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スピーカー 2
詩人藍田光雄は言った、「自分の後ろ姿は自分じゃ見えねえんだな。」
始まりました。「大人の近代史」よろしくお願いします。
スピーカー 1
よろしくお願いします。
おが太郎の後ろ姿ってさ、結構ね、特徴あるよ。
何それ?どんな特徴?
なんかね、うまく言えないんだけど、こうパッと見た時に、あ、もうこれおが太郎みたいなのはすぐわかる。
スピーカー 2
俺なんか、あんまり姿勢良くないかもしれないね。
スピーカー 1
なんかね、フゾフォルムなのかな?おが太郎っていう感じのフォルムしてんのよ。
スピーカー 2
なんかこの前、なんか家族で写真撮ってもらったら、「ちょっと旦那さん、背筋もうちょっと良くして。」とか言われて、俺、そっか意識しないとヤバいなと思って。
スピーカー 1
そう、そんな後ろ姿のおが太郎だ。
スピーカー 2
いや、どうしようもないな。
スピーカー 1
そう、自分じゃわかんないから。
スピーカー 2
長まろはなんかピシッとしてるね。
スピーカー 1
いや、俺ピシッとしてる風で猫背だからね。
スピーカー 2
あ、そうかな。あんま感じたことないわ。
スピーカー 1
多分ね、後ろから見るとわかんないんじゃない?断面っていうかさ、横見るとさ、なんだろう、猫背って感じになってるよ。
あー、ね。この言葉選んだら、なんか後ろ姿ってさ、その人そのものを表してるような気するよね。
正面じゃないんかいっていう。
スピーカー 2
いやいや、なんかさ、哀愁漂うというかね。
スピーカー 1
あー、まあね、なんか後ろ姿でこう語る人いるからね。
スピーカー 2
やべ、俺考えてなかった、この後。
スピーカー 1
いやいやいや、これが一番重要じゃないの。
スピーカー 2
そっか、俺がやるんか、これ。
スピーカー 1
俺がやるんかってどういうことだよ。
いつもの流れじゃねえかよ、これ。
スピーカー 2
ということで、今日は長まろがどんな後ろめたい話をするのか楽しみです。
スピーカー 1
なんで後ろ姿が後ろめたさになっちゃうんだよ。
すげえマイナスじゃねえかよ。
スピーカー 2
今考えたから、突然。
スピーカー 1
なるほど、即興だからこんなもんか。
今日は宮沢賢治と雨にも負けずをやりたいです。
スピーカー 2
あー、リクエスト来てたね、これ。
スピーカー 1
そうそう、リクエスト来てたんで、ちょっとまずリクエストを読みます。
ワッシーさんから頂きました。
オトラになってそろそろ1年のまだ新参者になります。
32歳オトラ案内では少ない年齢層?になります。
いつも長まろさん小片卜さんのお二人の掛け合いが好きで、過去放送会を聞いて2週目になります。
きっかけは珍しいかもしれませんが、3歳の子供の寝かしつけをしながらこっそりオーディブルを聞いてて、コンテンツを探してたらオトルキンに巡り着きました。
で、ここからリクエストなんですけど、さて僭越ながら一つだけリクエストさせてください。
宮沢賢治のテーマを話して頂きたいです。
小学生の頃、雨にも負けずは朗読のテーマで、当時はなんとなく覚えてましたが、とても造形の深い内容で心に響いてました。
ぜひお二人のお声でテーマとして取り上げて頂けると一生ものになるかなと思ってます。
はい、てことでぜひちょっと一生ものにして頂けたらなと思います。
スピーカー 2
おー、はいはい。
いやー、なんかこのコメントもAmazonオーディブルで聞いてくれてんだ。
なんか初めてかもね、言ってくれたの。
スピーカー 1
あんまりなんだろう、なんかさあんまりさ、こう私これで聞いてますっていうのをさ、こう言ってくれる人もそんなにいないからさ、
結構珍しいので聞いてくれてるんだっていうコメント来るとおーって思うよね。
スピーカー 2
あーね、自分もオーディブル好きだからさ、でオーディブルの中で数ある中でオトキンを聞いてくれるのが嬉しいわ。
スピーカー 1
うーん、いやいっぱいあるのにね、他にも歴史物とかはさ。
スピーカー 2
あと著名なね、人たちばっかだからね。
スピーカー 1
そうそうそう、無名な私たちをこう選んで聞いて頂けてるのは本当にありがたいです。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、リクエストに早速お答えしたいんだけど、雨にも負けずだけでやっちゃうとどうしてもすごい短い話になっちゃうんで、ちょっと宮沢賢治にまずついて触れたいなって思います。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
宮沢賢治って言ったらさ、もうこれを知らない人はさ、まずまずいないと思ってて、
やっぱり小学校とか中学校とかのさ、教科書にさ、必ず一つは作品が載ってて、で必ず1回は授業で取り扱う人だから、
まあいろんな作品があってちょっと今ここで挙げてったらキリがないからさ、そんなにもう出さないけど、まあ知ってるのは絶対あるよね。
うんうん。
っていうぐらいまあ超有名なまあ作家なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあそんな宮沢賢治誰もが知ってる作家なんだけれども、実は宮沢賢治が生きてる時に宮沢賢治っていうのは有名にはならなかったのよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
