1. のらじお
  2. 不在の他者への敬意
2024-11-29 39:46

不在の他者への敬意

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リスペクトすりゃいいってわけじゃない。

サマリー

エピソードでは、大蔵爺さんとガンの物語を通じて、狩人の傲慢さや生き物への敬意の重要性が考察されています。特に、大蔵爺さんのガンに対する敵意が、思いがけず残雪によって変化していく過程が描かれ、人間の支配欲と自然との関係性が問い直されています。また、足立ガ原とエッグスタンドという二つの物語を通じて、登場人物たちの複雑な運命や殺し合いの心情が探求されています。UKとヤマンバ、ユダヤ人の女の子と暗殺者の関係が描かれ、他者への敬意と存在意義について考えさせられます。このエピソードでは、他者への敬意や勝手な解釈についての洞察が語られ、特にガンとの戦いを通じて、卑怯な行動や真摯な姿勢がテーマに取り上げられています。

大蔵爺さんの物語
スピーカー 2
こんにちは、のらじおのmuroです。
スピーカー 1
こんにちは、かえです。
スピーカー 2
今日、何の話ですかね?
スピーカー 1
今日は、うちの子供、次男が今、小学校5年生なんですけど、
なんか、ぽいって、リビングに、国語の教科書を置いてあって、
スピーカー 2
国語の教科書?
スピーカー 1
そうそう。で、どんなのをやってるのかなと思って、パーって見てたら、大蔵爺さんとガンがあって、
大蔵爺さんとガン、あったなと思って、自分の時にも、教科書に載ってました?
スピーカー 2
わかんない。教科書に載ってたと思うんだけど、正確には覚えてないけど、大蔵爺さんとガンはどこかで読んだから、多分教科書なんでしょうね。
スピーカー 1
それで、私もこれを読んだ覚えはあったけど、内容すっかり忘れて、どんな話だったかなと思って、読んでみたら、
あれ、なんか、こんな話だったんだって、思ったんですけど。
スピーカー 2
なんか、大蔵爺さんとガンって、ガンを、なんか、すげえ強えガンかなんかを倒すために、大蔵爺さんが頑張る話だよね?
スピーカー 1
そうそうそう。大蔵爺さんっていうのは、ガンの狩人なんですけど、ガンは渡り鳥で、群れでやってくるんですね。
それで、ガンの群れの中に、すごい賢いやつがいて、
その鳥がすごく賢いから、狩りがしにくいんですよ、大蔵爺さんが。
だから、そのガンに残雪っていう、残った雪っていう名前をつけて、
それは、胸のとこに白い模様があって、それが残ってる雪みたいだから、
残雪って名前つけて、恨んでたんですよ。こいつのせいでガンが取れないって、大蔵爺さんは敵意を持ってたんですけど、
で、全然、その残雪のせいでガンが取れないから、
大蔵爺さんは思いついて、群れの中の一羽をつかまえて、一年間飼いならして、合図を送ったら飛ぶように訓練して、
群れがまた戻ってきたときに、そいつをまぎれこませて、合図で飛ばせて、群れを混乱させて、残雪に一羽吹かせてやろうっていう作戦を立てるんですね。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
それで、それを実行するんですけど、
それを合図を送って、群れを混乱させる作戦をやろうと思ったときに、その合図に反して、いきなりまたガンが騒ぎ出す。ガンの群れが。
なぜかというと、早草が襲いかかってくるんですよ。思いがけず早草がガンを襲いかかる。
で、バーってみんな逃げたんだけど、一匹逃げ遅れたやつがいて、それは大蔵爺さんのガンが飼いならしてたガンだったんですよ。
一匹はずっと人間に飼われちゃって、野生の本能が働かなくて逃げ遅れて、早草に襲われるんですね。
それを大蔵爺さんが憎んでいた賢い残雪が助けるんですよ。
群れの裏切り者である大蔵爺さんが飼いならしたガンの子と助けに舞い戻ってきて、そいつを助けて残雪は怪我をする。
