トリニティ組織を作るために、まずできること2つ
組織を考えるメディア Organize。このポッドキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える、捉え直す上で、我々が面白いと思った視点や観点をシェアしていこうという番組です。
では、篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回は、矢野さんの本『トリニティ組織』の中身を話していただき、大変面白かっただけで終わってしまいましたという感じだったんですけど。
せっかくこのポッドキャストなので、エールの事業を我々がやっていることから見たら、この本ってどういうふうに捉えるのかなというところを、一緒にひもといていければなと思います。
そうですね。私たちは聴くの中でも、「withoutジャッジメント」で相手に向き合う、肯定的意図を信じて関わろうとするという態度を、いつもやるというのは無理なんだけど、適切な場面でそういうあり方とともに、聴くから始まる対話が人とできるようになると、
コミュニケーションの幅が広がるとか、それを通して自己理解が深まるとか、他者の意図が取れるようになる。これが積み重なることで、自分の周りで、それはやっぱり伝播するから、やっぱり組織のお互いのコミュニケーションの質が良くなりますよね。
それがスコアとして、例えばエンゲージメントスコアが上がるとか、ウェルビーイングのスコアが上がるというファクトもあるんですよ、みたいなことを、いろんな形でずっと言ってきたと思うんです。この『トリニティ組織』で言ってることと、エールの業務の中で捉えてきたところって結構接続はするなぁと思ってるんですよね。
まず矢野さんがトリニティ組織の中で言ってることは、このハウツー的な、じゃあ私はどうすればいいんですかっていうことに関して言うと、主に2つですと。まず自分の今ある人間関係を眺めたときに、「V字になってるやつをなんとか三角形にできそうだったらしましょう」っていうのが1個と、もう1個は新しく人に会ったときに、人間関係を作るときに、
「いきなり三角形になるように、はじめから動きましょう」っていう、大きく2つ、今までの人間関係と新しい人間関係。今までの人間関係は、
例えば、自分が真ん中にいてAさんBさんっていたら、直接この人を繋いでもいいし、
でも、繋ぎづらいときってあるじゃないですか、前半で話した例で、櫻井社長と山田部長は仲悪いみたいなときに、しっかり対話してくださいよってのは難しいですよね。
こういうときは4人目を登場させろっていうのは結構面白い。
その4人目から山田さんと繋がってて、私も繋がれそうな、
例えば、えいこさん。えいこさんは山田さんとも繋がってて、櫻井さんとも繋がってます。
っていう人と私が繋がれるようになれば、三角形が2個できるじゃないですか。
そうすると、お互いみんなハッピーになるっていう。
1個の三角形じゃなくて、三角形を2個作ってしまうっていう意味で。
4人目を登場させることで。
この2人を仲良くさせるっていうのは無理なことが多い。
なってたら、もうとうに、普通三角形になる。
会社だから。
これ難しいので。
なかなか、これは知恵だなと思ったんです。
例えば、他にもいくつか出されてるんですけど、これが既存の関係の中のアプローチで。
もう1個、新しく関係が作るときっていうのは、
例えば、営業とかでお客さん1人だったら、自分の同僚とか上司と一緒に行って、
もう始めから3人にしましょうとか。
そういう知恵なんですよね。
こっちの2つ目の方は、意外とみんな自然にやってた感じになる。
特に営業みたいな場面だと、ペアで営業するスタイルとかってあるんですけど。
あれって、割と実務的な理由で、若手が自分だけだと営業をうまくしきれないから上司がついていきますみたいな。
文脈でしか捉えられてなかったけど、これやった方がみんな幸福度が上がる。
生産性も上がるっていうことらしいんですよね。
人が幸せであることと、組織のパフォーマンスは一致する
これ、そこまではそうだなって思うんですけど。
わかりやすいのは、さっきの社内で4人目を巻き込もうと私がしたときって、
なんつって話しかけるのっていう話ですよね。
この状況だと、仮に福山えいこさんという人が4人目でいますとしたときに、
ちなみにえいこさんというのは我々の同僚なんですけど、
えいこさんと私の間で仕事の用事がなかったら、普通職場だと難しいじゃないですか。
確かに。
これで単に知ってるっていうんじゃなくて、それなりの頻度で話すっていう関係じゃないと、
