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MAYO
Beside the Seaside プロデューサー兼 家業アトツギの永野 真代です。
MISAKI
アートディレクター兼デザイナーの 髙橋 美沙紀です。
MAYO
東京と茨城の海沿いの街との 二拠点生活をしている私たちが、
人生のA面、B面、C面について あれこれと語る言語化雑談番組です。
今日は、はてスン回。
やっと語れる「虎に翼」
MAYO
はてスンといえば、虎に翼。
MISAKI
見てます。
MAYO
もうね、あ、見てます?
MISAKI
見てます。
MAYO
虎に翼は、もう本当に各所ですでに 取り上げられているので、
今さら何を、っていう感じもしますが、
やっと取り上げられるかなっていう 精神状態になってきたので、
しゃべろうと思います。
それまでは、もう本当に刺さりすぎて、つらすぎて、
言語化できなかった。
MISAKI
それはあるかもね。
MAYO
もう本当に、我がことのように受け止めすぎてしまって、
毎回、毎話毎話、2回は見て、ダイジェスト版も見て、
ようやく消化するみたいな。
MISAKI
そうね、オンタイムで見ながら、だから録画はしてるのね。
それで見て、オンタイムで見ると、やっぱその後、出勤しなきゃいけない。
MAYO
ほんとそれ、つらくて、ちょっとしばらく立ち上がれない回もあったりして。
今、私たちがこの収録している時点では、
はてはて言っていたトラちゃんが、戦争終戦を迎えて、
スンスン期からなかなか抜け出せない自分にもがきつつ、
ようやく、はて?が再び繰り出された。
はて?を取り戻したあたりですね。
見てない方に一応言っておくと、その、はて?とスンの意味を言うと、
はて?はトラちゃんという主人公が、
世の中の構造、特に女性が置かれている社会的地位にひも付く、
え、おかしくない?みたいな時に疑問に思ったら、
口に出す口癖で、
スンはトラちゃんだけじゃなくて、
いやー、それどうやねんみたいな、
なんかどうなんだろうって言いたいことはあるが、
つい自主規制、自己抑制してしまって言えない状態の時に、
よくスンっていうナレーションが入る。
MISAKI
あれ発明だよね。
MAYO
発明ですよね。
MISAKI
スンって、今説明してくれたけどさ、
それを一言で表せるってすごいなって思いながら見てました。
MAYO
ほんとだよね。
どっちも覚えがあるっていうか、
はてはて言っていた自分もいるし、
でも、はてが様々な理由から言えなくなって、スンってしてた。
今もそうかもしれないけど、スンってしてる時もあるし、
でも、はてって言いたいって思う欲求もあるし、
どの時期のトラちゃんもすごくよく刺さるなっていう。
MISAKI
そうだね。
MAYO
そんな虎翼ですが、個人的に刺さったところを、
もう100個ぐらい、いや1万個ぐらいあるんだけど、
MISAKI
すごいな。
MAYO
あえて2つぐらいに絞って、今回はできたらなと思ってます。
MISAKI
なるほど。
降参です
MAYO
1つ目は、降参です。
MISAKI
はい。
MAYO
トラちゃんが、本当に心血を注いで得た弁護士への道を断念した時に、
お母さんに対して言った言葉。
お母さんが言った通り、地獄の道でしたと。
私なりに頑張ったけれど、降参ですって言ってました。
何回か前の回でさ、諦めるの話したじゃないですか。
だから私的には、その時点で、その事象に対して明らかにして見極めて断念したっていうことなんだけど、
ずっとその後、トラちゃんはそれを負の十字架として背負っていて、
いつの間にか逃げ出したって言葉に変わってるんだよね。
MISAKI
やっぱ思った?私もそこを注目してて。
すごく一度逃げ出した身でとかっていうセリフもあったり、
私そういうイメージ、彼女に抱いてなくって、ちょっと違和感を感じるところではあったんだよね。
MAYO
なんだろう、違和感というか、そう思っちゃう気持ちはすごくよくわかる。
MISAKI
そう、そっか。
MAYO
結婚も出産もせずにバリバリやっている同性で第一線を走っているみたいな人もいる中で、
自分は結婚も出産も選んで、でも仕事も頑張りたいっていう、どっちも得たい。
でもその二兎追うもの一兎も得ずと捉えるのかっていうジレンマみたいなのは、
私が出産をした10年以上前、全然色濃くあって。
MISAKI
じゃあ、ああいう感情に覚えがあるっていう感じ?
