ハラAIデバイスの紹介
ブク美
さて、#毎日未来創造Week12、始まりましたね。
今週のテーマは、人間拡張です。
その中でも、特に"考えるハラワタの時代"、という、ちょっと気になるキーワードを探求していきます。
ブク美
考えるハラワタですか。面白いですね。
ブク美
今日、私たちの手元にあるのが、SFショートショートのハラAIという物語。
これに着想を得て考えられた、Mo-So Products、ハラAIの企画書と、あとプレスリリースFAQの資料を一式があります。
ブク美
なるほど。SF発のプロダクト企画。
ブク美
そうなんです。この架空の、でもすごく視差に富んだプロダクトを、今日は一緒に深く掘り下げていければと。
ブク美
はい、ぜひ。
ブク美
その物語の世界だと、ハラワタの感覚、昔から言うハラの虫みたいなものが、AIと直接つながっちゃって、
もう私たちは決断に悩むことがなくなる、なんて未来が描かれていたんですよね。
これを読んだあなたにまず伺いたいんですけど、普段、物事ってスパッと決断できてますか。
ブク美
難しい問いですね。
ブク美
日々選択肢が多すぎたり、考えすぎちゃったりして、なんだか疲れてしまうなんてことありませんかね。
ブク美
それはすごく現代的な問いかけですね、まさに。
情報とか選択肢が本当に溢れてて、いわゆる決断疲れ、Decision fatigueなんて言葉もあるくらいですから。
ブク美
ありますね、決断疲れ。
ブク美
私たちは毎日、ものすごい数の判断を迫られているわけです。
デバイスの機能と技術
ブク美
そんな中で、昔から日本で言われる"腹で決める"とか、"腹に落ちる"みたいな、論理だけじゃない身体感覚に基づいた意思決定の価値っていうのが改めて見直されている気がしますね。
科学的にも腸脳相関って言いますけど。
ブク美
はい、聞きますね。
ブク美
腸が神経系とかホルモンを通じて脳とすごく密接に連携していて、感情とか気分、さらには直感にも影響を与える第二の脳なんだと。
そういう研究も進んでますからね。
今回の資料にあるハラAIは、まさにその点、古来の知恵と最新の科学的知見が交差するような、そういう領域に切り込んでいるプロダクトと言えそうですね。
ブク美
まさにこのハラAIのキャッチチコピーが、「決断は腹に訊け」なんですよ。
ブク美
ストレートですね。
ブク美
頭で一生懸命考えるんじゃなくて、自分自身の腹の感覚、もっと根源的で本能的な声に耳を傾けるのをサポートするデバイスというコンセプトのようです。
ブク美
なるほど。具体的にはどういうものなんですか?
ブク美
具体的にはですね、お腹、ちょうど溝落ちから下腹部あたりにかけて張る、ジェル状のパッチ型デバイスということですね。
ほう、パッチ型。
はい。これが皮膚を通して腸の微細な動きとか、それに伴う自律神経のバランスの変化、あるいはホルモン分泌に関わるような、すごく微細な信号をセンシングすると。
ブク美
へー、そんな微細なものを。
ブク美
そう書かれてますね。
例えば、あなたが仕事で重要な選択、そうですね、A案とB案どっちを進めるか、みたいな場面を想像してみてください。
それぞれの案について考えたときに、どっちに対してより腹が座る感じがするとか、あるいはお腹が温かくなるようなポジティブな身体反応があるか、それをこのデバイスが微細な温度変化とか、特定の周波数の振動とか、そういう形でリアルタイムにフィードバックしてくれると。
ブク美
感覚で知らせてくれるんですね。
ブク美
そうなんです。あと面白い使い方としては、自分では意識していない隠れたストレスとか不安をデバイスが検知すると、連携するスマホアプリが今どんな感じがする?って問いかけてきて。
ブク美
あー、なるほど。
ブク美
そんな利用シーンが想定されてますね。
ノト丸
なるほど。その体験を実現するためのコア技術もいくつか挙げられてますね。
ブク美
ええ。
ノト丸
まず、バイオシンパティックジェルセンサー、訳してBSGセンサー。
ブク美
BSGセンサー。
ノト丸
これが腸の蠕動運動とか血流、神経活動に関連する非常に微細な物理的科学的な変化をマイクロレベルで捉える役割を担っていると。
既存の生体センサ技術、例えば心拍変動とか皮膚電気活動を測るセンサーの応用とも考えられますけど、より腸の状態に特化してチューニングされてるイメージですかね。