で、大蔵爺さんはその姿を見て、鳥とは思えない尊敬の念を持ち、残雪を保護して、怪我を治療して、また自然に返して、今度こそ正々堂々戦おうな、みたいな声をかけるっていう話。
傲慢な狩人の反省
スピーカー 1
なんですけど、なんか小学校のとき、読んだときのうっすらとした記憶では、いい話だなって思った記憶があったんですよ。
スピーカー 2
なんかいい話だなっていうジャンルの引き出しに入れてたんですけど、これなんか読み返してみたら、なんて傲慢な話なんだよ。
スピーカー 1
自然の中で知恵を働かせて、生きている鳥に勝手に敵対心を燃やして、それをなんか騙し討ちみたいにしようとしたところを思いがけず、
別の配偶さんにやられた残雪を見て、勝手に自分の卑怯さみたいなものを後悔し、保護して、治療して、解き放つって、この人一体何をやっているんだと思って。
最初のがんを狩りで捕まえて、食べるためだと思うんですけど、食べるために鳥を捕まえるっていう目的から、もう残雪と戦うっていう目標に勝手にシフトして、
しかもそれで、なんか自分のその卑怯さみたいなのを勝手に後悔して、またその残雪を野に放つって、なんて支配者の振る舞いなんだと思ったっていう話。
スピーカー 2
はい。
おっしゃる通りですね。
おっしゃる通りですね。
スピーカー 1
2回言った。
スピーカー 2
でも、そうね、なんか、コメント難しいな。
大蔵おじいさんとがんにも大蔵にも残雪にも思い入れがないから、そうだなって思った。
スピーカー 1
おっしゃる通りだな、みたいな。
スピーカー 2
ここは違うよ、みたいな話が全然できないから、うん、まあそうだねっていう感じになった。
なんか、あれだね、ポイントとしてはさ、なんていうんだろう、それが小学校5年生の教科書に載ってるということの意味は考えないといけないみたいな感じかもね。
スピーカー 1
うん、それも思って、まあこれ教科書だから、それ終わった後に、学習の指導要項みたいな、その次のページから考えようみたいなやつあるんですけど、
それは、なんていうんだろう、内容の解釈とかは、案内としては全然なくて、
この物語は表現の美しさを見るものとして取り上げられて、残雪の胸の白いところに血が染まる描写とか、白い部分に赤い血が染まる描写とか、あと羽の散る様子の表現とか、
そういうなんか、描写の美しさを読み取ろう、みたいなのが、なんか主な学習のポイントになっていて、あとはその登場人物の身長の移り変わりを捉えようって。
なんか、この物語からこういうことを、教訓みたいなものとして取ってほしい、みたいなことは一切書いてないんですけど、っていう。
スピーカー 2
そうかもしれないが、教科書に話が載ってくるっていうのは、それを基本的なものとして受け取るからな、普通。
スピーカー 1
そうですね、それはまあそうかなと思いますね。なんかこの物語をその、表現、その、描写の表現以上に、美的ポイントを取るならば、たぶんその大蔵爺さんの心の移り変わり、
自分の、ちょっと卑怯な手を使って斬説を一泡吹かせてやろうとした自分に対して、その態度を食いるっていうところが、美点としてあるかなと思うんですけど、私はそうは思わないっていう感じですね。
私は大蔵爺さんは斬説を食べるべきだったと思うんですよ。狩りをして、食べるために狩りをして、ガンを捕まえたのであれば、それは食べるべきだろうって思った。
スピーカー 2
斬説をね。
スピーカー 1
うん、勝手に微断にして逃がしてんじゃねえよ、どんだけ傲慢な態度なんだ、それこそっていう感じ。
スピーカー 2
そうね。まあ、なんていうかな。狩人として圧倒的有利な局面にいながら、その自意識なんだみたいなのはやっぱあるよね。
うんうんうんうん。
なんていうかな。確かに狩人からしてみれば、狩りを捕まえらんないみたいなのっていうのは、敵もあっぱれみたいなことになるのかもしれないけど、でも別に狩人はガンから殺されることはないから、ガンは狩人に殺されるのであるがみたいな。
その力の不均衡みたいなものに大蔵爺さんはずっと無自覚であるみたいなのがある。
物語の教訓
