食と資源の未来の探求
ブク美
はい、毎日未来創造へようこそ。 今日も、まだ見ぬ未来のProto-Cast、その可能性を探っていきましょう。
今週のテーマは、食と資源の未来。 本日の今日は、まずリサーチから始めたいと思います。
手元には、科学論文とか、消費者調査、技術プレゼン、専門家のレビュー記事、本当にいろいろな角度からの情報が集まってますね。
これらの情報からですね、近未来、SFショートショートの種になるような、刺激的で重要な知識の革新を一緒に見つけ出す、これが今回の探求の目的です。
未来の食卓を、こう覗き見るような、そんな旅にしましょう。
ノト丸
ええ、よろしくお願いします。 食と資源というのは、本当に私たちの生存基盤そのものですからね。
で、今、テクノロジーがその未来像を、まあ根本から変えようとしている、そんな段階に来ています。
例えば、ゲノム編集による作物の改良、それからAI、人工知能ですね。 これによる食のパーソナライズ、
あとは培養肉みたいな、全く新しい食料源まで。 多様な情報源を横断的に見ることで、未来の輪郭がよりはっきり見えてくるんじゃないでしょうか。
単に情報をまとめるんじゃなくて、それぞれの技術が持つ意味とか、それらの繋がり、そしてあなた自身に投げかける問い、そこまで深く掘り下げていければと思いますね。
ブク美
はい、ぜひお願いします。 では早速ですが、まず注目したいのがゲノム編集技術。
特に"CRISPR"ですね。 これは遺伝子を狙って編集する技術という理解でいいんでしょうか。
ノト丸
はい、その通りです。 簡単に言うと、遺伝子の特定の部分をハサミのように正確に切り張りできるツール、そんなイメージですね。
その応用例として、資料に一期の研究がありますね。
ブク美
これが面白いんですよ。特定の遺伝子、資料だとFBVZISP1.1のUORFって書いてありますけど、これを編集することでイチゴの糖度をファインチューニング、つまり微調整できるって言うんです。
甘さ控えめからすごく甘いものまで、なんていうかオーダーメイドみたいにイチゴを作り出せる可能性があるってことですよね。
ノト丸
まさにその通りです。甘さだけじゃなくて、別のイチゴ研究ではFVPHO2っていう遺伝子に注目してますね。
これを編集すると、栄養素のリンですね、その含有量が増えて、結果的に色に関わるアントシアニンとか糖度も向上するという結果が出ています。
作物の品質そのものをデザインできる可能性を示唆しているわけです。
ブク美
なるほど。品質は上がるけど、でも背丈は低くなるなんていう側面もあるんですね。
ノト丸
トレードオフありますね。
ブク美
そうか、トレードオフもあると。でもちょっと想像しちゃうんですけど、もしスーパーに並ぶ果物は甘さも栄養もまるでデザイナーズブランドみたいに細かく設計されたものばかりになったら、
あなたはその完璧な果物を迷わず選びますかね。それともなんかちょっと不揃いな自然の味を懐かしく思うんでしょうか。
ノト丸
それは重要な問いですね。技術が進んでもそれを受け入れる側の心理とか価値観っていうのは必ずしも一緒じゃないですから。
その点で参考になるのが、日本で初めて商業化されたゲノム編集食品、高GABAトマト、シシリアンルージュの事例です。
ブク美
ああ、GABAトマト。GABAっていうとなんかリラックス効果とかが期待される成分ですよね。チョコレートとかにも入ってて、日本でも結構馴染みがあるような気がします。
ノト丸
ええ、そうですね。このトマトはゲノム編集技術で、そのGABAを作る酵素に関わる遺伝子の一部を改変してGABAの量を増やしてるんです。
開発したサナテックシード社は、ちゃんと国の規制、つまり農水省とか厚労省への届出、そういう手続きを踏んで2020年の12月に届出を完了しています。
ブク美
なるほど、規制はクリアしたと。それですぐ市場に出たんですか?
ノト丸
いや、そこがですね、非常に興味深い点でして、彼らはすぐに一般犯害に踏み切らなかったんですよ。プロシューマーアプローチという戦略を取ったんです。
ブク美
プロシューマー、消費者、コンシューマーでありながら生産にも関わる、みたいな意味合いですか?
ノト丸
はい、まさにその通りです。具体的には、約4,000人の家庭菜園の愛好家の方々に苗を無料で配ったんですね。
栽培から収穫、そして実際に食べた感想までLINEなんかを通じてフィードバックを集めたと。
ブク美
これは単に製品を売るんじゃなくて、新しい技術への理解とか、安心感みたいなものを実際に育ててみる、その体験を通して広めようという、そういう取り組みですよね?
