2025-05-27 07:53

生保4社に迫る債券リスク──国内債8.5兆円の含み損が示唆する文脈| 2025/5/27

0.1%の金利で約1兆円が吹き飛ぶ?※生保4社の純資産について公開情報がないものもあるのでおそらく約18~22兆円



サマリー

生命保険会社4社が抱える国内債券の含み損が8.5兆円に達し、過去1年で約4倍に増加しています。この状況は、今後の金利上昇とともにさらに悪化する可能性があり、金融市場全体に影響を及ぼすリスクが高まっています。

含み損の現状
はい、今日は2025年5月27日の日本時間の12時25分ですね。
ちょっとマーケットが硬着状態なので、昨日のニュースをちょっと気になったので、掘り下げたいなと思っています。
ちょっと触れたんですけど、生命保険会社4社の3月末の国内債券の含み損が8.5兆億というところのニュースですね。
1年前から約4倍に拡大しているというものになります。
ちょっとこれを掘り下げたいなと思っています。
このニュースから読み止められることは、まず4社というところがどこなのかというところなんですけど、
明治安田生命と隅友生命と日本生命、そして第一生命、この4社ですね。日本の4社になります。
いわゆるこれがIMFの中での定義でいうNBFYノンバンクといわれるものに含まれるものだと認識していますけれども、
これらの会社がですね、今日本の国内債券で8兆5千億の含み損があるというところになります。
1年前と比べて4.2倍に増えているということなので、1年前はおそらく2兆円ぐらいの含み損だったのかなと思っています。
これはですね、日本国債の30年近利で見たときなんですけど、これ3月時点なので3月で比較したいと思っています。
3月で比較するとですね、まず2025年の3月末の30年近利がですね、こちら側に本国債でいうと2.5%ぐらいだったんですね。
これが2024年の3月というところで見ると1.8%ぐらいなので、0.7%の上昇で含み損が6兆円増えて4.2倍になったというところがこの情報から読み取れることなのかなと思っています。
そしてですね、ここから考えたときに、何%上がるとどれぐらい上がるのかというのを計算してみようかなと思っていまして、それをざっくりと計算したというところなんですけど、
それがですね、ほんと単純計算なんですけど、この1.8%から2.5%になったというところで0.7%の近利差があって、その中で6.4兆円の含み損が増えているところなので、ほんとざっくり0.1%あたり約1兆円ぐらいの含み損が拡大するのかなというのが推察できます。
なので例えばですけど、これが今でいうと2.5%が3月なので今3%なので、今はおそらくそこからさらに5兆円ぐらい含み損が増えていて、13.1兆円ぐらいの含み損なんじゃないかなというのが見て取れます。
そうなったときにさらに5%増えたらというと、おそらく18兆円ぐらいの含み損になると。
この先ほど言った生命保険会社4社の準資産がどれぐらいかというと、だいたい20兆円ぐらいらしいんですね。
4社合計で言いますと16兆円ぐらいで、2025年3月末時点で言うと日本生命が4.8兆円、第一生命が4兆円、明治安田生命が3.5兆円、墨友生命が3.5兆円、合計16兆円ぐらいなので
今3%でおそらく13兆円ぐらいの含み損があって、さらにそこにアドオンで0.5%スパイクして30年金利が3.5%とかになった場合は、たぶんこの準資産を上回るぐらいの含み損、18兆円ぐらいの含み損になっているんじゃないかなと思っています。
金融市場への影響
というところで、会見自体はあまり金利が向上的に伸びていくということは想定していなくて、あまりリスクとしては軽微であると認識しているようなコメントがあったんですけど、本当にそうかなというのは気にしています。
IMFが指摘したまさにポイントとなる取引だと思いますし、それによる含み損というのがこうやって見て取れるという、去年より4倍に増えていて、まさに今も金利も上がっていてとなると、この含み損が準資産よりも大きい含み損になるというのは近い将来あり得るんじゃないかなと思っています。
なので、そうなるときには金利が上昇しているわけですから、株式市場の調整というものも招がれないと思いますし、債権以外の含み損という、今含み益のものの含み益が減ったり、あるいは他のアセットの含み損を拡大したりする可能性もあるので、このニュースは必ずしも軽視しない方がいいんじゃないかなと思っています。
国内債権だけですから、海外債権も米国債の格下げもありましたから、あれがジャブ打ちの形で保険会社のバランス異常に影響があると思っています。
なので、全体的に危機的な状況にある可能性は十分にあるんじゃないかなというのが、このニュースから読み取れるのかなと思っています。
国内でこれだけの含み損があるとして、さらに拡大して、さらに海外債権の含み損ももちろんあると思いますし、株式市場を調整したときのリスクというところもありますので、
IMFが指摘していたコロナショック以降の金融緩和状況下の中における保険会社のリスクテイクが、今になって次元爆弾のように火薬化しているというのはその通りだと思いますし、
それがまさに日本の保険会社においても起きていること。これが日本の保険会社のみならず、多分海外の保険会社も同じようなことがあると思いますので、
全体的にIMFが指摘しているNBFIのバンクに対するリスクというのは非常に今、マーケットにおける注目になるんじゃないかなと思っていますので、ぜひ皆さんもこの辺りにアンテナを張っていただければいいのかなと思っています。
本日は以上になります。それではもし私のコンテンツが良ければ、ロングプットするイメージでフォローいただければと思います。それではまた明日。
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