MAYO
そうだよね。
なんか好きで結婚して好きで子供産んだんでしょって言われちゃうと、まあそうですね、みたいな。
別に逃げだって思ってなかったけど、でも独身でバリバリ働くっていう道は選ばなかった。
違う幸せの道も追求したかった。
それが逃げだって言われちゃうと、まあ逃げなのかもしれないなとか。
MISAKI
そうなんだ、私はあれ、それって逃げなのかってずっと引っかかっちゃっててさ。
MAYO
うんうん。
なんか今はもう会社も辞めたし、その戦い自体から私は降りてるから冷静に見られるけど、
今ももし一つの会社でワーママとして第一線で頑張ってたら、逃げだって思われたくなくて、
あんまり家庭の事情のことが喋れないとかそういう気持ち?
結局私は出してたんだけど、出せなかった時もあるから、なんか気持ちはわかるんだけど、
その上で、でも今そうじゃない立場になって、改めて思うのは、いや逃げじゃなくて、その時点で断念しただけ。
もう一度法曹の道で頑張りたいっていう時に、桂場さん、一度君は断念しただろうって言われて、
いやそうだけど、今は子供たちや親を養わなきゃいけないんでって言って入ったんだよね。
その後、そうは言ったが、確かに家族は養わなければならないが、そうじゃなくて私は司法が好きなんだみたいな。
私は司法の道が好きで戻ってきたんだっていうふうに啖呵を切るシーンがあるんだよね。
MISAKI
あるね。
MAYO
ただ、桂場さんは別にお前は逃げ出したって言ってなくて、断念したんだろって言っただけなのに、
自分では拡大解釈して、逃げ出したっていう言葉をずっとまた十字架、負の十字架として背負っていたけど、
いやそうじゃなくて、ただ断念しただけだったんです。好きなんで戻ってきましたっていうふうになった、そのプロセスがすごく好きっていう。
MISAKI
リアルだった、その経緯が。
MAYO
うん。
MISAKI
なるほどね。
そっかそっか、私は、経験者は語るなのかな、分かんないけど、ずっと寄り添えないまま見てた、そこのシーンは。
すごい十字架背負ってるな、背負いすぎてるなと思ったし。
なんでそんな発想になっちゃうのかなって、なんかほんと、見守る気持ちで見てました、その回は。
なるほどね、そっか。
MAYO
なんだろう、なんか、逃げ出すっていう表現そのものが、リゲイン男性戦士の中での目線だよね。
MISAKI
そうね。
MAYO
ここが戦場の場、男性社会で働くっていう戦場の場で、一方で子育て、専業主婦になるってことは、その男性たちが築いた家庭という、守られた中で、庇護の中で過ごしている、いわばお花畑。
対比するならば、戦場とお花畑みたいなふうに、勝手に作り上げられた世界観に、やっぱり結婚、出産すると、一旦そうなのかなって思っちゃうんだよね。
MISAKI
なるほどね。
MAYO
私、お花畑側なのかなとか。
MISAKI
そっか。
MAYO
そんなことないんだよ、子育てってすごく尊いし、めちゃくちゃ大変だし。
MISAKI
戦場の種類が違うだけだよねって思っちゃうんだけどね。
MAYO
実際に子育てした私もそう思うんだけど、世の中はそう見てない。
世の中の過半数いる男性たちから、そのように浴びせられ続けると、そうなのかなって思っちゃうんだよね。
MISAKI
ちょっと暗示にも近い感じか。
MAYO
そうだね、呪いだね、スティグマというか。
それはそうで、守っていただいたことには感謝なんだけれども、自分が頑張りたいってときに、それを押さえつけられるのは違うんじゃないかっていうのを、多分民法改正を通して、寅ちゃんは言ったんだよね。
大きなお世話と言いますか。
保守派の先生に対して言うんだよね。
家を守るがあまり、個人が尊重されないっていうことは違うと思う。
MISAKI
あそこの問題をNHKでやってるって、なかなかすごいなって思いながら見てたけどね。
MAYO
本当だよね。
女性政治家たちが、なんで男性たちはこんなに家社会を守りたいんだみたいなことを寅ちゃんに聞いたら、
寅ちゃんが歴史的家族感を守りたいっていう、みたいな風に言ったら、歴史的ってみたいな、明治から始まったやつじゃないですかみたいな。
MISAKI
あそこね、笑っちゃった。
MAYO
いや本当それなんだけど、それをNHKで繰り出したのすごいっていう。
MISAKI
うん、本当。
MAYO
なんか気骨を感じましたね、NHKドラマ部の。
MISAKI
そうそうそう、それは感じました、本当に。
なんかね、私が印象に残ってるシーンで言うと、よねさんいたじゃないですか。
よねさんとトラちゃんかな、言い合いのシーンだと思うんだけど、戦ってる女性と戦ってない女性。
戦ってない女性を責めるのはちょっと違うと思うみたいなシーンがあったと思うんですよ。
それぞれの戦い方
MAYO
あったね。
MISAKI
ね、あったよね。
MAYO
義理の姉にもなった親友を卑下するような発言をよねさんがして、いやそれは違うよって言ったシーンだよね。
MISAKI
そうそう、たぶん。
あそこのシーンがすごく私は印象に残ってて、結構ほら、
大衆を率いてさ、変えてやるんだっていう人もさ、一つの戦い方だとは思うんだけどさ、
じゃあ結構その他大勢が戦ってないかと言うとそれは違うよなっていうふうに思ってたから。
MAYO
大衆を率いるっていうのはどういうこと?
