出すね。
スピーカー 1
あ、そうそうそう。まさにじゃのめやだよね。確かに。
スピーカー 2
そうだよね。そうそう。なんかちょっと今肉食明治とかって聞いて、あ、じゃのめやみたいなさ懐かしいなと思って。
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
あ、ちょっとね、大人の方はちょっとわからない方はじゃのめやの回を聞いて欲しいなと。
スピーカー 1
だいぶ前だね。
スピーカー 2
だいぶ遡る。
そうそうそう。一本のね、マイクでやったんだよね、あれ。
あ、懐かしいな。まだまだ俺らね、音もね、悪い頃だから。
スピーカー 1
そうそう。なんかこのね、ちょっとタイトルで肉食って見て、もしかしたらその矢口真理とか青井優みたいな、いわゆるその肉食系女子を扱うっていう回ではないってことだけはご了承ください。
スピーカー 2
あ、それも今がっかりした人がちょっといると思うよ。
スピーカー 1
いいねえ。
スピーカー 2
矢口真理って。
スピーカー 1
どういう期待してんだよって。
スピーカー 2
わかんない。
スピーカー 1
まあ、あのちょっとそれでは早速ちょっと肉という時間を解答していきましょう。
スピーカー 2
なんだよその解答って。肉だけに。
スピーカー 1
そうそうそう。で、まあちょっとね、古代の時代から遡ると稲作がさ、行われる以前の社会っていうのは狩猟最終時代なわけで。
そこではさ、やっぱり肉食の占める比重っていうのはその後の時代に比べると高かったんだよね。
で、その後ね、記録に残っているのが、3世紀のね、中国で書かれた義師和神殿に当時のね、日本の山大国のことがね、書かれてるんだよね。
そこにはね、模伏中には肉を食べないっていうのが書かれてたりとか、あとはね、自殺っていう役割の人がいたんだよね。
これはね、あの中国大陸に渡るさ、後悔は命がけだったんだよね、その当時。
で、山大国ではその後悔の旅が無事に行くかを見守る役として、男がね、代表で一人選ばれるんだよね。
で、その人は旅にね、一緒について行って、まあ無事帰ってくるまで肉を食べてはいけないっていう決まりがあって。
で、さらにね、服も着替えることもできなかったりとか、女性とエッチもしてはいけないっていうようなことがあって。
これについてはどう思う?
スピーカー 2
いや、小片郎耐えらんないでしょ。
スピーカー 1
何なんだよそれ。
スピーカー 2
いや、肉も食えない、女も食えない、とんでもないって話でしょ。
いや、でもすごいね、当時からその、こんな役があったんだって思っちゃったけどね。
うーん、なんかね、別にね、海にさ、その出ることとさ、まったく合理的な話になっちゃうけどさ、なんか関係ないわけじゃん、実際は。
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
でも、やっぱりそういうなんか信仰というか、まじないというかさ、なんかあったんだろうね、縁起担ぎみたいな。
スピーカー 1
そうそう、古くからあって、でね、このね、あの、自災っていう役割の人は、その旅がね、無事であれば、その人はね、家畜とか金銭、物などが与えられるっていう好待遇が待ってるんだよね、その後。
スピーカー 2
なるほど、我慢の先にはいい待遇があっていうね。
スピーカー 1
そう、ただ、その旅で、例えば周りのものが病気になったりとか、災害に遭えば、みんなでその人を殺すっていうことがあった。
スピーカー 2
全然得しねえじゃん。
スピーカー 1
どう、この役割やるって言われたら。
スピーカー 2
え、なんかわかんない、俺確率で考えちゃうけどさ、なんかその、何も起きない確率ってどんぐらいだったんだろうね、なんか一攫千金とかだったらちょっとやりたくないね。
スピーカー 1
かなり低くない?だってこれ、後悔も半分とかじゃないでしょ、もっと50%とかよりももっと低いでしょ。
スピーカー 2
うん、なんか普通に、なんか海に誰か落ちて死んじゃったとか普通にあり得るじゃん。
スピーカー 1