生前は世に知れ渡るようなことはなくて、1933年にまあ37歳の若さでまあ肺炎で亡くなっちゃうんだけど、その死後に草野新平っていう人が宮沢賢治をこのまま埋もれさせておくのはもったいないぞっていうことで、
まあ要は作家仲間とかそういった人たちの中では宮沢賢治ってやっぱ一目を置かれてたわけよ。世には出てなかったけど。
はいはい。
なんでそういう人たちが尽力して宮沢賢治全集っていうのを発表して、それで改めて宮沢賢治が再評価されて有名になっていくっていうような感じで宮沢賢治は今のこの誰もが知っている地位を築き上げるんだよね。
まあ亡くなった後には有名になった人なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そんな感じでちょっと前段宮沢賢治に触れたんでちょっとここからは雨にも負けずにいきたいと思います。
はい。
で雨にも負けずねちょっと短い詩だからちょっと全文読みますせっかくなんで。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
はいじゃあちょっと今から読むんで。
うん。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ、丈夫な体を持ち、欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている。
一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ、あらゆることを自分を感情に入れずに、よく見聞きし、わかり、そして忘れず、野原の松の林の陰の小さなかやぶきの小屋にいて、
東に病気の子供あれば、行って看病してやり、西に疲れた母あれば、行ってその稲の束を追い、南に死にそうな人あれば、行って怖がらなくてもいいといい、北に喧嘩や訴訟があれば、つまらないからやめろといい、
日出りの時は涙を流し、寒さの夏はおろおろ歩き、みんなにデクノボーと呼ばれ、褒められもせず、苦にもされず、そういうものに私はなりたい。が全文です。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあこれさ、結構こう朗読のテーマに使われたりさ、するからさ、学校でね。全文暗証させられたよっていう人も多分いると思うんだよ、世代によっては。俺はちょっとこれしてないと思ってるんだけど自分は。
スピーカー 2
俺はね、めっちゃ暗証したのよこれ。
スピーカー 1
マジで?じゃあもう言えるじゃん。ちょっと言って。
スピーカー 2
いや半分ぐらいはね、覚えてる。雨にも負けずに本当に。
スピーカー 1
すごいね。じゃあもうこれ、このテーマ尾形朗がやるべきだったんかな。
スピーカー 2
いやいや、なんか今でも出てくるもん。このなんか記憶は。
すごいね。
そう、ただちょっと忘れてる部分もあったなって思って。東と西がね、ちょっと忘れてたわ。
スピーカー 1
ちょっと東西南北ってあるからね。
そうそうそうそう。
で、雨にも負けずの解説の部分に入るんだけど、解説ってもさ、結構短い詩だからさ、そんなにこう改めて言うこともないというかさ、読めばまあ意味はわかるじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
なんでちょっと外側の部分のちょっと解説になるんだけど、で、まずさ、この雨にも負けずっていうのはさ、日本の詩とか短歌とかさ、俳句とかもそうだけど、7音っていうのが結構基本になっていることが多くて、
雨にも負けずっていうのも7音がベースになっているところがあるから、結構こう、なんだろう、日本人には馴染みやすいというかさ、音の観点から見ても結構こうしっくりくるような詩になってるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう、まあ読みやすさにこれが繋がってるんだけど、で、前に宮沢賢治の作品っていうのはさ、基本的に亡くなってからその世に出たって言ったけど、もちろんこの雨にも負けずもその通りであって、作品は、まあ宮沢賢治が亡くなった後にその大事にしてた遺品のトランクがあるんだけど、そこの中に入ってた手帳に書かれてたんだよね、この雨にも負けずって。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。で、書いたのは亡くなる2年ほど前って言われてて。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあこれ日付もちゃんと書いてあったから多分この日付だろうっていう日付もわかってるんだけど、まあ実家でね、当時もう病気になってたから糖病生活をしてたわけよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、糖病してる間にまあ書き綴ったとされているのがこの雨にも負けずなんだよね。
はいはい。
で、もうその糖病生活の時に自分の死期っていうのは結構近いんじゃないかとも思ってて、だからそういう自分の死が近いことを覚悟しつつ記したとも言われてるんだよね。
