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寝落ちの本ポッドキャスト。こんばんは、Naotaroです。 このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、 それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
エッセイには面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。 作品はすべて青空文庫から選んでおります。
ご意見、ご感想、ご依頼は、公式エックスまでどうぞ。 寝落ちの本で検索してください。
また別途投稿フォームをご用意しました。リクエストなどをお寄せください。 そして最後に番組フォローもどうぞよろしくお願いします。
魯迅と狂人日記の紹介
さて今日は、魯迅さんの
狂人日記です。 昔、ふるさと、故郷ってやつを読みましたね。
現代は、 国語の教科書に載っている袖を読みました。
魯迅さん、中国近代文化を切り開いた作家、思想家。 代表的な小説に狂人日記、これ今日読みます。
故郷、これかつて読んだやつですね。 阿求聖伝などがあり、四夜三分社会批評も数多い。
ゴーゴリなど海外の作家の翻訳でも知られた。 ということで今日は、
その中でも狂人日記というやつを読みたいと思います。 文字数は9000文字ちょっとなので30分そこそこ
まあいかないかなという想定です。 どうか、寝落ちまでお付き合いください。それでは参ります。
狂人日記 坊くん兄弟数人はいずれも私の中学時代の友達で
久しく別れている時代よりも途絶えがちになった。 先頃ふと大病にかかったものがあると聞いて故郷に帰る途中
立ち寄ってみるとわずかに一人にあった。 病気にかかったのはその人の弟で
君がせっかく訪ねてきてくれたが本人はもうすっかり全開して管理候補となり 墓地へ赴任したと語り
大笑いして2冊の日記を出した。 これを見ると当時の病状がよくわかる。
旧友職に献辞てもいいというので持ち帰って一読してみると 病気は白外境の類で話がすこぶるこんがらがり筋が通らずデタラメが多い。
日付は書いてないが墨色も書体も一応でないところを見ると一時に書いたもので ないことが明らかでまま連絡がついている。
専門家が見たらこれでも何がの役に立つかと思って言葉の誤りは一時も直さず 記事中の声明だけを取り替えて一遍にまとめてみた。
署名は本人併読後自ら題したものでそのまま用いた。 7年4月2日記す。
1 今夜は体操月の色がいい。
俺は30年余りもこれを見ずにいたんだが 今夜見ると気分がことのほかさっぱりして初めて知った。
前の30何年間は全く夢中であったこと。 それにしても用心するに越したことはない。
もし用心しないでいいのならあの長家の犬めが何だって俺の目を見るのだろう。 俺が恐れるわけがある。
2 今夜はマルキリ月の光がない。
俺はどうも変だと思って早くから気をつけて門を出たが 長爺さんの目つきがおかしいぞ俺を恐れているらしい。
俺をやっつけようと思っているらしい。 他にまだ七八人もいるがどれもこれも頭や耳をくっつけて俺の噂をしている。
俺に見られるのを恐れている。 往来の人はみんなそんな風だ。
中にも薄気味の悪い最も悪どい奴は口をぴょげて笑っていやがる。 俺は頭のてっぺんから足のつま先までヒヤリとした。
わかった。 彼らの手配がもうちゃんとできたんだ。
俺はびくともせずに歩いていると前の方で一群の子供がまた俺の噂をしている。 目つきは長爺さんとそっくりで顔色はみな鉄製だ。
一体俺は何だってこんな子供から恨みを受けているのだろう。 とてもたまったものじゃない。
大声上げてお前は俺に訳を言えとどなっていると彼らは一惨に逃げ出した。 俺と長爺さんとは何の恨みがあるのだろう。