ブク美
なるほど。腸に特化してるんですね。
ノト丸
ええ。そして捉えた膨大なデータの中から意味のある信号を抽出するのがEmotive Compression AI。
ブク美
Emotive Compression AI
ノト丸
はい。資料によれば、これは瞬間的な驚きとか怒りみたいな一時的な感情の波、いわばノイズのようなものをフィルタリングして、より持続的で本質的な体の状態とか傾向を抽出するアルゴリズムだと説明されてます。
ブク美
ノイズを除去すると。
ノト丸
ただ、このノイズと本質的な反応の線引きっていうのは、実際にはかなり難しい技術的課題かもしれませんね。
ブク美
どういう基準でAIが判断するのか、そこは興味深いところです。
ノト丸
確かに、そのフィルタリングの精度は重要そうですね。なんか嬉しいとかカッとなったみたいな瞬間的な感情じゃなくて。
ブク美
そうそう、もっと奥底にある持続的な腹の声みたいなものを拾い上げるということでしょうか。
ノト丸
おそらくそういう意図でしょうね。そして、その解析された結果をユーザーにどう伝えるかという点もユニークです。
と言いますと?
普通のスマートウォッチみたいに数値とかグラフ、言葉で表示するんじゃなくて、サイレントフィードバックシステムと呼ばれる仕組みを通じて、
微細な振動パターンとか温度変化といった触覚的体感的フィードバックで直接身体に伝える。
ブク美
ああ、直接身体に。
ノト丸
ええ、思考を介さずにより直感的にこれは負に落ちるとか、これは何か違うっていう感覚、
まあ、イエス・ノーに近いものを身体で感じ取ることを目指しているようです。
ブク美
なるほど、言葉じゃないんですね。
ノト丸
そうなんです。この設計思想の根底には単に外部から情報とか答えを与えるんじゃなくて、
ユーザー自身が本来持っている身体的知性、ソマティックインテリジェンスですね。
それを呼び覚まして活用できるようにするという考え方があるようです。
ブク美
身体的知性。
ノト丸
ええ、AIが判断を肩代わりするのではなくて、あくまで自分の身体の微細な声を増幅して聞き取りやすくする。
ブク美
まあ、アンプみたいな役割。
ブク美
アンプですか。
ノト丸
FAQにも最終的な意思決定の主体は常にユーザー自身にあると明記されている点は重要ですね。
あくまで補助ツールであると。
ブク美
なるほど、AIが決めるわけじゃないんですね。
ノト丸
そういう位置づけですね。
さらに日々の腹の感覚の変化を記録してパターンを学習していくスマホアプリ、腹リンクアップも提供されるようです。
ブク美
アプリもあるんですね。
ノト丸
これによって自分の体調とか気分と腹の反応の相関をユーザー自身が客観的に把握できるかもしれない。
あと技術的な側面で面白いのは、エナジーハーベスティング技術の搭載が予定されている点ですね。
ブク美
エナジーハーベスティング?
ノト丸
体温とか日常の動きから自分で発電して駆動する。だから原理的にはバッテリー交換とか充電が不要になる。
ブク美
えっと、それはすごい。充電いらないんですか?
未来の可能性と注意点
ノト丸
ええ、ウェアラブルデバイスとしてはこれは非常に魅力的ですよね。
ブク美
いやー、それはかなり実用的ですね。
技術的にもかなり練られてるんですね。
ノト丸
そうですね。
ブク美
その開発の背景にはやっぱり現代社会特有の問題意識みたいなものがあるんでしょうか?
ノト丸
開発元のCEOのコメントとして、考えすぎて時に壊れかけている現代人への処方箋という言葉が引用されてますね。
ブク美
処方箋ですか?
ノト丸
はい。脳中心主義の限界を感じて、もっと身体の声に耳を傾ける身体中心主義へのシフトが必要じゃないかと。
特に思考過剰症候群、コグニティブオーバーロードシンドロームというちょっとドキッとするような造語も使われていて。
ブク美
思考過剰症候群。
ノト丸
常に頭をフル回転させて情報を処理し続けることで、人々がいかに疲弊して本来の感覚を見失っているかという、まあ強い問題意識が伺えますね。
ブク美
うーん、なるほど。ただ一方でちょっと気になったんですけど、あまりに腹の感覚ばかりを頼りにするようになると、逆に非合理的な判断とか、それこそ根拠のない偏見みたいなものを正当化しちゃう危険性って考えられないですかね?