スピーカー 1
そうそう。それをもう、全部が一方的な感情の押し付けなのに、だからそれは結局最後、尊敬するっていうとこまで全部そうじゃんみたいな。
スピーカー 2
おっしゃる通り。
スピーカー 1
思ったっていう話。
おっしゃる通りだね。おっしゃる通り。
私、すごい好きな、一番好きな手塚治虫の短編があって、それは足立がはらっていう、なんか歌舞伎の演目を題材にした話なんですね。
話は単純ってわかりやすいんですけど、どういう話かというと、
なんか社会、恋人同士のカップルがいるんですけど、その人たちはずっと政府に対して、反政府組織みたいな感じで戦ってたんですね。
デモしたりして。
デモ活動したり、逃走したり。
スピーカー 2
当時の全共党の戦ってたみたいなのを、宇宙を舞台にしてやってるやつだよね、確かね、足立がはらって。
スピーカー 1
そうそう、最初は国内で政府と反政府、全共党みたいな感じで戦ってたんだけど、それがだんだん宇宙規模になってきて、恋人の、うちの男の子のほうが、革命政府のほうについて宇宙に行ったりして、革命は成功するんですよ。
で、恋人の女の子は地球に残して、自分は宇宙に行って、革命は成功するんだけど、なんか上手に説明できないな。
なんか、その革命政府がちょっと、学生の時にその人たちが目指したものとちょっと形が変わってきちゃって、本当にその人たちが目指したものとは違うものになってしまった。
で、その、宇宙で眠らされたりしながら、てんてんとしてて、その男のほうは、女の子はずっと地球で、変わってしまった政府とまた戦ったりしてたんだけど、それをしながら、恋人の帰りをずっと待ってた。
で、帰ってこない恋人に、もう一度会うために、仕方なく、星に逃げたり、その星にやってくるまた政府の人を殺して、人の肉を食って、生きながら続けた。
それはもう、目的は恋人にもう一度会うため。
で、たまたまその星に、その革命政府、変わってしまった革命政府の一員として、その人食いババアを倒しにやってくるんですよ、恋人が。もともとの恋人だと知らずに。
こういう人、自分たちの仲間である革命政府の人間を、片っ端から食い荒らしている妖怪みたいな女が、あの星にいるから、調べて、殺してこいって言われていく。
で、最初はあの、これちょっとなんか上手に説明できない。これ全カットしようかな。なんか上手に説明できないな。
アダチェカハラ読んだことあります?これもちょっと全カットしてほしいんですけど、今までのやつ。上手に。
なんかアダチェカハラね、ちょっとね、あんまり正確に覚えてなくて、ちょっと僕も今助けようと思って検索してたんだけど、正確なあらすじを思い出せなくて。
スピーカー 2
これちょっと難しいな、なんか。
スピーカー 1
で、殺してしまって気づくんでしょ、女の子が。
違うんですよ、これ、死ぬ前に、おばあさんの昔話を聞いておくれって言って、全部告白されるんですよ。自分はあなたの人だったってことを告白させて、もうこれで私は気が済んだから、殺してくれって。
で、男の子のほうは宇宙を飛び回ってるから姿は変わってない、若いままで、女の子はずっとただ時を経たから、おばあさんなんですけど、もう見た目も何もかも変わってしまったから、殺してくれって言って、泣きながら、その男の子は女の子を殺すんですよ。
で、これをなぜ殺してしまったのかっていうのをずっと考えてて、この話ずっと好きなんですけど、
大蔵じいさんとガン呼んだときに、なぜ私がこの話が好きなのか分かったっていう感じ。
スピーカー 2
なんで?
スピーカー 1
恋人、殺さなくてもよかったじゃん、ここで、おばあさんのほうが死ぬまで一緒に暮らせばよかったじゃんって、なんで殺したんだろうって思って。
でも、自分はそこに、その人を殺しに来たっていう、いや、なんかこれ説明できないな。
なんか、説明できないけど、なぜ私がこれが好きか分かったって感じなんですよね。
これちょっと難しいな。
あと、エッグスタンドも結構似た感じで好き。
スピーカー 2
エッグス?