三角形にならないから。
忘年会で話しましたね、みたいなのじゃダメなんですよね。
ちょっと頻度がないと。
かつ、単に話してても、やっぱり仲悪いとかだとダメで。
仲いいっていうのは、私のこの本を読んだときの受け取りだと、
自然に話があったときって、人って動きが同調するんです。
手の動きとか、体の揺らし方とか。
これ無意識なんですよね。
でも、矢野さんのこのセンサーつけてると、そこがわかるわけなんです。
会議とかでも、みんなの体の動きが同調してるかしてないかで、
盛り上がってる会議がそうじゃないかわかるんだって。
ので、単に知り合うだけじゃなくて、
そういう同調的な動きが生まれるような繋がりである必要があるわけですよ。
なるほど。
って思うと、これはやっぱり聴くっていうことができないと、
いきなりなんか仕事上の繋がりも、
あったら、さして今までなかった福山さんのところに私がこんにちはっつって、
繋がりを作っていくって、
聴くっていう動作ができたら、
すごいやりやすくなると思うんですよね。
なんか、矢野さんの本に書いてあることとは違うかもしれないんですけど、
エールでずっと言ってる、傾聴する、聴くっていう話って、
ある種同調と同じ路線というか、
相手の意図にちゃんと合わせて聴こうとするとか、
いや、僕それと違うんでって言って受け取らないとかではなくて、
姿勢として相手と同じものを見ようとするとか、
受け取ろうとするっていうことって、
同調的な関係みたいなことに、
親和性を一定ありそうなものに、いったんは聴こえましたよね。
ありそう。
逆がありそうですよね。
『まず、ちゃんと聴く。』に書いてありますもんね。
相手以上に。
そうですね。
傾聴するイコール無意識の同調が本当に起きるみたいなことかっていうと、
ちょっと怪しい気もしてるんですけど、
少なくとも傾聴しようとしない人の方が、
同調はしなそうじゃないですかっていうのは、
結構あってそうな気がしていて。
あと、それでいくと、
エールをうまく活用してくださって、
実際組織にプラスの影響がありましたよっていうクライアントさんが
いらっしゃるじゃないですか。
そのエピソードとしては、
例えばその会議の様子がすごい変わって、
活発な議論になったとか、
エンゲージメントのスコアだったり、
ウェルビーイングのスコアが改善したっていうようなことを
教えていただきますよね。
それで起きてることって推測ですけど、
多分そのコミュニケーションへの意識の仕方が変わったことで、
三角形が増えたんだろうと推察されるわけです。
特にこれ管理職の人にやると、
例えばその山田さんと私が同僚だったとして、
ここは普通にやってますと。
山田さんはマネージャーと結構関係性いいんだけど、
私が全然ダメで。
マネージャーのコミュニケーションスタイルに幅が出たことで、
今まで苦手だった部下の篠田とも一定コミュニケーションが
ちゃんと取れるようになりました。
こういうことが起きるんだと思うんですよね。
これによって実は三角形が増えていて。
なるほど。
ということが、
矢野さんのトリニティーの法則を前提としたときに、
こっちの方がなんていうの。
それこそ繰り返しますけど、
物理的に議論としてこっちの方が強固なので、
こっちを優先して考えると、
三角形を増やすという作用を
聴くっていうことが、に
習熟したり意識を持つ人が組織の中で増えることで
起きているっていうことは、
割と推論としては、ずれてないんだと思いました。
傾聴する聴くっていうことって、
篠田さんいまきき方違うかもしれないですけど、
コミュニケーションの幅が広がるというか、
受容できる範囲が広がるみたいなことに
結構繋がっているような感じは個人的にはしていて、
それが苦手だったけれども、
例えば僕らの共通の上司と篠田さんが、
上司の触れ幅が広がったことにより、
線が繋がりやすくなったというので、
その3人の線がちゃんと3つ繋がるというのに、
受容しやすくなったことでしやすくなるというのは、
確率上上がりそうですよね、三角形のっていうのは、
確かにイメージできますね。
withジャッジメントとwithoutジャッジメントで言うと、
たぶん今の話って、
私は今、山田さんが整理してくれたから、
余計分かりやすく、今腹落ちが進んだんですよね。
私とその上司がうまくいってないって、
たぶん私から見ると上司がwithジャッジメントでガンガン来て、
全部私の話聴いてくれないみたいな、
フラストレーションじゃないですか。
で、上司は上司で私の言ってることが全然わからんと、
もうこいつ本当に言ったことやんないなっていう、
