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こんにちは、のらじおのMuroです。
こんにちは、かえです。
先週の金曜ロードショーの風立ちぬでした。
見てないですね。
僕は、母が何か別のものを見てて見れなかった。
放送で、最初に見たのは10年前くらい。
映画館では見てないから、映画館、映画が終わってDVDになったタイミングぐらいで見たと思うんですけど、
なんか結構印象が変わったことに驚きました。自分自身で。
どこが変わったの?
全体的に
20代の時、22、23で見た時は結構怒り、怒りの感情だったんですよ。あの映画に対して。
何これ、みたいな。聞いてない。
一番の感想が。
でも、みんなの周りのその風立ちぬを見た人の反応が純愛映画だった、みたいなことにも腹が立って。
いや違う違う、みんな気づいて、これそんな映画じゃない、みたいな。
みんなちょっとよく見て一緒に怒って、みたいな。
違うよ、あなた達騙されてるよ、みたいな。
っていうのは、その当時の感覚では、
それがどうかわからないけど、おそらく、宮崎駿は堀越二郎に自分を投影してるのではないかっていう見方をまずしてて、
で、何か魅了される自分の夢に向かうには、
犠牲もあるけどしょうがないよね、みたいな感じ。
それは美しいものに向かっていくときには、必要な代償ではないけど、
そういう受け取り方をしてたので、
えっ聞いてないよ、みたいな。
そんなのいきなり言われても、みたいな感じでだったんですけど、
10年、いろいろ私も右を曲折ありまして、
同じ映画を見たときに、そうだよねーって感想になってたことに、
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自分でも、あの時と受ける印象が変わったなって思って、
で、それは何かを、私から何か例えば若さとか、
純粋さとか、なんかちょっと言葉にするとちょっと限定されてしまって、なんかもっとモヤモヤしてるものだけど、
そういうものがなくなったからなのか、もっと逆に手に何か新しいものを手に入れたからなのかは、ちょっと判断がつかないし、つけるのが怖いので、
私の何が変わったかそこで検証することは結構恐ろしくてやってないから、ほっちっちなんですけど、
とにかく受ける印象が変わったっていうのに結構びっくりしました。
あれからもう10年経ってるの?
経ってる。
経ってる?
経ってるよ。
経ってる、だって私大学卒業してすぐか、だったと思うので、福岡ででかい映画ポスター見たから、
経ってる、だって10年経ってるよ。
行くわ。
じゃあ僕が宮崎駿を倒さねばならんと思ってから10年経って、
10年の間にやったことほとんどないっていうことか。
そんなことないですよ。
だから宇野くんさんもう1回見てほしいです。
僕ね、時々見返してるよ。
そうなんですか。
ハードディスクに入ってるので。
そうなんだ。
なんか、やっぱ夢のシーンとかがすごい好きで、
カプラニが出てくるシーンはどれもすごくいいんですよね。
私あのカプラニのシーン怖かったんですよ、20代の時の時。
なんかこう、連れていかれそうな感じ。
すごく魅力的なものだということがわかるので、
ここで気を許したら連れていかれるっていう感覚だったけど、
宇野くんさんは行くなら行ったらいいじゃん、みたいな。
連れて行っちゃったらいいじゃん、みたいな。
いやー、そうだよね。
その感覚は両方とも正しいっていう感じじゃない?
そうそう、だからどっちもいい悪いではないから、
変化がなぜ起こったのか、自分を検証することが怖くて、
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もう蓋をしてるんですけど、ここについてはもう考えないとこって。
変わったということは確実なんだけど、
なぜかということについてはあまり深く考えないとこっていう感じなんですけど。
本当かどうかは知らないけど、
映画評論家の町山智博さんが
風立ちぬの評論で一番最後、
一番最後の夢のシーンで直子が確かに生きてっていう。
生きてっていう。
あれが元々の台本かプロットかなんかでは来てだった。
あー。
こっちに来いっていう。
うん。
だから連れて行かれそうなシーンになるためにずっと作ってたと思うよ、
宮崎駿の夢のシーンを。
それは直子が連れて行かせるような世界から救うということ?
カプローニの世界から直子が救うということ?