うん、で、しかもね、その人がみんな無事でさ、病気もなくさ、みたいな、いや、かなりでしょ。
スピーカー 2
ちょっと難易度高めだね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。で、まあ、このちょっと儀式和神殿からわかることは、
肉っていうことで見ると、ある期間さ、慎む風習がすでに存在してたんだよね。
うん。
で、それはね、日本独特のことだったんだよね。だからこの儀式和神殿でわざわざその書かれてるんだけど。
うん。
神道と仏教の影響
スピーカー 1
で、これさ、えっと、日本はさ、もともと自然やさ、動植物などさ、神聖なものとして崇拝する信仰があったんだよね。
うん。
これを神道っていう、まあ、前ちょっと廃物希釈の回でも触れたんだけど。
うん。
この神道の考えの中に、肉は穢れっていう観念があったんだよね。
穢れってさ、のぎ編にさ、右が歳っていう感じの穢れってちょっと難しい感じなんだけど。
うん。
で、例えばさ、稲作をするようになると、人がさ、肉を食べると稲作に悪影響を及ぼすんじゃないかみたいな考えもあったりとか。
うん。
そんな考えからさ、肉を神に備えるこう儀式なんかも行われてたりしたんだよね。
うん。
その後、日本にはさ、仏教が入ってくるわけで。
うん。
で、仏教のさ、戒律の中で重視されたのが不摂生戒っていう生き物の命を絶つことを禁止とすることがあるんだよね。
うん。
で、この観念から肉食を罪とする意識が生まれていったってされてて。
うん。
でさ、もともとさっき言った浸透の肉食を穢れとするその観念と合わさって、肉食はなんかいけないことなんだとか、こう避けるような風潮が次第に社会に浸透していくことにこの先の時代になっていくんだよね。
うん。
で、ちなみにね、古代とか中世において食肉っていう意味する言葉はね、シシって呼ばれてたんだよね。
シシ?
そう、肉って呼んでないんだもちろん。
スピーカー 2
あー、そういうことね。
うん。
スピーカー 1
そうそう、例えば鹿肉とかは鹿のシシって言ってたんだって。
うん。
幕府の禁止令と米中心の農耕社会
スピーカー 1
イノシシ肉はイノシシみたいだけどね。
スピーカー 2
なんだよそれ。
スピーカー 1
そうそう、だからイノシシ…
スピーカー 2
イノシシシシとかなんないんだ。
スピーカー 1
そう、イノシシってさ、もともと古くはイって呼ばれてたらしいんだよ。
スピーカー 2
あー、エトなんかそうだよね。
スピーカー 1
あー、そうそうそう。で、だからその肉を入れてイノシシみたい。
なるほど。
ちなみにこの鹿肉とかイノシシってさ、日本では古くから、最も食べられてた動物で、そう呼び方もこうやって古くからあるんだよね。
ちょっと時代がいって、675年になると天武天皇が肉食禁止令っていうのを出すんだよね。
これがね、おそらく日本で初めて公に肉食を禁止したものだって言われてる。
で、理由はね、先ほど言った宗教的影響もあるし、農耕を推進するためっていうのもあるんだよね。
特にさ、稲作に力を入れていて、この禁止令の期間も4月から9月っていう稲作の繁茂期に肉食を禁止するっていう限定的な内容だった。
で、この肉食禁止令はね、全ての肉を食べてはいけないっていうものじゃなくて、対象がね、馬、牛、犬、鶏、猿の5種類なんだよね。
スピーカー 2
猿食ってたんだね。
スピーカー 1
そうそう。だからここに入ってたのは少なくとも食べられてたってことなんだよね。
あとさ、犬っていうのもあるじゃん。
これ今ではさ、日本では犬を食べるっていうのはさ、習慣っていうのはないけど、これはまあ、見ていくと江戸時代までとか結構食べられてたっていう記録があるんだよね。
で、それとさ、この中にさ、一番食べられてきたであろうはずの鹿とイノシシが入っていないんだよね。
鹿とイノシシはね、その当時も重要な狩猟獣として禁止の対象とならなかったんだよね。
それほどまだ農耕だけで生活が難しかったっていうのかもしれないんだよね。
スピーカー 2
まあそうだろうね。それを禁止にしちゃうと多分、もうそれこそガッシャーが出ちゃうとかそういうレベルだったのかね。