MISAKI
何と、扇動するっていうのかな。
自分、切り開いていくイメージの人。
MAYO
一応言っておくとよねさんは別に大衆を扇動したり率いようとはしてないよね。
よねさんは一匹狼喜んで、甘じて受け入れた上で自分の筋を通すっていう戦い方だよね。
MISAKI
あ、そうか。
MAYO
うん。別に何か群れようとしてないよね。
MISAKI
米さんは自分自身が戦っている自覚のある人。
MAYO
うん。
MISAKI
だけど、そうじゃないその他大勢の女性に対して戦ってないっていう、そういう見方をしてなかった?
そのぐらいで。
MAYO
そう。
MISAKI
うん。あ、だよね、だよね。
だからよねさんはそういう見方しちゃうんだけど、それに対してほらトラちゃんがね、言ったじゃない。
その他大勢の女性を戦ってないっていう認識でいるのは間違っていると思うっていうのを確か言ったと思うんだけど。
MAYO
うんうん。
MISAKI
うん、それに対してかなり。
MAYO
なんか弱音の話してたよね、確かね。
MISAKI
弱音の話だっけ、ごめんね、その辺ちょっとうろ覚えなんだけど。
MAYO
花江ちゃんが泣いちゃって、なんか私たちの辛さなんて、トラちゃんたちみたいに優秀で強い人には分かりっこないみたいな。
MISAKI
うんうんうん。
MAYO
って言ったらよねさんがとどめを刺すように、こんな奴にも寄り添えっていうのかみたいな。
MISAKI
あー。
MAYO
って言ったらはて?が繰り出されて。
MISAKI
はいはいはい。
MAYO
トラちゃんが、いや辛いんだったらみんなむしろ弱音を吐くべき?
MISAKI
うんうんうん。
MAYO
で、そんな弱音を受けられるような弁護士になりたいみたいなお話をしてたような気がする。
MISAKI
あー、そっか。
うんうん。
よねさんとトラちゃんのシーンを見て思ったのが、だから女性の戦い方ってやっぱ一つじゃないよねっていう風にそれで思って。
MAYO
うん。
MISAKI
なんか自分がさ、本当先頭に立ってやれやれってやるタイプの戦い方もあるし、それを見て影響されて動く人もいるだろうし、
あとなんていうのかな、別に槍を持って戦うことだけが戦い方じゃないなって思ったんだよね、そのシーンを見つつ。
MAYO
うん。
MISAKI
そういうサイレントに戦っている人も大勢にいるだろうなっていう。
で、その戦い方を肯定、それが悪いとは言いたくないしっていう。
で、私も多分今後、私もそういう戦い方をしてきたしっていう風なのを思った。
例えば、何だろうな、会社の飲み会でお釈っていう制度があったとして、これっておかしいよねっていうので、
うーん、自分から言い出すことはないけど、ちょっとやっぱおかしいよねって思いながらお釈はするっていうような、そう。
でも、それの戦い方は声を上げなきゃダメだよっていうことではなくて、そういう常に違和感を持ち続けるっていう戦い方もあるよねっていうので、
それはそう、米さんもその感じがわかってくれるといいなって思いながら見てました。
MAYO
違和感を持ち続けながらも受け入れることは戦っていることなのかな。
それはスンなんじゃない?