スピーカー 1
エッグスタンドって、
スピーカー 2
エッグスタンドね、萩生元のやつね。
スピーカー 1
エッグスタンドのやつも、殺さなくてよかったじゃんって思ったけど。
スピーカー 2
そうなんだ。
足立ガ原の物語
スピーカー 2
アダチガハラも、エッグスタンドの話を、ちょっと編集上うまく入るか分かんないけど、アダチガハラ、僕が今思い出してるっていうか、頭の中で勝手に創作してるかもしれないんだけど、
僕の考えるアダチガハラのあらすじっていうのは、宇宙捜査官のUKという男の子がいて、その人に出された指令っていうのは、ある星に住んでいる人間を食うヤマンバを殺してくれっていう指示だったと。
で、そのヤマンバを殺しにやってきて、で、ヤマンバが自分を殺すのはいいんだけど、その前に自分の話を聞いてくれというわけだよね。
で、その自分の話を聞くと、だんだん聞くと、その人が実はそのUKの昔の恋人であるっていうことが分かるんだよね。
で、なぜヤマンバになってしまったかっていうと、UKは元々革命運動、UKとUKの恋人っていうのは元々革命運動に参加してたんだけど、UKは捕まって、宇宙に抜刑されちゃうんだよね。
で、その抜刑されちゃった間に、宇宙にいるもんだから、なんか抜刑されるか、なんか冬眠剤みたいになるのか、要は冷凍冬眠されちゃうっていうことなんだよね。
で、ただ恋人の方はそのまんま戦い続けて、で、革命政府が勝つんだよね。で、革命政府が勝つんだけど、その革命政府が腐敗してしまうんだよね。
で、その腐敗していた革命政府に敵対して、その恋人の方は逃げていくんだけれども、その復活したUKっていうのを、革命政府はUKを復活するわけだよね。
自分の革命に参加した勇敢な戦士として英雄として復活させて、で、宇宙捜査官の役を与えて、で、そのUKは宇宙捜査官として今度は活躍してしまいますよっていうことで、で、ヤマンバのところに送られていたっていうことが分かるんだと。
で、そのおばあさんはもう自分は置いてしまったし、ここで人間もたくさん殺して食べてしまったので、あなたにもう殺されることだけが望みですって言って、で、UKはおばあさんを殺しちゃうっていうことだよね。
で、もう一つ萩尾本のエッグスタンドはどういう話かっていうと、ユダヤ人の第二次世界大戦中のパリでユダヤ人の女の子がいるんだけど、ユダヤ人の女の子は自分がユダヤ人であることを隠してナチスの将校に体を打って生活してるんだよね。
で、そこに寡黙な男の子っていうのがやってくるんだけど、この寡黙な男の子は後でね、だんだん物語を読むことによって分かるんだけれども、自分の田舎でお母さんを殺してパリに出てきて、で、ブラブラしているところを男の子が好きなナチスの将校みたいな、違うな、レジスタンスの偉い人かなんかに捕まって、
で、性的に搾取されながらナチスの将校を色仕掛けをして、そのまま殺してしまうっていうのを生業にしている男の子なんだよね。
で、そのユダヤ人の女の子が、アクシデント的にゲスタプに居場所を見つかって、逃げようと思って屋根に登って、そのまま屋根から落ちて死んじゃうんだと。
で、その男の子は、なんだっけ、そのユダヤ人の女の子と付き合ってたナチスの将校を殺すんだっけ、誰を殺すのかな。
スピーカー 1
自分を雇ってたやつ。
スピーカー 2
自分を雇ってたレジスタンスの偉い人を殺すのか。
スピーカー 1
そうそう、そうそう。
スピーカー 2
っていうことだよね。
で、実はその間に、ユダヤ人、あ、そうだっけ、それで最後、そのユダヤ人の女の子と暗殺者の男の子が同棲している途中で一緒に住むことになるんだけど、兄弟みたいな感じで。
スピーカー 1
で、そこにもう一人男がやってきて一緒に住む奇妙な共同生活が始まるんだよね、確かね。
で、そのもう一人一緒に生活していた男っていうのが、その暗殺者の男の子がレジスタンスの偉い人を殺しちゃうっていうのを見るかなんかするんだよね、確かね。
スピーカー 2
で、最後、そのもう一人一緒に住んでいた男が、その暗殺者の男の子を殺しちゃうっていうらしさだったような気がする。
運命の重み
スピーカー 1
うん、そう。
で、かえちゃんは、なんでその男が暗殺者の男の子を殺しちゃったのかっていうことを考えているってこと?