ノト丸
なるほど。技術そのものの安全性だけじゃなくて、どうやって社会に紹介して巻き込んでいくかっていう、そのコミュニケーション戦略がすごく重要ってことですね。
ブク美
ええ、これって他の新しい技術、例えば後で出てくる培養肉とかにも応用できそうな視点かもしれないですね。
ノト丸
まさにおっしゃる通りです。技術の社会実装においては、こういう重要性をどう高めていくか、その工夫が不可欠になってきますね。
ブク美
ふむふむ。さて、ゲノム編集が食材のいわば設計図に手を入れる技術だとすると、次は私たちの食の選択そのものを変えるかもしれないAI、人工知能の話に移りましょうか。
これもまたなんかSF的な未来を感じさせますよね。資料によるとAIが使った食事分析とか推薦技術が進化してるみたいですね。
スマホで食事の写真を撮るだけでAIが画像から料理を認識して、資料にはヨーロVAとかCNNって技術が上がってますね。
栄養成分を推定してくれる。さらに個人の健康データ、例えば血糖値とかコレステロール値なんかと照らし合わせて最適な食事プランを提案してくれるって、これまるでポケットに専属の栄養士がいるみたいじゃないですか。
ノト丸
まさにそんな感じですよね。画像認識技術とか、人間みたいに自然な文章を作るGPTのような大規模言語モデルの進化がそれを可能にしてるんですね。
ブク美
料理動画から材料とか手順を自動で抽出して記録する、そんなシステムまで開発されているようですから、レシピの管理なんかも大きく変わるかもしれないです。
ノト丸
うわー、それは便利そう。外食とか昼食が多い人でも手軽に自分の栄養バランスを把握できる、そんな時代が来るかもしれないですね。
そうですね。個人の栄養管理だけじゃなくて、AIの応用範囲っていうのは食品産業全体に広がっています。
例えば、工場での品質管理に機械学習を使ったり、需要を予測して在庫を最適化して結果的に食品ロスを減らしたり、
さらにはスマートパッケージングっていう賢い包装ですね。それと連携して食品の鮮度をより正確に管理するといった活用も考えられています。
つまり、効率化とあと持続性、この両方に貢献する可能性を秘めているわけです。
ブク美
なるほど。生産から消費まで、食のあらゆる場面でAIが関わってくる未来が見えてきますね。
ブク美
でもちょっと考えてしまうのは、もしAIシェフがあなたのその日の健康状態とか気分、好みに完璧にフィットする最適解の食事を毎日提案してきたら、
それって究極の豊かなんですかね?それとも選ぶ楽しみとか、思いがけない美味しい出会いみたいな何か大切なものを失わせてしまうのかなって。
ノト丸
うーん、良い問いかけですね。利便性の裏には必ずトレードオフがありますから。
資料でもAI活用における課題というのは指摘されています。
例えば、AIがどういう判断基準で推奨しているのか、その透明性ですね、アルゴリズムの透明性。
新たな食文化の形成
ノト丸
それから個人の食データっていう非常にプライベートな情報の扱い、データプライバシーの問題。
あと誰もが公平にその恩恵を受けられるのかっていう公平なアクセスの問題。
そしてAIモデル、特に大量の計算が必要なディープラーニングを開発したり運用したりする際の環境負荷、エネルギー消費の問題とか、
こういった倫理的社会的な側面も無視できないんです。
ブク美
うーん、なるほど。便利さの裏には考えるべきことがたくさんあるわけですね。
ブク美
次に、これも気になるテーマなんですが、昔に比べて野菜の栄養価が下がってるっていう話、聞いたことありませんか?
ノト丸
資料によると、実際にCO2濃度の上昇なんかが原因で、お米に含まれるタンパク質とか鉄分、
亜鉛が減ったり、アスパラガスに含まれるビタミンAが半分になったりしてるっていう研究結果があるそうです。
これちょっとショックですよね。
へー、気候変動なんかが食料の量だけじゃなくて、質にも影響を与えているっていう指摘は近年増えていますね。
ブク美
そこで注目されているのが、バイオフォーティフィケーションというアプローチなんです。
ノト丸
バイオフォーティフィケーションですか?