MISAKI
うーん、あーそう、そうか。
MAYO
花江ちゃんはスンじゃなくて、ちゃんと声を上げたんだよ。
お母さんがずっと私の味付けを褒めてくれないとか、私だってつらいことあるのに、
なんか、そんな寂しさわからないでしょって声を上げたんだと思う。
それはスンじゃないと思うんだよね。
だから、なんだろう、それを法律という武器を持ってインパブリックにするのか、
家庭内でずっと我慢してきたけど打ち明けるのか、
土俵は違くてもいいから、声を上げるってことそのものを評価するって言うんだったら、
私はまさにいいことだなって思う。
けど、ずっとスンでい続けたら、それは戦ってることにはならないんじゃないかなとは思う。
MISAKI
あーそう、そっか。
私は違和感を持ち続けるっていうことも一つの戦い方かなって思っちゃってるタイプの人間だから。
MAYO
でも、違和感を持ち続けるってどうするの?
MISAKI
どうするのって言われてもね。
MAYO
そのまま諦めちゃうことも戦いなのかな。
MISAKI
諦めはしない。
世の中がそういう雰囲気になった時に、フォロワーみたいな感じなんだろうね。
MAYO
どうフォローするの?
あ、そうでしょ。
私も思ってたっていう表明をするんだよね。
だから、やっぱり表明がついてこそ戦いなんじゃないかなって思う。
なんか黙ってたら何思ってるかわからないじゃない?
ただし、その表明の仕方っていうのは色々あるよねっていう。
MISAKI
そうだね。
確かにそうか、それは表明か。私もそう思ってたっていうのは。
MAYO
なんか表明セットで初めて戦ってるとか、戦うなのかな、対話するなのかな。
戦うって表現そのものが、トラちゃんが最初によねさんに対して、はて?を繰り出したように、
法律は武器じゃなくて盾、誰かを守る盾だと思うみたいな。
ほこたて戦争を最初の方にしてたような気がするけれど、
最終的にはトラちゃんは、いや、ほこたてでもなくて、
泉の源泉だみたいなことを言っていて、私は本当にそれって思ったんだけど、
なんか、とにもかくにも、なんか表明がセットかなとは思う。
何か世の中に対して良いことをなし得たいのであれば、かなと思う。
思い続けても特に何も変わらないし、誰かのためにもならないし、
ただしそのタイミングだったり場だったりは、それぞれが選んでいいんだよっていう。
MISAKI
そうだね。
MAYO
よねさんはそれを否定したからそうじゃないってトラちゃんがはて?を繰り出したんだと思ったんだ。
MISAKI
そうだね、そう思う。
MAYO
よねさんはね、戦うことが人生の支えになってる人だからね。
それをそのものも否定してはいけないんだけどね。
MISAKI
うん。
MAYO
なんか、たぶん戦うことをやめたら、彼女は生きていくのが難しくなるような人かもしれないから。
MISAKI
うん。ほんとそこが違いだな。
MAYO
それ違っちゃいけない。
MISAKI
そうそう。
MAYO
けど人を否定するのは違うよって。
あなたの戦い方は否定しないけど、あなたが人を否定するのも違うよっていう。
MISAKI
そうそうそう。
寅さんはちょっと若さゆえかなって思うところもね、たぶんにあるんだけど、
そういう発想になっちゃうの。
MAYO
辛い思い出がまだ鮮明にあるからかもしれないけどね。
MISAKI
私の印象に残ったシーンと言ったらそこかな。
MAYO
その後のシーンでさ、
俺にはわかるのさ。
お兄ちゃんが出てくるの最高だよね。
MISAKI
出てきてたっけ?そっか。
MAYO
いつもさ、俺にはわかるのお兄ちゃんがさ、
お母さんの味付けは甘めだよなとか言って。
あー。
俺にはわかるよって言って。
しかもお母さんにさ、大好きな息子を取られて寂しいんでしょ?とか言って。
違うみたいな空気を出してくれたのがさ。
MISAKI
いいね。
MAYO
でもさ、お兄ちゃんいいこと言ったんだよ。
思ってることは口に出していいって。
直道お兄ちゃん言うんだよ。
お兄ちゃんほんといいこと言うみたいな。
MISAKI
あんなキャラクターだからこそか?