直感も大事ですけど、理性とのバランスも必要だと思うんですけど。
ノト丸
それは非常に重要な指摘ですね。まさに。このプロダクトもおそらくはそのバランスをどう取るかが鍵になるでしょうね。
資料を読む限りでは、あくまで意思決定の補助であって、最終判断はユーザーに委ねるというスタンスを強調しています。
ブク美
あくまで補助。
ノト丸
AIがこうすべきだと指示するんじゃなくて、あなたの身体は今こう反応してますよと提示するに留める。
それを受けて理性的な思考とどう統合していくかは、ユーザー自身の課題でありスキルになっていくのかもしれません。
ブク美
なるほど。使う側のリテラシーも問われると。
ノト丸
そうですね。もしかしたら将来的にはその統合をサポートするような機能も必要になるかもしれないですね。
ブク美
安全性についてはどうでしょうか?お腹に直接張るものですし、微弱といえ電気信号を使うとなるとちょっと気になりますが。
ノト丸
その点もF野球で触れられてますね。まず、医療機器ではなくてあくまでウェルビーング・健康増進支援デバイスという位置づけであること。
はい。
使用されているジェルは食品グレードの生態適合素材で、皮膚への刺激性テストなんかもクリアしているとあります。
ふむふむ。
またセンシングやフィードバックに使われる電気信号は非常に微弱で、人体への影響は基本的にないレベルだと説明されていますね。
ブク美
なるほど。ただし、やはり注意点として、心臓ペースメーカーなどの医療機器を使用している方とか、妊娠中の方は使用を控えるべきという記載はあります。
まあ、この辺りはどんなウェアラブルデバイスにも共通する注意事項と言えるでしょう。
ノト丸
なるほど。まあ、最低限の注意は必要だけど、安全性への配慮はされているようですね。
ブク美
そうですね。では、この腹AIが実現したとして、その先にはどんな可能性が考えられるんでしょうか?
企画書には未来拡張プランという項目もありましたけど。
ノト丸
ええ、いくつか非常に興味深い構想が描かれてますね。単なる個人の意思決定支援に留まらない可能性を感じさせます。
ブク美
ほう。
ノト丸
例えば、腹AIコレクティブモード。
ブク美
コレクティブモード。
ノト丸
これは、チームメンバーとか複数人の腹感覚データをネットワークで接続して、
集団としての集合的直感とか場の空気感みたいなものを可視化共有しようという仕組みです。
ブク美
へえ、集団の腹感覚ですか?
ハラAIデバイスの可能性
ブク美
ええ、これが実現すれば、会議での意思決定とかチームビルディングにこれまでとは全く異なる次元のインポットが加わるかもしれません。
ノト丸
単なる多数決とか論理的な議論だけじゃなくて、グループ全体の無意識的なコンセンサスみたいなものがより捉えやすくなる可能性がある。
ブク美
それもすごい。組織運営の在り方を大きく変えるかもしれませんね。
ノト丸
そういうポテンシャルを秘めていると思います。
他にも、他のAI。例えば、文章生成AIとか画像生成AIと連携するアイディアもありますね。
ブク美
AI連携。
ノト丸
ユーザーの腹の感覚、つまり感情状態とか気分に応じてパーソナライズされた詩とか音楽、
あるいは心を落ち着かせるような風景画像を自動生成するといった応用です。
ブク美
なるほど、クリエイティブな方面にも。
ノト丸
ええ、よりエンターテイネントとかそういう領域での活用ですね。
さらに踏み込んでメンタルヘルスケアへの応用として、セラピューティックモードという構想も挙げられています。
ブク美
セラピューティックモード。資料的な?