往来の人にもまた何の恨みがあるのだろう。 そうだ
20年前、古旧先生の古長面を踏みつぶしたことがある。 あの時古旧先生は体操不機嫌であったが長爺さんと彼とは知り合いでないから定めてあの話を聞き
伝えて不平を引き受け、 往来の人までも俺に恨みを抱くようになったのだろう。
だが子供らは一体どういうわけだい。 あの自分にはまだ生まれているはずがないのに何だって変な目つきでジロジロ見るのだろう。
俺を恐れているらしい。俺をやっつけようと思っているらしい。 本当に恐ろしいことだ。本当に痛ましいことだ。
おお、わかった。 これはてっきりあいつらのお袋が教えたんだ。
3
一晩中眠れない。何事も研究してみるとだんだんわかってくる。 彼らは
知見に鞭打たれたことがある。紳士から針で送らったことがある。 子役人からかかわを取られたことがある。
また彼らの親たちが金貸しからとっちめられて無理時によさせられたことがある。 その時の顔色でも昨日のようなあんなすごいことはない。
もっとも機会に感じるのは昨日往来であったあの女だ。 彼女は子供を叩いてじっと私を見つめている。
おじさん、私はお前に二つ三つ噛みついてやらなければ気が済まない。 これには私も全く脅かされてしまったが、あの牙むき出しの青っ面がなんだか知らんが、みんな笑い出した。
すると陳老後がツカツカ進んできて、私を踏んづかまえて家へ連れて行った。 家の者は私を見ても知らんぷりして書斎に入ると鍵をかけ、まるで鳥がものように扱われているが、このことはどうしても私の負に落ちない。
四五日前に狼村の小作人が不況を告げに来た。 彼は私の大兄貴と話をしていた。
村に一人の大悪人があって寄ってたかって打ち殺してしまったが、中には彼の心臓をえぐり出し油入りにして食べたものがある。
そうすると肝が太くなるという話だ。 私は一言差し出口をすると、小作人と大兄貴はじろりと私を見た。
その目つきが昨日あった人たちの目つきに寸分互いのないことを今知った。 思い出してもぞっとする。
彼らは人間を食い慣れているのだから私を食わないとも限らない。 見たまえ。
あの女がお前に噛みついてやると言ったのも、大勢の牙剥き出しの青面の笑いも、 先日の小作人の話もどれもこれも皆暗号だ。
私は彼らの話の中から、そっくりそのままの毒を見出し、 そっくりそのままの刀を見出す。
彼らの牙は生白く光って、これこそ本当に人食いの道具だ。 どう考えても俺は悪人ではないが、
人間社会の批評
呼吸先生のフル長面にケツまずいてから、とても難しくなってきた。 彼らは何か意見を持っているようだが、私は全く推測ができない。
まして彼らが顔を背けて俺を悪人と言いふらすんだから、さっぱりわからない。 それで思い出したが、大兄貴が俺に論文を書かせてみたことがある。
人物評論でいかなる好人物でも、ちょっと草した句があると、彼はすぐに献天をつける。 人の悪行を書くのがいいと思っているので、そういう句があると、
本天明宗、宗と同じからず、と褒め立てる。 だから俺には彼らの心がわかるはずがない。
まして彼らが人を食おうと思う時なんかは。 何に限らず研究すればだんだんわかってくるもので、昔からは人は人をしょっちゅう食べている。
私もそれを知らないのじゃないが、はっきり覚えていないので、歴史を開けてみると、 その歴史には年代がなく曲がり歪んで、
どの紙の上にも、人道、義徳というような文字が書いてあった。 ずっと眠らずに夜中まで見つめていると、文字の間からようやく文字が見え出してきた。
本一杯に書き詰めてあるのが、食べる人、食人の虹。 このたくさんの文字は古作人が語った山山の話だ。
それがみんなゲラゲラ笑いだし、君の悪い目つきで私を見る。 私もやっぱり人間だ。彼らは私を食いたいと思っている。