スピーカー 1
そうそうそう。だからまあそういうのがあったんじゃないかって言われてて。
たださ、まあちょっとこの肉食禁止令っていうのが期間限定だけど出されることによって、なんとなくその肉を避けるっていう概念が徐々に浸透してくることになってくんだよね。
平安時代になっていくと天皇や貴族とかを中心に肉食を避けるような風習が出てくる。
ちなみにこの時代さ、各地域での争いなどに農民たちとかが中心に武装集団を作って、この武装集団が貴族に使えるものも現れて、それが武士の起源なんじゃないかって言われる諸説あるんだけど。
武士っていうのは鹿やイノシシとか鹿狩りなんかをして狩猟して肉を食べるっていう風習が当時はあったんだよね。
その後ね、武士が次第に勢力を増していって、武士を中心とする鎌倉幕府が誕生するんだよね。
それまで朝廷が行ってきた米を中心とする農耕社会だったり、肉食を避けるという風習を武士は引き継いでいったんだよね。
これは何でかっていうと天皇の権威をやっぱり完全にいきなり否定するっていうことができなかったっていうのもあって、
あくまでも天皇性を残して実権は武士が握るっていうような構図ができていったっていうことでもあるんだよね。
こうして狩猟民的な傾向のあった武士が肉食を次第に禁止するようになっていって、朝廷側の風習に寄せてきたっていう背景がアリンス。
スピーカー 2
なんで急にアリンスなの?
スピーカー 1
ちなみにその後も将軍の中には鷹狩りを好んでする風習が江戸時代まで残ったりとかは知ってたんだよね。
織田信長とか徳川家光とか確か鷹狩りとか結構好きでね。
スピーカー 2
そういう戦国の武将だったり将軍でもそうだけど鷹狩りやってるイメージはなんかある。
スピーカー 1
でもやっぱそれは本当にトップの人の特権っていうような感じなんだよね。
なんか貴族の遊びって感じだよね。
例えば鎌倉幕府で言うと1203年に狩猟禁止令のような禁止令をその後もいくつか出してるの。
実際に民衆レベルでは肉食が完全になくなっているわけではなくて、実体としては貴重な食料として肉を食べるってことは引き続きされてたっていうのは事実にあるんだよね。
ただ幕府の肉食を禁止する流れは室町幕府にもなっても受け継がれて、時代を追うごとにさらに取り締まりが厳しくなっていったっていうのがある。
それと肉食っていうのを遠ざけてきたものに米の存在があるんだよね。
戦国時代とか江戸時代を通しても米中心の社会が確立されていって、各地域は幕府に対して原則米による納入が強制されたばかりじゃなくて、各大名の経済力も米の生産量、国高制で表示されるようになったりとか、
こんなふうに米中心の農耕社会を幕府が進めると反面、肉食っていうのを否定するっていうことにもなっていったんだよね。
肉でも色々種類あるんだけど、特に日本では牛と馬の肉が最も多物資されてきたんだって。
これは古くから牛や馬って物資を運ぶ貴重な労働力で、馬はさらに戦闘用として、もうそうだし、あと権威の象徴として大切に扱われてきたんだよね。
ここでちょっとエピソードを紹介したいんだけど、平安時代にこれは書かれた日記の正遊記っていうのがあるんだけど、そこには妻に乱暴働いて捕らえられた男が刑罰として馬の肉を食べさせられたっていう記録がある。
これを馬肉食の刑なんて言い方もされるんだけど、こういった事例はいくつか確認されてるんだよね。
肉食の禁止から解禁へ
スピーカー 2
なんか罰ゲームじゃなくて、馬肉食えるんだったらいいじゃんねってちょっと思っちゃうけどね。馬風な感覚だと。
スピーカー 1
今だとそうだよね。これ全然刑じゃないじゃんって思っちゃうんで。
馬肉には古くから毒があるって信じられていたみたいで、刑罰としてその馬肉を食べさせてっていうのが実際にあって、たださ肉を食べても死なないことを不思議がってるっていう記録も残ってたりするんだよね。
そのくらいなんだろう。馬の肉とか、牛の肉もそうなんだけど、日本では最も多分視されていた肉なんだよね。