MAYO
最高にいいよね。
2人で顔色ばっかり気にしてたら、本当に嫌いになっちゃうでしょって。
お母さんと花江ちゃんはみたいなこと言って。
それは嫌だなって2人とも言って。
うんうんって思ってることは口に出していいって。
お兄ちゃん大好きって思って。
そう、だから言っていいんだよね。
MISAKI
そうだね。
MAYO
言ってもいいんだよっていう対話の場を作るのって大切だよねって、
お兄ちゃん見て思った私は。
MISAKI
確かに。
喋んないでさ、自分の中で想像だけが膨らんでさ、
相手をより悪く見ちゃったりとかさ、あるよね。
MAYO
ね。
もしあのシーンだけで終わったら、一方的によねさんがさ、
ツンケンした悪い人みたいになっちゃったけど、
なんかその後、よねさんはそのまま嫌な感じでいてねって、
花江ちゃんが言って、
なんだよ、それって怒るけど、
次の日生理の苦しみ、つらさに効くツボを教えてくれるんだよね。
もう最高みたいな。
MISAKI
そう、ああいう描き方がバランス良くてすごく好き。
MAYO
ねえ、ほんと。
誰も悪者じゃないし、
でもいい人だけでもないっていう感じがいいよね。
MISAKI
いいよね、ほんと。
MAYO
人間味があって。
トラちゃんも間違えるし。
MISAKI
そう、そうなんだよ。
MAYO
リベラル派と言われる穂高先生も、
女性だからってそんなに頑張らなくてもいいよとか言っちゃうし。
MISAKI
あれすっごい、ドラマのキャラクターとしてはわけわかんないけど、
すっごくリアルだなって思ったの、あれ。
MAYO
リアルだよね。
いるいるっていう感じ。
なんかすごい、それこそ俺にはわかるみたいなさ、
女性に対して理解を示す人もさ、
はて?みたいなこと繰り出すことあるあるみたいな。
MISAKI
あると思って。
その辺を感心しながら見てたな。
MAYO
感心だよね、感動と言いますか。
それがかえってトラちゃんの背中を押すっていうのもさ、
どんな組み木構造なんですかみたいな。
すごいよね。
MISAKI
穂高先生だけじゃなくて、
花岡の結構人物造形、キャラクター造形も素晴らしいなって思ってさ、
ああいう、結構建前では女性の社会進出に対してよくわかってそうな感じだけど、
実際は本当のところの本質をわかってなかったりとかする人とか、
もういるよねとか思いながら見てた。
MAYO
でも、花岡さんは本質がわかってないんじゃないんじゃない?
それこそ、自分という人間としてはトラちゃんをいいなって思ってるし、
花岡さんのジレンマ
MAYO
素敵だなって思ってるし、なんだけど、
そういう人と結婚する家庭環境にない、
社会的構造の中にいないっていう、
そのジレンマだったんじゃないかなと思うけど。
優三さんは一方で、もう天外孤独の身なので、
そこを気にする必要もなかったので、
ただただトラちゃんが好きっていうところで一緒になれた。
そこもある気がするけどね。
佐賀のお家を背負ってるっていうのは、
あの時代は特に、
そして私たちが結婚した頃もあったと思うよ、特に地方は。
家を守らなきゃ、家を継がなきゃ、長子たるもの、長男たるもの。
MISAKI
長男とかはそうだね、そういうご家庭はあるよね。
MAYO
だからその社会構造から降りてくる、
社会構造と家文化と本人が、
この人と一緒になりたいって思う、
個人の趣味趣向とのねじれを表したのかなと思った。
だから花岡さんはねじれやギャップやジレンマで苦しむ人っていう風な描き方を、
最後までしてるんだなと思った。
時代や社会構造の影響
MAYO
花岡さんが死んだところで、私たち今、配信は止まってるんだけど、
それも法としての正しさと、人間が生きていく上での正しさの乖離に苦しんでいる。
結果、闇市でのお米は食べないってことで、栄養失調になって死んでしまうっていう。
なんか、すごく人間の非運を表してる人だなって思う。
MISAKI
そうだね、ちょっと、本質をつかんでないっていうのは間違えた言い方だったな。
そういう象徴としての存在だったね、ねじれっていう。
MAYO
この人が好きだけで結婚できない時代って、つい最近まであったし、今もあるかもしれない。
お家柄によっては。
MISAKI
そうだね、ちょっとそういうところも分かっていながら見ないと、あれかもね。
あれかもねって。
MAYO
あれかもね、なんだろう、どれかもね、はて。
MISAKI
言語化番組だっつってんだよっていうね。
MAYO
言語化が勝つか、私たちの老化が勝つか。
こそあど言葉が増えてくるお年頃ですが、私たちもそのねじれの中で戦っていきましょう。
今回はこの辺りで締めたいと思います。
番組では皆様からもお悩みやエピソード、トークテーマを募集しています。
メールアドレス、bcside2@gmail.com です。
MISAKI
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
MAYO
それではまた次回。