4 朝、せいざしていると、ちん老後が飯を運んできた。
野菜が一皿、蒸し魚が一皿。 この魚の目玉は白くて硬く、口をパクリと開けて、それがちょうど人を食いたいと思っている人たちのようだ。
箸をつけてみると、つるつる、ぬらぬらして、魚か知らん、人か知らん。 そこで腹渡ぐるみそっくり吐き出した。
老後、兄貴にそう言ってくれ。俺は気が草草してたまらんから、庭内を歩こうと思う。
老後は返事もせずに出て行ったが、すぐに帰ってきて門を開けた。 私は身動きもせずに彼らの手配を研究した。
彼らは話すはずはない。果たして兄貴は一人の親父を引っ張ってきて、ぶらぶら歩いてきた。
彼の目には気味悪い光が満ち、私の見破りを恐れるようにひたすら頭を下げて地に向かい、
眼鏡の横べりからちらりと私を眺めた。 兄貴は言った。
お前、今日はだいぶいいようだね。 はい。
今日は、花先生に来ていただいたから見てもらいな。 ああ、そうですか。
実際私はこの親父が首切り役であるのを知らずにいるものか。 脈を見るのをつけたりにして肉付きを図り、その手柄で一部の肉の分配に預かろうというのだ。
俺はもう恐れはしない。肉こそ食わぬが肝玉はお前たちよりよっぽど太いぞ。 二つの原稿を差し出して、彼がどんなふうに仕事をするか見てやろう。
親父は座っていながら目を閉じてしばらくはさずってみたり、 またポカンと眺めてみたり、そうして鬼の目玉を向き出し。
あんまりいろんなことを考えちゃいけません。 静かにしていると時期に良くなります。
ふん、あんまりいろんなことを考えちゃいけません。 静かにしていると太りますわ。
彼らは余計に食べるんだからいいようなものの、俺には何のいいことがある。 時期に良くなりますもないもんだ。
この大勢の人たちは人を食おうと思って陰になり日向になり、 小盾になるべき方法を考えて、なかなか手っ取り早く片付けてしまわない。
本当にお笑い草だ。 俺は我慢しきれなくなって大声あげて笑い出し、すこぶる愉快になった。
自分はよく知っている。この笑い声の中には義勇と正気がある。 親父と兄貴は顔色を失った。俺の勇気と正気のために鎮圧されたんだ。
だがこの勇気があるために彼らはますます俺を食いたく思う。 つまり勇気にあやかりたいのだ。
親父は門を跨いで出ると遠くも行かぬうちに、早く食べてしまいましょうと小声で言った。 兄貴は我転した。
さてはお前が元なんだ。この一大発見は意外のようだが決して意外ではない。 仲間を集めて俺を食おうとするのは鳥も直さず俺の兄貴だ。
人を食うのは俺の兄貴だ。俺は人食いの兄弟だ。 俺自身は人に食われるのだがそれでもやっぱり人食いの兄弟だ。
5 この幾日の間は一歩引いて考えてみた。
たとえあの親父が首切り役でなく本当の医者であってもやはり人食い人間だ。 彼らの祖師、李知人が作った本草なんとかを見ると人間は煎じて食うべしと明らかに書いてある。
彼はそれでも人肉を食わぬということが時栄養か。 うちの兄貴ときては全くそう言われても仕方がない。
彼は本の講義をしたときあの口から直に、 こうかえてしかして食らうと言ったことがある。
また一度偶然ある良からぬものに対して議論をしたことがある。 その時の話に彼は殺されるのが当然でまさにその肉を食らいその皮にいぬべしと言った。
当時私はまだ小さかったがしばらくの間胸がドキドキしていた。 先日ローソンの古作人が来て肝を食べた話をすると彼は格別驚きもせずに絶えず首を揺り動かしていた。
空見たことか。おお、根が残酷だ。 こうかえてしかして食らうが良いことならどんなことでも皆かえられる。
どんな人でも皆食い得られる。私は彼の講義を迂闊に聞いていたが、今あの時のことを考えてみると彼の口葉には人間の脂がついていて、腹の中には人を食いたいと思う心がはち切れるばかりだ。
6 真っ黒けのけで昼か知らん夜か知らん長毛の犬が鳴き出しやがる。