あとそういった観念が社会に浸透してくると、牛や馬が死んだ場合などに、その処理をする人が厳しい身分差別を受けてきたっていう実態があるんだよね。
そういった仕事をする人たちを身分の最下層に扱って、その人たちのことをエタっていうふうに呼んだんだよね。
汚れに多いって書いてエタって読むんだけど、汚れが多い仕事っていうような意味でつけられたっていう説があるんだよね。
かなりこれ差別用語にはなるんだけども、ここまでの話は日本本州での話になったんだけど、肉食の実態っていうのは地域によって異なる部分があるんだよね。
例えば、北海道と沖縄なんかそうなんだよね。江戸時代まで爆反体制の枠の外にあった北海道と沖縄っていうのは肉食を多分視するような思想が根付かなかったんだよね。
北海道は厳密に言うと松前藩が少し藩っていうのはあったけど、全体的にはアイヌ民族がいて、昔から狩猟によってクマやシカなどを食べていたんだよね。
彼らは狩猟した動物に祈りを捧げたり、貴重な動物を丁寧に扱ったりする文化があって、詳しくは長丸がアンバサダーを務めているゴールデンカムイっていう漫画を見てください。
スピーカー 2
アンバサダーって怒られるわ。
スピーカー 1
いやいや、だいぶ広めてるでしょ。
いや、たぶん5人ぐらい。
描かれてるよね、確かね。よくあったもんね。
スピーカー 2
よく描かれてる。アイヌ民族の生き物に感謝するっていうところは。
スピーカー 1
独特な風習があって、沖縄なんかも琉球時代から豚や羊を食用として飼育する文化があったんだよね。
沖縄は正月に豚肉料金を食べるっていう風習があって、豚正月みたいな、これ読み方だと和正月って言うんだけど。
読み方合ってるかわかんないけど。
そういうのがあって、日本の本州では正月には米の餅を食べるっていうのがあるじゃん。
だから沖縄と米文化と肉文化の違いがあるなっていうふうに思って。
この肉食の禁止をしていた本州では、全員がそれを受け入れたっていうわけでもなくて、それに反対する動きっていうのも実際にあったんだよね。
例えば仏教徒の中でも法念とか神覧とかいう人が、その肉食の禁止を無視しても罰には当たらないっていうような考えを広めたりとか。
あと諏訪大社なんかはカジキ麺っていうおふれを発行して、狩猟して鹿肉を食べるっていうことを許すねおふれを発行してたりなんかしたんだよね。
戦国時代とか江戸時代において、薬食いっていう名目で部分的にその肉食が認められていたことがあるんだよね。
これは肉食は原則的に禁止なんだけども、肉は栄養価が高いんで、病気とか体の消耗が激しい時にこの薬食いが黙認されたっていうのがあるんだよね。
そんなのもあったりとか、あと江戸時代には肉の呼び名を変えた陰語っていうのがあって、
鹿肉をモミジって言ったりとか、猪肉をボタンとか山クジラっていうような言い方にしてたんでね。
和田明子がリズム&暴力みたいなそんな陰語があった。
スピーカー 2
ちょっと待って、俺は全くピンとこなかったよ。
スピーカー 1
これは有吉が言ってたんだけど。
スピーカー 2
有吉のあだ名なわけね。
リズム&暴力。
スピーカー 1
こんな風に陰語を使って肉を食べたい人に提供する店なんかも実際にあったんだよね。
昔から肉は表向きはダメなんだけども、上手に使い分けていった実態があるんだよね。
ちょっとここまで一旦まとめると、古代から日本では肉を穢れとする概念が存在していて、
それが仏教が伝わって不摂生界っていう考えと結びついて、肉食の禁止に徐々に傾いてきたっていう傾向がある。
また、その濃厚社会の推進もその後押しをしたんだよね。
中世以降だと部分的ではあるけど、肉食を禁止するおふれが出されたりとか、
民衆の中でも実態は肉食は完全になくなってはいないんだけども、いけないことなんだっていう肉食を避けるっていう意識が定着をしていったんだよね。
ちょっと話は江戸時代後期になるんだけど、幕末に日本は鎖国を解禁して港を開いて西洋の文化が入ってきたんだよね。
明治政府の肉食解禁
スピーカー 1
その中でそれまで否定された肉食に対して、その後誕生した明治政府っていうのは肉食を解禁していく方向へ舵を切るんだよね。