そう。
なるほどね。
殺さなくてもよかった。殺さない選択肢もあった。
スピーカー 2
はいはいはいはい。確かに。殺さない選択肢もあったけど、いやでもね、僕ね、その足立ヶ原を読んだ時も、エッグスタンドを読んだ時も殺さない選択肢があるとは思わなかった。殺すしかないと思った。
スピーカー 1
そうなんだ。
いや、そう、あの、いや、どっちも殺してほしい。たぶん本当に殺してほしいがってた。
スピーカー 2
だよね。エッグスタンドの男の子も足立ヶ原の鬼婆婆も本当に殺してほしかったんだよね。
スピーカー 1
うんうん。もう、なんか罪を重ねながら生きてきて、罪を重ねるしか生きる方法がなかった。でも、生きる目的があったからそれで生きながらえてきたけど、目的はなくなった。
スピーカー 2
そうね。復讐して、自分を愛してくれたユダヤ人の女の子に対する復讐をして、それでもう目的がなくなったわけね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
スピーカー 2
足立ヶ原の女の人も、UKにもう一度会うっていう目的があったんだけど、会ってしまったから目的がなくなっちゃったわけね。
スピーカー 1
そう。それで、それを理解したから、撃った方はどちらも、殺した方はどちらも殺した。分かる。分かるけど、分かるけどっていうのがあって、どっちもすごい好きなんですけど、
殺しても欲しがっていると完全に理解したから殺したけど、この殺した方の辛さよっていう、殺されたがってて殺しただろうけど、あなたは殺したくなかったよねっていうのがあるんですよね。
だけど、なんか、それぞれの運命みたいなものをすごく感じるんですよ、このどっちの話も。感情を超えた運命的なものに思いを馳せるみたいな感じなんですけど、どっちの話も。
だからその、殺した方がいいとか殺さない方がいいとか殺す選択肢がない以上に、こうするしかなかった者たちの思いみたいなのをすごい考え続けてるんですけども、何年も。
みたいなことがあり、大蔵爺さんとガンを読むと、勝手すぎるだろうってすごい思う。
スピーカー 2
そうね、何の運命もなかったからね、大蔵爺さんと斬雪の間にはね。
スピーカー 1
何の、何ていうか、理解もない。
スピーカー 2
大蔵爺さんの一人相撲だからね。
一方的すぎる。
大蔵爺さんにとって他者がいないっていう話だからね。
そう。
斬雪だから成立してるけど、人間だったらやべえ話だからなっていう話だよね。
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
いい話じゃないからっていう。
スピーカー 1
そう。そうなんですよね。
で、足立がはらもエッグスタンドも、この話すごい好きだってずっと思ったんですよ。
すごいずっと考え続けてるし、何かあれば思い出すとっていう話なんですけど、
なんかこう上手に、それのどこが好きなのかが、はっきりしなくて。
それも考え続けてた人の要因なんですけど、でも大蔵爺さんとガンを読んで、
スピーカー 2
なぜこれらの話が好きかっていうのが、自分の中で分かったって感じなんですよ。
スピーカー 1
これになくて、こっちにあるものみたいなのが対比で分かった。
スピーカー 2
大丈夫かな、この話。
スピーカー 1
なんかこう、結局殺してしまったんだけど、このエッグスタンドも足立がはらも。
殺されるほうと殺したほうになっちゃったんだけど、それがとても理解し合った結果だっていう感じなんですよね。
スピーカー 2
そうね。
スピーカー 1
でも大蔵爺さんとガンは、本当に残説の預かり知らない話なんですよ、全部。
スピーカー 2
そうね。
何のこっちゃって感じじゃないですか、残説から見たら。
残説からするとね。
スピーカー 1
見たのがイライラするんですよね。
スピーカー 2
そうね。他者がいないからね。
スピーカー 1
勝手なことをしやがってよ、みたいな気持ちになる。
スピーカー 2
やっぱあれなんですかね、他者性のなさみたいなのにイラつくんですかね。