四肢に似た狂人。 ウサギの凶だ。コリの狡猾。
7 私は彼らの手段を悟った。
手っ取り早く殺してしまうことは嫌でもあるし、またやろうともしないのだ。 積みたたりを恐れているから皆の衆が連絡を取って網を張り詰め、私に自害を迫っているのだ。
4,5日この方、往来の男女の様子を見ても兄貴の行動を見ても、八窪、通りは誘われてきた。
狂人の日常
一番都合のいいのは帯を解いて針に掛け、自分でくびれて死ねば彼らに数人の罪名がないわけだ。
そうすれば自然願いが通って皆大喜びでネズミ泣きするだろう。 しかし驚き恐れ憂い悲しんで死んでもいくらか痩せるくらいでまんざら役に立たないことはない。
彼らは死肉を食べつつある。 何かの本に書いてあったことを思い出したが、カイオツナという一種の白者がある。
目つきと様子がとても醜い。 いつも死肉を食ってどんな大きな骨でもパリパリと噛み砕き、腹の中に飲み下してしまう。
思い出しても恐ろしいものだが、このカイオツナは狼の親類で、狼は犬の本家である。 先日長家の犬めが何度も俺を見たが、
さてこそ彼も一味妥当でもう引き合いも済んでいるのだろう。 あの親父がいくら地面を眺めたって俺を誤魔化すことができるもんか。
中にも気の毒なのは俺の兄貴だ。 彼だって人間だ。恐ろしいこととも思わずに何故仲間を集めて俺を食うのだろう。
やっぱり長年の引退りで悪いこととは思っていないのだろう。 それとも良心を喪失してしまって知っていながらことさら犯しているのだろう。
私は職人者を呪う。 まず彼から発揮して職人の人たちを勧誘し、また彼から先手をつける。
8
実際この書の道理は今になってみると彼らもわかりきっているのだ。 ひょっくり一人の男が来た。
年頃は二十前後で、人相はあまりはっきりしていないが、顔中に笑いを浮かべて私に向かってお辞儀をした。
彼の笑いは本当の笑いとは見えない。私は聞いてみた。
人食いの仕事はうまくいったかね? 彼はやっぱり笑いながら話した。
貴勤念じゃあるまいし、人を食うことなどできやしません。 私は彼が仲間であることにすぐに気がついた。
人を食うのを喜ぶのだろうと思うと、勇気100倍して無理にも聞いてやろうと思う。
うまくいったかい?
そんなこと聞いてどうすんだ。お前は本当にわかるのかね? 冗談を言ってるんじゃないかな?
今日はたいそういい天気だよ? 天気もいいし月も明るい。だが俺はお前に聞くつもりだ。
うまくいったかい? 彼はいけないと思っているのだろう。曖昧な返事をした。
いけ。 いけない?あいつらはもう食ってしまったんだろう?
ありもしないこと。 ありもしないこと?
ローソンでは現在食べているし、本にもちゃんと書いてある。 出来たてのホヤホヤだ。
彼は顔色を変えて鉄のように青くなり、目を見張っていった。 あるかもしれないが、まあそんなものさ。
まあそんなものだ?じゃあうまくいったんだね。 私はお前とそんな話をするのは嫌だ。どうしてもお前は間違ってる。
話をすればするほど間違ってくれ。 私は飛び上がって目を開けると、体中が汗びっしょりになり、その人の姿は見えない。
人を食う社会
年頃は私の兄貴よりもずっと若いが、こいつはてっきり仲間の一人に違いない。 きっと彼らの親たちが彼に教えて、そうしてまた彼の子供に伝えるのだろう。
だから小さな子供らがみな憎らしげに私を見る。
自分で人を食えば人から食われる恐れがあるので、みな疑い深い目つきをして顔と顔と覗き合う。 この心さえ覗き去れば、安心して仕事ができ、道を歩いても飯を食っても睡眠しても、なんと朗らかなものであろう。
ただこの一本の式、一つの席書があればこそ、彼らは親子、兄弟、夫婦、方友、指定、旧敵。
各々愛知らざる者までもみな一丸に固まって、互いに進め合い、互いに牽制し合い、死んでもこの一歩を跨ぎ去ろうとはしない。
