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この番組は、本が好きな人たちが集まり、本から始まる様々な思い、広がりを記録してつないでいく番組です。
いくつかあるんですけど、まず紹介したいのは、あれですね、民藝の百年っていう展覧会の図録。
これは、柳総越っていう陶芸家なのかな、民芸作家さんが、だいたい90年前ぐらいに生誕して、もう亡くなっているんですけど、
柳総越とそれを取り巻いた作家さん、河合勘次郎とか、一連の民芸運動の流れをまとめた展覧会で、
ものづろくのすごいのが、背拍子がないんですよ。背拍子がなくて、声で説明するのが難しいんですけど、
普通、本って、背拍子があるから、開くと真ん中が、どんどん奥に、人の人っていう感じみたいに、どんどんページがすぼまっていく。
わかります。だから、奥に吸い込まれていくから、真ん中で接着されている部分は、あんまり読めないことが多いんですけど、
それは背拍子が想定でされていないので、それぞれのページが、ちゃんと平面として見開いてくれる。
民芸運動っていうのが、日用品の中に美的感覚を見出すっていう、大まかに言うとそういう考えなんですけど、
本としての美しさと使い方が共存している、まさに民芸運動の図録だなっていう感動はありましたね。が、まず一つ目です。
二つ目が、これは去年の暮れぐらいに、まだやっているのかな、東京の国立近代美術館でやっていた大竹新郎展っていう、大竹新郎の大開庫展の図録です。
この図録もすごいのが、本じゃないんですよ、図録が。大竹新郎は作品数がめちゃくちゃ多くて、その大竹新郎展でも500点展示されてたんですけど、
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結構彼はコラージュ的にものを作る人で、キャンバスに板の素材とか段ボールとかその他もろもろ、どんどんペタペタ貼っていって、すごい情報量の多いものを作る作家さんなんですよ。
図録が、新聞紙あるじゃないですか、新聞紙サイズの紙に作品が載っていて、それが展覧会の章ごとに7冊、だから新聞紙が7部入っているっていう図録。
これはおそらく書店では取り扱いされないだろうということで、遅く買ったんですけど、見開くと新聞紙の見開きのサイズになって、その分もろい、すぐ破れるし、でも大竹新郎がそれを良しとしているっていうのもまた図録の新しい形なんじゃないかなって思いました。
その書籍以外っていうので言うと、森美術館でやっていたチンポム展、チンポムって現代アーティスト集団がいるんですけど、その図録はレコード形式で本がやっぱりついていなくて、
しかもそのチンポムの図録はボリューム1とボリューム2があって、ボリューム2はこの録音の段階ではまだ出てないはずなんですけど、ボリューム1は展覧会が始まる前の設営の記録とかをLP版で録音していて、ボリューム2はその展覧会中の様子を録音してまた出るらしい。
チンポムっていうのが作品を作るっていうよりはもっと活動に重きを置いていて、有名なのだと広島の上空にピカっていう文字を飛行機雲で書いた意見。結構ラジカルな作品を作る人で。
チンポム展も美術館の中に足場を組んで無理やり2階建てにしちゃったんですよ。
下の層と上の層があって、上の層がコンクリートの道路になっていて、そうすると下が本来地上だったものが地下になって、その地上ではチンポムが道路上のマナーみたいなものを展覧会中にどんどん決めていて、
落書きはしていいけど、そべっちゃダメみたいなのを決めて、その展覧会中に道がどんどんアップデートされていくっていう様子とかがまたレコードで出るらしいですね。
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という感じです。
そうですね。やっぱりデジタルが普及していて、作品のデータだけだったらスマートフォンとかパソコンで見れる時代なので、その中であえて物質的にものを作るっていう意味。
ちょうど僕らもジンとか作ってますけど、物質的な良さっていうものを追求した図録は見てて、触ってて楽しいですね。
大竹新郎はたぶん10年前ぐらいにも東京都立現代美術館で開古展をしてるんですけど、その時の図録も結構狂っていて、背拍子の幅が20センチぐらいある。
20センチはもったかな。15センチは確実にある本なんですよ。そういう人なんでしょうね、結局。
作品。僕はさっきも挙げたかわいかんじろうがすごく好きで、五条近辺でギャラリーをしてるんですけど、ギャラリーから徒歩10分ぐらいのところにかわいかんじろうの美術館があって、そこの居心地の良さも相まってすごい興味が湧いてます、今は。
作品の派手すぎない感じもいいですし。民芸品ですか。そうだな。かわいかんじろうの記念館がある五条周辺は窯がいっぱい建っているので陶芸の店がすごく多くて、そういうところに行くと買えたりすると思います。
あとは、骨董屋さんとかに行くと江戸時代の皿が数百円で売っていたり、骨董いつでも、第三者から見て歴史的な価値はそんなにないけども、自分のセンスがピカッと噛み合うようなお皿がきっとあると思うんですよね。
全然五条じゃなくても日用品だからいいと思うんですよ。自分が使ってて生活が幸せになるようなものが日用品には求められるのかなと思いますね。ありがとうございました。