その象徴的な出来事が1871年に明治天皇に出される食事に肉食が解禁されたっていうのがあるんだよね。
解禁された肉食は西洋料理の材料となる牛と羊がメインで、その中に時々豚や鹿、うさぎの肉も出されるっていう内容だった。
この肉食が再開されたことが翌年の新聞に載るんだよね。
これを知った三角志向の信者らによる皇居侵入事件っていうのが1872年に起こっている。
これは天皇の肉食再開を知った一団が、肉食禁止などに意見申し立てをする目的で皇居に侵入したんだよね。
彼らは強引に侵入したんで、自分たちは城商族に身を固めていれば、神の加護で弾薬からも身を守れるっていうふうに信じてたんだけど、
実際そんな効果はなくて、撃たれて10名のうち4名が死亡、1名が重傷っていう大惨事になったんだよね。
スピーカー 2
そうなるわなってなっちゃうけどね。
スピーカー 1
彼らの主張っていうのは、やっぱり肉はそれまで汚れたものっていう扱いで、その汚れの多い肉を天皇が口にするっていうことが従来の価値観では受け入れられないものだったんだよね。
ちなみに明治天皇自身っていうのは、実際は和食を好んでいて、公的な食事は洋食を中心にすることが多かったんだけど、私的には和食を食べるっていうような区別を徹底していた人でもあったんだよね。
そんな天皇のより宮中でどうして肉食が再開されたのかっていうと、これは明確な理由は記録としてはないんだけども、おそらく明治政府の意向なんじゃないかって言われてるんだよね。
その狙いは、1つ目は西洋との交流のためっていうのもあるんだよね。
2つ目は大革の向上のためっていうのがあって、西洋の食文化を取り入れたんじゃないかっていう。
その頃やっぱり西洋と日本との大革の差っていうのがあって、動物性タンパク質の多い肉を食べれば大革を近づけるんじゃないかっていう発想があったらしいんだよね。
肉食の文化を進めた人の中には他にも福沢諭吉っていうのがいるんだよね。
彼は大の肉食男子で有名で、幕末の頃から日本にできたばかりの牛鍋屋に頻繁に通うほど好きだったんだよね。
彼自身も1872年に肉食の説っていう本を出してたりとか、その後も肉食せざるべからずっていう本を出してたりとか、肉食の普及を進めてるんだよね。
こんなような肉食解禁の流れがありながらも、実際は反発する人も多くて、庶民はなかなか最初は肉を食べようとしなかった。
その理由に肉に対するやっぱり穢らわしさっていうのが強く根付いてたんだよね。
スピーカー 2
それと当時今ほど肉の処理技術がなくて生臭かったっていうのも実際にあるんだよね。
スピーカー 1
あと肉食は外国の食べ物だっていうような考えがあって、明治初期に強く見られた排外意識もあったんじゃないかっていうので、やっぱり受け入れられなかったんじゃないかって言われてる。
そんな中登場したのが牛鍋なんだよね。
スピーカー 2
ここで牛鍋。
スピーカー 1
そうそう、ジャノムヤに被ってくるんだけど。
これ牛鍋って鉄鍋に割下を入れて、そこへ牛肉とか野菜を一緒に入れて煮るんだっていうのが牛鍋らしいんだけど、
味付けは醤油とか味噌などで日本風にして食べたんだって当時。
今なんか味噌ってあんまりないけどね。
スピーカー 2
味噌、醤油っていうイメージしかないね。
スピーカー 1
そういうのがあって、牛鍋は比較的当時安価で民衆でも気軽に食べることができたらしい。
スピーカー 2
安価なんだ。
スピーカー 1
そうそう、意外だね。
スピーカー 2
なんかジャノムヤのイメージがあるかな。安価とはちょっと言える値段じゃなかったけどね。
スピーカー 1
高級肉のイメージもあるよね。
これをきっかけに庶民の間でも徐々になんだけど肉を食べることが増えていったんだよね。
牛鍋にしても、すき焼きにしてもそうなんだけど薄切り肉を使うじゃん。
これ薄く切ることで肉の独特の血まなぐさい印象をごまかすっていう日本人の試行錯誤の現れとも言われてるんだよね。
スピーカー 2
そうなんだ。
スピーカー 1
だから最初ステーキみたいなそういうのが流行らずに日本独自の牛鍋っていうのが流行ってたんだよね。