こういう状況ですよね、上司部下って起きてることっていうのは。
で、それは上司の方がwithoutジャッジメントで、
そのダメな篠田とちょっとは接してみようっていう風になって、
それが期待できた場合は、
あ、そこが分かってなかったんだねっていう発見があったり、
そうすると割と落ち着いて、すぐブチブチ切れるんじゃなくて、
もう一回じゃあ、この作業のここが分かんないんだったら、
じゃあ山田先輩にそれを教えてもらいなさいと言ってくれる、
っていう落ち着いた対応をできるようになるっていう、
そういう感覚になると思うんですよ。
面白いですね、これ。
篠田さん言われたとおり、
トリニティー組織の方が堅牢なものであるという前提に立ちつつ、
エールの事業って基本的には社外の方との1on1であるっていうのだし、
その線の一人対一人の関係っぽい話、
いつも終始しがちなとこあるんですけど、
このトリニティー組織の三角形の話を持ってくると、
職場での三角が増えるっていうことに寄与するっていうことで、
一対一の線の話じゃなくて、
場とか関係全体につなぐちょうど間ぐらいのところにあるっていう風に見ると、
我々が一対一の関係の中でってことを言ってるものって、
実は組織全体っていうところに、
僕らはいつも伝えたくて言ってる話が、
補助線として、そういう三角形が増えることを間に置くとねっていうのって、
つながりやすくなるのかもしれないですねっていうのは、
もうちょっとぜひ矢野さんとかに話をさせていただけると嬉しいなって、
勝手に願いだけ。
篠田さん、本の中にこっそり名前が載ってるっていうことですけど。
そうなの、びっくりしました。
当然全然知らなくて、普通に本買って普通に読んでたら、
後書きにたくさんの方の名前が出てるんですけど、
そこに自分の名前があって、
ひーってなりました。笑
ぜひちょっと後書きに書いていただいたものとして、
ぜひ矢野さんと。
エールの、もともとでもすごく問題意識というか、
関心の持ち方として近いですよね。
近いです。
やっぱり人が幸せであるっていうことと、
組織のパフォーマンスっていうのは一致するはずであると。
多分ちょっと違う概念として、
組織の生産性を上げるには人は我慢をしなければいけないと。
役割に合わせて振る舞わなきゃいけなくて、
自分の願いとか喜び、感情、喜びも悲しみもね、
出すのは生産性にマイナスであると。
機械のようにストイックにやるのが良いっていう考え方とは対照的に。
個人が幸せであるっていうことがむしろパフォーマンスを上げるはず。
っていうのはすごく共鳴するところなんですよね。
「成績がいいクラス」の三角形の状態
あと、今の話とさっきの三角形を作るのに聴くとか、
コミュニケーションに習熟するっていうことが、
三角形作りやすくなるんじゃないかなっていう仮説に、
勝手にちょっと確信を持った本に紹介されたエピソードがあって、
これ働く人じゃなくて子どもの学習塾なんですよ。
学習塾で子どもたちの教室に分かれているじゃないですか、
クラスごとの三角形の状態とか、
子どもたちの波長の合い方の状態と成績を比べたら、
やっぱり三角形が多いクラスは成績が良かった。
かつ、波長も合ってる方が成績が良いと。
これだけはあまりに印象的で数字まで覚えてるんですけど、
成績、一概に比べにくいから、科目ごとの偏差値。
その偏差値の違いをどれだけこの三角形の数が説明するかって言ったら、
58%だから、すごくないですか。
この子たちが元々頭いいかとか、お家で何時間勉強してるかとかではないっていう、
親にとってはある意味ショックな話。
運じゃん、みたいな。
ここから先は私の推察なんですけど、
そういう状態にクラスをできる先生って何をしてるのかなって思うと、
やっぱり、まず授業中に子どもたちが同時にうんうんってうなずいたり、
同じように笑ったり、同じように一気に集中するときは、
ガーッて集中して問題解くっていうようなことがやっぱりできる先生。
だから同調はしますよね。
その共通体験があって、そうすると子どもたちも心地が良いから、
休み時間もお互いじゃれあって話しやすくなるんじゃないかなと。
勝手にそこは自分の中で紐付けがあって、
そうすると三角形もたくさんできるっていうことなのかなってちょっと思ったんですよね。
やっぱり子どもなんて大人以上に動物的に動く。
やっぱりそのコミュニケーション取りやすいって環境が作る。
その子が外向的かとか内向的かじゃなくて。
たまたまやっぱりその先生、学習塾で先生がいて子どもたちがいてっていうシチュエーションだと、
教育現場より 働く現場での発見が遅れた?
