2025-08-05 07:00

ピカソ「ゲルニカ」

世界の名画ランキング第5位 ピカソ「ベルニカ」をボイスドラマ形式でのご紹介

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ボーイスドラマゲルニカに触れる 登場人物
トミー男性 生まれつき目が見えない
芸術に深い関心がある マリア女性
美術館のボランティアスタッフ トミーの話し相手を務める
ここはとある美術館のピカソ展示室 壁一面に広がる巨大なモノクロの映画
ゲルニカを前に二人の男女が立っている 一人は目の見えない青年トミー
もう一人は彼の話し相手を務める ボランティアスタッフのマリアだ
ここがピカソのゲルニカよ 人がたくさんいるから少し騒がしく感じるかもしれないわね
うん 感じるよ
みんなこの絵に引き込まれているんだね 僕にはただの空気の塊にしか感じられないけど
でも マリアが話してくれるならきっと僕にもその空気が伝わってくる
え 任せて
きっとトミーにも届くようにしっかり話すわ マリアが絵の前にそっとトミーを誘導する
まずこの絵の大きさに驚かされるわ 横幅が7.7メートル高さが3.5メートルもあるの
まるで劇場の舞台を見ているみたい すごいなぁ
僕の部屋の壁よりもずっと大きい そう本当に大きいの
そしてこの絵全体を支配しているのが色よ 白と黒そして様々な濃さの灰色だけで描かれているの
まるで古いモノクロ映画を見ているような静かででもとても重たい雰囲気なの 他の色彩は一切ないんだね
それだけで悲しみや怒りが伝わってくる気がする 絵の構図と登場人物
絵は大きく3つの部分に分けられるわ 左中央右
左側にはまずオウシと子供を抱いて嘆き叫んでいる女性がいる オウシはまるで何かをじっと見つめているみたいで
その下では絶望したように頭を上げて叫んでいる女性が 死んだ子供を抱き抱えているの
女性の顔は上を向いていて口は大きく開いているわ 子供の体はぐったりと力なく垂れ下がっているわ
母とっ子か 胸が締め付けられるようだ
ええ さらにその足元にはバラバラになった戦士の体が横たわっている
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手には折れた剣が握られているんだけどその剣の近くには一本の希望の光のように 小さな花が咲いているの
次に中央を見てみてここには怪我をして苦しむ馬が描かれている 馬は口から炎を吐いているみたいに描かれていて悲鳴を上げているように見える
そのすぐ上には奇妙な形のランプが灯っている 電球のようにも目玉のようにも見えるわ
このランプはこの絵に描かれているすべての出来事をたらし出しているの 怪我をした馬
そのランプはどんな光を放っているんだろう 暖かい光ではないわ
どちらかというと冷たい不気味な光 その馬の足元には何かを訴えかけるように光を求めているように描かれた女性がいる
女性は体をひねるようにしてランプの方を見上げているの そして右側ここには火事になっている家とそこから逃げ出そうとしている3人の女性が
描かれているは一人は両手を挙げて助けを求めている もう一人は家の中を覗き込んで何かを探しているように見える
そしてもう一人窓から身を乗り出すようにして叫んでいる女性がいる 彼女は首がすごく長くてまるでキリンみたいにね
人物の描写と風景 この絵に描かれている人々の顔や体はすごく独特なの
目や鼻口があるべき場所からずれてバラバラに描かれている まるで悲しみや恐怖で体の形そのものが変わってしまったみたいにね
なるほど それがピカソの表現なんだ
a 特に目玉が印象的なの どの目も真上も向いていたり横を向いていたりバラバラの方向を見ている
誰一人こちらを見ていない みな自分の悲しみや苦しみだけに集中しているように見えるは神や肌もただのベタ塗りでは
なくて細い線が何本も引かれている まるで新聞紙の印刷みたいに新聞紙
戦争のニュースを伝える新聞紙そうかもしれない この絵が戦争の悲惨さを訴えていることを考えるととても意味深く感じ
そしてこの絵には自然の風景はほとんどないの 背景は部屋の壁や風呂のように
幾何学的な形が組み合わさっているだけ 窓や壁にひび割れのような線がたくさん描かれていて建物が破壊されていることが
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伝わってくる風景がないからこそ 人物の苦しみが際立つのかな
まさにその通り この絵は特定の場所や時間ではなく戦争そのものの悲劇を描いているんだと思う
マリア ありがとう
なんだか僕の頭の中にその白い絵がはっきりと見えてきた気がする 叫ぶ馬
子供を抱く母親 全部
僕の心の中に響いてくるよ よかったトミーに伝わって
この絵は見ているだけじゃなくてこうして語り継ぐことでその意味が深まるような気がする 本当にそうだね
僕にとって マリアの言葉がこの絵の光そのものだったよ
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