ノト丸
そうですね。例えば、感情を無意識に抑圧してしまう傾向がある人に対して、そのパターンをリアルタイムで検知して、
穏やかな振動フィードバックなどを通じて、本来の感情とのつながり、腹の共鳴を取り戻す手助けをするといった使い方です。
ブク美
わあ、それはすごい。カウンセリングとかセルフケアの新しい形になるかもしれないですね。
ノト丸
ええ、可能性はありますね。
ブク美
集合的直感の可視化に、感情に合わせたコンテンツ生成、メンタルケアまで、個人の決断支援からかなり大きく広がっていくんですね。
ノト丸
そうですね。これらの構想の根底にあるのは、資料にも書かれている、考える腸から感じる人間へという大きなビジョンなのだと思います。
ブク美
感じる人間へ。
ノト丸
私たちがこれまで人間拡張というと、AIによって計算能力とか記憶力を高めるといった思考とか知能を強化する方向性をイメージしがちでしたけど、
ブク美
ええ、そうですね。
ノト丸
このハラAIが提示しているのは、むしろ過剰な思考を減速させて、忘れかけていた身体感覚とか感情といった人間本来の感じる能力を取り戻し、それを拡張するという、ある意味で逆方向なアプローチなんです。
ブク美
思考を減速させるですか。面白いですね。
ノト丸
脳に支配された社会から身体が考える社会へという言葉も使われていますが、これは単なるテクノロジーの話にとどまらず、知性のあり方あるいは人間らしい生き方そのものに対する問いかけを含んでいるように感じます。
効率とか論理だけではない、身体感覚に基づいた判断とか共感がより重要視される社会への移行を示唆しているのかもしれないですね。
ブク美
不快ですね。AIというと、どうしても私たちの思考をサポートしたり効率化したりするものっていう固定観念がありましたけど、このハラAIは私たちがより豊かに感じることをサポートしてくれるAIと言えるのかもしれないですね。
身体感覚の重要性
ノト丸
まさにそうですね。
ブク美
脳を休ませ、腹に利け、というキャッチコピーが最初に聞いた時よりも、なんかずっと深く腑に落ちてきました。
さて、ここまでハラAIという架空のプロダクトについて深掘りしてきましたが、これを聞いているあなたはどう感じましたか?
ここでいくつかあなた自身に問いかけてみたいと思います。
もし、あなたの腹の感覚、喜び、不安、確信、違和感がリアルタイムで可視化されたりフィードバックされたりするようになったら、あなたの日々の選択や行動はどのように変わると思いますか?
それから、自分の直感とか身体の声を補助してくれるテクノロジーに、あなたはどこまで頼りたいと感じますか?
テクノロジーに委ねる部分と、自分自身の感覚を信じる部分、その境界線はどこに引くべきだと考えますか?
ブク美
これは難しい問いですね。
ブク美
そして、思考や理性だけではなく、こうした腹の感覚のような、言葉にならない身体の知恵に従うことが、なぜこれからの情報を肩で複雑な時代において重要になる可能性があるのでしょうか?
その理由は何だと思いますか?
ブク美
そうですね。このハラAIが提案しているのは、繰り返しになりますけど、AIに判断を丸投げしましょうということでは決してなくて、
ノト丸
自分自身の内なる声、身体のささやきにもっと注意深く耳を傾けるためのツールというアプローチなんですよね。
ブク美
はい。
ノト丸
情報が洪水のように押し寄せて、常に思考し判断し続けることを強いられる現代において、一度立ち止まって、自分自身の身体感覚、その瞬間のフィーリングに立ち返ることの価値を改めて問い直していると言えるでしょうね。
ブク美
なるほど。立ち返るためのツール?
ブク美
はい。あと、製品名のハラアイの由来として、日本語のハラに加えて、AIに愛、つまり喜びとか悲しみといった情動、理性だけではない知性という意味合いを込めているという説明も資料にありましたね。
ブク美
ああ、愛のAIでもあるんですね。
ブク美
このネーミング自体が、このプロダクトが目指している論理編集ではない、より人間的でホリスティックな知性の在り方、そして人間拡張の方向性を象徴しているようで、非常に興味深い点だと感じますね。
ブク美
考える腹渡の時代ですか?なんだかこれまでの未来像とは少し違う。でも、なんかとても人間的な未来が垣間見えた気がします。刺激的な時間でした。
ブク美
本当に。
ブク美
明日も引き続き、人間拡張をテーマに未来の価値探索は続きます。
今日の話を聞いて、あなたが感じたこと、考えたこと、あるいはあなたなりの腹の感覚があれば、ぜひ、毎日未来創造のハッシュタグをつけて、SNSなどであなたの気づきをシェアしてみてください。
ノト丸
お待ちしてます。
ブク美
私たちも楽しみにしています。