直子はもうその時死んでるから。
死後の世界に生きてほしいって。
夢の世界に。
カプローニは悪魔で、メフィストのベースで、直子は魔女じゃん。
そっか。
あれじゃないんだ。
そうそう。
少女じゃなくて。
そうそう。魔女と悪魔に連れて行かれそうになるっていう二郎が。
悪魔と取引をしたから、悪魔や魔女と取引をしたから彼はゼロ戦を作ることができたわけね。
そうそうそうそう。
そういう、それはそういう映画だということには間違いがないし、そこは変わりないんだけど、
それについては20代の私は恐ろしいっていう感想だったし、結局連れて行かれたわけじゃないですか。
連れて行かせたみたいな。
矢崎を連れて行かせちゃったみたいな。
これを発表するということは、連れて行かれるんだよっていう。
連れて行かれちゃうんだよ、だからしょうがないでしょっていうメッセージだったらしゃぶけとったので、
簡単に連れて行かれるって言うな、みたいな怒りだったんですけど。
だけど、それが怒りが全然なかった。
確かにね、魂でお引き換えにしたぐらいでゼロ戦を作れるんだったらもういいかなっていう気持ちになるよね。
なる。
じゃあしょうがない、それはしょうがないよねっていう。
それぐらいの値段だよねって感じで。
そうですね。
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でも連れて行かれる話だったら、その前の崖の上のポニョの時が僕はどっちかというとそういう印象だったっていうか、怖いっていう印象だったっていうか。
あれも不気味な映画ですね。
それまでの宮崎駿の映画って行ったら帰ってくる、行ったら帰ってくるっていう話だったのに。
帰ってこなかった。
帰ってこないんだと思って、だからあのポニョを作るときはあれが最後だって言ってたじゃん。
だからこれはあの宮崎駿おじいさんから全国の子供たちへの遺書なんだと思って。
これでおしまいですよ。
そうそうそう、これがもう行って帰ってこないんだなって、しんみりした気持ちであれを見たのに、風立ちぬのでもバッチバチのバッチバチの。
君はピラミッドのある世界とない世界どちらがいいかなって。
ちょっと黙って死んでてほしかったなみたいな。
そんなこと聞くのはやめてくださいっていう話ね。
で、ピラミッドの頂点に立つのに魂がいるって言われたら、まぁ魂ぐらいいいかなって今なってるってことだよね。
そうそう、そうですよね。
あとなんだろう、かわいらしい女の子が出てこない、風立ちぬは。
絶対誰かいたでしょ、今までは。
ちょっと現実には存在しないような素敵な女の子が主人公だったことが多かったじゃないですか。
だけどそういうのがいない、風立ちぬ。
でも最近僕たちがちょこちょこ見てる岡田斗司夫さんの話によると、
シータみたいな女の子がエボシゴゼンみたいな女性になり、それがドーラみたいな人になって、最終的にユバワみたいな人になる。
そういうのが宮崎駿の女性感だっていう話をしてて。
で、ナオコっていうのはまさにその全てを内包するようなキャラクターだったんじゃない?
あーそうかな。
彼の千と千尋の解説もすごく面白くて、ユバーバは意地悪だから千尋や博を囲ってるんじゃないっていう。
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彼女は非常に愛情深い人だからやってしまう。
束縛してるって感じ?
そうそうそうそう。
なんていうかね、それぞれユバーバとかエボシゴゼンとかには現実離れした理想像みたいなのが見えるんだけど、
ナオコは私にとってとても現実的な女の人に見えるんですよね。
あー。
リアルすぎるっていう。
先生どんな目にあったんですかっていう。
リアルすぎてちょっとあの、なんていうか、なんか私の心の奥底の飽きられたくない分の小路飽きられるみたいな気持ちになる。ナオコ。
あれ泉のシーンで喋りながら近づいてくるってやつだよね。
めっちゃ怖かった、あそこは。
あ、やばいこの人、ちょっと。
逃げてって感じ。
あの映画を見て血管患者の前でタバコを吸うなんて何事だって怒ってた人たちはどこを見てたんだっていう話なんだよね。
恐ろしい。
大した問題じゃない。
いや本当になんていうか、本当にあの女の人その、なんだろう、強さって純粋なドーラみたいな強さとかじゃない。
もっとこう、計算高いっていうか、下高さっていうか、他の人よりも10年先を見てる強さみたいな。
ナオコに感じるから。
でそこに命をかけるぐらいの覚悟みたいな。
ちょっとその今シータから全部並んだ誰よりも別格に強すぎるってなるよね。
だけどその強さリアルすぎるみたいな。
なんかその、勇気を持って飛び込めるとか、なんか飛行機を操縦するとかそういう勇気じゃない。
なんかすっごいどすぐろい強さを、どすぐろいってなんていうか、なんかとにかく恐ろしいんですよね。
叶わない感じ?