スピーカー 1
あー。
スピーカー 2
新海誠もそうだもんね。
スピーカー 1
新海誠もそうですね、確かに。確かに、そう。
スピーカー 2
大蔵爺さんとガンと新海誠は同じですからね。
スピーカー 1
確かに、そうですね。そう、わかる。そうなんですよね。
スピーカー 2
ね。
スピーカー 1
そう。
スピーカー 2
新海誠に出てきた猫の大人は、残説と一緒ですからね。
スピーカー 1
そうそう。そう、本当に。猫の自我とかはマジで無視ですからね。
無視だね。
そう。で、私はこの話は大蔵爺さんが泣きながら残説を食べていたら、すごく好きになってたと思うんですよね。
スピーカー 2
泣きながら残説を食べる。
スピーカー 1
最後まで残説を狩りをする獲物だというふうに貫いたら、どんなに尊敬の念を持っても、
それをやったら、残説にとっては預かり知らないんだけども、それにしても。
ただ立場を一貫していたら、うめめいたものが生まれた。
スピーカー 2
立場を一貫してるよね。
なるほどね。
立場を一貫することによって大蔵爺さんの魂が見れたら、みたいなところだよね。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
この大蔵爺さんの振る舞いだと、なんかよく何にもわかってない人みたいな感じになっちゃうんだよね。
そうそうそうそう。変わってない人。
なんかこだって強そうだけど、なんか思いついたことやってるだけみたいな。
そうそう。
この大蔵爺さんの行動を一貫する大蔵爺さんの魂めいたものが何にも感じられないってことだもんね。
スピーカー 1
そうそうそう。
だし、一個一個自分の都合のいいように勝手に美化して。
解釈してね。
そうそうそう。
うん。
ね。だし、その、まあ斬雪によって助けられ、ハヤブさんなんは逃れたとしても、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
もう意識にも昇っていない、解き放たれ、飼い慣らされたガンはきっとそのうち死ぬし、みたいな。
うん。
スピーカー 2
そいつも食っとけばよかったんだよ、っていうかもしれない。
僕は斬雪を野に放した後に仏門に入ればよかったと思う。
スピーカー 1
ああ、それもありますね。
うん。
それもある。
うん。
スピーカー 2
すべてを反省して。
スピーカー 1
それも態度が一貫して。
スピーカー 2
うん。
俺は負けたし、すべておしまいだったっていう、俺は悪かったって思って。
スピーカー 1
この一切、もう拙者はしないということでしょ。
スピーカー 2
そう。
スピーカー 1
うん。
うん。
スピーカー 2
すべての罪を背負うっていう話。
スピーカー 1
それも運命めいたものがありますね。
スピーカー 2
あると思う。
スピーカー 1
ある。
スピーカー 2
でもこれは最後、来年また戦おう、みたいになってるから。
意味がわからないですね。
意味がわからない。
戦いじゃないからね、斬雪にとってはね。
スピーカー 1
そう。
斬雪、マジで意味わからない。斬雪からしたらマジで意味不明ですよね。
うん。怖い。
捕まったと思ったら治療され、解き放たれたと思ったら帰ってきたら撃たれるんですよ。意味がわからない。
スピーカー 2
でもそういう人いるもんな、思い。
なんか、そういう、そういう、なんか、謎の人。
他者への敬意
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
うん、確かに。
まあ、同じことをしてるんですよね、たぶんね。
勝手に解釈し、勝手に美化し、自分のいいように、都合のいいように物語を構成し、傍若無事に振る舞っている。
いる。
そういう人だと思いませんでした、みたいなメッセージを送ってくる人いるもんね。
スピーカー 2
あんた、僕のポッドキャスト聞いてるだけでしょ、と。
スピーカー 1
編集されてんだよ、ポッドキャストって、っていう。
スピーカー 2