ブク美
はい、これはですね、作物が育つ段階で特定の栄養素を強化する技術、いわば作物の栄養強化版を作る試みと言えるでしょうか。
伝統的な交配による品種改良とか、栄養豊富な肥料を使う方法、場合によっては遺伝子組み換え技術も活用して、
特に不足しがちな微量栄養素、例えば鉄、亜鉛、ビタミンA、セレン、ヨウ素、こういったものを増やそうという考え方ですね。
ノト丸
なるほど、収穫した後に何かを加えるんじゃなくて、育てる段階で栄養価を高めておくと。
ブク美
そうなんです。特に開発途上国では、ハーベストプラスっていう国際的な取り組みが有名でして、ビタミンAを強化したサツマイモとか、
ブク美
鉄分を強化した豆なんかを普及されて、すでに1億人以上の農家が栽培して、人々の栄養改善に貢献しているという報告もあります。
ブク美
気候変動による栄養が低化への対抗策としても期待されているわけですね。
ノト丸
へえ、すでに実績もあるんですね。じゃあ、日本みたいな先進国ではどうなんですか?
ブク美
高所得国、資料ではHICSって書いてありますけど、そこでの研究も進んではいるんですが、まだ限定的ですね。
例えば、セレンを強化した小麦とか、ビタミンAの前駆体を強化したお米なんかで、栄養素が体内でどれだけ吸収、利用されるか、
そのバイオアベイラビリティっていうんですけど、それについては有望な結果も出てはいます。
ただ実際にそれを食べた人の健康にどう影響するのかという研究は、まだ十分とは言えない状況です。
ノト丸
うーん、技術的には可能でも健康効果の実証とか普及にはまだ時間がかかると。
へえ、それに加えて、やはり消費者需要の壁というのもあります。
バイオフォーティファイドという言葉自体まだあまり知られていないですし、場合によってはオーガニックと混同されたり、
あるいは遺伝子組み替え技術への抵抗感から軽減される可能性も指摘されています。
ドイツで行われた調査では、鉄分強化野菜への関心自体は高い。
54から79%が肯定的だそうです、みたいなんですが、やはり自然さとか味を重視する声も根強いようで、
栄養価が高くても不自然だって感じられると、なかなか受け入れられにくいのかもしれませんね。
ブク美
栄養を強化したい、でも自然へのこだわりが壁になる。
これもまた技術と人の価値観の間の難しい問題ですね。
ノト丸
そうですね。
ブク美
そしていよいよ未来の食として最も議論を呼び、SF的な想像力を掻き立てるのがこれじゃないでしょうか。
培養肉。
動物の細胞を文字通り培養して作るお肉。
ついに来たかという感じがします。
ノト丸
ええ。
食料安全保障の確保とか、家畜を育てる際の環境負荷の低減、そういった観点から大きな期待が寄せられていますね。
理論上は、例えば牛1頭分の細胞からはもう膨大な量の肉を生産できる可能性がある、なんて言われています。
ブク美
まさに夢の技術みたいに聞こえますけど、これもすんなり受け入れられるものではないですよね。
資料でも消費者需要が最大の鍵だって強調されていますね。
ノト丸
その通りです。
多くの調査で、消費者が培養肉を受け入れるかどうかの要因が分析されていますが、
まず大前提となるのは、やはり味、食感、見た目、栄養価、そして安全性。
こういった製品そのものの質ですね。
これらが私たちが慣れ親しんでいる従来の肉と、まあ同等かそれ以上でなければ普及は難しいでしょう。
資料によると、特に健康とか安全性へのメリットを感じられれば、受け入れ意欲は高まる傾向にあるようですが。
ブク美
なるほど。味とか安全性がクリアできれば、じゃあみんな食べるようになるんですかね。
ノト丸
うーん、それがですね、そう単純でもないようなんです。
新しい食品技術の影響
ノト丸
大きな壁として立ちはだかるのが、自然さへの感覚とか、未知の技術への不安感。
いわゆる"食品ネオフォビア"ってやつですね。
ある調査では、消費者の約67%が、培養肉は自然ではない、なんていうデータもあるくらいです。
で、興味深いのは、知識が増えることで、逆に懸念が増えてしまう。ケースも報告されている点なんです。
ブク美
えーっと、そうなんですか。
ノト丸
ええ。知れば知るほど、本当に大丈夫なのかなっていう不安が募る人もいる、ということですね。
ブク美
へー、知らないから怖いだけじゃなくて、知るからこそ怖いっていう側面もあると。
ノト丸
そうなんです。加えて、もちろん価格の問題や、あとは生命倫理とか、宗教的な観点からの抵抗感、これも無視できません。
さらに、その製品を提供する企業の信頼性、トラストワーディネスとか、社会的責任、CSRに対する姿勢も結構重要視されるようです。
特に新しい技術の場合、企業が、まあ、利益追求のためだけなのか、それともちゃんと社会貢献の意図があるのか、その動機が消費者の信頼とか需要度に影響を与える。
ブク美
うわー、企業の姿勢まで見られるわけですね。単に美味しいだけじゃダメなんだ。
ノト丸
そういうことですね。そしてもう一つ面白い指摘が、ネーミングの影響です。
GFI、The Good Food Instituteという団体の調査によると、カルチビエティードミート、つまりバイオ肉という呼び方が、他の候補、ラブグローンミート、つまり実験室育ちの肉とか、セルベースドミート、つまり細胞ベースの肉、よりも好意的に受け止められたそうなんです。
ブク美
へー。
ノト丸
やっぱりラブグローンという言葉は不正確でもある上に、どうしても非衛生的とか、非自然的なネガティブなイメージを与えやすいのかもしれません。
ブク美
言葉一つでそんなに印象が変わるんですね。これはSFで新しい概念を描くときにも、なんか重要なヒントになりそうです。
ここで一つあなたにも想像してみてほしいんですが、もし見た目も味も香りも、今のあなたが食べているお肉と全く区別がつかない培養肉肉が食卓に並んだとしたら、あなたはそれを本物の肉と呼びますか?その境界線って一体どこにあるんでしょう?