叶わない。
なんか悪いとは思わないんだけど、ししがみみたい。
どれとどれかって言ったら。
今までのキャラの中でナオコはどれって言ったらししがみみたい。
面白いね。
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皆さんも見てほしいですね。
ナオコをどう見るかっていうのかなりその人それぞれだと思うな。
ナオコみたいな人と結婚したいって言ってた人結構いたもんね、当時ね。
だからもうそれにも、もう一回見てって感じだった。本当にちゃんと見た。
もう養分にされる、養分に。
うん、そうそう。生と死のどちらも持つみたいな。ししがみみたい。
すごいよな。
あんなことを考えながら生きてる人が世の中にいるっていうのがすごいよね。
またちょっと、あとまた10年経ったら見たい。もう一回。また変わるかも。
宮崎、今の宮崎駿ぐらいの年になった時に見てみたいな。
それもいいですね。それはかなりいいですね。
あれを作ったぐらい。
作品を出した当時ぐらいの宮崎駿ぐらいになって、もう一回見るっていうのはかなりいいですね。また違うかも。
僕なんか、時間が経って何かに関する物の見方がすっごい変わったみたいな経験あんまりないんだよな。
そうなんですか。結構あるかな。
もともとあれじゃないですか、割と早い段階で完成されてるからじゃないですか。
酢飲むのとかかな。
酢飲むの?美味しくなった?
昔は酢飲むの嫌いだったけど、最近は好き。
そうなんですよね。
私たちでもこの10年ぐらいが一番変わった実感もあるから、
まあ、形にも変わったんだろうなっていう。
確かに。かえちゃんはあれだもんね。
無から人間を2人生み出してるからね。
そうそうそうそう。無から人間を2人生み出しましたからね。
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大事ですよね、それはやっぱり。
最近勉強してすごい面白かったのがさ、
昔は男性の生殖機能っていうのはよく分かってなかったんだって。
生殖における男性の役割っていうのはよく分かってなかったから、
全ての生命は女性が何らかの力で生み出してると思われてたらしいんだよね。
へー。
で、女性だけが何らかの力で生命を生み出してるという考えられてた時代には、
おそらく女性優位の社会だったんじゃないかと。
あー、なるほど。ひみことか?
えっとね、もっともっと前。
3万年前ぐらいの話。
へー。
で、1万年か1万5千年ぐらい前から、
男婚崇拝の塾とか像とかっていうのが出動するようになるらしくて、
おそらくそれぐらいの時に男性が生殖にどのような役割を果たすかっていうことに気がついたんじゃないかと。
へー。
で、そうすることによって、再生産の手段である女性の所有というのが人間にとって問題になり、
女性別資社会になっていく。
へー。
別資社会というか、女性を所有するという感覚の社会になっていく。
へー。
で、それまでは何か知らんけど生命を生み出す恐ろしい存在だった。
それは恐ろしいですね。
なんかみるみるお腹が大きくなってるからきっとそこから人間が出てくる。
そうそうそうそう。
神話とかもいろんな神話を分析すると、
実際には天地創造みたいなのがまず女性神がやってるみたいな神話の上に、
男性神が作り直すみたいな話みたいなのが出てくるみたいな。
へー。
へーですね。
そうそう。だから季節が巡ってくるのとかも、
女性の魔術的な力だと思われてた。
へー。
という話です。
今から人間を2人生み出してるからね。
そうですね。
その10年の間に僕がやったことは、時間とお金を無駄にしたことしかない。
あったものを無にしてる。
なかなか誰でもできることじゃないですよ。
そうそう。なかなか誰にでもできることじゃないことをやったがために、
意地悪を言われてもしょうがないって言われてるってことですね。
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僕も10年経ったら風立ちぬの見方が変わるかな。
ちょっと定期的に見ていくと面白い映画かもしれないですね。
確かに。定点観測する。
自分の感想。
定点観測してる映画ってやっぱりアニーホールとかあるんだけど。
うん。特に?
特に。何回見てもいいなーって思う。
そうなんだ。
アニーホールをいいと思う男の人はダメな人だと思うんだけど、いいなーって思います。
じゃあ、そろそろ閉じましょうか。
はい。
それではありがとうございました。
ありがとうございました。
ムロでした。
カイジした。さよなら。
さよなら。