10 朝早く兄貴のところへ行ってみると、彼は道門の外で空を眺めていた。
私は彼の後ろから近寄って門前に立ちふさがり、いとも静かに、いとも親しげに彼に向かって行った。
兄さん、私はあなたに言いたいことがある。
ん、お前、言ってごらん。
彼は顔をこちらに向けて頭を動かした。
私は二つ三つ話をすればいいのだが、うまく言い出せるかしら。
兄さん、たいてい初めの野蛮人はみな人を食っていた。
後になると心の持ち方が違ってきて、中には人を食わぬ者もあり、その人たちは太刀の良い方で、人間になりかわり真の人間になりかわった。
またある者は虫けら同様にいつまでも人を食っていた。
またある者は魚鳥や猿に変化し、それから人間になりかわった。
またある者は良いことをしようとは思わず、今でもやはり虫けらだ。
この人を食う人たちは人を食わぬ人たちに比べてみると、いかにも忌まわしい、はずべき者ではないか。
おそらく虫けらが猿に劣るよりももっと華々しい。
エキガが彼の子供を虫して血中に食わせたのはずっと昔のことで、誰だってよくわからぬが、
バンコが天地を壊滅してからずっとエキガの時代まで子供を食い続け、エキガの子からずっとジョ・シャクリンまで、ジョ・シャクリンからローソンで捕まった男までずっと食い続けてきたのかもしれない。
去年も城内で犯人が殺されると、老少闇の人が彼の血を満塵に浸して食った。
あの人たちが私を食おうとすれば、まったくあなた一人では報返しがつくまい。しかし何も無効へいて仲間入りをしなければならぬということはあるまい。
あの人たちが私を食えば、あなたもまた食われる。結局仲間同士の食い合いだ。
狂気の反映
けれどちょっと方針を変えてこの場ですぐに改めれば、人々は大平無事で、たとい今までの仕切りがどうあろうとも、私どもは今日特別の改良をすることができる。
何、できないとおっしゃるのか? 兄さん、あなたがやればきっとできると思う。
こないだ故作人が幻想を要求したとき、あなたができないと跳ねつけたように。
最初彼はただ冷笑するのみであったが、まもなく目が気味悪く光ってきて、彼らの秘密を解き破った頃には顔中が真っ青になった。
表門の外には大勢の人が立っていて、長爺さんと彼の犬もその中に混じって、みんなおそろおそろ近寄ってきた。
ある者は顔を見られぬように頬かぶりをしていたようでもあった。
ある者はやはりいつもの青面で出っ歯を押さえて笑っていた。
私は彼らがみな一つの仲間の食人種であることを知っているが、彼らの考えがみな一様でないことも知っている。
その一種は昔からの仕切りで人を食っても構わないと思っているもので、他の一種は人を食ってはいけないと知りながらやはり食いたいと思っているものである。
彼らは他人に説破されることを恐れているので、私の話を聞くとますます腹を立て、口を尖らせて冷笑している。
この時、兄貴はたちまち狂騒を表し、大活一斉した。
みんな出て行け。キチガエを見て何が面白い。
同時に、私は彼らの巧妙な手段を悟った。彼らは開始にしないばかりかすでに用心深く手配して、
キチガエという名を私にかぶせ、いずれ私を食べる時に無事に辻褄を合わせるつもりだ。
みんなが一人の悪人を食った。小作人の話もまさにこの方法で、これこそ彼らの常用手段だ。
辛老後はプンプンしながらやってきた。どんなに私の口を抑えようが、私はどこまでも行ってやる。
お前たちは開始にせよ。真心から開始にせよ。うん、わかったか。人を食う人は将来世の中にいられず、生きてゆかれるはずがない。
お前たちが開始にせずにいれば、自分もまた食いつくされてしまう。
仲間が増えれば増えるほど、本当の人間によって滅亡されてしまう。漁師が狼を狩りつくすように、虫けら同様に。
彼らはみな辛老後に追い払われてしまった。 辛老後は私に勧めて部屋に帰らせた。
部屋の中は真っ暗で、横張りと樽木が頭の上で震えていた。