はいはい。
ちなみにこれはもちろん宮沢賢治がこういう作品にしようと思って書いたっていうよりはどちらかというとメモ書きなんだよね、単なる。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
手帳が全部でその166ページあったらしいんだけど、その手帳のうちの51ページ目から59ページ目にポンって書いてあるんだよね。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
そうだからなんか普通作品にしようと思ってたらなんかこう1ページ目からさ書きそうじゃん。
まあそれかなんかもうちょっとこうキリがいいところっていうかさ、まあなんとなくさ日々のメモ帳に本当に思ったこととかをこう書いたんじゃないかみたいな、そんな感じなんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でちなみにこの手帳自体は自らのまあ反省だよね、自制の念とあとこうだったらいいなみたいな自らの願望っていうのがこう書き続けられている手帳だったんだよね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
だから雨にも負けずっていうのもまあそういう側面で書かれているものなんじゃないかっていうふうには見られる。
はいはい。
でこの雨にも負けずで書かれている人物像、ちなみになんだけど雨にも負けずってこれ守護がずっとないんだよ。
あー。
これ聞き直してほしいんだけど俺がさっき読んだやつを。
守護が出てくるのって最後にそういうものに私はなりたいっていうその私はが最後にやっと出てくるんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからこれまあ作品って読んでいいのかちょっと謎だからそういうふうになってるのかもしれないし宮沢賢治がもう守護は自分に決まってるんだからっていう思いでそうあえて私はなんて要はメモじゃん。
だから書かなかっただけなのかもしれないしちょっとその辺はよくわからないけど一応そんな特徴もあるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でここでこの雨にも負けずで書かれている人物像っていうのが自分のことをきちんとこう立地することができる人であってかつ他人に対して優しいし実際に優しいだけじゃなくて行動にも移せるような人物。
であとは挫折しても挫折してもくじけないで前にこう進むことができるような結構前向きな人間っていうのがここには描かれてるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でもちろん宮沢賢治がそういう人間だったかっていうとまあそういう人間だったかどうかっていうのはちょっともうわからないけれどもただどちらかというとやっぱりちょっとこう自分はこうなりたいとかそういう願望とか自分が目指しているものをこう書いたんじゃないかって言われてるんだよね。
はいはい。
でこれは法華経の精神に基づいて書かれてるんだよ。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
スピーカー 1
そうそう法華経っていうのがまあちょっとここでは法華経の解説なんかもうちょっとしないけど今言ったような人物像っていうのが結構こう目指しているものというかまあそういったものがあるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからこういう手帳に書いたまあメモ書きみたいな詩であっても結構宮沢賢治にとってのやっぱりこう根幹をなす法華経っていうものの影響をすごい受けてるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そうそう。でなんだろうもうちょっと細かいところで言うとさこの雨にも負けずの結構序盤の方にさ丈夫な体を持ちっていう言葉があるじゃんセリフっていうか。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
これもちろんさ自分は丈夫な体を持ってないんだよね今書いた時は。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
病気だったから。
でやっぱりこの病床がちな自分っていうものに対して汎語って言うとちょっと変なんだけどさやっぱこう病に負けないぞっていう気持ちをこういう文章に表してるんじゃないかとも言われてるんだよね。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
そうそうまあ丈夫な体っていうのが今自分にはないものだけどまあ丈夫な体を持ちたいとかそういう願望あとは病には負けないぞっていう気持ちが結構ここにも出てるんじゃないかとは言われてて。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
あとやっぱりなんといってもさデクノボって言葉あるじゃん。
うん。
デクノボって使ったことある?