ノト丸
うーん、深い問いですね。まさに私たちの食に対する価値観そのものが問われていると言えるかもしれません。
ブク美
さて、これまで新しい生産技術に焦点を当ててきましたが、食料の安定供給という点では、もっと足元の問題、つまり流通とか管理の側面も重要ですよね。
資料には日本での米の価格高騰と政府備蓄米の放出をめぐる混乱なんていうちょっと生々しいシナリオ、これ2025年の想定ですかね、も例として挙げられていました。
ノト丸
食料安全保障というのは生産技術だけで解決できる問題ではないんですね。
流通の効率性、価格の安定性、国の政策、そして何より情報の透明性といった本当に多岐にわたる要素が複雑に絡み合っています。
さっきのゲノム編集食品とかバイオ肉の話で出てきた信頼性っていうのは食料供給システム全開に関わる課題でもあるわけです。
ブク美
確かに価格とか供給が不安定だと消費者の不安も高まりますもんね。
そこでですね、その信頼性とか透明性を高める技術としてブロックチェーンに注目が集まっています。
ノト丸
ブロックチェーン。
生産地から加工、流通を経て最終的にあなたの食卓に届くまでの情報を改ざんが非常に困難な形で記録して追跡可能にする。
これにより食品偽装を防いだり、リコールの際に迅速な対応を可能にするだけじゃなくてですね、
ゲノム編集食品とか培養肉のような新しい食品に対しても、その出自とか安全性を証明して消費者の信頼を得る一助になるんじゃないかと期待されています。
ブク美
なるほど。新しい技術とそれを支える信頼のインフラとしての技術がセットで必要になってくる、そういうことなんですね。
ノト丸
そういうことになりますね。
ブク美
さて、ゲノム編集によるデザイナーズフルーツの可能性から、AIによるパーソナライズド栄養管理、※※※バイオフォーティフィケーション、
ブク美
そして食の概念そのものを揺るがす培養肉、未来の食卓を彩るあるいは塗り替えるかもしれない技術の可能性とそれに伴う課題を資料を通して駆け足で見てきました。
いやはやこれは本当にSFのアイデアの宝物ですね。
なんか物語がたくさん生まれそうです。
未来の食への問い
ノト丸
本当にそうですね。これらの技術は食料問題の解決とか健康増進に貢献する大きな可能性を秘めているのは間違いないと思います。
しかし同時に倫理観、文化、私たちの心理、そして社会システムといった実に様々な側面で私たちに根源的な問いを投げかけてもいるわけです。
技術そのものが善か悪いかというよりも、それを開発し利用する私たち人間、そして社会全体がどう向き合っていくのか、そこが問われているんでしょうね。
ブク美
テクノロジーとそれを使う私たち自身の物語ということですね。
さて、明日からはですね、今日のリサーチで得た知識や問いをもとにして、食と資源の未来をテーマにしたSFショートショートのプロトタイピング、つまり具体的な物語の断片を一緒に作り出していきたいと思います。
今日の探究であなたがこれはと思ったポイントとか、あるいは浮かんだ疑問、もしかしたらもうすでに未来のストーリーのアイデアが湧いてきたかもしれませんね。
ブク美
ぜひ#毎日未来創造のタグをつけて、あなたの発見や考察をシェアしていただけると嬉しいです。
ブク美
最後に一つ、あなたに考えてみてほしい問いがあります。
これだけ食の中身や作られ方が劇的に変化していく未来において、私たちにとって食べるという行為の意味そのものは一体どう変わっていくのでしょうか。
あるいは変わらない部分もあるのでしょうか。
それではまた明日、未来の可能性を探る旅でお会いしましょう。
ノト丸
未来創造