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2025-07-27 07:24

CAPITAL OFF - Episode2 : 〈CBDC−21: 減る通貨〉

#毎日未来創造 プロトキャスト

近未来アンソロジー 
《CAPITAL OFF — 資本が溶ける6つの夜明け》

もしも、お金がない世界が来るとしたら?

池袋ー新宿…7分で聴ける未来ストーリー

下記note連動。NotebookLM で音声化しました。

 

note : https://note.com/daisaw33/n/n9a614311fcd9

サマリー

このエピソードでは、2028年の東京を舞台にして、新しいデジタル通貨C円の導入によって資産が減少するという恐怖が描かれています。主人公ヒューゴは、自身の存在を脅かされながらも、NFTを活用して逃げ道を探りますが、最終的には恐ろしい仕組みに直面します。

C円とその影響
ノト丸
こんにちは。今日はですね、提供いただいた資料、資本が溶ける6つの夜明け、"減る通貨"、これシリーズのエピソード2ということで、CBDC−21、このフィクションを一緒に深掘りしていきたいと思います。
ブク美
はい、よろしくお願いします。持ってるだけで資産が溶けるっていうかなり刺激的な設定ですね。
ノト丸
そうなんですよ。もう考えただけでちょっとゾクッとしますよね。
舞台は、2028年の東京。政府が富の健全な循環とかを名目に、新しいデジタル通貨、C円を導入すると。
ブク美
C円ですか。
ここからが確信なんですけど、100万C円を超える残高に対して、毎日です。毎日、-0.05%のマイナス金利が強制的に適用されるんです。
わー、毎日0.05%ですか。それは結構なペースで減っていきますね。
ノト丸
まるでプログラムされた砂時計みたいに資産が減っていくと。
ブク美
なるほど。
ノト丸
で、主人公は元プライベートバンカーのヒューゴ。彼のペントハウスには総資産を示す巨大なLEDモニターがあって、それが彼の王国だったわけです。
ブク美
富の象徴ですね。
ノト丸
ところが、このC円導入後、そのモニターの数字が彼の意思とは全く関係なく、刻一刻と減り始めるんですよ。
ブク美
それはきついですね。
ノト丸
資料には止まらない出血のようだと書かれてて、単なるお金の問題じゃなくて、彼にとっては自己存在が抹消されていくような、そういう恐怖だったと。
ブク美
まさにこれは単なる経済政策っていうよりもっと根本的な話で、通貨のコード自体に富を直築することへのペナルティが組み込まれている。ここが重要ですよね。
ノト丸
コードに組み込まれている。
表向きは資産格差の是正なんでしょうけど、実際には富を持つこと自体がある種の罰みたいになっている。
ブク美
なるほど。
リアルタイムで自分の資産がデジタル表示で減っていくのを目の当たりにするっていうのは、心理的なインパクト相当大きいと思いますよ。
ノト丸
でしょうね。
ブク美
行動経済学でいう損失回避、つまり人は得する喜びより損する痛みを強く感じる、あれの極端な形とも言いますね。
安心の象徴だったはずの富が、逆に不安の源泉に変わってしまう。
ノト丸
うーん、なるほど。精神的にどんどん追い詰められていくわけですね。
でも彼は金融のプロですよね。元プライベートバンカーなら、何か打つ手は考えたんじゃないでしょう?
ブク美
もちろん考えます。そこはプロですから。彼は持っているバスキアとかウォーホルの絵画をNFT化するのです。
NFT化。
デジタル資産に唯一無二の所有権証明をつける技術ですね。それを使って、匿名性の高い海外のDAO、自立分散型組織と言われるもののウォレットに資産を移そうと試みるわけです。
ノト丸
ああ、なるほど。マイナス金利から逃げれようと。昔のタックスヘブンみたいな発想ですね。
ブク美
そう、その通りです。アナログ時代の富裕層がやったことのデジタル版ですよね。
ノト丸
それでうまくいったんですか?その試みは。
ブク美
いえいえ、そこがこのシステムの恐ろしいところで、NFT化して、さあ送金したぞっていう直後にですね、芸術資産等に対する保持税を追加しましたっていう警告が表示されるんです。
ノト丸
うわ、保持税。
ブク美
しかもその税率が市場価格に基づいて変動するっていう、もう徹底ぶりです。
あらゆる価値の逃避経路をシステム側が予測して、先回りに税という名のパッチで塞いでしまう。国家によるデジタル通貨網の、なんというかその緻密さとある種の冷徹さみたいなものが描かれてますね。
ノト丸
税金という名のパッチですか。デジタルならではの執拗さというか、すごいですね。それでヒューゴはどうなってしまうんですか?
ブク美
結局資産は半減してしまって、もう完全な絶望感に襲われるんですね。
価値の再考
ノト丸
半減。
ブク美
死刑執行までのカウントダウンみたいに感じ始めて、彼はもう残った資産を一夜で使い果たすための凶乱的なパーティーを開くことを決意するんです。
ノト丸
パーティーで使い切る。
ブク美
どうせ燃え尽きる運命なら、自ら火をつけてやろうと。なんとも悲壮感が漂ってますよね。
ノト丸
そのパーティーの後、どうなったんでしょう?想像するだけでちょっと胸が痛みますけど。
ブク美
夜が明けて残ったのは静かさとゼロに近い残高が表示されたモニターだけだった。
ノト丸
ゼロに。
ブク美
はい。しかしです。ヒューゴはバルコニーに出て、人生で初めて裸足で床に立つんです。
昇る太陽が空っぽになったモニターに反射する。その瞬間、彼の中でずっと鳴り響いていた金属音。
ノト丸
金属音?
ブク美
それは富の秒針の音であり、同時に失うことへの恐怖の音でもあった。その音がふっと止まったように感じたと書かれていますね。
ノト丸
すべてを失った瞬間に、恐怖から解放されたということなのかな?
ブク美
そうかもしれませんね。物語では、富は溶け、評価は地に落ちたとあります。金銭的な富とか社会的な評価みたいなものは確かに消えた。
でも、潮風の感触とか、遠くで聞こえる電車の音、そして何より自分の確かな鼓動は残っている。
ノト丸
なるほど。
ブク美
まるで何も持たない男が世界のすべてを手に入れたような奇妙な夜明けだったと。非常に示唆に富む表現だと思います。
金銭的な価値が強制的に溶かされたとき、他の価値あるいは存在そのものの感覚っていうのが、逆に際立ってくる可能性を示してるんじゃないでしょうか。
ノト丸
富が溶けて、すべてを失ったかに見えたその先に、何か違う種類の豊かさのようなものが。深く考えさせられますね。
資料の最後には、DJ N0_MINTっていう謎の人物からのメッセージもありましたね。
昨日の価値は今日のゴミ。国家の高度がまた一つ財産権を書き換えたって。ちょっと不穏な感じで。
ブク美
えー、ありましたね。この物語、もちろんフィクションなんですけど、でも私たち自身の現実にもかなり鋭い問いを投げかけてると思うんです。
ノト丸
問いますと。
ブク美
もしですよ、あなたがあるいは私たちが追い求めている数字とか資産とか、そういうものがこのようにプログラムによって意図的に価値を失うとしたら、
その時、あなたにとって価値って一体何を意味するようになるんでしょうかね。
お金っていう尺度がもし絶対じゃなくなったとしたら、その世界で最後に残るもの、本当に大切にしたいものって何なのか。
ノト丸
本当の価値とは何かですか?
ブク美
えー、この物語をきっかけにちょっと立ち止まって、そういうことを考えてみるのも何か意味があるのかもしれないですね。
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