これで1877年の時に東京だけでも牛鍋屋が550軒ぐらいまでに普及していったんだって。
それでも今みたいに食卓に当たり前のように肉を食べるようになったのは戦後の高度経済成長に入った1960年以降って言われてる。
庶民への肉食の普及
スピーカー 1
1960年の日本人が1年間における食肉の消費量っていうのがあって、1人当たりの平均が約5キロだったんだよね。
そこから急速に伸びていって2020年だと約42キロぐらいになってる。
スピーカー 2
8倍か。
スピーカー 1
そうそう。だからまだ肉が当たり前のように食べられるようになって歴史が実は日本って浅いんだよね。
例えば焼肉なんかも一般的に食べられるようになったのも戦後からなんだよね。
あと日本人の独特の食肉文化といえば、もつとかホルモンっていう言い方もするけど、内臓の部位を使った料理が人気なんだよね。
これは日本が戦後食糧不足で、肉は当選品となってなかなか手に入らなかったんだけど、内臓肉っていうのは当選の対象外で手に入れやすいっていうのもあって、
そこから大衆に普及をしていったんだよね。
ちなみにホルモンって言い方、関西弁とかでホルモンって要は捨てるものっていう意味から来てるんじゃないかっていう説もあるんだよね。
スピーカー 2
ホルモンね。
スピーカー 1
そうそう。単純に外国語から来たっていう説もあるんだけど、
そんなふうに独特の日本の文化があって、アメリカ人とか内臓食とか食べない人の方が多いから、そんな歴史もあるなっていうのを思ったんだよね。
最後に、肉を食べるっていうことは、やっぱり動物の命を奪ってるっていう事実があるんだよね。
これはわかってるようで、今みたいに当たり前にスーパーでトレイに並べられていると忘れてしまうような感覚で、
特に牛や馬のような四足動物の命を奪うっていう、または死骸の処理をするような仕事の人を古くから日本は差別してきたって事実があるんだよね。
これは今にも繋がることがあるなと思って、
例えば、屠殺場なんかで仕事をする人が差別を受けたりっていうことが少なくなってきたとはいえ、今もあるっていうのが記事で読んだんだけど、
例えば同じ生き物の魚に関して言えば、
捌くシーンとか、漁師とか料理人がメディアで取り上げられているのを目にするんだけど、
それを体験しに行くグラビアアイドルがいたりとか、
同じ生き物の肉を扱っている牛や馬を解体するシーンってほとんど目にすることってないじゃん。
スピーカー 2
映しちゃダメだよね、テレビとかじゃって感じだよね。
スピーカー 1
そこにグラビアアイドルももちろん行かないじゃん。
スピーカー 2
なんでグラビアアイドルに限って言ってるのかがちょっとわかんないけど。
スピーカー 1
そういう映し方っていうか、象徴的だなと思って。
どっちかというと避けてきたような閉鎖的な状況があるじゃん。
確かに、牛や馬とか豚にしても捕殺している映像って、今回ネットでも映像があったんだよ。
でもそれを見ると衝撃というか、後ろめたさみたいなのを感じるんだよね。
それは自分が今まで育ってきた中で植え付けられてきた感情なのか、
それとも元々人間の持つ感情なのかっていう、そういったのもちょっと考えさせられたなって今回の回で。
だからといってこれからも肉はありがたく食べますけども。
大体の人がそこなんだろうけどね。
じゃあそんな感じで肉食系男子の長丸はどうでしたか。
スピーカー 2
俺は草食を代表する人間だから、肉食に関しては普段から本当に肉そんな食べないからさ。
スピーカー 1
そうなんだ、言ってたよね。
スピーカー 2
俺は内臓肉が好きだから、どっちかというとそっちの方ばっかり食ってるもん。
スピーカー 1
それも珍しいな。
スピーカー 2
やっぱり貧乏人育ちだからさ、肉って食えなかったんだよね、ちっちゃい頃とか。
スピーカー 1
ちょっと待って、そんな極端じゃないだろ。
スピーカー 2
でも本当に卵とかさ、今卵値段上がっちゃってるけどさ、卵とかそういうのでタンパク質取ってたしね。
スピーカー 1
そうなの?