20年来のまぶだじとかだけだよ、それ言っていいのって。
それは本当に、限定された情報について、それを見てこんな人だと思わなかったって。
それはその情報で、影響したあんたサイズの問題だよって僕は思うんだけど、これからそういう人のことを大蔵爺さんって呼びます。
スピーカー 1
大蔵爺さんだって、このじゃあ翌年、ガンの群れ帰ってきて、またなんかアヤブサとかが目の前に落ちたときに、ザンセツが一番に逃げたら言いますよ、同じこと。そういう人だと思わなかったって。
スピーカー 2
言うでしょうね。
スピーカー 1
絶対言う。絶対言うから。
スピーカー 2
繁殖地でリーダーの交代があって、ザンセツがリーダーじゃなくなってて、別のリーダーの判断が遅れてザンセツだけ逃げて、みたいなことになったら言うでしょうね。
スピーカー 1
絶対言う。
スピーカー 2
お前そんなやつだったのかって。
スピーカー 1
絶対言う。
スピーカー 2
なんなんだよ。
スピーカー 1
絶対言う。絶対言うもん。
スピーカー 2
言うね。やっぱ仏門に入るべきだよ。ガンに負けてんだからさ。
スピーカー 1
仏門に入るのもいいぞ。
スピーカー 2
治療して。
スピーカー 1
逃がしたんだったらね。
スピーカー 2
そうそう。
スピーカー 1
仏門に入って、今後一切摂取はしない。
スピーカー 2
勝負だって言ってやってんじゃん。
スピーカー 1
そう。負けたからね。
スピーカー 2
そう、負けたんだよね。もう一回やろうじゃないんだよ。子供と正気やってんじゃないんだからさ。もう一曲もう一曲じゃないんだよ。おしまいなんだよ。負けたんだから。
スピーカー 1
本当にそう。本当にそうなんですよ。
ね。
本当にそう。
スピーカー 2
それもう分かってないね。もう本当。
どうやって生きていけんだ俺まで。じいじさんになって。本当に。怒られるよ。
日光当省軍に行っておみくじ引いたらいい?
スピーカー 1
うん。絶対7文字のやつですよ。
スピーカー 2
7文字の。身の程を知れって書いてるから。絶対。
スピーカー 1
そうでしょ。
8番のみくじになるから。
だめだめ。
スピーカー 2
だめだね。存在かかっててほしいね。
スピーカー 1
確かに表現が美しいとこあるけど。
存在かかっててほしい。勝負だっつってんだから自分で。勝手に。
スピーカー 2
決めたのお前やからなっていう話だよね。
スピーカー 1
最後のとこ読みますよ。
おいガンの英雄よ、お前みたいな偉い奴を、俺は卑怯なやり方でやっつけたかはないぞ。
なあおい、今年の冬も仲間を連れて沼地にやってこいよ。
真摯な姿勢
スピーカー 1
そうして俺たちはまた堂々と戦おうじゃないか。
大豆おじいさんは鼻の下に立って、大きな声でガンに呼びかけました。
そうして斬雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。
いつまでもいつまでも見守っていました。です。
おしまいです。
勝手なんだよ。勝手すぎる。
スピーカー 2
せいせい堂々と戦おうよじゃないんだよな。卑怯なまねしたらお前だろって話だから。
スピーカー 1
本当にそう。本当にそうなんですよね。
スピーカー 2
そこじゃないんだよな。ずっとずれてる人って感じだよな。
スピーカー 1
ずっとずれてる人。ずっと勝手に盛り上がってる人。
ギリギリだなあ。
小学校でこれやるからそういう人がいるんですよ。
スピーカー 2
でしょうね。それがせいせい堂々として良いことだと思ってんでしょうね。
スピーカー 1
そうそう。
スピーカー 2
違うからなあ。ちょっと違うよって言ったし。
スピーカー 1
違うよって。
スピーカー 2
ですね。こんな感じですかね。
こんな感じですかね。
おいリスナーのみんな、また次回の更新をせいせい堂々と聞いてくれよな。
それではまたお会いしましょう。ごきげんよう。
ごきげんよう。
39:46

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