職場よりもよりやっぱりその先生の、なんていうかやっぱり
ハンドリングが影響するんだろうなってちょっと想像してて。
ここはちゃんと論文で書かれてるらしいので、ちゃんと論文読もうって。
読んだら違ったかもしれないけど、ちょっとそんなことは想像はしてました。
なるほどな。
その先生の振る舞いっていうことが、特に小学校とか小っちゃい時ほど、
たぶんひな形として伝播するじゃないですかってことはきっと起こりますよねっていうのは、
たぶんありそうだなっていうのと、
教育の仕方とかもすごく、ある種時代の必然として、
正しく全部伝えることが良かった時代もあればとかっていうので、
たぶん変わってきてるよねっていう。教育もすごいいろいろ変わられてるじゃないですかっていう中でいったときに、
そこのやっぱり三角形になるとか同調しながら周囲とともに学ぶみたいなことって、
根底ではこんな説明はされてなかったにしても、やっぱり似たような中で、
人の学び方とか関わり方みたいなこととか、
時代の必然として何が求められるかみたいなことも、
セットで変わってるんでしょうね、そこは。
ね。だからその時代の必然って言ってるのは、
前言ったかもしれないですけど、
なんか、いっとき、今の大量生産とかがどんどん広がっていく流れの中で、
生産現場であればMECEに分けて分業するのが良いのである。
で、子どもの学習もそうやってMECEに科目で分けて、年齢で分けて、
モジュールで教えていけば完成されるのであるっていう。
この発想をやってきたけど、
特に仕事であれば子どものほうが反応がより素直なんだとすると、
やっぱりそれだとうまくいかない子たちが結構一定数出てくるよねっていう。
教育現場の経験値からそうではない学び方っていうのが、
ここ多分二、三十年模索されてきて、
いろんなことが出てきたんだと思うんですよね。
本当は働き方もそうなんだけど、
よりなんか強制力が強いのと
大人は我慢強いから。
この発見がちょっと遅れたっていうことがありそうだなと思って。
時代の流れでいくと、過去それが頭いいと思って、
人を機械のように見るとうまくいくんじゃないかっていう時代が、
多分100年前から50年前にすごく強くなって、
それをもう世界中で人体実験でやった結果、
これちょっとダメかもって分かったのがNOWっていう。
多分あれですよね。
その前の時代って職人がみんな違うことやってましたっていう時代から、
みんなで同じことができるようにするっていう方が、
社会の資産が増え、物が豊かになりっていうことで、
そこの幸せがあったねっていう時代と、
その働きによる弊害の方がむしろ出てくるみたいなことっていうのって、
多分必然、時代の要請に求められる人のあり方とか、
働き方とか学び方みたいなこと自体もより変わってる中、
働くの方が遅れるっていうのは確かにありそうな感じがしますね。
「聴く」ができていると、三角形は増えやすい!
ぐるっと回るんだなと思って。
これはちょっと聴きかじったことではあるので、
詳しい方が私間違ってたら指摘していただきたいんですけど、
今の近代的な教育システム、つまり学年で分けて、
教科目で分けて一斉に教えるのであるって、
あれってプロイセンが、
まさに当時のヨーロッパなんかでちょっと後進国だったので、
それこそビスマルクとかの政権が編み出したやり方なんですって。
そしたら他のヨーロッパの先進国から見たら、
割と遅れてると思ったプロイセンがいきなりライジングしてきて、
すごい軍隊強くなってて、
何なの?って見に行ったら、
そういう教育をすることで兵隊の質がめちゃくちゃ上がった、
全員同じ基礎教育を受けてるから、
全員同じようにものが読めて、書けて、
指示に従える。
これはすごいなと思って、
軍事力側からこの教育法、やっぱやんないとプロイセンに負けちゃうなっていうのが、
背景としてあったという説明を聴いたことがあります。
それこそ識字率が低かったところから、
識字率が100%に広げるとかだったら、
それこそ一旦みんなやろうよとかって、
良いものとかもあったりしますよね。
それがちょうど日本で言うと明治維新富国強兵、
あの時代なんですよね。時期的には。
すごいな、人類が進んでるな感がすごいですね。
それをやり切った後でもう一回、
それがあったからこういう技術とかも発達して、
矢野さんも研究ができて、
確かに。
研究の結果それじゃダメだと。
分業しすぎはダメです。
三角形で仲間になりましょう。
なんかあれですね、エールの話につなげると言いながら、
最後全然違う話まで広がった、
好き勝手に話す感じでしたけど。
戻ると、
おそらく、
自分とすぐには話が合わなそうな人と、
コミュニケーションを取る技術として、
withoutジャッジメントで聴くっていうのが、
あり方も含めて技術なんですけど、
これが皆さんができてると、
やっぱりこの三角形って増えやすいよねっていうことは言える。
これがこのトリニティ組織っていうのを読んだ上で、
エールができるこの領域での貢献っていうのはそこなのかなって。
と思った次第です。
そうですね、ちゃんと戻ってきた感じで、
我々もできるところがまだそこにある感じと、
我々のアプローチがまた違った強度からちゃんと見えるみたいなことができるのは、
確かにすごい一つの捉え方が増えていい感じですね。
はい、思いました。
はい、ということで、では今回もこの辺で終わりたいと思います。
篠田さんありがとうございました。
ありがとうございました。