スピーカー 2
いやないねデクノボって死語じゃないのもう。
スピーカー 1
もうアミバでしょこんなのデクノボとか言いそうなの。
スピーカー 2
なに誰?
スピーカー 1
えアミバ知らないの?
スピーカー 2
何またジョジョ?
スピーカー 1
違うよ奇跡の村の村人をデクって呼んで実験材料にしてたでしょ。
スピーカー 2
何の話?
スピーカー 1
北斗の拳。
スピーカー 2
あ北斗の拳か。
スピーカー 1
そう北斗の拳はパチンコ好きか俺らぐらいの世代の人はみんな知ってるじゃん。
スピーカー 2
そうかちょっと上じゃねえか。
スピーカー 1
そうかなまあいいやそんなさデクノボなんて言葉はさ使わないんだけどなんでここで使ったのかなっていうのはちょっと俺は気になったんだけどまあ多分これはある意味宮沢賢治的なちょっと表現の仕方なんだろうね。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
そうそうでみんなにデクノボと呼ばれっていうところのその後なんだけど褒められもせず苦にもされずそういうものに私はなりたいって言ってるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そうまあだからデクノボに私はなりたいって言ってるようなもんじゃんこれって。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
そうだから宮沢賢治が思い描いているまあ要は幸せぞっていうのはまあデクノボなんだっていうところに行き着いちゃうんだけど。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
そうそうまあもちろんこれさ前文があってのさこのデクノボであったりとかだからさあのなんだろうただただデクノボになりたいわけじゃないんだけどただ要はデクノボみたいにこう何かに流されるわけでもなくちゃんと自分をこう持って自分を貫き通して生きられるような人になりたいっていうのが多分ここで言いたいことなのかなってまあ言いたいことっていうか自分のメモ書きだからさ言いたいことっていうよりは私こんなんなりたいなっていう願望をただこう書いてるだけなんだけどね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そうそうでやっぱりこう病床に伏していた宮沢賢治だからこそそういう自分にとっての幸せって何だろうっていうのを多分すごく考えたんだと思うんだよ。
はいはい。
だからそういう宮沢賢治がこう生涯を通して考え続けたテーマっていうのがまあこの雨にも負けずには結構現れているんじゃないのかなとは思うんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ちなみに雨にも負けず論争っていうのが実はあって。
へー。
そうこれささっき普通に読んじゃったんで一応解説しとくと日出りの時は涙を流し寒さの夏はオロオロ歩きっていう文章があるじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ちなみになんだけど雨にも負けずってこれカタカナで書かれてるんだよ。
うんうん。
なんだけど日出りの時はっていうのがあの宮沢賢治のメモ帳だと日取りの時はって書いてあるのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
これは今は結構日出り論が強いから俺は日出りで言っちゃったんだけど中には日取りのまんまあのその宮沢賢治があの日出りを日取りと書き間違えたんだっていうのが結構今はあの主流になっててっていうところなんだけどただこれはそのまんま書いたまんま日取りなんじゃないかっていう説もあって。
うん。
で日出りはさあのそのまんまねあの日がこうてること日出りね。
スピーカー 2
はいはい。