しばらく震えているうちに大いに持ち上がって私の体の上に退席した。
なんという重みだろう。跳ね返すこともできない。 彼らの考えは私が死ねばいいと思っているのだ。
私はこの重みが嘘であることを知っているから、押しのけると体中の汗が出た。
しかし、どこまでも行ってやる。お前はすぐに開始にしろ。真心から開始にしろ。
うん、わかったが、人を食う奴は将来入れられるはずがない。
11
太陽も出ない。門も開かない。毎日二度のご飯だ。
私は箸をひねって兄貴のことを思い出した。 わかった。妹の死んだわけも全く彼だ。
あの時妹はようやく5歳になったばかり。 その意地らしい可愛らしい様子は今も目の前にある。
母親は泣き続けていると、彼は母親に勧めて泣いちゃいけないと言ったのは、
大方自分で食ったので泣き出されたら多少気の毒にもなる。 しかし果たして気の毒に思うかしら。
妹は兄貴に食われた。母は妹が亡くなったことを知っている。 私はまあ知らないことにしておこう。
母も知っているに違いない。が泣いた時には何も言わない。 大方当たり前だと思っているのだろう。
そこで思い出したが、私は4、5歳の時、 童然にすずんでいると兄貴が言った。
親の病には、こたる者は自ら一切れの肉を切り取って、 それを煮て親に食わせるのが良き人というべきだ。
母もそうしちゃいけないとは言わなかった。 一切れ食えばだんだんどっさり食うものだ。
けれどあの日の泣き方は今思い出しても人の悲しみを催す。 これは全く奇妙なことだ。
12 想像することもできない。
4,000年来時々人を食う地方が今ようやくわかった。 私も長年その中に混じっていたのだ。
兄貴が火星の切り盛りをしていた時にちょうど妹が死んだ。 彼はそっとお菜の中に混ぜて私どもに食わせたことがないとも限らん。
私は知らぬままに何ほどか妹の肉を食わないことがないとも限らん。 現在いよいよ俺の番が来たんだ。
4,000年間人食いの歴史があるとは、はじめ私は知らなかったが今わかった。 誠の人間は見出しがたい。
13 人を食わずにいる子供はあるいはあるかもしれない。
救えよ救え、子供。
1918年4月。 1932年発行。改造者。路人全集より読了。読み終わりです。
ちゃんと狂っていったね。治ったのこの人。 狂っていると言い方があれなんですが、
認識違いで思い違いが過ぎて、しかも元気に喋るとなると手がつけられない感じになるよね。
認知症みたいなやつ。認知が違う。 でも体は元気だから行動できるしさ、なんなら攻撃的になったりとかもさ、
そうするといよいよ 厄介な人という感じになっちゃいますね。まあ今時代が進んで病気ということになってますが、
病気ということになっているというか、症状が、こういう症状がこの病気にはあるんだということが解明が進んで、名前がついてるからね、ちゃんと病名が。
だからちょっとこう 整理しやすくなりましたね。心の整理が見ている側も
なったなぁと思いますけど。昔はね、それこそ 徘徊老人とか
勤務を来てれずすぎて 山場だとか言われてたはずなので
彼らは彼らで何か目的があって移動してるらしいんですけどね。 ちょうど僕の同い年の
女の子のお母さんが最近ちょっと危ういって言って嘆いてましたね。 認知症なんじゃないかって。物忘れが最近特にひどいって言って
お母さんいくつ言ってたっけなぁ。70代後半だったと思いますが まあそろそろ始まる頃なのかなと思いますよね。
あのラジオ番組の投稿コーナーでその認知症の親を持っている方が、その親が私を忘れてしまっている、 認識できていないっていうことのエピソードとか聞くにつれ
胸にズキューンときますよね。 そっかーってね。なんか
折り合いつけられるかなって。 いやー折り合いつけられる自信ないわ。