日本人の価値観
スピーカー 2
うん。だから肉なんてそもそもあんまり食べなかったっていうところだよね。
別に好きじゃないっていうのもあるんだけどさ、食卓に出てこないもん肉が。
スピーカー 1
そうなんだ。
スピーカー 2
あんまりね、別にゼロじゃないよ。
嫌いになった理由もたぶんあれなんだよ。
すっげー安い肉買ってくるわけじゃん。
パッサパサのさ、豚の細切れ、より厚めたものみたいなさ。
美味しくないんだよ、一言で言うと。
美味しくない肉ばっか食わされたから、肉に対してなんかこう、なんかなーみたいな感じのがあるんだよ。
スピーカー 1
だから俺やっぱ先入観で肉ってちょっと見ると食いたくないもん、初見はね。
そうなんだ。
スピーカー 2
で、今は別にとはいえさ、美味しい肉の味も知ったからさ、なんか肉食べようっていう気にもなったりはするけどね。
でも自分から食うがあんまないな、やっぱどっちみち。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
なんかそれちょっと話ずれちゃうかもしんないけどさ、なんか日本人のそのさ、なんだろ、けがれっていうのもさ、結局そういう感覚にちょっと近いところあるのかなと思ってさ。
スピーカー 1
あー確かに。
スピーカー 2
そう、まあ今俺が言ったのは好き嫌いの話だけどさ、なんだろ、結局のところそれとちょっと似てる概念ではあるわけじゃん。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
肉Aみたいなところから始まってるわけだからさ、どっちにしろ。
うんうん。
だからまあね、そういう先入観でこうね、いろいろ食文化っていうのも変わってくるわけでさ。
で、今でこそさ、もう肉なんて当たり前に食うしさ、逆に最後小片郎が言ったみたいにさ、こうなんか命に感謝して食べますなんて、毎回毎回そう思って食べてる人も逆にいない、いないというか少ないわけじゃん。
スピーカー 1
少ないね。
スピーカー 2
まあ本来的にはやっぱりね、愛の民族みたいにこうね、しっかり感謝して食べる方が俺は望ましいのかなっていう気がするけどね。
まあとはいえ私も肉は食べますと。
スピーカー 1
そうだね。
スピーカー 2
結論はそこ。
スピーカー 1
そうそう。
なんか俺、これ言っていいのかあれなんだけど、自分の友達に狩猟やってる友達がいて、たまたまそのさ、鹿がさ、狩猟で獲れて、鹿肉をさ、結構多く獲れたから処理をしてさ、血抜きとかさして、なんだろう、食べられるような味付けもして、パックにしてさ、くれたんだよね、時があって。
で、それをさ、俺が家に持って帰って、やっと鹿肉なんか食えるってことはあんまないからって思って、楽しみに持ってったら、うちの妻がさ、めちゃめちゃさ、発狂して、なんでそんな野生の鹿の肉なんて持ってくんのよつって、めちゃめちゃキレたんだよね。
いや、そこにさ、やっぱりなんだろう、俺はけがれを感じたよね。
スピーカー 2
いや、それ違うと思うぞ。
スピーカー 1
いやいや、分かんないけど、なんかでも、なんなんだろうね、その感覚の差って。俺もう結構、喧嘩になっちゃったもん正直な話。
スピーカー 2
いや、俺は大方老側だからさ、珍しいもん食えるぜ、なんか、たまにはお酒飲んじゃおうかなーみたいな、まあ多分飲まないんだけどさ、そういう感じだと思うけどね。
スピーカー 1
そうそう、いや、なんか不思議だなと思って。
スピーカー 2
まあ、個人の価値観っていうかさ、だからそこに関してはあんまり踏み込めない領域ではあるけどね。
スピーカー 1
そうそうそう、まあ今回はちょっと肉食の歴史について話しました。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
あと大人の近代史は一応そのインスタグラムもやり始めたというか、今年から。
そこで今までの回をちょっと遡ってサムネイルの写真を載せてたりとか、あとは番外編で言ったとこの写真とか載せてたりするんで、よかったら覗いてみてください。
スピーカー 2
はい、ぜひともフォローもお願いします。
スピーカー 1
はい、リンクはちょっと概要欄に貼っておきます。よろしくお願いします。
スピーカー 2
ぜひともよろしくお願いします。
スピーカー 1
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
スピーカー 2
ありがとうございました。