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【7月8日放送分】PodCast_20260708_2105
2026-07-08 10:12

【7月8日放送分】PodCast_20260708_2105

琴音の音cafe-朗読タイムー の最新エピソードです。

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00:07
琴音の音カフェ 今回の朗読は、
タイトル 星降る夜の約束 作者は琴音です。
夜の病院は まるで深い海の底のように静かです。
廊下を歩く看護師さんのかすかな足音と 規則正しく時を刻む時計の音だけが
白い部屋に響いています。 ベッドで小さな寝息を立てているのは、
人間の女の子、トコちゃんです。 トコちゃんは病気で長い間、
この白い部屋から出ることができません。 苦しい治療や痛い注射、
泣きたくなるような日もたくさんありましたが、
トコちゃんはいつもぐっと唇を噛みしめて我慢してきました。
そんなトコちゃんの枕元には、 いつも寄り添っている存在がいます。
毛糸で編まれた、ちょっとくたびれた、 お猿のぬいぐるみ、
名前はモンキチです。 消灯時間が過ぎ、
窓から銀色の月明かりが差し込んできた、 その時でした。
不思議なことにぬいぐるみのモンキチの体に、 ふわりと温かな光が宿りました。
モンキチはぱちりと瞬きをすると、 小さな手足を伸ばして、
トコちゃんの頬を優しく撫でました。 トコちゃん、お待たせ。
さあ、今夜も冒険に出かけよう。 モンキチがトコちゃんの手を引くと、
トコちゃんの体はふわりと軽くなりました。 パジャマ姿だったはずのトコちゃんは、
いつの間にかキラキラと輝く、 星屑のドレスを着ていました。
モンキチ、今日はどこへ行くの?
今日はね、空のね、 ずーっとずーっとずーっと上の、
星の海へ行くんだよ。 モンキチがぱちんと指を鳴らすと、
03:00
窓の外に三日月の形をした、 キラキラ輝く小舟が迎えに来ました。
二人が小舟に乗り込むと、音もなくふわりと浮かび上がり、 夜空へと漕ぎ出しました。
三日月舟からトコちゃんは舌を覗きました。
眠りについた町の明かりは、いろんな色の宝石がキラキラしているみたいで、
見とれていました。
モンキチから、 トコちゃん危ない落ちちゃうよと言われても、
大丈夫だもーん、そう言いながらトコちゃんは小舟のヘリから身を乗り出し、
夜風をいっぱい吸い込みました。 ほのかに甘いような冷たい夜空の匂いがしました。
雲をいくつも通り抜けると、 そこには見渡す限りの星の海が広がっていました。
キラキラと波打つのは水ではなく、 たくさんの小さな星たちです。
さあトコちゃんここでは何度ってできるよ。
モンキチの言葉に、 トコちゃんは小舟から星の海へと飛び出しました。
不思議なことに足元の星たちはトランポリンのようにポヨーンと弾み、
トコちゃんを優しく受け止めてくれます。
わあモンキチ見て見て見て私走れるよ高くジャンプもできる。
トコちゃんは病気のことなんてすっかり忘れて、 星の海を駆け回りました。
光る星たちと魚たちと一緒に泳ぎ、 通りかかった大きな雲のクジラの背中に乗って滑り台をしました。
息が切れることもなく、 どこにも痛いところはありません。
走れること思いっきり笑えること、 それはトコちゃんにとって何よりも嬉しくて素晴らしい魔法でした。
モンキチはそんなトコちゃんのはじけるような笑顔を少し離れたところから目を細めて愛おしそうに見守っていました。
やがて遠くの空がほんのりと薄紫色に染まり始めました。
夜明けが近づいているサインです。
トコちゃんはぴったりと足を止め、その空を見つめました。
06:07
もうすぐ朝が来ちゃうね。
トコちゃんの小さな肩が震えました。
目が覚めたら私はまたあのベッドの上走ることもできなくて痛いお薬が待ってる。
怖いよ、ずっとこの夢の中に。
ポロポロとこぼれるトコちゃんの涙は星の海に落ちて光る真珠に変わりました。
モンキチはトコちゃんに駆け寄りその小さな体をぎゅっと抱きしめました。
トコちゃん夢はいずれ覚めてしまうけれど決して消えてなくなるわけじゃないんだよ。
モンキチの言葉はとても静かで力強いものでした。
ここで思いっきり走った風の冷たさも心の底から笑った喜びも全部トコちゃんの心の中に勇気の種として残るんだよ。
現実の世界でどうしてもつらくて泣きそうになったら今日の星の海を思い出して。
僕がずっとトコちゃんのそばで見えない魔法をかけ続けるからトコちゃんは涙をぬぐってモンキチのまるい目を見つめ小さくでもしっかりとうなずきました。
朝日が病院の部屋を優しく照らし出しました。
小鳥のさえずりとともにトコちゃんはゆっくりと目を覚ます。
見慣れた白い天井天敵の中部体はやっぱり少し重くて思い通りには動きません。
でもトコちゃんの心は昨日とは全く違っていました。
胸の奥がぽかぽかと暖かいのです。
まるでそこに小さな星が一つ輝いているようにトコちゃんは枕元にころんと転がっているぬいぐるみのお猿のモンキチを見つめました。
モンキチの口元がほんの少しだけ上がって笑いかけてくれているように見えました。
トコちゃんはモンキチをそっと抱きしめました。
09:08
ありがとうモンキチあたしきょうもがんばるね。
トコちゃんの声は朝の光に溶け込んで力強く響きました。
どんなに高い壁が立ちはだかっても夜になればまたいつでも星の海へ行ける一番の親友がいつもそばにいてくれるから。
お猿のモンキチとトコちゃんの冒険は今夜もまた夢の扉の向こうで待っています。
どうかすべての子供たちに優しい夢が訪れますようにおやすみなさい。
おしまいありがとうございました。
10:12

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