街中で大声を上げたり気声を上げたりしている人がいても、まぁそんなに霧の目で見ずに 生温かく見守るしかないのかなぁ。
この前新宿で西新宿の淀橋カメラの近くですけど 外国の人だと思うんだけどね。だからまぁ酒に酔っ払ってるか
なんか薬でラリってんのか知らないんですけど すごい大声で
かーめーはーめー かーめーはーめー
狂人日記のテーマ
ずっとはーって打たないとね。大声で。 いつ歯を打つんだって言う。
ずっとカメハメ言ってましたね。早く打たないとあんた。 みんな僕たちモヤモヤしてるよって。
そんな大声でみんなに聞かすならちゃんと打ってよって思ってましたね。
またちょっと別の日、またその近くなんですけど、これはね代々木と新宿の間ぐらいなんですが、雨降ってて土曜日だったんですけど
お昼前ぐらい 仕事に行くので傘さして歩いてたんですよ。皆さん映像を想像してほしいんですが
えーと、目の前に横断歩路の一本の道があって横たわってて
僕から見て右から左に一方通行になっているのかな。で、車自体は2台3台ぐらい通れそうなまあまあの道幅なんですが
一方通行なんですよ。で、そのだから路中が結構発生して、僕が今から渡って向こう側に用事があるので渡りたいんですけど
傘さしててね。で、その路肩、僕から見た手前、右手手前側に止まっている車が止まっててレクサスが
で、で信号もないので横断歩道もないので、まぁちょっと車の前を通って、停車している車の前を通って右左見て渡るかなって
しようとしたその右を見た瞬間にレクサス乗っているお姉さんの顔がパッと明るくなって
あ、11時5分ぐらいの形でこう握ってたハンドルの手があって上がって両手でひょこひょこひょこって
あ、待ってた待ってたみたいな感じでこっち振るんですよ手を。で、全然知らない人なんで僕。歳の頃はねそうですね50手前ぐらいだと思うんですけど
待ってた待ってたって感じだったんですけど、僕知らないしその向こう岸に用があるからあれおかしいのどこだった人だろうなって
首をかしげながら一応渡り切ったんですよ。渡り切って向こう岸でまた振り返って車の方をもう一回見直して
やっぱり知らない人だなって確認してるんですけどそのお姉さんはもうパワーウィンドウをわーって下げて
なんでそっち行っちゃうのか、早くこっち来てよみたいな感じになってるんですけど僕もずっと眉間にシワを寄せて
え、誰だろうこの人。どこかで会った人かな。ていうか車に乗っている人と会う予定なんかもないしたまたまのしれ
うーんってこうやってたらお姉さんがついぞ、あっなんかすいません人違いだったみたいみたいな形で手をこうバッテリーして
僕はその場を立ち去ったんですけど ここからこう何が読み取れるかということですよ
つまりあの50歳ぐらいのお姉さんは顔の知らない男と待ち合わせをしてたはずなんですね 土曜日の昼から
で僕の見た目ですが最近そうだな30代中盤ぐらいって言われるかな ので
年下の若い男と遊んでるお姉さんの現場に会わせたわけです これはなかなか勇敢マダムの昼遊びがすごいですよ
よっぽど僕と顔が似てる人と待ち合わせしたのかそれかもう服装がバッチリその効かされてた やつと一緒だったのかわかりませんけど
ねもともと顔なじみの人だったらそんな間違い多分押すを犯さないと思うので これはね
ハレンチですね
そのレクサスはあなたのお金で買ったんですかって聞きたいですよね旦那の金じゃない のって
余計な余計な詮索ですじゃあ水がねもう 僕はこれから仕事行くっていうのにあんたはこれから遊ぼうとしてんだねっていう
別に悲願でないけど もう皆さん欲求不満ですね本当に
以上東京の街で転がっている一コマでした
エピソードのまとめ
それじゃあ終わりにしましょうか 無事に寝落ちできた方も最後までお付き合いいただいた方も大変にお疲れ様でした
といったところで今日のところはこの辺でまた次回お会いしましょう おやすみなさい